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第22回:プジョー307で、自分のスタイルをつかめ!

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ハッチバックを選ぶ時、みんな無難というだけでドイツ車を選んではいないだろうか? しかし街乗りから高速まで、たおやかに走り、どんなライフスタイルにも似合うという点で、307「スタイル」に優るクルマはない!

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ゴルフクラスのフレンチコンパクト

従来の枠から一歩踏み出したパッケージングで307は登場。写真は307スタイル(画像:プジョー・ジャポン)

307(サンマルナナ)は2001年3月のジュネーブショーでデビュー、同年10月に日本で発売されたCセグメント、いわゆるゴルフクラスのコンパクトカー。先代306より一回り大きなボディを持ち、特に背の高さはプチミニバン風の1530mmと、従来の枠を打ち破った。スタイリングは2000年発表のコンセプトカー「プロメテ(Promethee)」が源流の斬新なもの。画期的なパッケージングが評価され、2002年ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞している。

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新バリエーションを次々に展開

03年10月に発売されたクーペ・カブリオレ「307CC」(画像:プジョー・ジャポン)

当初日本に導入されたのは2.0リッター(137ps)の「XT」(239万円~ ※消費税抜き 以下同じ)、「XS」(232万円~)、「XSi」(257万円~)の3グレード。XSとXSiに3ドア(5MTのみ)、全グレードに5ドア(4ATと5MT)が用意された。

翌02年6月には、1.6リッター(108ps)の「スタイル」(4ATと5MT、207万円~)を導入。こちらは5ドアのみ。ちなみに「スタイル」とは、前作306で初めて設定され、プジョージャポン躍進の原動力となったグレードだ。

 

05年11月にはシリーズ全体でフェイスリフトを実施。写真は307SW(画像:プジョー・ジャポン)

307と言えば、外せない数々の派生車種に触れると、02年8月にステーションワゴンの「307ブレーク」、およびパノラミックガラスルーフを備えた「307SW」を発売。03年10月には、電動メタルトップを採用した4シータークーペ・カブリオレ「307CC」を導入してバリエーションを完成させている。

'そしてデビューから4年経った05年11月に、シリーズ全体でフェイスリフト(外観のデザイン変更)を実施。107(日本未導入)、1007、207(発売予定)、407と共通のプジョー新世代デザインに衣替えした。(2006.06)

 

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次世代基準を先取りしたパッケージング

先代306から大型化しただけでなく、「プレミアムコンパクト」にふさわしい存在感も得た

2001年のデビュー当時、全長4210mmx全幅1760mmx全高1530mmは大柄に思えたものだが、それも今では時代錯誤的な感想に思える。なにしろこのクラスの大御所たる5代目ゴルフ(2004年~)も、今やこれとほとんど同じくらいの大きさ。言わばゴルフが(そして他のモデルも)307に追いついたという格好だ。

スタイリングはプジョー言うところの「2ボックス・モノスペース」で、背の高さとボリューム感が特徴。路上にミニバンやSUVが増えた今、見る(視界)・見られる(存在感)の点で、これくらい背の高さが欲しいのは確かだ。

 
日本で販売されたのは5ドアがほとんど。サンプルカーの外装色はプジョーの定番エーゲブルー

プラットフォームはPSA(プジョー・シトロエン・グループ)の新開発で、307SWや307CCといった派生モデルはもちろん、後に登場するシトロエンC4にも使われている。フロントフェンダーはフランス車で好んで使われる、多少凹んでもボヨ~ンと元に戻る樹脂製。ボンネットはこのクラスでは滅多に使われない高価なアルミ製(スチールに比べて6.5kg軽い)だ。

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ルーミーかつシンプル

サンプルカーの「スタイル」はファブリックシート仕様。前席にアームレストが備わる

ミニバンと比較しても引けをとらない広々としたインテリア。特に横方向の広さと視点の高さはハッチバック車というより、マルチ・パーパス・ビークルのものだ。ゆえに、5ナンバー車の感覚からすると「助手席ドアが遠い」感じはやはりある。

いつもビジネスウイーク(平日)のドイツ車に対して、ウイークエンドな雰囲気に溢れているのがフランス車の魅力。内装の質感もカチッとしたものではなく、センスの良さで勝負する。操作系はシンプルで、日常的に使い込んでゆくと馴染むタイプ。ステアリングコラムにはフランス車でおなじみのオーディオ操作用リモコンが付く。

