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アルファロメオ アルファ 145 クアドリフォリオ

掲載日 : 2007年06月02日

第48回:アルファ渾身の、元祖ハッチバックFFスポーツ

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ハッチバック・アルファの魅力を知らしめた1台

1990年代初め、フィアット傘下で経営再建を図ることになったアルファロメオは、フィアット各モデルをベースにし、大幅な部品共有化によって生産コストを下げる必要性に迫られていた。手ごろな価格の大衆車でありつつ、スポーティでスタイリッシュな雰囲気を備えたモデルとして、1994年、アルファ145は登場した。アルファといえばスポーツセダン、という既成概念をがらりと変えた、アルファ渾身のハッチバックモデルであった。ベースとなったのはフィアット・ティーポで、個性的なスタイリングはアルファロメオ社内デザインチームの手による。日本には最上級モデルである2.0リッターDOHCツインスパーク版のみが正規輸入された。

 

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147へとつながるコンパクト・アルファの出発点

1994年にデビューしたアルファ145は、基本的に3ドアハッチバック1種類だ。エンジンバリエーションは1.4リッターから2.0リッターまで数種類あり、特に1.4リッター、1.6リッターエンジンは伝統の水平対向4気筒エンジンを搭載するなど、アルファらしいこだわりを備えたモデルだった。日本に正規輸入されたのは1996年9月。ラインナップは2.0リッター直4エンジンを搭載する“クアドリフォリオ”と呼ばれるトップグレードのみであった。その後、1999年1月にはエンジンに改良が施された後、同年9月にはマイナーチェンジを実施。フロントマスクの変更やボディ同色バンパーなどを備え、より質感を高めている。2001年1月には“セリエ・スペチアーレ”と呼ばれる限定モデルが登場。2002年からは後継車種となるアルファ147との併売となり、145は2002年、すべての生産を終えている。

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シャープで伸びやかなフォルム

盾をモチーフにしたアルファロメオ伝統のフロントグリルがあしらわれた145。直線的なエッジの効いた独特のフォルムは90年代アルファの得意技だ。VWゴルフなどに代表される、いわゆるCセグメントに属するモデルとなる。ボディサイドに刻まれた鋭いエッジ処理はアルファ155などとも共通している。デビュー当初は、奇抜とも思えるスタイリングに賛否両論が巻き起こったが、その後の147、156といったモダン・アルファロメオの先駆けとなった重要なモデルとして再評価されている。ボディバリエーションは3ドアハッチバックのみとなり、その後デビューした5ドアセダンの146は、実質 145の兄弟車となる。1999年9月のマイナーチェンジにともない前後の樹脂バンパーがボディ同色となり、質感が高められている。

 

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優れた居住性と使い勝手のよさ

アルファの3ドアハッチバックモデル、となれば当然、スポーティな印象を抱く145だが、室内空間は意外にも心地よく快適だ。シート地はファブリックだが、シートの出来は非常にいい。サイズが比較的大きいため、ドライバーは適度な包まれ感に満たされる。特にダッシュパネルの造形は非常に個性的で、助手席側を大きく削り取ったような形状になっている。助手席に座った人は、広々とした空間を楽しめるはずだ。ステアリングやシフトノブにはレザーが使われ、アクセントとなる赤いステッチが上質間をかもし出す。ラゲッジスペースも十分な広さを確保しており、リアシートは6:4分割可倒式だ。リアセンターにヘッドレストがないあたりに時代を感じるが、おおむね良く出来たCセグ欧州車、といった印象だ。

意外なポイントだが、145は後部座席もけっこう広い。シートの幅や厚みも十分だが、3ドアなので乗り降りは少々不便
日本導入の145は2.0リッター5MT仕様のクアドリフォリオのみ。5速MTはギア比が接近しており、機敏な走りを楽しめる
座面の幅が広く、適度なホールド感で身体を支えてくれるフロントシート。ポジション調整範囲が狭いのは残念
 
ハッチバック車らしく、リアラゲッジスペースは広い。ただしバンパー位置が高く荷物の出し入れは少々不便だ
リアシートのサイドパネルには大型スピーカー、灰皿を内蔵。後部座席のゲストにも(いちおう)気を使っている
センターコンソール部には大きな空調ダクトを備える。使い勝手は悪くないが、デザイン的には少々古臭いかも

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パワフルでよく回るエンジンが気持ちいい

145に搭載される2.0リッター直列4気筒エンジンは、ひとつの気筒に2つのスパークプラグを備え、燃焼効率を高めるアルファ伝統の『ツインスパーク』方式を採る。このエンジンはアルファ155にも同様に搭載されており、今となってはアルファ最後のツインスパークエンジンだ。

