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Uカー試乗記

Uカー試乗記

掲載日 : 2006年09月17日

2002 アウディ オールロードクワトロ

第32回:オンもオフもOK! プレミアムな万能車 アウディオールロードクワトロ

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オンロードとオフロードもOK! 万能クロスオーバーSUV

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オールロードの看板に偽りなし! アウディ初のクロスオーバー

クワトロと可変エアサスを搭載した電気仕掛けのこのクルマ。超高速巡航からパリダカ並の悪路までを自由自在に走破できる、そのコンセプトは欲張り以外のナニモノでもない。それをキチンと具現化してちゃうのがアウディの凄いトコロ

先代の「A6アバント」(1997年~2004年)をベースにした、アウディ初のクロスオーバーモデルが「オールロードクワトロ」だ。デビューは2000年3月、日本には翌年2月から導入された。平たく言えば「車高を上げたワゴン」であるが、専用の前後バンパー、ステンレス製アンダーガード、オーバーフェンダーなどで武装するとともに、技術オタク(?)のアウディらしく、自慢の4WD「クワトロ」と、車高を4段階調整できる可変エアサスを採用。オンロードとオフロード、その双方の能力を最大限に両立させた、文字通りの万能マシンだ。

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累計販売台数2471台のカルトカー

最上級グレード「4.2」はV8エンジンの搭載のほか、モールやフェンダーなどがボディ同色化されているのが特徴 (画像:アウディ・ジャパン)

ステーションワゴンにSUVの要素を加えたクロスオーバーの市場は、1990年後半から北米を中心に話題となった。これを見逃さなかったアウディは2000年、A6アバントをベースに、オフロード風に仕立てたエクステリアと、可変エアサスを備えたオールロードクワトロを発売する。スイッチひとつで車高が上下するなど、オフロードに踏み込める機能がウケて、デビューから4年間の累計販売台数は予想をはるかに上回る9万台を記録した。ただ、新車価格が高かったこともあってか、日本市場での絶対的な販売数は決して多くなかった。アウディ全体の5%ほどで推移し、国内の累計販売台数は2471台。過去最高の売り上げを毎年更新していたアウディとしては、近年まれにみるカルトな存在といっていいだろう。

マイナーチェンジ&特別仕様車なし

06年9月の登場した現行型「A6オールロードクワトロ」 (画像:アウディ・ジャパン)

2001年2月の日本発売時は「2.7T」の単グレードでスタート。2.7リッターV6ツインターボにマニュアル操作できるティプトロ5ATを組み合わせ、オプションとしてレカロシート、キセノンヘッドライト、クルーズコントロール、サンルーフ、MMS(オーディオ・テレビ・DVDナビ)が用意された。2002年4月に追加された「2.7T SV」は装備を簡略化した廉価グレードだ。エアサスやV6エンジンなどの基本性能はそのまま踏襲しつつ、ルーフレール、サイドシルカバー、ウインドモールがすべてブラックアウト化され、内装も本革からファブリック素材に変更されるなど、低価格化が図られた。また、同年9月にはボディカラーの選択肢が4色から8色に広がった。

2003年10月に追加された「4.2」は、4.2リッターV8+5速ATを搭載する最上級グレードだ。このV8エンジンは高性能スポーツモデル「S4」とほぼ同様のものだが、エンジンがコンパクト化されるなど設計変更されるほか、エアサスの動作プログラムが少し見直された。内外装も2.7Tとの差別化が図られた。ルーフレール、サイドシルカバー、バンパーがボディ同色化され、ホイールは1インチアップの18インチに。また、キセノンヘッドライトやレカロシート、MMS、BOSEサウンドシステムなど従来オプション扱いだった装備も標準化され、ステイタス度をさらに引き上げた格好だ。2006年9月のフルモデルチェンジまで、都合3グレードが販売されたが、5年以上の間、これといったマイナーチェンジはなく、特別仕様車も登場しなかったのは珍しいケースである。モデル末期の価格は2.7T SVが629万円、2.7Tが734万円、4.2が861万円。

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プロテクター機能をもつ樹脂パーツで武装

ベースとなったA6アバントは、美しくエレガントなクルマだったが、当時、日本市場での人気は決して上々ではなかった。その要因は、少々上品すぎて存在感が弱かった、という点にあったと思う。そうした点で見ると、オールロードクワトロのルックスは思わず「おっ!」と注目してしまうぐらいのインパクトがある。

ボディサイズは全長4815mm×全幅1885mm×全高1530mm。A6アバントと比較して、10mm長く、75mm広く、40mm高い。ヘッドライト、フロントグリル、オーバーフェンダーなどはすべて専用デザインで、さらにルーフパネルは補強リブを入れるとともにマット(艶消し)仕上げとし、ステンレス製のアンダーガードを前後に取り付ける……といったデコレーションで、ダイナミックさとワイルドさを演出している。ホイールも2枚のディスクを重ねたような凝ったデザインで、「ただ車高を上げました」というお手軽感は微塵も感じられない。

