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Uカー試乗記

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第42回:有無を言わせぬ高品質。実用ワゴンの優等生ここにあり

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VWゴルフよりも長い歴史を持つ傑作モデル

VWといえばゴルフを思い浮かべる方は多いが、パサートがデビューしたのは1973年。ゴルフが世に登場する1年前のことである。大人5人を乗せ、快適に長距離を移動するための実用セダン(ワゴン)として登場したパサートは、33年後の現在でも、その基本コンセプトを変えていない。ゴルフよりもワンランク上のクルマ、と考えれば分かりやすいだろう。特にワゴンモデルは、巨大なラゲッジスペースが確保され、ゴルフバッグや大きめの旅行カバンなどをすっぽりと飲み込んでなお余りある。道具としての使い勝手をとことん磨き、なおかつ上品な雰囲気を兼ね備えたパサートの魅力を理解する方は、かなりのクルマ通に違いない。

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初代は1973年にデビュー

1973年6月に本国デビューしたパサートは、当時のアウディ80をベースに開発が進められている。鋭角でスタイリッシュなデザインはジウジアーロによるものだ。1974年から日本への輸入が開始され、ワゴンボディは「ヴァリアント」と呼ばれていた。

1978年のマイナーチェンジを経て、1980年10月にフルモデル・チェンジを実施。しかし日本国内には、同時期にデビューしたサンタナの輸入が優先され、この2代目パサートは日本に正規輸入されていない。

そして1988年、3代目がデビューし、2年後の1990年5月より日本への輸入が正式に開始された。

パサートが4代目にフルモデルチェンジしたのは1996年。上質な高級感を備えたパサートは、メルセデス・ベンツCクラスに対抗するだけのクオリティを持つプレミアム・ブランドとして登場している。ちなみに、その半年後にはパサート・ワゴンがデビューしている。

2006年4月からは、5代目となる現行パサートがデビュー。アッパーDセグメントの本命カーとして、その走りや乗り心地のよさにさらに磨きがかかっている。

 

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アッパーDセグメントに相応しい伸びやかなフォルム

自動車デザインの王道とも言うべき端正なフォルムが4代目パサートの特徴だ。街を走るパサートは、まさに風景に溶け込む印象。こうしたパサートの主張しすぎない控えめな存在感に魅力を感じる日本人は多い。前後ピラー部にはシルバーモールがあしらわれ、そこはかとない高級感をかもし出している。特にヴァリアント(ワゴン)は、シルバーに塗装されたベースキャリアがボディ全体の質感を高めている印象だ。ボディ各部のチリの合い具合は、VWのアッパークラスに相応しい完璧な仕上がり。こうした緻密なデザイン処理が、ボディ全体のクオリティを高めている。一目見ただけで「分かる人には分かる」高品質。これがパサートの真骨頂である。

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すわり心地と使い勝手の良さは、申し分なし

VWの正しい文法にのっとった、きわめて明快な運転席パネル周り。使い勝手を最優先するVWの思想がよく現れている

大柄な人間が座っても正しいドライビングポジションを取れるのがVW車のいいところ。シートのホールド感も良好で、長時間のドライブでも違和感なくすわり続けていられるはず。特にパサートのインテリアはカラーリングや作り込みは上品かつ丁寧な仕上がり。ワゴンボディとなるヴァリアントのラゲッジスペースは驚くほど巨大で、たいていの荷物は難なく収納できてしまう容量を誇る。リアシート中央には長尺物の収納用として収納袋が備わっており、たとえば濡れたスキー板など、室内に収納するのが面倒なものでも快適に運べる配慮がされている。華美な装飾を避け、使い勝手をとことん追及する姿勢が、パサートのインテリアの隅々から伝わってくる。

 
実用ワゴンの真価が問われるのがラゲッジスペースの使い勝手だが、パサートはその点でまさに優等生。大きな荷物もらくらく収納OK。
後部座席の空間も広々。足元や頭上にもゆとりがある。華やいだ雰囲気はないが、実用性をきちんと踏まえた良心的な作りだ。
適度な硬さを保ち、長距離運転時も疲れにくいシートは非常に優秀だ。比較的大柄な体型の方でもしっかりポジションが決まる。
 
 
リアシートを折りたためば、広大なラゲッジスペースが出現。リアのホイールハウスの出っ張りも極力小さく抑えられている。
後部差席センターには、長尺物を収納するポケットが備え付けられている。汚れたものを室内に入れたくない時に便利。
全モデルにティプトロニック式の5速ATが搭載される。シルバーに輝くシフトコラムが室内の高級感をぐっと高めている。
 

