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メルセデス・ベンツ SLK230コンプレッサー

掲載日 : 2007年04月28日

第13回:スタイリッシュなクーペとオープンエアの爽快感が愉しめる、「一粒で二度美味しい」初代SLKにフォーカス!

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SLをはじめとして、CL、CLK、CLSにCクラスクーペと、メルセデスはスペシャリティモデルを多数ラインナップする自動車メーカーだ。今回は、そのラインナップのなかで最もコンパクトなモデルながら、初の自動開閉式メタルトップを採用したSLKクラスに焦点を当てる。

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メルセデス最小のスペシャリティモデル

今回のサンプルカー、'99年式のSLK230コンプレッサー

1996年に本国デビュー、翌年より日本導入が開始された初代SLK。Cクラスをベースとした小型のオープンカーで、最大の見どころは電動格納メタルトップ「バリオルーフ」を採用していること。これによってクーペの持つ耐候性・快適性と、オープンの開放感という「二兎」を得た。

バリオルーフ以外にも注目点は数多い。クラシカルでエレガントなインテリア、コンパクトながら存在感に溢れるエクステリアデザイン、意外に広いトランク、取り回しの良さなど、スペシャリティカーづくりに長けたメルセデスならではの工夫がさまざまに盛り込まれている。男性だけでなく女性からも大いに支持を集め、発売からしばらくはデリバリーが追いつかないほどの人気を博し、7年余りのモデルライフの間に世界で30万台以上を販売する大ヒットモデルとなった。

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前期モデルは2.3L・直4スーパーチャージャーのみ

SLKのグレード構成はシンプルなのでAMGモデルも含めて解説しよう。

1997年1月のデビュー時は2.3L直列4気筒DOHCにスーパーチャージャーを組み合わせた「SLK230 コンプレッサー」のみのラインナップで、その後すぐに「AMG SLK230」が加わった。AMGといっても標準モデルとの違いはエクステリアだけで、寸法やスペックはベースモデルとまったく同一だった。

マイナーチェンジを機に3.2L・V6搭載車が登場

SLK320スポーツライン(写真:ダイムラー・クライスラー日本)

2000年11月のマイナーチェンジでは内外装の変更とともに、「SLK320」が新たに加わった。Eクラスなどに搭載されていた3.2L・V6SOHCエンジンを積んだ上級グレードだ。2001年8月には「SLK32 AMG」が登場。こちらはエアロパーツだけでなく、スーパーチャージャーで過給することで出力を353PSまでアップ、ブレーキ/サスペンションも合わせて強化され、AMGのエンブレムにふさわしいスペックを手に入れた(同時にAMG SLK230はカタログから消滅)。

 
SLK230コンプレッサー スペシャルエディション(写真:ダイムラー・クライスラー日本)

さらに2001年10月には、AMGデザインのエアロやアルミを装着し、スポーツサスで足を固めた「SLK320 スポーツライン」を追加。モデル末期の2003年8月には、多数の専用装備を施しながら魅力ある価格設定としたSLK初にして唯一の特別仕様車「スペシャルエディション」が登場。翌2004年8月に、現行型SLK(R171型)にバトンタッチした。

 

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「バリオルーフ」の採用が最大の見どころ

SLKのベースはCクラス(W202)だが、ホールベースは2400mmとベース車よりもなんと290mm(!)も短い。前期型の全長は3995mmで、1998年のAクラスの登場まではメルセデス最小のサイズだった。マイナーチェンジでバンパー形状が変更され、全長は4010mmに伸びた

SLK最大の見どころは、やはり他社に先駆けて採用した電動格納式のメタルトップ、バリオルーフだろう。真横から見ると分かるように、いかにもクーペらしい流麗なプロポーションだ。他社のクーペ・カブリオレにありがちなトランク部分の厚みは、全く気にならない。これもデザインの妙だろうか。

スペシャリティ・メルセデスの流儀に従って、スリーポインテッドスターはフロントグリル内に収められる。押し出しや迫力があるというわけではないが、不思議と存在感があるフロントマスクは、なんとなく愛嬌のある顔だ。その一方でリアはグラマラス。三角形のテールライトのデザインは後に登場するSLにも引き継がれた。

