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Uカー試乗記

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メタルトップ・カブリオレ”のトレンドを作ったモデル

コンパクトなフランス車として欧州はじめ日本でも大ヒットしたプジョー206をベースにした、オープンタイプの派生モデル、それがプジョー206CCだ。CCとは「Coupe/Cabriolet(クーペ/カブリオレ)」の略。メタルトップの屋根を閉じればクーペボディ、屋根を開ければ開放的なカブリオレとして楽しめるモデルだ。特に高温多湿で雨の多い日本においては、屋根を閉じた際のメタルトップならではの気密性の高さが評判を呼び、さらに手ごろな価格とも相まって高い人気を誇った。それまではメタルトップのオープンカーといえば一部の高級ブランドだけの専売特許だったが、206CCの登場以降、他ブランドからもリーズナブルなメタルトップ・カブリオレ車が続々と登場するようになった。206CCは、その先鞭を付けたエポックメイキングな1台だ。 206CCは全世界で36万台がデリバリーされ、日本市場においては206シリーズの実に16%以上がCC、という統計もある。

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206CC の日本での発売が始まったのは2001年5月。206XSと同じ1.6リッターエンジン搭載の標準グレード“CC”が登場し、約1年後の2002年5月には、スポーティなホットグレード206 S16の2リッターエンジン+5MTを搭載した“CC S16”がデビューしている。車両価格は206CCが275万円、206CC S16が290万円となっていた。その後、元々は限定車として登場した後に正式ラインナップに加わった、グリーン&カーキ色の本革があしらわれた“CC ローランギャロス”がデビュー。2003年からは前後左右の樹脂パンパーが黒からボディ同色タイプとなり、さらに高級感が高められている。

他にも、シックな本革仕様の“CC グリフ”、ビビットな色使いが新鮮な“CC カラーライン”、深い青を基調とした“CC ミッドナイトブルー”、1.6リッターエンジンながらスポーティな印象を強めた“CC RC”など、様々なモデルが存在している。2007年5月現在、206CC(268万円)と206CCグリフ(293万円)の2モデルがラインナップされている。

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見事なまでのクーペ・フォルムの美しさ

クーペからカブリオレへの変身は、約20秒で完了する。開閉ボタンから手を離せば動作がストップする仕組みだ

ハッチバックモデルの屋根を切り取ってカブリオレとした派生モデルは、昔からあるオーソドックスな存在だ。しかし206CCがデビューした時は、そのフォルムの美しさに誰もが驚いた。折りたたまれたメタルトップ部は完全にラゲッジスペース内に収納され、若干寝かせ気味になったAピラーやリアのラゲッジドア周りのデザインも絶妙だ。さらに特筆すべきなのは、屋根を閉じた際のフォルムの美しさ。普段、屋根を閉めて走行することの多い日本において、これは非常にポイントが高い。元々完成度の高いデザインとして評判の高かった206を巧みにアレンジしたプジョーの手法はお見事。近年におけるメタルトップ車のさきがけといえばメルセデス・ベンツSLKが採用したヴァリオルーフ・システムが思い浮かぶが、車両価格200万円台のコンパクトカーに採用されたという意味で、206CCは非常に重要なモデルと言える。

 
S16は16インチアルミホイールを標準装備。シンプルながらもスタイリッシュで飽きのこないデザインとなっている
フューエルリッドは“お約束”のアルミ製。ちょっとしたワンポイントがボディ全体をぐっと引き締める
リアラゲッジ上部にあしらわれたサイドレールと5本のフィン。オープンでもクローズでもカッコイイ理由のひとつ

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目に映えるツートンカラーの本革内装が超クール

赤と黒のツートンカラーがスタイリッシュなCC S16のインテリア。街なかでの注目度も抜群

たくさんのギャラリーの目に触れることを前提としたオープンカーの内装は、当然ながらスタイリッシュでなければならない。206CCのインテリアは本革を使った赤と黒のツートンカラーで美しくしつらえてあり、コンパクトカーとは思えないレベルのハイクオリティを実現している。Aピラーの傾斜がきついせいもあり、運転席は少々タイトな印象だが、走り出してしまえば、むしろ人車一体感が高まって心地いい。

後部座席も一応用意されているが、これはさすがに大人が座るには狭すぎる。後部座席は手荷物スペースもしくはエマージェンシーシートと割り切って使うのが正解だ。また、オープン時は2分割したメタルトップがラゲッジスペース内に収まるが、その状態でも荷物を収納するスペースが確保されている点も評価できる。ラグジュアリーなコンパクト・オープン・スポーツカーだが、その実用性や使い勝手はさほど悪くはない印象だ。

 
リアシートに大人が乗車するのは止めておいたほうがいいだろう。手荷物スペースとしてなら十分な容量がある
リアシート後方に設けられた横転時の生存空間確保用バー。これが必要になるシーンはちょっと想像したくないが…
ラゲッジ内にはトノカバーが付いており、これが積み込む荷物の量を制限するセンサーの役割を果たしている

