メルセデス・ベンツ C200 コンプレッサー
掲載日 : 2007年05月18日
第33回:メルセデス・ベンツCクラスで元祖プレミアムコンパクトセダンの真髄を味わう!
190E(W201)――3シリーズと並ぶプレミアムコンパクトセダンの代表
現行Cクラスのルーツは、1982年に登場した「190E」。「コンパクトクラス」という名で登場したメルセデスの最小セダンだ。コンパクトクラスという呼び名は、今のEクラスの源流となるW123型ですでに使われていたが、BMW 3シリーズのヒットを目の当たりにしたメルセデスは、エントリーユーザー取り込みのために、よりコンパクトなセダンを開発。W123(Eクラス)のベーシックモデルである200/200Eのさらに小型という意味で「190E」という名のセダンが欧州市場でデビューした。メルセデスの各モデルはアルファベット+数字3ケタという型式を持つが、190Eには「W201」という型式が与えられた。
メルセデスの大衆化に寄与した初代Cクラス(W202)
10年以上にわたってメルセデスのボトムレンジを支えてきた190Eは、'93年に初のフルモデルチェンジを実施。モデルナンバーは「W202」、車名は「Cクラス」に改められた。ボディを190Eよりひとまわり拡大し居住性を改善、インテリアの質感も向上してプレミアムブランドにふさわしいクオリティを得た。モデル後半には直6→V6へのスイッチ、ステーションワゴンの追加など、W203に繋がる新世代メルセデスへの橋渡し役となったモデルでもある。そして'00年9月、W202はその役目を終えて2代目・Cクラス(W203)へバトンタッチした。
直4からV8までの超ワイドバリエーション
Cクラス(W203)のモデル変遷は実にめまぐるしい。グレードやエンジンの変更が毎年のように行われており、クーペやステーションワゴンを含めると膨大な情報量になるのでここではセダンに絞って解説する。
'00年9月のデビュー時、Cクラスのラインナップは2Lのスーパーチャージャーを搭載する「C200コンプレッサー」とV6エンジンを搭載した上級モデル「C240」のふたつ。ほどなくして2Lの自然吸気エンジンを搭載したベーシックブレードの「C180」が加わった。デビューから10カ月が経過した'01年7月には最上級グレードの「C320」や、8月にはAMGブランドから「C32」が登場。いずれも3.2LのV6エンジンを搭載するが、C32はスーパーチャージャーによって過給され353PSのハイパワーを発揮した。
さらに、'02年10には4気筒エンジンの変更と4WDの「C240 4マチック」が新たに追加された。4マチックは、前輪40%・後輪に60%のトルクを配分するフルタイム4WD機構で、ESP(横滑り防止装置)と連動して高い走行安定性を発揮する駆動システムだ。
'04年の6月のビックチェンジで内外装を大幅に変更
'04年6月にはCクラスとしては初のフェイスリフトが実施された。外装では前後バンパーのライト回りのデザイン変更の他、内装もインパネの造形が改められるなど、かなり大がかりなものとなった。また、フェイスリフトと同時に新グレードとして4気筒スーパーチャージャーの上級スポーティモデル「C230 コンプレッサー アバンギャルド」と、Cクラス史上最強のV8エンジン(367PS)を搭載したAMGの「C55」が登場している。
'05年8月には、V6エンジンをそれまでのSOHC・ツインプラグに代わり、DOHCヘッドを持つ新世代ユニットに刷新。また、V6に組み合わされるトランスミッションも7速の「7G-TRONIC」へと進化を遂げた(4マチックを除く)。これを受けてグレード体系が見直され、従来のC230コンプレッサー(1.8L・直4)はC230アバンギャルド(2.5L・V6)に置き換えられ、C240に代わって3L・V6エンジン(231PS)を搭載する「C280アバンギャルド」および同「4マチック」が加わった。
特別仕様車はほぼ毎年登場
Cクラスはほぼ毎年、特別仕様車を発表している。いずれのモデルもベーシックグレードのC180やC200をベースにバイキセノンヘッドライトや専用アルミ、レザー内装などを装備しながら車両価格を抑えたものだ、リリース時期については別表を参照のこと。

Cクラスセダンの特別仕様車
| 年度 | グレード名 | 内容 |
|---|---|---|