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とことんスムーズ、分かりやすいインフォメーション

低・中速域から高速域まで、どこまでもスムーズで快適な乗り心地は、明らかに同年代のVWゴルフよりも一枚上手。エンジンはパサート伝統の縦置きとなっており、4代目の場合、2リッター直4、2.3リッターV5、2.8リッターV6、4リッターW8の4種類が用意されている。ちなみに取材車は2.3リッターV5。よどみなく吹き上がるなめらかなエンジンフィールは実に心地よい。室内から聞こえるエンジン音は決して不快なものではなく、むしろエンジンフィールや走行感覚を直感的に理解するための重要なインフォメーションの一種と感じた。国産高級車では味わえない、ドイツ製アッパークラスならではの独特の乗り味だ。

がしっと安定したボディ剛性は「さすが」の一言

ドイツ車らしく、ボディ剛性の高さは申し分なし。2万2千キロを走行した取材車両は、新車と同等と思われる素晴らしい剛性感を備えており、運転時の安心感は格別だ。ワゴンボディにしても、ボディのユルさはほとんど感じられず、セダンと同様のドライビングを楽しめる。高速走行時の安定感も良く、ドライバー、パッセンジャーともに快適なロングドライブを堪能できるはずだ。ただし、少々飛ばし過ぎてしまうから、その点は注意が必要だ。パサートは、その気になれば200km/hでガソリンが尽きるまで延々走り続けていられるポテンシャルを持っているクルマだ。

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車名:VOLKSWAGEN Passat Wagon(2004年モデル)
型式:GH-3BAZX
寸法:全長4680mm x 全幅1745mm x 全高1495mm
ホイールベース:2705mm
車重:1570kg
駆動方式:FF
エンジン:2.3リッターV型5気筒DOHC
最高出力:170ps(125kW)/6200rpm
最大トルク:22.4kg・m(220N・m)/3200rpm





トランスミッション:5AT
使用燃料/容量:プレミアムガソリン/62L
10・15モード燃費:9.7 km/L
タイヤ:205/55R 16
発売時期:2004年4月
当時の新車価格:379万500円(消費税別)

 

試乗車スペック

初年度登録:2004年
販売価格:258.3万円 (消費税込み) ※AP保証付(12ヶ月間、距離無制限)
走行距離:22,000km
ボディカラー:ブラックマジックパールエフェクト
試乗日:2007年1月

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走行距離と整備履歴が明らかな車両を選ぶべし

エンジンを縦に配置することで、さまざまなエンジンバリエーションでモデル展開することが可能となる。試乗車は2.3リッターV5。

VWの先代パサートをはじめ、このあたりの近代VW車になると、車両の元々のクオリティが非常に高いため、深刻なトラブルを抱えた車両は、中古車市場にはほとんど出回っていない。オイル交換等の定期的なメンテナンスをしっかり行っている車両を選ぶのが王道である。こうした車両を見分ける際の目安になるのが、車両に付加された整備履歴だ。過去の履歴が明らかな車両であれば、これからどんなメンテナンスを施すべきか、その指針も立てやすいはず。逆にいえば、いくら見た目がきれいでも、過去の履歴があいまいな車両はあまりお勧めはできない。基本的に非常に信頼性の高いモデルだが、ヘッドランプや室内灯のバルブ切れといった些細なトラブルには目くじらを立てすぎないこと。

 
ホイールはシンプルな16インチアルミを装着。前後駆動力配分を自動制御する「4モーション」の場合、抜群のスタビリティを楽しむことができる。
試乗車にはフロントウィンドウへ押さえつける圧力を一定にしてふき取り効率を高めるタイプのワイパーブレードが装着されていた。
ドアミラー一体式ウィンカーを採用。周囲からの視認性が高まるアクティブ・セーフティ装備のひとつ。
 

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先代パサートを狙うなら2001年~2006年の後期型

オートプラネットに並ぶパサートワゴン

5代目となる現行パサートが2006年に登場したことで、4代目の先代パサートは車両価格が下がり、より買いやすくなってきている。特にお勧めなのは2001年のマイナーチェンジ後のモデル。V5とV6・4モーションが新たにラインナップされ、車両クオリティは格段に高まっている。基本的には車両価格は走行距離に比例するが、非常にリーズナブルで走行距離の短い2.0リッター直4モデルを狙い撃ち、という玄人的な選択方法は意外とアリかも知れない。さらに言えば、4モーションの安定したスタビリティは魅力だが、あえてそこを外す、という手もあるだろう。いずれにせよ、前オーナーがムチャな運転をする可能性の低いモデルなので、割と安心してユーズド市場を探せるのではないだろうか。言うまでもないことだが、買った後もしっかり面倒を見てくれるショップをしっかり選んでおきたい。

視認性の高い、大きなVWマーク。基本的に控えめなデザインがパサートのいいところ。
ルーフモールはシルバー塗装が施され、より上品かつ精悍な印象に。ベースキャリア装着時のキズが少々気になるが・・・。
パサートの上品なイメージを演出するHID式ヘッドライドを装備。視認性が向上し、見た目もスタイリッシュ。
 

文・写真:DAYS・Yasuhara


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