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Uカー試乗記

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第20回:フォルクスワーゲンの万能ジャストサイズ・コンパクト、ポロ

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ゴルフの下に位置するフォルクスワーゲン(VW)のコンパクトハッチがポロ。輸入開始から今年で10年を迎えるが、知名度はVWだけでなく輸入車の中でもトップクラスのブランドに成長した。今回は、質感とコストパフォーマンスに優れた先代ポロのマイナーチェンジ後モデルにスポットを当てる。

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本国ではデビューから30年を経た歴史ある車種

初代ゴルフといっけん見分けが付かないが、ボディサイズは一回り小さい(写真:Volkswagen AG)

ポロの日本への本格的な導入は'96年。このことから比較的新しいモデルと思われがちだが、欧州での歴史は古い。'74年に登場したゴルフの下を受け持つモデルとして'75年に登場したのが初代ポロ。その後、2代目('81年~)、3代目('94~)と順調にモデルを重ね、'01年には4代目ポロ(現行モデル)が登場している。なお、2代目のクーペモデルは「ポロ・クラシック」として日本にも少数ながら輸入されていた。今回紹介するのは3代目の後期(マイナーチェンジ後)モデルだ。

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本国デビューは'94年、日本への輸入は'96年に開始

'94年に本国デビューし、2年後の'96年には日本への輸入が開始された3代目ポロ。写真はマイナーチェンジ前モデル(写真:VGJ)

3代目ポロは'94年にドイツ本国で登場。日本へはその2年後の'96年から導入が始まった。上級モデルのゴルフ(III)がモデルライフ後半を迎え、2年後に登場することになる次期モデル(IV)がさらに大型化することが確実視されたことから、ゴルフの下を受け持つコンパクトモデルが待望されていた頃だ。

初代ゴルフとほぼ同サイズ

マイナーチェンジ後のベースグレード・4ドア。今回のサンプルカーだ

全長4mを越えたゴルフ(III)に対して、ポロは全長3.7mと初代ゴルフ並のコンパクトサイズ。デビュー時のラインナップはベースグレードの「ポロ」1タイプのみ。ただ、1.6Lの直列4気筒SOHCエンジンは5MTまたは4ATと組み合わせられ、ボディタイプも2ドア/4ドアが選択できた。

このようなシンプルなラインナップながら、高い安全性と高速安定性、そしてフォルクスワーゲンの信頼性とステータスを兼ね備えたコンパクトカーとしてたちまち人気車種に成長。導入開始から2年足らずで3万台を販売、これを記念した特別仕様車(「シルバーセレクション」)もリリースされた。

'00年5月にはビッグマイナーを実施

ポロGTI。プロジェクタータイプのキセノンヘッドライトにBBSアルミ、レッドに塗装されたキャリパー、メッシュグリルなどが識別点。4ドア右ハンドル・5MTのみの設定

日本導入から4年目を迎えた'00年5月には、マイナーチェンジを実施。ベースモデルの搭載エンジンは1.6LのSOHCからオールアルミ製の1.4L・DOHCに変更された。このほか、前後バンパー形状の変更や、ヘッドライトのクリア化、トレッドの拡大、インテリアの刷新など、全体の60%にも及ぶパーツが新設計されるなど、大がかりな改良となった。

マイナーチェンジに合わせて、1.6LのDOHCエンジン(125PS)を搭載するスポーツモデルの「GTI」を追加、また前期モデルに特別仕様車として発売され好評を博したキャンバストップモデルの「オープンエア」もラインナップに加わった。

 

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全く古びて見えない

マイナーチェンジでナンパープレートがバンパー部に移され、スッキリしたリアスタイルになった

今回のサンプルカーは'01年式のベースグレード・4ドア。ボディサイズは全長3750mm x 全幅1660mm x 全高1425mmで、いわゆるBセグメントに属する。ライバルはプジョー206や、オペルヴィータなど。

'00年のビッグマイナーでヘッドライトレンズがクリア化されており、上級モデルのパサートとの共通性を強く感じさせるフロントマスクになった。総じてデザインのクオリティは高く、登場から5年を経た現在でも古さは感じられない。塗装の質感やボディパネルのチリ合わせは、クラスを越えた水準を持つ。