| 2002年6月 | 「C180 リミテッド」 「C200 コンプレッサー リミテッド」 | DVDナビを装備したW203初の特別仕様車。ナビに加えてC180にはアルミが、C200にはCDチェンジャーがプラスされる。 |
| 2003年5月 | 「C180 コンプレッサー リミテッド」 「C200 コンプレッサー リミテッド」 | Cクラスの生産累計100万台達成を記念した特別仕様車。バイキセノンヘッドライトや、レザーツイン内装、アルミなどを特別装備。 |
| 2003年10月 | 「C180 コンプレッサー リミテッド」 「C200 コンプレッサー リミテッド」 | バイキセノンヘッドライト、レザーツイン内装、アルミなどを採用。C200にはさらにエアロパーツが付加された。 |
| 2004年1月 | 「C180 コンプレッサー リミテッド」 「C200 コンプレッサー リミテッド」 | バイキセノンヘッド、レザーツイン内装、専用デザインアルミを装着。C200には限定色の外板色はキューバナイトシルバーが設定された。 |
| 2004年11月 | 「C180コンプレッサー アバンギャルド リミテッド」 | カタログモデルのC230コンプレッサー アバンギャルドと同等の装備が与えられた特別仕様車。 |
| 2005年5月 | 「C180コンプレッサー アバンギャルド リミテッド」 「C230 コンプレッサー スポーツエディション」 | C180はアバンギャルド仕様を内外装に採用。C230はAMGエアロや17インチアルミやスポーツシート、大型のブレーキキャリパーまで装着した本格的な内容。 |
| 2005年9月 | 「C180コンプレッサー スポーツエディション」 | C230で好評だったスポーツエディションをC180にも設定。ダイヤモンドブラックとイリジウムシルバーとの2色のボディカラーが設定された。 |
パッケージングの改善で移住性を向上
W203のボディサイズは4535 x 1730 x 1425mm。W202比で全長・全幅それぞれ10mm、全高は5mm拡大されるにとどまっている。ホイールベースも25mm延長されただけ。居住性や安全性能の向上を名目にモデルチェンジのたびにボディが拡大されるのが常だが、W203ではボディをいたずらに拡大せず、パッケージングの改善で各性能を向上させている。
クーペ風の流麗なスタイリング
外観は先代のボクシーな形状から、クーペ風の流麗で若々しいルックスに生まれ変わった。なだらかなルーフラインはエレガントさをアピールすると共に、空力性能の向上にも一役買っている。空気抵抗係数(Cd値)は0.26と、トップクラス。
またヘッドライトやテールまわりの処理など、W220(旧型) Sクラスを彷彿させるディテールを随所に配していることも特徴だ。
斬新なインパネ回り
サンプルカーは'02年式のC200 コンプレッサー。典型的なラグジャリーサルーンのインテリアだが、小さめのメーターナセルがなかなかスポーティだ。インパネはエアコンの吹き出し口から上が別パネルになっていて、二段構えになっているのがユニーク。ただ、車両価格400万円を超える高価格車として考えると、もうちょっと質感にこだわってほしかったところ。内装の質感にこだわるならマイチェン後のモデルを狙ったほうが、車両価格は高いが満足度は高いだろう。
ヒーター付のレザーシートは座り心地・風合い共に良好。電動シートの可動範囲は広く、適正なドライビングポジションがとれるはずだ。小物入れも各所に用意されており、使い勝手が配慮されている。
大人4人がくつろげる室内空間
後部座席の居住性は先代のW202やBMWの先代3シリーズ(E46)を凌ぐ。とくにひざ回りのスペースには余裕があり、センタートンネルの出っ張りもそれほど気にならないので3人掛けが何とか可能だ。
トランクスペースは必要十分
トランクの容量は430Lで、このクラスでは標準レベルだが、深さも奥行きも共に十分。ヒンジが内張に収納されたり、トランク左右にあるレバーを引くとシートが前方に倒れるなど、なかなか芸が細かい。なお、リアシートを倒すトランクのレバーはBMW・3シリーズなどにも採用されている。
不満はない4気筒コンプレッサー
サンプルカーの搭載エンジンは163PSを発揮する1.8L・4気筒のスーパーチャージャー。高級車に4気筒というのはちょっと…と敬遠する人もいるかもしれないが、静粛性は高く、スーパーチャージャーならではの厚いトルクがこのユニットの美点。旧型C200比で+160kgの車重増加分には遮音材も相当含まれているのかも知れないが、パワー・快適性共に全く不満のない仕上がりだ。
