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アルファロメオ アルファ156 スポーツワゴン 2.0 JTS

掲載日 : 2007年05月21日

第36回:アルファが作った世界で最も美しいステーションワゴン

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「ワゴンはセダン以上にカッコよくなれる」。それを証明したのが156スポーツワゴンだ。ワゴン・イズ・ビューティフル、いやアルファだからこそ美しいのだ!

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156から生まれた伊達なワゴン

セダンに勝るとも劣らないカッコよさが、アルファスポーツワゴン最大の武器だ

スポーツセダン「アルファ156」のステーションワゴン版が、アルファ156スポーツワゴンだ。セダン同様、美しいスタイリングが特徴で、荷室容量よりデザインや走りを重視したところがただのワゴンではなく「スポーツワゴン」と称する所以だ。

日本導入時(2000年9月)の名称は「アルファ スポーツワゴン」。エンジンはアルファ伝統の2.5リッターV型6気筒(190ps)と2リッター直列4気筒「ツインスパーク」(155ps)の2種類。2.5リッターにはアルファが「Qシステム」と呼ぶマニュアルモード付トルコン4速ATを、2リッターには全自動モード付き5速セミAT「セレスピード」が組み合わせれた。もちろん、いずれもAT限定免許で運転可能だ。

2002年9月に「アルファ 156スポーツワゴン」へ名称変更。同時に2リッターは「JTS(ジェット・スラスト・ストイキオメトリック)」と呼ばれる直噴式エンジンに変更されている。

2003年にジウジアーロデザインの後期型に移行

2003年にジウジアーロによってフェイスリフトを実施。画像は2004年のTI (画像:フィアット・オート・ジャパン)

2003年8月にはセダン同様、ジウジアーロの手によってマイナーチェンジを実施。同時にクルーズコントロールなどの快適装備も充実した。2003年11月には、156セダンや147に倣って、3.2リッターV6(250ps、30.6kg-m)の高性能モデル「GTA」(574万円 ※消費税含まず)を追加。日本向けGTAでは初の6速セレスピード仕様で、17インチタイヤ、ブレンボ製ブレーキを装備した。

2004年7月には、147や156セダン同様に、黒のボディに赤いライン、レザーシートという仕立ての特別限定モデル「リネア ロッサ」(イタリア語で「赤いライン」の意)を追加。2004年11月には、スポーティ仕立ての「TI」をラインアップした。TIとは「Turismo Internazionale」の頭文字で、歴代アルファロメオのスポーティモデルでおなじみの名称だ。その後アルファ159(2006年2月日本導入)の登場を受けて、生産・販売を終了した。(2006.11)

 

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ワゴンであろうとカッコが命

リアドアノブはブラックアウトしてピラーと一体化されている。Cd値は0.30

「美しい」「速い」「美味しい」が最優先事項のイタリアの文化。特に美の追求に関しては妥協がない。日本では一時期「ワゴンは荷物がたくさん積めなくてはならぬ」みたいな主張がまかり通っていたが、アルファロメオは一切そんなことを気にしない。もう端っから「美しいクルマを作ろう」という気持ちで一杯だ。ボディ前半はセダンと同じで、全長もセダンとまったく同じ。普通なら10cmでもトランクを延長して「ほら荷物が入るでしょ」とやるところだが、アルファは決して魂を売らない。そして出来上がったのが、この艶めかしいまでに美しいワゴンスタイルだ。

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実用性よりスタイル

まるでスポーツカーのような眺めのインパネ。サンプルカーはセレスピード仕様で、ステアリングにパドルが付いている

スポーティなインパネの眺めはセダンとほとんど同じ。年式によって多少異なるが、装備も充実している。リアシートも特に広くはないないが、156セダンよりもこのワゴンの方が天井やリアウインドウの圧迫感がなく、居住性は優れている。革製品が得意なイタリアらしいレザーシートのおかげで「大事にされている感」も十分。サンプルカーは走行距離が1万5000kmと少ないせいか、4年落ちとは思えないほどコンディションが良かった。

実用性よりスタイル

決して大容量ではないが、使い勝手は悪くないトランクルーム

デザイン最優先、というのが一目瞭然のラゲッジルーム。360Lと容量的にはスポーツワゴンというより、5ドアハッチバックに近い。リアゲートはリモコンか車内のスイッチで開けるタイプ。ボディ剛性を確保するためだが、リアゲートに敷居があるのもワゴンとしては例外的だ。プレス用資料を見たら「スポーティデザインをないがしろにする無粋なテールゲートハンドルをあえて排除」とあった。さすがアルファ。一方、ルーフまで開く開口部、12V電源、小物入れ、丁寧に敷き詰められたカーペットなど作りは入念で、使い勝手自体は悪くない。

 

