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プジョー607 スポーツ

掲載日 : 2007年05月25日

第40回:フレンチ・テイストに浸る!プジョーの最上級サルーン

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まったりドライブが楽しい、チョイ古セダン

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シラク大統領も乗ったプジョーのコンフォート・モデル

プジョーの6シリーズといえば、最上級プレミアム・セダンとして1970年代から連綿と続いてきた型式である。プジョー607がデビューしたのは1999年。日本市場には2001年10月から導入がはじまった。フランス政府要人が後部座席に乗り込む姿も多く見られるなど、フランス国内では公用車や社用車としても使われている(いた)モデルでもある。プレステージ・セダンとは言いつつも、メルセデスやBMWといったドイツ製プレミアムカーのような重厚さはなく、フランス車らしい優雅で軽やかな印象が強い1台だ。

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「6」シリーズの系譜を受け継ぐ高級セダン

プジョー607は1999年9月のフランクフルトモーターショーでデビューした。プジョーの「6」シリーズといえば、75年~86年の「604」や、89年~99年の「605」がある。607の国内デビューは、V型6気筒3.0リッターエンジン搭載の「コンフォート」と「スポーツ」の2モデル。ちなみにEU圏では2.2リッターディーゼルエンジン搭載モデルもラインナップされていた。「スポーツ」はハンドル位置を左右どちらか選ぶことができたほか、2003年には、ホディカラーとインテリアカラーを42通りの組み合わせでフルチョイスができる受注生産の発注システム「607オートクチュール」が実施された。

ところで、車名が3桁の数字からなるプジョーの場合、末尾の数字は開発コードを指している。「607」のように末尾が「7」のモデルは現時点での最新モデルとなるが、607の日本での販売は芳しくない状況が続いていた。2005年6月の「407」日本導入時に、ラインナップから消滅している。

 

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大きめのボディスケールを活かした伸びやかなデザイン

BMW5シリーズよりも大きい、全長4.8メートルを超える大柄なサイズのボディは、シンプルながらも優雅なラインで構成される。車幅も広く、高級フレンチ・サルーンらしいゆったりとしたたたずまいが印象的なモデルだ。ライオンマークがあしらわれたフロントグリル部は、プジョー306とも共通するデザイン意匠となる。また、日本でのプジョー人気を決定付けた「206」と同様、ヘッドライトはつり目形状デザイン。いわゆるEセグメントに属するクルマの中ではかなり斬新なエクステリア・デザインといえる。高級車然とした押しの強さではない、ボディラインの美しさを秘めているのが「607」の魅力だ。

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使い勝手を優先した、上品なラテン車

「607スポーツ」のインパネはカーボン調パネルやホワイトメーターが装備され、ちょっと硬派なイメージが漂ってくる

大柄なボディサイズで、なおかつ駆動方式はFFということもあり、室内空間は前席、後席ともに、かなり広く確保されている。高級フランス車らしいモダンで洗練されたインテリア・デザインもいい。運転席に腰を下ろすと、フワッとやわらかくて大きなシートが身体をやさしくホールドしてくれる。ダッシュパネルはカーボン目のような小さな網目模様のパネルがあしらわれている(ちなみに「コンフォート」モデルではウッドパネルとなり、ナビゲーションも標準装備となる)。インパネスイッチ類も奇をてらわないオーソドックスな配置。「スポーツ」にはホワイトメーターパネルが配置されている。

 
全長4.9メートル近くあるボディサイズだけに、トランクスペースも大きく確保。荷物を傷つけないようトランクリッドもひと工夫されている
政府要人の公用車としても使われるだけに、リヤシートのスペースは広く、すわり心地も良好。頭上のクリアランスも大きく快適な空間だ
シートはゆったり大きめサイズ。ドイツ車に使われるシートとは違って適度に柔らかく、すわり心地は非常に快適だ。これなら長距離を走りたくなる
 

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大柄なボディながら、動きはしなやか&スポーティ

「607スポーツ」には17インチホイールが装備される。ブレーキはブレンボ製となり、つねに安定した制動力を発揮してくれる

今回の試乗車はスポーティなサスペンションセッティングが施された「607スポーツ」。17インチの偏平タイヤを装着している。低速時ではステアリングが非常に軽いため、駐車場などでの取り回しに多少なりとも貢献するはずだ。ATミッションはプジョーお約束のZF製4HP20型をベースに、シーケンシャルマニュアルモードのポルシェ・ティプトロニックシステムが採用されている。現代のクルマを見慣れた目で見れば「いまさら4速ATもないのでは」と思わないでもないが、乗ってみると、これはこれでけっこう楽しい。決して鋭い加速とはいえないが、エンジン音に呼応して車速が伸びていくダイレクトな感覚は悪くない。本国ではMT仕様もラインナップされていたが、日本ではAT仕様のみとなる。