充実した安全装備

ステアリングはテレスコ(前後)とチルト(上下)、シートには50mm上下するリフターが付く。小柄な女性でもベストポジションが取れるはず

現代の基準からすれば、小物入れは少なめ。前席にはB5サイズが入るシートアンダートレイが備わるが、ドリンクホルダーはドアポケットのみ(大容量だが)になる。

安全装備は充実している。前席に膨張速度を2段階に切り替えるスマート・エアバッグ、サイドエアバッグ、追突時にむち打ちを防ぐアクティブシートバック&ヘッドレストを全車で標準装備。

ゆったりした広さと座り心地

リアのサイドウインドウは下まで下がらないが、開放感は高い

ミニバンの広さや快適性をすでに知ってしまった人でも、この後席なら「十分」と思えるはず。アップライトな姿勢はゴルフと同じだが、さらに着座位置は高めで、天井も高い。開放感は明らかにこちらが高く、どちらかと言えば今のゴルフプラスに近い。最近は実質2人掛けのリアシートが多いが、307は3名乗車もしやすい。

 
カップの形状は選ぶもののドリンクホルダー付きのアームレストが備わる

サンプルカーの「スタイル」はサラッとした感じのブルー系ファブリックだが、上級の「XT」なら高級感のあるベロア(グレー、ベージュ、グリーン)、「XSi」なら黒レザーになる。衝突時にはカーテンエアバッグが後席乗員の頭部を守る。

実用本位の使いやすい荷室

荷室容量は341L(通常時)~1328L(最大)。床面積は横1030×奥行き820mmで、「パワーマックG5」の箱(横600×奥行き600×高さ400mm)がすっぽり(というか奥行きはギリギリで)入った。後席を倒せば、前輪を外したスポーツ自転車が余裕で入る。テールゲートの敷居が気になるなら、ステーションワゴンの307SWや307ブレークを選ぶといいだろう。

 
リアシートは6:4の分割可倒式。荷室床下にはフルサイズのスペアタイヤが収まる

5代目VWゴルフ(容量350L)と比較すると、容量自体は似たようなもの。違いは後席の折り畳み方が307ではダブルフォールディング、ゴルフがシングルフォールディングとなる点だ。一般的にダブルは操作は面倒だが、後席クッションに厚みを与えやすく、容量も稼ぎやすい。一方シングルは、操作は簡単だが、クッションが薄くなりがちで、床面がフラットにならないという特徴がある。個人的には簡単操作のシングルが好きだが、307はヘッドレストもスムーズに抜けるし、シートの座り心地がいいので、これもいいかな、と思える。

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スタイルは懐かしいプジョーの味

1.6のパワーはそこそこだが、真骨頂はその優しい乗り心地。長距離通勤、長距離ドライブで真価を発揮するはず。

サンプルカーは1.6リッター(108ps)の「スタイル」。過去に試乗した307はことごとく2.0リッターだったが、結論から言うと「1.6リッターでも十分」。何より、懐かしささえ感じてしまうプジョーらしい乗り心地が良い。これには最近まで306に乗っていたスタッフ共々「306みたいだ」と意見が一致した。ただし、サンプルカーは走行22000kmで、2リッターモデルでも距離が進むと、ちょうどこんな優しい乗り味になるという話もある。

しなやかさが武器

乗り心地から想像できるように、2リッターともうひとつ違うのがハンドリングだ。「スタイル」のサスペンションはマイルドな設定で、タイヤも2リッターの16インチや17インチに対し、15インチ(195/65R15)という分厚いものになる。なので2リッターモデルのようにガシッ、シャキッという感じはない。そういう足回りが好みという人には、物足りなく思えるかもしれない。だが、そこはプジョー車。セオリー通り走らせれば、実はワインディングでも高速コーナーでも安定していて、なおかつよく曲がる。日本のように法定速度が低く、山あいの曲がりくねった道や荒れた舗装が多い土地には、相性のいい設定と思う。

動力性能も1.6で十分

1.6だと動力性能が気になるやもしれないが、実際のところ非力な印象はまったくない。オートマのギア比が低いせいもあり、一般道では小気味良く加速してくれる。もちろん、高速道路で先を急げば、アクセル全開が多くなるが、実用的には十分。エンジンはスムーズかつトルク感もあり、静粛性もまずまず。何より乗り心地がいいので、ロングツーリングでの疲労は少ないはずだ。

フランス車で定番の通称「AL4」と呼ばれる4速ATは、変速プログラムの点であまり評判がよくないが、郊外で普通に流れにのって走る場合は、特に気にならなかった。確かにキックダウンが遅れたり、減速時にシフトダウンしてエンジンブレーキを掛けるところなど独特の癖はあるが、これはこれで、慣れると「なるほど」と思える部分がある。