老若男女が乗っても違和感ないスタイル

VWおなじみのワッペングリルは、ベースグレードではボディ同色の4本バーだが、GTIではメッシュとなる。ベースグレードでもシューズは185/55R14とかなりワイド。サイドスパッツやバンパーに移されたリアのナンバープレートなど、低重心を強調するディテールがスポーティでスタイリッシュな印象を強めている。若い女性だけでなく中高年が乗っても違和感のないデザインといえる。

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マイナーチェンジで内装部パーツも大きく変更

鮮やかなブルーのシートがお洒落。前席は座り心地・広さともに文句なし

マイナーチェンジでシート地やドアトリムの素材が全面的に変更され、インテリアもなかなか垢抜けたデザインになった。ドアを開けてまず目に飛び込んでくるのは、目にも鮮やかなブルーとフランネルグレーのコンビシート。VWにしては当たりの柔らかいシートだが、サポートは十分だ。

 
ダッシュポケットやドアポケット、シート横の小物入れなどの収納も豊富。インテリアの質感は現在でも十分通用するレベル

インストゥルメンタルパネルのデザインはマイチェン前と変わらず新しさはないが、上下二段で色を分け、細かいシボを加えることでプラスチッキーさを上手に隠している。メーターやATのシフトゲートにはクロームメッキの縁取りが付いたが、シックなポロのインテリアにあって、やや浮いてしまっている感もある。

オーディオは2ドアを除く全車に8スピーカー&AM/FMチューナー付MDデッキが標準で搭載(2ドアは4スピーカー)される。サンプルカーには純正オプションのCDチェンジャーが装備されていた。

手堅いパッケージング

後席の居住性はやや窮屈。マイナーチェンジではフロントシートのシートバックをえぐるなどして後席乗員のニールームの拡大を図っている。大ぶりのヘッドレストが心強い

基本設計は'90年代前半に行われたクルマだけに、パッケージングについてはやや古さを感じさせる部分も。前席の居住環境は十分で、リフトアップ機構の付いたシート(ダイヤル式のリクライニング機構は不便)、チルト機構が付くステアリングのおかげでシートポジションは決めやすい。

一方、後席のニースペースはやや窮屈だ。また後席シートバックはかなり寝ていて、きちんとした着座姿勢が取りづらい、というのが正直なところだ。

充実の安全装備

マイナーチェンジ後モデルではサイドエアバッグが全車に標準装備となる

安全装備は充実。マイナーチェンジでは、サイドプロテクションバーを追加したり、ルーフメンバー/Cピラーを補強するといったボディ強化も実施された。このほか、4輪ディスクブレーキ、EBD(電子制御ブレーキ圧配分システム)付ABSやサイドエアバッグなどの安全デバイスもぬかりなく装備する。

 
通常時は245L、分割可倒式のリアシートを前方に倒せば最大975Lの容積が生まれる。トランクルーム下にはフルサイズのスペアタイヤが収納されている

荷室は6:4の分割可倒式のダブルフォールディングで、通常時の245Lから975Lまで荷室が拡大する。

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実用的なエンジン、ハンドリングは安定志向

過度に重厚でも軽快でもない、バランスの取れたハンドリングがポロの特徴。ステアリングは軽く、駐車時に苦労することはない

DOHCヘッドを持つオールアルミ製1.4Lエンジンは、1070kgのボディを過不足なく引っぱる。ATとのマッチングも良く、中低速トルクの厚みは十分だ。タウンスピードでは静かだが、4000回転以上ではややノイジーなので、あまり回す気にはならないだろう。

ハンドリングはドイツ車らしくガッシリしたものを予想していたが、ボディの剛性感は今の基準からすればそれほどでもなく、ロールもかなり許すタイプ。街乗りで試した限りでは以前に乗ったオペル・ヴィータとよく似た印象だ。

 

マイナーチェンジによって直進安定性が向上。自動車雑誌などでしばしば指摘されていたタイヤのバタつきはそれほど感じられなかった。サンプルカーの装着タイヤはミシュラン・エナジー

ステアリングは軽いもののかなりスローな設定なので、峠道をヒラヒラ小気味よく駆け抜ける、というのは難しい。VWにしてみれば走りを楽しむならGTIで、ということなのだろう。