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絶対速度は速くないが、運転が楽しい

ハッチバックの206と比較してボディ重量は増加しているものの、2.0リッターエンジン搭載のS16は必要にして十分なパワーを備えている。加速は俊敏、とは言いがたいが、しかしコーナー時にしっかりと粘るサスペンションや素直なステアリング・フィールは相変わらず206らしく好印象。メタルトップを収納してしまえば、素晴らしい開放感とともにオープンエア・ドライビングを楽しめる。この圧倒的な爽快感を一度でも味わってしまうと、パワーやトルクに関する数値などどうでもよくなってしまうのが206CCの魅力だ。ちなみに206CCのベースグレードは1.6リッターエンジンとなり、さすがに少々非力な印象は否めないが、前述の通り、このクルマは数値やスペックでは測れない楽しさに満ちている。

周囲の熱い視線が、ちょっぴり気恥ずかしくもある

とかく日本ではオープンカーが注目されてしまうわけだが、206CCの場合も同様だ。屋根を開け放ってのドライブは周囲の視線を堂々と無視する気構えが必要かもしれない。メタルトップの開閉は約20秒で完了するから、たとえば走り出した先の信号待ちなどで、すばやくオープンカーに変身することも可能。ただし開閉の際はAピラー上端のレバー式フックを手動で操作する必要がある。特に大きな力を必要としないので、これは女性でも難なく操作できるはずだ。

もう一点注意しておきたいのが、ラゲッジルーム内の荷物。屋根を開ける際、2分割されたメタルトップが収納されるスペースをラゲッジルーム内に確保しておく必要がある。206CCの場合、ラゲッジルームにトノカバーが備わっており、これを正しく閉じていないと、センサーがそれを感知して屋根の開閉モーターが駆動しない仕組みになっている。

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車名:Peugeot 206CC S16 (2002年モデル)
型式:GH-M206CC
寸法:全長3810mm x 全幅1675mm x 全高1380mm
ホイールベース:2440mm
車重:1190kg
駆動方式:FF
エンジン:2.0リッター直列4気筒DOHC
最高出力:137ps(100kW)/6000rpm
最大トルク:19.8kg・m(194N・m)/4100rpm





トランスミッション:5MT
使用燃料/容量:プレミアムガソリン/50L
10・15モード燃費:-km/リットル
タイヤ:205/45R16
発売時期:2001年5月
当時の新車価格:290万円(消費税別)

 
試乗車スペック

初年度登録:2002年
販売価格:170.1万円 (消費税込み) ※AP保証付(12ヶ月間、距離無制限)
走行距離:30,000km
ボディカラー:オプシディアンブラック
試乗日:2007年5月

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屋根の開閉機構は、かなり頑丈にできている

オープンカーをユーズドで購入する際、一昔前までは室内に雨水が漏れていないかを確認するのがお約束だったが、昨今のオープンカー、特にメタルトップ車の気密性は非常に高く、室内に雨水が浸入するケースはほとんどないといっていい。またメタルトップ車の場合、その開閉機構が非常に複雑な構造になっているものの、開閉用ダンパーや駆動モーターの耐久性は高く、たとえば屋根が開かない、閉じない等のトラブルを心配する必要はなさそうだ。その他のチェックポイントとしては、通常のコンパクト欧州車を買う時と同様。定期的にエンジンオイルを交換してある車両を選ぶのが望ましいことは言うまでもない。AT車の場合、変速ショックがあまりにも大きな車両は避けたほうが無難。また、せっかく綺麗な内装を誇る206CCだけに、本革シートのヤレやキズにも注意を払っておきたいところだ。

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豊富な限定車を狙ってみよう

オートプラネットに並ぶ206CC

2007 年5月現在も正式ラインアップされており、今でも206CCはプジョーの人気モデルだ。在庫数はさほど多くはないものの、ワンオーナー車を中心にある程度安定した数の在庫があるから、購入希望者は焦らずじっくり探すのが吉。206CCの場合、グリフ、ローランギャロス、カラーライン、ミッドナイトブルー等、過去に様々な限定車が登場している。価格の割りに装備が充実している限定車を狙えば、お買い得感はますます高いはずだ。購入後の注意点は特にないが、エンジンを切ったままの状態で屋根の開閉を繰り返すと、当然バッテリーの消耗が大きいことをお忘れなく。また、屋根が濡れた状態でうっかりオープンにすると、トノカバーはじめラゲッジルーム内が濡れてしまうのでご注意を。S16やグリフ等、本革仕様車の場合なら、内装のメンテナンスも意識しておいたほうがいいだろう。市販の革クリーム等でメンテナンスしておけば、本革の寿命も延び、見栄えもぐっと良くなるはずだ。

文・写真:DAYS・Yasuhara

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