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車名:プジョー 307 Style(2003年モデル)
型式:GH-T5NFU
寸法:全長4210mm x 全幅1760mm x 全高1530mm
ホイールベース:2610mm
車重:1270kg
駆動方式:FF(前輪駆動)
エンジン:1.6リッター直列4気筒DOHC
最高出力:108ps/5800rpm
最大トルク:15.0kg-m/4000rpm


トランスミッション:4AT
使用燃料/容量:プレミアムガソリン/60L
10・15モード燃費:11.2km/L
タイヤ:195/65R15
発売時期:307:2001年10月、スタイル:02年6月、03年モデル:03年7月
当時の新車価格:231万円(消費税抜き)

 

試乗車スペック

初年度登録:2003年
販売価格:155万4000円(消費税込み) ※新車保証(06年9月まで)、AP保証付
走行距離:22,000km
ボディカラー:エーゲブルー
備考:ナビゲーションシステム・MD・TV
試乗日:2006年6月

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基本的な信頼性は高いが、プジョー車に詳しい販売店で購入すべき

307のエンジンはすべてタイミングベルトを使用。交換サイクルは国産車より少し早めがベター

サンプルカーのように2003年式(3年落ち)・走行2万2000kmという個体なら、特にチェックポイントはない。むしろ、307と一口に言っても選択肢の多いクルマゆえ、オートプラネット内にある「ブルーライオン名古屋 アプルーブドサイト東郷」のような大規模ショールームで、好みにあった1台に巡り合いたい。アプルーブドサイト東郷は、常時60台以上のプジョー認定中古車を日本で初めて屋内展示する、国内最大級のプジョー認定中古車ショールームだ。遠方からでも、ぜひ一度訪ねてみる価値がある。

なお、登録から最大5年落ち、距離にして6万kmを越える個体もこれから増えてくるはずで、その場合は消耗品のリセット(ブレーキパッド、エアフィルター、タイヤ、タイミングベルト&ウォーターポンプ、プラグ、バッテリーなどなど)がされているかチェック。それらをきちんと整備しなおせば、まだまだ元気に走る。なお、307の点検整備には、プジョー正規販売店に備わる専用のコンピューター診断装置が必要だが、もちろんアプルーブドサイト東郷にもその備えがある。

なお307シリーズにはウインカーレバーの不具合など、以下のリコールが届け出されている。もちろんオートプラネットの車両は全て対策済みだ。気になることがあれば何でも遠慮なくスタッフにたずねてみよう。

●リコール

  • 2002年10月(対象:307シリーズ)・・・・始動装置の不具合
  • 2003年2月(対象:307シリーズ)・・・・ブレーキ配管不適切
  • 2003年5月(対象:307スタイル)・・・・電気配線不適切
  • 2004年1月届け出(対象:206/307/406シリーズ)・・・・ウインカーレバー不具合など
  • 2004年9月届け出(対象:307シリーズ)・・・・ECUプログラム不適切など
  • 2006年5月届け出(対象:307/406/607シリーズ)・・・・ECUプログラム不適切





参考
プジョー・ジャポン>リコール関連情報

参考文献
2006年1月号 CAR GRAPHIC(プジョー307SW長期テスト最終回 3年10万km報告)二玄社

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独車とも日本車とも違う魅力

ベーシックな「スタイル」の魅力はお伝えした通り。さらにSWやブレーク、CCの中からどれを選ぶかはその人次第だ

ドイツ車のように重厚でメカメカしたところはないし、高級車としての記号性も特に強くはない。なのに実際に乗ると、乗れば乗るほど発見があり、愛着や信頼感が生まれる。人間でもそういう人がいて、いい友達になったりするのだが、プジョーとはまさにそういうクルマだろう。

特に今回の307は典型的だ。セダン(406)のようなフォーマル性はないし、かつての205のようなスポーツ性も薄いが、万能性に関してはきわめて高いモデルだ。今回レポートした「スタイル」にしても、シリーズ中で一番ベーシックな「素」のモデルだが、独身者から子供のいる家庭まで、これで困ることはほとんどないはず。こうした完成度は、即席で作り上げた企画モノのクルマとはまったくレベルが違う。

そして、もう少し遊びや華の部分が欲しい人は、天井がガラス張りになる307SWでもいいし、クーペ・カブリオレの307CCでもいい。満載すべき遊び道具のために307ブレークでもいいだろう。こうした「遊び」のあるシーンにさりげなくはまるキャラクターこそ、ドイツ車や日本車が苦手とする部分かもしれない。


文・写真:DAYS・Kei Niwa

 


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