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見た目はライトでも中身は本格派! ランドローバー フリーランダー

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世界で唯一、4WD車専業メーカーとして独自の地位を築いているランドローバー。ディフェンダー、レンジローバー、ディスカバリーに続く4番目のモデルとして放ったコンパクトSUVがフリーランダーだ。

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欧州でのデビューは1997年

2001年モデルのフリーランダー5ドア・ES

ランドローバーのエントリーモデル、フリーランダーは、1997年のジュネーブショーでデビュー。カジュアルなデザインを与えることで、女性や若者層を取り込み、ランドローバーオーナーの裾野を広げるべく大きな期待を担って投入されたブランニューモデルだった。

横置きエンジン&ビルトインフレーム式のモノコックボディを採用し、メカニズムの一部をローバー75から流用するなどしてコストを抑えた。


2.5L・V6エンジンと5ATが設定されて日米市場にも投入

'97年の暮れに欧州市場に登場した際には、1.8L直4ガソリンまたは2.0Lターボディーゼルと5MTとの組み合せのみのラインナップだった。ATの販売が大多数を占める日本や北米への導入には、'01年の2.5L・V6&5ATの登場を待つ必要があった。 

フリーランダーは発売以来、欧州市場ではトップセールスを記録し、日本でも幅広い支持をえた。硬派で無骨なイメージの強かったランドローバーのブランドイメージに、「スタイリッシュ」「カジュアル」という要素を加えることに成功し、期待通りの成果を上げたヒット作となった。

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3ドア&ソフトトップもラインナップ

3ドア・ソフトバックのGS

'01年1月の日本発売時は、3ドアがソフトトップ(メーカーは「ソフトバック」と呼ぶ)の「GS」、5ドアは「S」と「ES」という計3グレードでスタート。3ドアのクローズドモデルは導入されていない。

ESは上級グレードという位置づけで、本革シートやクルーズコントロール、アルミホイールなどが標準で備わる。GSにはオプションでハードトップカバーも用意されていた。2.5L・V6エンジン+5AT&4WDというパワートレーンは全車共通だ。

デビューから1年あまり経った'02年3月には小変更が行われ、前後バンパーの樹脂パーツカラー変更(灰→黒)、テールランプの形状変更、内装色の追加などが行われた。


'03年のビッグマイナーで内外装をリフレッシュ

マイナーチェンジ後のフリーランダー。涙目風のツインポケットランプをはじめとして新型レンジローバーのデザインモチーフが用いられている

'03年の9月には、ビッグマイナーチェンジが行われた。'01年に登場したレンジローバーのデザインがフリーランダーにも随所に取り入れられている。グレードも整理されて3ドアは消滅し、5ドアの2グレードのみに。グレード名もレンジローバーと同様の名称に変更されてベーシックな「SE」と豪華版の「HSE」の2グレード構成となった。

フリーランダーは特別仕様車もいくつか導入されている。いずれも魅力的な装備を数多く加えながら価格を抑えたもので、Uカー市場でも人気が高い。主要な特別仕様車はモデル変遷表の下の一覧を参照のこと。

 
新型は「フリーランダー2」という名称で欧州導入で発売される。北米市場では「LR2」という名だ

なお、2006年の7月にロンドンで開催されたブリティッシュ・モータショーで、フリーランダーの次期モデル「フリーランダー2」(北米では「LR2」)が公開されており、遠からず日本へも正規導入されるものと思われる。(2006.07)

 

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主な特別仕様車
2001.10 「アドベンチャーパッケージ」:Sをベースに、ボディスタイリングキット、プロテクションバー、クロームメッキモールなどを採用
2003.5 「HSE」:は、シートやステアリングにアルパカレザーを使用して高級感を高めたモデル。後にカタログモデルへ昇格
2005.6 「SPORT」:専用サスペンション&車高30ミリダウン、専用の18インチ・アロイホイールを装備

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ランドローバー伝統のデザインを踏襲

フリーランダーのボディサイズは全長4390mm x 全幅1810mm x 全高1770mm。全長は背面タイヤを含んだ数字で、実質的には4mちょっと。サイドから見ると、とりわけ前後のオーバーハングが短くコンパクトさが際立っている。 

全体の印象はシンプルでスッキリしたデザイン。よく言えば端正、悪く言えば押し出しと質感に欠けるが、本格オフローダーらしい質実さとエントリーモデルとしてのカジュアルさを上手にバランスさせたデザインだ。やや厚化粧の感があるマイナーチェンジ後のモデルよりも、前期のデザインの方が好みという人もいるだろう。

 

今回のサンプルカーは5ドアのES。微妙に階段状になっているルーフや、「ロイヤルコーナー」と呼ばれるスクエアなボンネット形状、そしてリアクォーターウインドウの処理など、上位モデルのデザインモチーフが随所にちりばめられている。 

 

一方、3ドアはアクティブなイメージを前面に押し出している。Bピラーから三角窓を挟んで斜めにカットされたボディがスタイリッシュ。3ドアのみに標準のグラスタルガルーフも外せば、抜群の開放感を堪能できる。