直進性は高いが、矢のような直進安定性かというとそういうわけでもない。もっとも、法定速度で高速道路を巡航する分にはまったく問題はないレベルだ。乗り心地は良好。2410mmという短いホイールベースながらピッチングもよく抑えられ、ロードノイズも気にならない。後席に人を乗せても快適に移動できるだろう。

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車名:Volkswagen Polo 4 Doors
型式:GF-6NAHW
寸法:全長3750mm x 全幅1660mm x 全高1425mm
ホイールベース:2410mm
車重:1070kg
駆動方式:FF(前輪駆動)
エンジン:1.4リッター直列4気筒DOHC
最高出力:75PS/5000rpm
最大トルク:12.8kg-m/3800rpm





トランスミッション:4AT
使用燃料/容量:レギュラーガソリン/45L
10・15モード燃費:12.8km/L
タイヤ:前・後:185/55R14
発売時期:2000年5月
当時の新車価格:195万円(消費税抜き)

 

試乗車スペック

初年度登録:2001年11月
販売価格:98.7万円
走行距離:36000km
ボディカラー:ジャズブルーパールエフェクト
試乗日:2006年5月

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電装系は要チェック

いかにもフォルクスワーゲンらしくスッキリ整理されたポロのエンジンルーム。後期モデルはパワートレーンの信頼性は高いが、整備記録はきちんと確認しよう

マイナーチェンジ前モデルではクラッチやアクセルワイヤー部品のリコールの報告が見られる。また、プラグコードの断線もリコール対象になっているので、前期モデルを探す際には対策済みかどうかをチェック。後期モデルではそのようなトラブルはほとんど目に付かないが(リコール報告例は数件あり)、エアコンやパワーウインドウのレギュレータの調子が悪い個体もあるので、試乗の際には要チェックだ。

また、旧型ポロは最終モデルでも4年落ちということで、そろそろ経年劣化によるトラブルが出始めるころ。油脂類はきちんと定期的に交換されてきたか、タイヤは片減りしていないかなど、基本的なチェックを怠らないように。

車両状態表だけでなく自分の感覚でもチェックを

バンパーの下に、樹脂製のスパッツが見える。こういう部分も擦った形跡がないかなど、納得いくまで確認したい。APでは、セールススタッフがいちいち来場者にまとわりついてこないから、思う存分検分できる

APでは第三者機関による品質検査をおこなっているので、状態表を見ればコンディションはひと目でわかるが、本気で購入を考えるのであれば、できるだけクルマに乗って・触れて状態を把握してきたいもの。そうすれば購入後の心配を減らすことができる。ちょっとでも気になるところがあればスタッフに尋ねよう。

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VWのスタンダードコンパクトが100万円を切る!

ポロの在庫は充実しており、常時10台近くが展示されている。ポロだけが目当てでなくても、プジョー206やルノールーテシア、オペルヴィータなど同クラスのクルマも多数展示されているので、ぜひとも見比べていただきたい

サンプルカーの価格は98.7万円。安心のワンオーナー、鮮やかなジャズブルーのボディカラー、高い安全性と信頼性、スタイリッシュなデザイン、APならではの1年間走行無制限保証、そしてVWというブランド。これらの要素がコンパクトなボディにぎゅっと凝縮されたポロが、100万円を下回るプライスで手にはいるというのは大きな魅力。国産のリッターカーや軽自動車と比べても値ごろ感は十分に高い。

ちょっぴり古くて、新しい

シンプルでクリーンな旧型ポロのデザインはいつ見ても飽きない。値頃感も非常に高く、コンパクトクラスのUカーとしては魅力の高い一台だ

旧型ポロ(特にマイナーチェンジ後)の魅力は、ちょっぴり古くて新しいところにある。現行モデルの丸みを帯びたフォルムよりも、'90年代のVWらしい質実な雰囲気が漂う旧型ポロの方が好み、という人もいるはず。

それでいて、装備や性能は'00年代の水準を保っており、新しさと古さが絶妙にバランスしているという点で旧型ポロを選ぶ価値が出てくるわけだ。そしてコストパフォーマンスも高いとなれば、文句なし。これこそまさにUカー選びの醍醐味といえる。

文・写真:DAYS・Niwa

 


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