よどみなく吹き上がるエンジンのフィーリングは非常に心地よく、官能的ですらある。アクセル開度に応じたエンジンの応答性も高く、パワフルな加速を堪能できる。5速マニュアル式のトランスミッションとも相まって、ついついスポーティな走りを追い求めてしまう。これは紛れもなくアルファロメオのアイデンティティであり、アルファのボトムレンジを担っていた145においても、アルファの血は脈々と流れている。

ボディ剛性は決して高くはない

ボディサイズの割には大柄な2.0リッターエンジンを搭載するせいで、ややフロントヘビーにも感じられる。エンジンパワーでボディを引っ張りあげるような感覚だ。ちなみに欧州では水平対向1.4リッターエンジン搭載モデルなどもリリースされていた145だが、アルファらしい官能の走りを求める向きにはやはり、アルファのフラッグシップ・グレードのみに冠される2.0リッターツインスパークエンジン搭載のクアドリフォリオがベストかと思われる。アルファロメオの魅力とは、何はともあれエンジンであり、高回転域まで一気に回るエンジンのフィーリングを楽しむことが、145の備える最大の価値だといっていい。

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車名:Alfa Romeo Alfa 145 Quadrifoglio(1999年モデル)
型式:E-930A534
寸法:全長4095mm × 全幅1710mm × 全高1425mm
ホイールベース:2540mm
車重:1240kg
駆動方式:FF
エンジン:2.0リッター直列4気筒DOHCツインスパーク
最高出力:155ps(114kW)/6400rpm
最大トルク:19.1kg・m(187.3N・m)/3500rpm





トランスミッション:5MT
使用燃料/容量:プレミアムガソリン/55L
10・15モード燃費:-km/リットル
タイヤ:195/55R15
発売時期:1999年1月
当時の新車価格:266万円(消費税別)

 

試乗車スペック

初年度登録:1999年6月
販売価格:65.1万円 (消費税込み) ※AP保証付(12ヶ月間、距離無制限)
走行距離:31,000km
ボディカラー:アルファレッド
試乗日:2007年3月

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特に動力系統をしっかり確認すべし

ひとつの気筒に2つの点火プラグを備えた、アルファ伝統の「ツインスパーク」エンジンを搭載する

いわゆるラテン車が好きな方ならとっくにご存知のことだが、1990年代のアルファロメオの品質は、同年式国産車とは比べるべくもないレベルにある、という事実をまずは認識しておきたい。こうした145のネガティブ要素を全部打ち消して余りある存在が、直列4気筒ツインスパークエンジンである。というわけで、145をユーズドで購入しようという方は、なにはともあれ動力周りを重点的にチェックしておきたい。まずは走行距離に応じてタイミングベルト交換の有無をチェック。ちなみに交換タイミングに関するメーカー推奨値はアテにならない。アルファの2リッター直4エンジンの場合、走行2万キロ程度で交換するのが望ましいと言われている。エンジンブロックの継ぎ目からオイルが多少滲んでいる程度なら問題ないが、地面にオイルがたれているようなら要注意。また、フロントホイール内側、ドライブシャフトブーツ(蛇腹状のゴム部品)が破れている車両も避けたほうが無難だ。クラッチ板の磨耗度合いも気になるところだが、正規ディーラー系列であれば純正部品を使ってきちんと交換、という手もあるだろう。いずれにせよ、買ってから乗りっぱなし、というわけにはいかないのがこの時代のアルファ車だ。

 
この145に限らず、アルファのアルミホイールはセンターキャップエンブレムの付いた純正仕様がいちばんカッコイイ
経年変化が進んだ樹脂部は白く濁ってしまう。市販のケミカル剤を使うか、チャームポイントと考えるかは自由だ
リヤハッチバックに備わるアルファのエンブレム。スライドさせると、そこには鍵穴が隠されている仕組み

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買った後でしっかり手をかけるつもりで

オートプラネット店内に並ぶアルファ145

車両はエンジンオイルを定期的に交換していたことが分かる車両がベストだが、少なくとも購入時は必ずオイル&オイルフィルターを新品に交換すべし。またエアクリーナーフィルターやフューエルフィルターも、可能であれば新品に交換しておきたい。純正部品が手に入る正規ディーラー系中古車店であれば心強いはず。ツインスパークのキモとなるスパークプラグは純正ではなく市販の高級プラグ(イリジウム等)を付けるという手もある。その際はハイテンションコード(プラグコード)も併せて交換するといいだろう(その際は8本のプラグの電気抵抗値を一定にすればベスト)。アルファ145の場合、生産終了からすでに5年が過ぎており、グッドコンディションを保った車両を見つけるのはだんだん難しくなってきている。コンディションに関しては、ある程度妥協をした上で、購入後にしっかり手を加える、という方法が今のところベターだ。今回取材した145の車両価格は65万円だが、購入後の整備予算として、車両の程度にもよるが20~30万円を見ておけば、より幸せなアルファライフが過ごせるはずだ。


文・写真:DAYS・Yasuhara

 

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