ユニークなアイディアも

電動で開閉が可能なリアガラス

リアゲートはヒンジ式のサッシュレス。ゲートのガラスははめ殺しでなくパワーウインドウで開閉が可能だ。3ドアなら幌を外してリアガラスを開ければピックアップ風な使い方もできそうだ。

短いオーバーハングによりアプローチアングル/デパーチャーアングルともに30度以上を確保しており、走破性も十分考慮されている。

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英国のクラフツマンシップ薫る室内

ベージュの内装は豪華で明るい印象だ。質感も文句ない。ナビは前オーナーが後付けしたもの

インテリアは水平基調のデザイン。スイッチ類は機能別に配置されており、ブラインドタッチも容易。ESに標準のヒーター付本革シートや、同じく本革を使用したシフトノブやステアリングのしっとりした肌触りが英国車ならではのクラフツマンシップを感じさせる。5年落ちで走行距離38000kmというサンプルカーだが、内装のヤレはほとんど感じられなかった。

居住性はサイズ相応

本革シートはしっとりした風合いで、滑りにくい。座り心地も良く長時間の乗車でも快適なドライブを楽しめる

高いアイポイントで開放感の演出と運転のしやすさに寄与する「コマンドポジション」がランドローバーの伝統。それゆえフロアが高く、1770mmという全高のわりには頭上空間の余裕はあまりない。 

 
後部座席のニースペースはそれほど余裕がない。つま先を前席の下に入れられるうえ、床がフラットなので足元の空間はかなりある

後部座席の広さもサイズ相応といったところ。全長4mちょっとのハッチバックとあってゴルフクラスと同程度か、やや狭いという印象。また後席のシートバックが立ち気味で、大人4人での長時間の乗車は少々きついかも知れない。

フラットな床は使い勝手に優れる

photo_13-s.jpg フラットな荷室は使い勝手がいい。通常時が546L、ダブルフォールディング時は最大1319L。ゴルフクラスを上回る積載性を誇る

フロアの高さはなにも悪いことだけではない。フリーランダーは床を高めにすることでフラットフロアを実現した。7:3の分割式のリアシートバックを前方にタンブルすれば27インチの自転車をそのまま飲み込むほどの空間ができあがる(写真)。収納類も豊富で、ラゲッジスペースの床下にあるセキュリティボックスや、サスペンションの張り出しを活用した収納スペース、ドアポケット、センターコンソール、グローブボックスなど小物類の置き場には困らないだろう。

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乗った瞬間から感じ取れるランドローバー

ゆったりした乗り味は他のランドローバー車を思い起こさせるもの

ドライバーズシートに座った瞬間から「ああ、ランドローバーだな」と思わせる見晴らしの良さ。ダッシュボードは低めでボンネット先端まで見渡すことができる。

エンジンキーをひねると、V6らしく「デュルルルル…」という野太い音を響かせてアイドリングを始めた。4輪独立懸架・エンジン横置き・モノコックボディということで、乗用車的なドライブフィールを想像するが、そう思わせないのがランドローバーたるゆえん。サスペンションストロークを存分に活かして、弱めのアンダーステアを伴いながらコーナーをクリアするさまは他のランドローバー、とりわけディスカバリーを思わせるものだ。見た目はライトだが、走りは重厚そのものだ。

ワインディングではフリーランダー「らしさ」も

巡航時のフラット感はまずまず。直進性は優れている

それでは、まるっきり「ランドローバーしている」かというと、そういうわけでもない。ペースを次第に上げていくと、フリーランダーらしさを感じとることができる。 

ローバー75にも搭載された2.5L V6エンジンは、アクセルペダルの開度に忠実に反応して速度をあげていく。1.6tもの車重があるだけに、パワフルな加速は望めないが、必要十分のパワーだ。JATOCO製のマニュアルモード(コマンドシフト)付5速ATはシフトダウンを引っぱるタイプで、一昔前の欧州車っぽい変速マナーを示すが、筆者はそれほど違和感を感じなかった。マッド&スノータイヤの限界が低いので速度を上げるとタイヤの鳴きは早いが、コーナーリングの姿勢は非常に安定している。ワインディングでは独立懸架サスペンションらしい軽快な走りを体感できるはずだ。 

少々気になったのは、ロードノイズとバネ下の重さ。ロードノイズはタイヤの特性上ある程度やむを得ないかもしれない。また低速では足がややバタつくこともあり、215/65R16のタイヤとアルミホイールの重さを感じさせることもあった。

HDCなど電子技術を採用

HDCのスイッチはシフトゲートの下に配置されている

本来ならオフロードの試乗も試すべきだが、サンプルカーは試乗車である前に商品なので、ラフロードでの試乗は断念した。ただ、走破用デバイスの充実度は上級車種に全く劣らない。ビスカス・カップリンクのセンターデフを持つフルタイム4WDシステムを採用し、悪路でのダウンヒルで効果を発揮するHDC(ヒル・ディセント・コントロール)やETC(トラクションコントロール)など、数々の電子制御技術を採用。走破性では乗用車ベースのいわゆる「ライトクロカン」とは比較にならないレベルだ。