ハンドリングはかなりスローで重厚感があり、FRらしく自然なステアフィール。サスペンションは固くも柔らかくもない絶妙の味付けだ。ただ、今回の試乗車はAMG製の17インチタイヤを履いており、低速で荒れた路面を走ると足が多少バタつくこともあった。標準サイズの15インチであれば、グリップ限界は低くなるものの快適性では上だろう。
小回りが効くのもCクラスのアピールポイント。カタログ上の最小回転半径は5m。狭い路地や駐車場でも取り回しに苦労することはないだろう。
安全性能はクラス最高水準
EBD(電子制御制動力配分システム)付ABSデュアルエアバッグやSRSウインドウエアバッグ、ESP(エレクトロニック・スタビリティ・プログラム:横滑り防止装置)、さらにユーロNCAPで5つ星を獲得した衝突安全ボディなど、徹底した安全へのこだわりもメルセデスならではの特徴だ。
車名:MERCEDES-BENZ C-CLASS C200 KOMPRESSOR
型式:GF-203045
寸法:全長4535mm x 全幅1730mm x 全高1425mm
ホイールベース:2715mm
車重:1500kg
駆動方式:FR
エンジン:1.8リッター 直列4気筒 DOHC スーパーチャージャー
最高出力:163PS/5300rpm
最大トルク:23.5kg-m/2500-4800rpm
トランスミッション:5AT
使用燃料/容量:プレミアムガソリン/62L
10・15モード燃費:9.9 km/L
タイヤ:前・後:195/65R15(試乗車はAMG製F:225/45ZR17 R:245/40ZR17)
発売時期:2000年9月
当時の新車価格:455万円(消費税抜き)
試乗車スペック
初年度登録:2002年7月
販売価格:281.4万円(消費税込み)
走行距離:11,000km
ボディカラー:ブリリアントシルバー
備考:フル装 ステレオ WエアB ESP Pシート S/R ワンオーナー 社外HDDナビTV 黒革S シートH 社外AW
試乗日:2006年10月
エアコンと警告灯関係には要チェック
エンジンの吹け上がりに問題はないにもかかわらず、エンジン始動直後~数分後にエンジン警告灯が点灯することがある。これはコネクタケーブルが外れていたり、CAN(各パーツの情報をやりとりするシステム)の通信エラーなどが原因。実際にエンジンをかけ、点灯するようであれば販売店に聞いてみること。
またエアコンのトラブルも散見される。具体的には異音がする、設定温度が勝手に変わる等々だが、これもエアコンを作動させてチェックすれば確認できる。
C200 コンプレッサーのオイルタンク容量は8Lとかなり多め。過給器エンジンは熱環境がシビアなので、整備点検記録簿をチェックしてこれまでのオイル管理にも目を配っておきたい
モデル末期を迎え、値頃感は十分
2006年現在で現行のW203型Cクラスは登場からすでに6年以上が経過した。そろそろ次期モデルのうわさも聞こえてくるころだが、その商品力は決して衰えてはいない。そこでW203 CクラスをUカーで手に入れることのメリットを考えてみたい。
ベーシックな4気筒でも十分な動力性能と静粛性、流麗なスタイリング、個性的なインテリア、世界トップクラスの安全性、そしてメルセデス・ベンツというステータス……。Cクラスの特徴はいろいろあるが、やはりいちばんの魅力はプレミアムな質感を凝縮したコンパクトなボディにある。ライバルの3シリーズやA4がモデルチェンジのたびにサイズを拡大しているなかで、Cクラスのコンパクトさはいっそう際立っている。それでいて大人4人が乗っても窮屈感はないし、革内装をチョイスすればインテリアにも十分満足できるはずだ。
ライバルと直接比較するのはおもしろい
そのCクラスをUカーで手に入れるメリットとは、いまもって「現行型」だということ。世界に名だたるメルセデスのプレミアムサルーン、それも現行型が魅力的な価格で手に入るこのチャンスを逃すのはあまりにももったいない。オートプラネットではアウディA4やBMW 3シリーズなども多数在庫している。これらのライバル車と直接比較検討して、Cクラスならではの魅力を見つける、というのはいかがだろう。文・写真:DAYS・Kitajima