汚して高級ホテルに乗り付けてもサマになる

A6アバントからの後付パーツは、ほぼすべてが樹脂むき出し。4.2Tはボディ同色化が図られているが前後バンパーの一部は樹脂むき出しのまま。黒い板をペタッと貼り付けたみたいで、ちょっと違和感が残る

今回のサンプルカーは主力グレードの2.7T。SUVテイストをアピールするフェンダーアーチモールにスリキズがあったものの、まったく気にならないのは「樹脂むき出し」がゆえのメリット。かりに修理したとしても安くつく。汚れるほど際立つキャラクターでありながら、そのまま高級ホテルのエントランスに横付けしてもサマになるクルマは、そうあるものじゃない。タワーパーキングに入庫できる全高も、都心暮らしの人にとっては見逃せない魅力だろう。

マニア心をくすぐるメカニズム、可変エアサス

自動または手動により142mmから208mmの範囲で最低地上高が変化する「4レベル・エアサスペンション」

スポーツ四駆の老舗であるアウディが打ち出した、「ウチが作るとこうなるぞ」的な特徴として、4段階の車高調整システム「4レベル・エアサスペンション」がある。自動または手動により142mmから208mmの範囲で最低地上高が変化する。走行状況に応じて、例えば167mmのノーマルレベルを中心に、速度が130km/hを超えると(日本の道交法では無理ですが)自動的に車高が142mmまで下がり、重心と空気抵抗を下げて高速性能を引き上げる。インパネ上のスイッチを押せば、じわじわと車高を上げたり下げたりできる。車内にいる限り、劇的な変化は体感しづらいものの、外から見た印象はずいぶん変わる。最も車高が高い状態が一番カッコいい、と思うし、個性もいっそう際立つ。「ローダウンするとカッコよく見える」という定石は、このクルマには当てはまらないようだ。

 

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オーソドックスなインパネ

最新モデルと比較するとさすがにデザインの古さは隠せないが使い勝手はいい。品質の高さも美点のひとつだ

インパネはA6アバントとほぼ共通。ウッドパネルなどのマテリアルも似たものが使われていて、SUVにありがちな「土の匂い」はまったく感じさせない。スイッチも折り目正しく並ぶ。まさに「精密」という言葉がぴったりのクオリティであり、このあたりは他のアウディ車同様の美点といえる。

 
2.7Tに標準装備の本革シートは2色のコンビネーションカラー。写真のグレー系のほか、グリーン系とベージュ系がある

サンプルカーは4年落ち、走行距離35000km。経年劣化は、まだまだ序の口レベルで、本革シートの表皮はピチピチしてるし、取り付け部分のガタもない。この類のクルマは、山や海で酷使されがちだが、オールロードクワトロに限っていえば、けっこう箱入りよろしく大切に乗られているケースが多いようだ。なんせ当時の新車価格は734万円。経済的に恵まれたクルマ通がパーフェクトな状態で維持していた、そんな想像がつい働いてしまう。

 
後席は6:4分割可倒式のダブルフォールディングを採用。トノカバーのほか、キャビンへの荷物の侵入を防ぐネットも装備

A6アバントは荷室容量よりスタイリッシュなデザインを優先するため、オールロードクワトロの荷室容量はライバル車に劣る。例えばボルボXC70が最大1641リッターなのに対し、オールロードクワトロは1590リッター。ベンツEクラスワゴンと比較すると100リッターも小さい。とはいえ、フル乗車状態でもゴルフバッグ4セットはゆうに積めるし、釣竿やスキー板といった長尺物だってOKなのだから、積載能力は余裕で合格点クリア。それよりも前席用のカップホルダーが1名分しかない点のほうが不便に感じるかも。

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オンもオフもOK。バランスの取れた好印象の走り

言街中をチンタラ走るのもいいけど、高速巡航の気持ちよさはやっぱり格別! レジャーの道のりも楽しくなるハズ

2.7リッターV6ターボエンジンの最高出力は250馬力/5800rpm、最大トルクは35.7kgm/1800~4500rpm。車重がA6アバントの100kg増にあたる1860kgに達するものの、トルクのピークをわずか1800回転で発生させるため加速は強力。ターボラグも小さく、アクセルを踏むと即座にドンとくる出足の良さだ。わざわざ高いお金を払ってまでV8エンジン(最高出力300馬力/5800rpm、38.8kgm/2700~4600rpm、車重1900kg)の4.2を選ぶこともないな、という考えが頭をよぎる。エアサスによる乗り心地もこれといった不満はなく、高速のうねり路などで姿勢制御は滑らかで、不安定な挙動をしめしたりすることもない。どちらかといえばスポーティーなフィールのフットワークだ。

 

荒れたオフロードを走らせることはできなかったが、208mmのロードクリアランスとクワトロのコンビネーションがあれば、サバイバルマッチにでも使うような極悪路でもない限り、走破にてこずることはないだろう。また、運転の面白さを増幅するのが、指先でシフトダウン&アップができるステアマチック。今となっては珍しくないアイテムだが、この手のクルマとしては、まだまだ少数派であり、密やかなセールスポイントとなっている。

ライバル車と比べてどうよ?