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車名:LAND ROVER FREELANDER ES
型式:GH-LN25
寸法:全長4390mm x 全幅1810mm x 全高1770mm
ホイールベース:2555mm
車重:1580kg
駆動方式:4WD
エンジン:2.5リッター V型6気筒DOHC
最高出力:177PS/6250rpm
最大トルク:24.5kg-m/4000rpm
トランスミッション:5AT
使用燃料/容量:プレミアムガソリン/60L
10・15モード燃費:7.7km/L
タイヤ:215/65 R16
発売時期:2001年1月
当時の新車価格: 335万円(消費税抜き)
試乗車スペック
初年度登録:2001年6月
販売価格:165.9万円 (消費税込み) ※ランドローバー認定保証付き(12ヶ月間、距離8万kmまで)
走行距離:38000km
ボディカラー:ライトブルー
試乗日:2006年7月

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下回りと樹脂パーツの割れは要チェック

SUVは下回りのヒットに要注意。フロントアクスル周辺を中心にチェックしたい

ランドローバーオーナーには林道など本格的なオフロードにも繰り出している人も多いが、フリーランダーではさすがにそういうオーナーは少ないようで、下回りをヒットしていることはまずない。ただ、念のためチェックはしておこう。 

前期モデルはバンパーが樹脂で覆われているため割れや色落ちが気になるところ。ただ、色落ちは樹脂パーツ用のつや出しクリーナーできれいになるので、それほど心配する必要はない。

ロードノイズは人によっては気になる項目。街乗りオンリーであればいっそのことサマータイヤに交換するというのも手だ。また、ノイズがあまりにひどい場合はタイヤ以外、たとえばバブベアリングなどに問題があるかもしれない。

リコールも要チェック

また、以下のトラブルがリコール対象として報告されている。

1.エンジンルームの電気配線が車体の振動により損傷・ショートしてしまい、ヘッドライトが点かなくなったりエンジンが停止してしまう。

2.マフラー保持用のゴムリングが経年変化で伸び、リアバンパー内に排気ガスが流入し、リアバンパーの電気配線が溶けて破損する。

3.駐車ブレーキのラチェットが磨耗して駐車ブレーキが解除される。

4.3ドア車のフロントシートと背もたれ倒しレバーが干渉して規定の位置に戻らず、背もたれが固定されないことがあり、急制動時等に背もたれが前方に倒れる。

 
オートプラネットに並ぶフリーランダー

5.左後部ドアのチャイルドプルーフロック機構(子供が誤って後部座席ドアを、車内の後部ドアハンドルで開けることを防止する装置)のレバーが正常に作動しない。

オートプラネットは、正規ディーラーであるランドローバー名古屋のアプルーブドカーサイトでもあるので、展示車両は全て対策済みだが、念のためスタッフに確認を取っておいたほうがいいだろう。

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プレミアムブランドのSUVが100万円台半ばで!

青空を思わせるライトブルーのボディカラー。これから本格的なアウトドアシーズンを迎え、フリーランダーを楽しむにはいちばんの季節だ

ランドローバーといえば、押しも押されぬプレミアムブランドとして確固たる地位を築いている四駆メーカーだ。フリーランダーは、エントリーモデルとはいえ全く妥協のない仕上がりであることはこれまで述べてきたとおり。また、コンパクトなボディと高いアイポイントは運転の苦手な人にとってはプラス材料。つまり、「プレミアム性」と「身近さ」がフリーランダーには絶妙な具合でバランスしているといえる。 

そして、ドイツ車でもなく、フランス・イタリア車でもない、英国のブランドという「個性」もまた、フリーランダーのひとつのアピールポイントだろう。ステータスを誇示する道具としてだけではなく、実用性や機能が気に入ったから、あるいはつくりが良いから、といった別の価値を見いだすことができるクルマだ。 

これらの魅力が凝縮されたフリーランダーが、5年落ちとはいえ166万円(しかも1年間の保証が付く!)という価格なのだから、これぞUカー選びの醍醐味だ。

代替わりの前後はチャンス

この記事の執筆中(2006年7月下旬)に、ブリティッシュショーで新型フリーランダー発表のニュースが飛び込んできた。フルチェンジの例に漏れず、次期モデルのボディサイズはさらに拡大し、エンジンも排気量アップ(3.2Lの直6を横置きする!らしい…)するそうで、車格はワンランク上がる見込みだ。もちろんハードウエアの性能は大幅にアップデートされてくるに違いないし、内外装もきっとより豪華になっているはずだ。が、在りし日のローバーのクラフツマンシップ漂う内装やメカニズム、日本で最適ともいえるボディサイズは現行モデルだけにしかない大きな魅力。それが国産の1.5Lクラスの新車セダン/ハッチバックと同等の価格で買える。どちらを選ぶかはもちろん人それぞれだが、クルマをたんなる移動手段としてではなく、何らかの価値を見いだす対象と考えているのであれば、選択肢はおのずと決まってくることだろう

文:DAYS・Kitajima 写真:DAYS・Washio

 


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