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奇をてらわないデザインだがクラシカルな雰囲気が持ち味

本革シート、ブラックのインテリアがシック。アクセルペダルはオルガン式。アルミのペダルカバーがスポーティだ

SLK最大の見どころは、やはり他社に先駆けて採用した電動格納式のメタルトップ、バリオルーフだろう。真横から見ると分かるように、いかにもクーペらしい流麗なプロポーションだ。他社のクーペ・カブリオレにありがちなトランク部分の厚みは、全く気にならない。これもデザインの妙だろうか。

 
独立3眼メーターとエアコンのダイヤルスイッチが同様のデザインでまとめられており、雰囲気はなかなか。クーペ的な閉塞感はほとんどない

インテリアは黒だけでなく、レッドやベージュなどもオプションで選択できた。特に目にも鮮やかなレッド内装は、とてもゴージャス。インテリアにさらなる質感を求めるのであれば、ウッドパネルを採用したSLK320を選択した方がいいだろう。

パッケージング / ユーティリティなハイレベル

260km/hまで刻まれたスピードメーター。点灯時にはアンバー色に発光する

収納は、グローブボックス、ドアポケット、肘掛けを兼ねたコンソールボックスが用意され、絶対的なスペースは小さいが座席後ろや助手席の足下には物入れ用ネットも装備される。センターパネル上部にはドリンクホルダーも備わるなど、コンパクトなクーペながら使い勝手はかなり吟味されている。

 
クーペ時には348Lの大容量が出現

トランク容量もこのサイズのクーペにしては大きい部類に入る。ルーフ収納時は145L、クーペ状態にすれば348Lの大容積が出現、これなら大人2人分の旅行カバンも飲み込めるサイズだ。工夫が凝らされたパッケージングには感心するばかり。

全長4mの2シータークーペというと、狭苦しい室内を想像しがちだが、外見から想像されるほど室内の閉塞感はない。身長180cmを超える大柄な人でも余裕を持ってポジションが決められるだろう。

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スーパーチャージャーでレスポンスは秀逸

2.3L直列4気筒スーパーチャージャー付エンジン。193ps/28.6kg-mのスペックを持つ

サンプルカーは'99年式・2.3L・直4スーパーチャージャー(193PS)のSLK230で、AMGの18インチホイールを装着していた。車重は1350kg。サイズを考えるとむしろ重い部類に入るだろうが、レスポンスに優れたスーパーチャージャーの恩恵で、なかなか鋭いスタートダッシュを見せる。2500-4800rpmという広い回転域で28.3kgmの最大トルクを発生するから、中低速のピックアップは文句なし。そのかわり高回転の伸びは今ひとつで、ゲート式ATを積極的にシフトしてギャンギャン走ろう!という気にはならない。

 
クーペだが、着座位置はセダンと同程度

やや重量があるとはいえ、2400mmというショートホイールベース、そして過給器付きのFRクーペというと、さぞかしテールを流しやすいだろうと思っていたが、そんなことはない。ハンドリングは安定志向で、リアタイヤの接地感は高い。トランクションコントロールの介入が自然なのも好印象だ。

 
サンプルカーは18インチのAMGデザインホールを履いていた。

スペックから想像していた走りとはかなり印象が異なっていたので、このサイズとパワーならもう少し軽快感があってもいいのでは、というのが試乗を終えた直後の感想だった。だがメルセデスというブランドとSLKというキャラクターを考えれば、目を三角にして峠道をかっ飛ばすのではなく、街中やハイウェイをスマートに流すのがSLKの正しい乗り方といえるだろう。

スイッチひとつでクーペからオープンに

バリオルーフの開閉はセンターコンソールのスイッチでおこなう。幌の開け閉めだけでなく、トランクリッドの開閉、ロックの解錠・施錠までフルオートマティックだ。スイッチを後方に引けばオープン、前方に押しこめばクローズとなる。トップの開閉に要する時間は約25秒。スイッチひとつでトップを収納できるのだから、無精なオーナーでも積極的にオープンできる気軽さは魅力だ。

この手のクーペ・カブリオレでよく指摘されるルーフのキシミ音はほとんどしなかった。7年落ちの車両とは思えぬほどボディ剛性は高い。以前W210に乗ったときも思ったが、堅牢なボディ、重厚な乗り味といったいわゆる「メルセデスらしさ」はUカーでも十分に堪能することができるはずだ。