ワゴンベースのクロスオーバー車というコンセプトはボルボXC70と同じでも、内装の雰囲気や走り味はまったく違う。どっちがいいかは好み次第

同日、ライバル車と目されるボルボXC70にもチョイ乗りしてみた。ドライバーをトバす気にさせないユル~イ走りが持ち味(?)のXC70に対し、オールロードクワトロはズシッ、シャキッとしたドイツ車らしい走りを好演。特に高速領域でのオンロード性能の高さは、SUVを含めたライバルに対する最も大きなアドバンテージであり、このクルマ一番の魅力といえそうだ。

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車名:AUDI ALLROAD QUATTRO 2.7T(2002年モデル)
型式:GF-4BAREF
寸法:全長4815mm x 全幅1850mm x 全高1530mm
ホイールベース:2760mm
車重:1860kg
駆動方式:4WD
エンジン:2.7リッターV型6気筒DOHC
最高出力:250PS/5800rpm
最大トルク:35.7kg-m/1800~4500rpm





トランスミッション:5AT
使用燃料/容量:プレミアムガソリン/70L
10・15モード燃費:7.7 km/L
タイヤ:225/55R17
発売時期:2001年2月
当時の新車価格:687万円(消費税別)

 

試乗車スペック

初年度登録:2002年
販売価格:342.3万円 (消費税込み) ※AP保証付(12ヶ月間、距離無制限)
走行距離:35,000km
ボディカラー:アトラスグレー
試乗日:2006年9月

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試乗で確認したいエアサス

エアサスのトラブルに不安を抱く人もいると思うが、オールロードクワトロに関しては流通量が極めて少ないということもあってか、今のところ、トラブルで大泣きしたというケースはほぼ皆無。アウディの信頼性の高さが伺ええる。もっとも機械だけに調子が悪くなったり故障が生じる可能性はゼロではなく、今後どんなトラブルが出るかは未知数。なので、試乗での動作確認はもとより、納車前整備や保証が付いている信頼のお店で購入したい。その点さえ押さえておけば、エアサスに対して神経質になることはない。留意したいのは燃費だ。10・15モードで7.7km/l、実燃費で6km前後と重量級SUV並。燃費の悪さを笑って許せる人じゃないと、正直、お勧めしずらい。

 
アウディの信頼性は高いのでUカーでも安心。ただオールロードクワトロの燃費はけっして良好とはいえないのがタマにキズ
 

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凝縮感のある比類なき存在

買い得感が出てきたが、流通量が極めて少ないので、今後の相場は横ばいで推移しそう

高度なメカニズムの数々は、機械式クロノグラフを思わせる凝縮感がひしひしと伝わってくる。その価値からすれば新車価格が629万~861万円(04年式)したのは妥当だと思うし、今後、長く乗り続けてもその魅力が薄れることはないだろう。同類のクルマとしてスバルのレガシィアウトバックやボルボのXC70があるわけだが、アウトバックとは車格が違うし、XC70とはメカニズムの点で完全に優位に立つ。今回のサンプルカーのように4年落ちで新車価格のざっと半値(つまり370万円ほど安くなった)というのは、相当なお買い得物件といえる。先ごろのフルモデルチェンジで「型落ち」になったとはいえ、現行型の価格はアップしているので(790万~980万円!)、旧型のUカー相場への影響は今のところない。むしろ希少価値があるので、値崩れはしないだろうし、今後も安定横ばいで推移すると予想する。つまり購入時期としては今が絶好のタイミングといえる。

 
当時30万円でオプション設定されていたMMSはDVDナビ、6連装CDチェンジャー、MDプレーヤー、AM/FM、テレビがセット。道案内はカーナビのほか、メータークラスタ中央でも簡易表示する

MMSとキセノンヘッドライト

オートプラネットに並ぶアウディ・オールロ-ドクワトロ

レザー満載、後席にもシートヒーターが付くほど充実した高級装備に加え、サンプルカーにはオプション設定のMMSとキセノンヘッドライトが用意されているのもプラスポイントだ。MMSは30万円相当のシロモノで、DVDナビとメータークラスタ中央にある簡易式のDIS(ドライバーインフォメーションシステム)とリンクしており、そのモニター上で次に曲がる地点を矢印と数字で示してくれる。また、6連装CDオートチェンジャー、MDプレーヤー、AM/FMラジオ、TVがセットになっているのも嬉しいところ。地図がやや古いことを補って余りあるアイテムといえるだろう。強いて不満を言えばVICSがない点である。

文・写真:DAYS・Kondo


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