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TS(ツインスパーク)によく似た印象のJTS

パワフルなV6もいいが、軽快な4気筒も悪くない。いずれもアルファ独特の魅力が味わえる

試乗したのは「2.0JTS」のセレスピード。往年の名機「ツインスパーク」(その名の通り1気筒あたり2本のプラグを持つ)に代えて、2002年から採用された直噴ユニットだが、乗っている最中はJTSかツインスパークかほとんど忘れてしまうくらい、このJTSエンジンはアルファらしい回り方をする。厳密に言えば、かつてのツインスパークのように情感たっぷり、フォーンと軽く吹け上がるエンジンではないかもしれない。しかし、今時の4気筒エンジンに比べるとやっぱりアルファらしいのだ。

セミATの先駆けの一つであるセレスピードも、かなり熟成されている。初めての人が最初に戸惑うのはクリープがない、つまりブレーキペダルを離してもクルマが動かないことだろうが、それさえ了解すれば後は問題ない。発進時の半クラッチは上手だし、シフトダウン時のブリッピングもフォーンと気持ちよく決めてくれる。相変わらず全開加速時のシフトアップは息をつくが、そこはドライバーの工夫次第で何とでもなる。変速の瞬間にちょっとアクセルを戻すのがコツだ。

 

試乗車は年式的には4年落ち、走行距離はまだ1万5000kmだったせいか、ハンドリングも乗り心地もほとんど新車に遜色ない印象を受けた。156ワゴンのデザインに惚れてしまった人には掘り出し物と言えそうだ。

 

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車名:Alfa Romeo Alfa 156 Sport Wagon 2.0 JTS Selespeed(2002年モデル)
型式:GH-932BXW
寸法:全長4430mm x 全幅1755mm x 全高1415mm
ホイールベース:2595mm
車重:1400kg
駆動方式:FF
エンジン:2.0リッター直列4気筒DOHC
最高出力:165ps/6400rpm
最大トルク:21.0 kg-m/3250rpm


トランスミッション:5速セミAT(セレスピード)
使用燃料/容量:プレミアムガソリン/63L
10・15モード燃費:- km/L
タイヤ:205/55R 16
発売時期:2000年9月(156SW)、2002年9月(2.0JTS)
当時の新車価格:393万円(2002年9月 2.0JTS、消費税抜き)

 

試乗車スペック

初年度登録:2002年
販売価格:278万円(消費税込み) ※AP保証付(12ヶ月間、距離無制限)
走行距離:15,000km
ボディカラー:スターリンググレー
備考:電動レザーシート(オプション)
試乗日:2006年11月

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ショップ選びが重要

前期型のデザインが好きな人にとって、その最終モデルに近いサンプルカーは理想的な1台だ

チェックポイントは156セダンとほぼ共通。違うのは日本に正規導入された156スポーツワゴンには基本的にマニュアル車がなく、すべて直4+セレスピード、もしくはV6+トルコン4ATという2ペダル車になることだ。注意したいのはセレスピードのほうだが、その状態は走行距離や整備歴をある程度の目安としたい。当然ながら年式が新しく、走行距離の少ないもの、もしくは最近しっかり整備を受けたものが安心だ。何年も乗りっぱなしでコンディションが保たれるクルマでは決してないので、アルファのことがよく分かっているショップとオーナーによって定期的にメンテナンスされていたかどうかも重要だ。一方、V6+トルコン4ATモデルはトラブルが少ないと一般的に言われている。

警告灯の誤作動は配線をチェックした後、リセットで対処すればOK。走行に特に支障がなければエラーであることも多い。その他、パワステオイルのリークやスイッチの不良など、トラブルが出るところは大体決まっており、分かっている人が見れば簡単な修理で直ることも多い。オートプラネット名古屋なら同系列でアルファロメオ正規販売店があるので、購入時からアフターサービスまで適確にサポートしてもらえるはずだ。156は国内の流通量が多く、情報を得る場も多い。Uカーでもコンディションの良いクルマからスタートすれば、無理なく維持が可能だ。

 

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極上156に今こそ乗りたい

他メーカーじゃマネのできないプレミアム性をアルファロメオはそなえている

今回の2002年式スポーツワゴンのコンディションは抜群だったが、車両本体価格278万円は前期型156(GTAを除く)の相場としては上限に近い数字か。しかしこの2~3年でアルファロメオの新車ラインナップは大きく変わった。ツインスパークを積んだ147こそまだ現役だが、ミドルクラスは159やブレラといった新世代にほぼ移行完了。これらは快適性や居住性、限界性能などで156を越えた別物なのは確かだが、156が濃厚に持っていた昔流儀のアルファらしさ、イタリアの血は薄まった印象がある。今後、156のカッコ良さは評価が高まりこそすれ、忘れられるものではない。アルファとの生活を考えてみる時、200万円台後半でかなう極上156シリーズは絶好かつ最後のチャンスとなるはずだ。

 

文・写真:DAYS・Niwa


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