ボディ剛性は決して高くはない

中・高速走行時の乗り心地の良さは「さすがはプジョー」といったところ。硬すぎず、しなやかにショックを吸収する様は、407をはじめとした現代のプジョー車にはない独特のテイスト。高速走行中のレーンチェンジもスムーズで、大型ラグジュアリー・セダンであることを忘れてしまいそうになるくらいだ。ブレンボ製ブレーキの製動力&フィーリングも素晴らしい。

良く言えば「しなやか」な607だが、特にドイツ車びいきのドライバーには、決して高くはないボディ剛性がネガティブな要素として感じられるかも知れない。ボディ剛性に関して言えば、最新モデルであるプジョー407などに比べると見劣りがしてしまうが、それも607の味だと思っておおらかに楽しみたい。

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車名:Peugeot 607 SPORT(2002年モデル)
型式:GF-Z8
寸法:全長4875mm x 全幅1830mm x 全高1460mm
ホイールベース:2800mm
車重:1610kg
駆動方式:FF
エンジン:3.0リッターV型6気筒DOHC
最高出力:206ps(152kW)/6000rpm
最大トルク:29.0kg・m(285N・m)/3750rpm


トランスミッション:4AT
使用燃料/容量:プレミアムガソリン/77L
10・15モード燃費:- km/L(未公表)
タイヤ:225/50R 17
発売時期:2001年10月
当時の新車価格:478万円(消費税別)

 

試乗車スペック

初年度登録:2002年
販売価格:260.4万円 (消費税込み) ※AP保証付(12ヶ月間、距離無制限)
走行距離:18,000km
ボディカラー:デルフトブルー
試乗日:2007年1月

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継続的な定期メンテナンスがコンディション維持のカギ

406等にも搭載される3.0リッターV6エンジンは206馬力を発生。パワフルで扱いやすく、このサイズのボディにぴったりのエンジンだ

ラテン車ならではのマイナートラブルを心配する向きもあるが、2000年以降のプジョー車は、マイナートラブルはほとんど国産車と同レベルといっていい。できるだけ走行距離の少ない車両を選びたいところだ。

 
オートプラネットに並ぶ607

もうひとつのポイントとして、プジョー正規ディーラーできちんと整備され、整備履歴書が付いた車両を選ぶようにすればベストだ。たとえばカムシャフトを駆動させるタイミングベルトの交換タイミングや、エンジンオイル、ATフルード、パワーステアリングフルードといった油脂類の交換タイミングなどが把握できれば、今後の整備に活かすことができるはず。607コンフォートの本革シートに関しては、1~2万キロ程度の使用ならヤレも少ない。本革のヤレ具合は千差万別だが、自分でオイルを塗ってメンテナンスするくらいの心構えを持っておいたほうが、幸せなクルマライフを送れそうだ。

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607は狙い目の不人気車。グッドコンディション車両多し

リヤボディに取り付けられた607のエンブレムの「0」の部分にご注目。よく見るとトランクオープナーになっているのだ

BMW5シリーズなどのプレミアム・セダンと競合するモデルとして2001年にデビューしたものの、売れ行きは芳しくなかった607。新車価格は478万円(スポーツ)と、欧州プレミアムセダンの中ではかなりリーズナブルな設定だったことが、かえってライバル車のプレミアム感を引き立てる結果になってしまった感がある。不人気車ゆえにユーズド価格も比較的リーズナブル。307、407といったモデルはドイツ車的テイストが強くなっているだけに、いわゆる猫足と呼ばれるプジョーらしいしなやかな乗り味を持つのは、もはやこの607が最後なのかも知れない。

在庫量は決して多くはないが、グッドコンディションを保った車両を見つけるのは比較的容易。ただし日本での販売はすでに終了しているため、今後はゆるやかに在庫が減少していくものと予想される。

 
シンプルなデザインのリアコンビランプは、実にプジョーらしい造形センス。後方から見ても一目で607と分かるカタチだ
大柄なボディを、必要以上に大きく見せないデザインの巧みさも、607の魅力のひとつ。フロントマスクの造形もシンプルそのものだ
プジョーのアイデンティティとなったつり目ヘッドライト。ウィンカーランプ一体式で、高級感のあるクリスタル加工が施されている
 


文・写真:DAYS・Yasuhara


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