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車名:MERCEDES-BENZ SLK230 KOMPRESSOR
型式:GF-170447
寸法:全長3995mm x 全幅1745mm x 全高1285mm
ホイールベース:2400mm
車重:1350kg
駆動方式:FR
エンジン:2.3リッター直列4気筒DOHC・スーパーチャージャー
最高出力:193ps/5300rpm
最大トルク:28.6kg-m/2500-4800rpm


トランスミッション:5AT
使用燃料/容量:プレミアムガソリン/53L
10・15モード燃費:9.9km/L
タイヤ:前・後:225/45R18
発売時期:1997年1月
当時の新車価格:490万円(消費税込み)

 

試乗車スペック

初年度登録:199年
販売価格:218万4000円(消費税込み) ※AP保証付(12ヶ月間 距離無制限)
走行距離:31000km
ボディカラー:ブリリアントシルバー
試乗日:2006年1月

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バリオルーフ関連のチェックは必須

中央にある半透明の赤い物体がバリオルーフの開閉スイッチ

まずチェックしておきたいのはバリオルーフの動作。ショールームでは開閉を何度か試してギクシャクしたり途中で引っかかったりしないか確認したい。またサンプルカーは問題なかったが、ルーフのロックがゆるんで走行時のキシミ音が出ることもある。構造上多少の音はやむを得ないが、あまりにひどいようならスタッフに問い合わせてみよう。また、ルーフの継ぎ目から室内・トランクへの雨漏りもごくまれにあるとのこと。内張に水が入った形跡がないかも念のために見ておきたい。

SLK230は過給器エンジンなので、熱環境は自然吸気エンジンよりもかなりシビア。整備記録簿には必ず目を通し、オイルや冷却水の管理がキチンとなされていたかも確認したい。

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価格・実用性・ライフスタイルにベストバランスの一台

太陽と雲がインディゴブルーのボディに美しく映し出される

最後に、バリュー/実用性/ライフスタイルという3つの切り口からSLKをオススメできる理由を述べてみよう。

まずバリューから。APに在庫しているSLKの相場は220~360万円。特に'00年までの前期型は、250万円前後が中心価格帯と、非常に値頃感があるうえにタマ数も豊富。Uカーとして購入するには今が絶好の時期といえる。

次に実用性。SLKというと、バリオルーフに話題が集中しがちだが、今回の取材でいちばん驚いたのはその実用性の高さだ。2シーターながら収納は豊富にあり、トランクの容量も十分以上。着座位置はセダンよりもすこし低い程度で、適正なドラポジをとってもボンネットの峰が視認できる。クーペ/オープンという二役を演ずるSLKだが、クルマとしての機能を見ても優れていることが確認できた。ヒットの理由も納得できるというものだ。

そしてライフスタイル。「手ごろな価格・エレガント・スポーティ」という3拍子が揃ったメルセデスのスペシャリティクーペ、SLK。プジョー206CC/307CCはブランドの性格が異なるし、Z4やTTといった同クラスのライバルは幌。そういう意味ではSLKのライバルは不在だ。これ見よがしな押し出しの強さもないSLKは、ステータスとかいったものとはまた別に、普段着感覚で乗れるメルセデスと言える。若い男性が乗っても、あるいは女性が乗っても、子育てを終えた夫婦が乗ったとしてもきっと様になると思う。オープンからクーペの世界を自在に行き来でき、実用性も高い。SLKには、誰のライフスタイルにも柔軟に対応できる、実に懐の深いクルマなのではないだろうか。

オートプラネット(AP)には常時複数台のSLKが在庫している(取材時は5台が店内に並んでいた)。ヒット車とはいえ、クルマの性格上、SLKの絶対的な販売数は決して多くはない。だがそんなモデルでも価格・グレード・ボディカラー・インテリアカラーなど、様々なバリエーションから探すことができるのがAPの強み。もちろん屋内保存だからコンディションの良さは言わずもがな。SLKを買うならAPで、とは言わない。SLKを探すなら、まずはAPに足を運んでみてほしい。


文・写真:DAYS・Kitajima

 


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