掲載日 : 2007年06月21日
2005 MINI クーパー コンバーチブル
MINIの4人乗りオープンモデル
日本では2002年3月2日(ミニの日)に発売されたBMW・MINI(ミニ)。それをオープンカーに仕立てたのがMINI コンバーチブルだ。04年8月にクーパー(116ps)とクーパーS(170ps)の2グレードで発売された。
最近は電動ハードトップ式のオープンカーが多いが、MINIコンバーチブルはオーソドックスな幌(ソフトトップ)を選択。オープンカーらしいたたずまいや、開閉スピードの速さを重視している。開発スローガンは「オールウェイズ・オープン(Always Open)」。いつでもどこでも気軽にオープン、といったところだ。
なおBMW・MINIは2007年2月に2代目(R56型)にモデルチェンジしているが、現行コンバーチブル(R52型)は2007年6月現在、初代(R50、R53型)ベースで継続販売されている。
コンバーチブルのラインナップは以下の4種類(価格は04年発売当初のもの。消費税込み)。
- クーパー コンバーチブル(5MT) 282万4500円
- クーパー コンバーチブル(CVT) 292万9500円 ★今回の試乗車
- クーパーS コンバーチブル(6MT) 323万4000円
- クーパーS コンバーチブル(6AT) 339万1500円 ※05年11月以降にオプション設定
試乗したクーパーのCVT(無段変速機)はAT免許でも乗れる販売の主力。少し遅れてクーパーSにも6AT仕様がオプション設定され、翌年からデリバリーされた。(2007.06)

やっぱりオープンが似合う
クーパーのボディサイズ(通常モデル比)は全長3650(±0)×全幅1690(±0)×全高1415(-40)mm。幌を下げた状態がやはりカッコよく、あるべきはずの屋根がごっそり無い、ということで非日常感が盛り上がる。オープンカーが好きな人も、そう好きじゃない人も、一目見てワクワクしてしまうデザインだ。
幌を閉めてもよくまとまっている
オープンカーとはいえ実際には幌を閉めて乗ることが圧倒的に多いから、その時の格好はとても重要だ。その点、MINIコンバーチブルの幌の形状は、通常のMINIとそっくりで、スタイルが崩れていないのがいい。リアウインドウはもちろん熱線入りのガラス製だ。
ちなみに、幌を閉めた状態もオープンカーらしさが味わえる乗り方の1つ。ガラスと鉄板の代わりにファブリックで外界から遮断された空間は、大げさに言えばテントの中みたいに居心地がいい。また、ふだん閉めている時間が長いほど、幌を開けた時の歓びも大きいものだ。
電動トップの開閉は約15秒
インテリアは先代R50型のMINIとほぼ同じ。センターメーターやトグルスイッチの機能性に多少難があるものの、「ま、いっか」と思えてしまう憎めないデザインだ。
電動トップの開閉ボタンは、フロントウインドウの上(バックミラーの近く)。ロックも含めて全自動で、ボタンを押すとまず頭上のルーフがスライドして「サンルーフ」モードになる。これはちょっとだけ風を感じたい時や、幌を全開するのは気が引けるときに重宝するモード。ボタンを押し直すと、再び幌が動き出し、約15秒で全開する。
開閉スピード、操作性ともに太鼓判の幌!
15秒で開閉というスピードは、掛け値なしに速い。2007年6月現在、筆者の知る限り、電動幌の開閉で最速なのは、BMW・Z4(フルオート)やホンダS2000(ロックのみ手動)の10秒未満だが、これらは2人乗りでルーフ部分が小さい。4人乗りオープンカーとなると25秒~30秒が相場だが、経験から言って30秒かかると赤信号の停止中には作動が間に合わないことが多い。しかしMINIの15秒なら思い切って作動に踏み切れるはずだ。
しかもMINIがすごいのは、微低速(6km/h以下)で、開閉操作を続行できること。信号が変わったら、ゆっくり動き出してその間に作動を完了させればいいのだ。これがどれくらい便利かは、実際に使ってみるとよく分かる。
畳んだところも絵になる
折り畳まれた幌を隠すトノカバーの類いはなく、それが幌の開閉速度の速さの一因でもある。こんもり後方に盛り上がった幌が気になるかもしれないが、戦前のクラシックカーなどの幌(特にドイツ車)、それに新旧ビートルのカブリオレなんかもやはりこんな風に盛り上がる。MINIの開発スタッフが確信犯的に狙ったものだ。
クーパーのCVTでもパワー十分、バランス良し
試乗車はクーパー(116ps)のCVT(無段変速)車。これまで試乗したコンバーチブルはクーパーS(170ps)が主だったので、「クーパーだと非力かなあ」と思っていたのだが、乗ってみてすぐに「ぜんぜんパワーあるじゃん!」となった。コンバーチブルはボディ補強(サイドシル板厚アップ、Aピラー補強、アルミ製ロールバーや幌の追加、側突対策のドアなど)などによって、通常のMINIより約130kg重いのだが、まったくそんなことを感じさせない。オープンで風を浴びながら小気味よく走らせるには、ちょうどいいパワーだ。クーパーSの6ATはもちろんパワフルだが、クーパーCVTのバランスも捨てがたい。最高速(5MT車)はメーカーによると193km/hで、0~100km/h加速も9.8秒とまずまずだ。
オープンカーで気になるボディ剛性も高く、まったく不満なし。こうしたカブリオレモデルでは往々にしてステアリングの反応が曖昧になるなど大なり小なりオープン化の影響があるものだが。BMWの底力を見せ付けられた感じだ。
なお、1つだけ欠点として指摘すべき点は、後方視界が良くないこと。特に幌を閉めた時がそうだ。オープンモデルではある程度仕方ないもので、これはもう慣れるしかない。バックセンサーも付いているし全長が短いので、ものすごく困るということはないはずだ。
クーパーSはかなりスパルタン(特に6MT)
今回は試乗しなかったが、170psと22.4kgmを発揮するクーパーSの6AT車はこれをもっとパワフルにして、乗りやすくした感じ。一方、Sのマニュアル車はエンジン回転を引っ張って乗れるせいか、「ボボボボォン」という排気音や「キュイーン」というタービンノイズが勇ましく、バックへのシフト操作が重かったりもして、ちょっとしたチューニングカー風の味わいになる。そこでさらに幌を開け放ち、街や高速道路で風を切りさきながら劇走するのは快感以外の何ものでもないが、その刺激は少々マニアックかも。Sのコンバーチブルは最高速度215km/hを謳うが、オープンならその半分のスピードで十分飛ばしている感じが味わえる。
車名:MINI Cooper Convertible CVT(2005年モデル)
型式:GH-RF16
寸法:全長3650mm×全幅1690mm×全高1415mm
ホイールベース:2465mm
車重:-kg(※5MT:1270kg)
駆動方式:FF
エンジン:1.6リッター直列4気筒SOHC
最高出力:116ps(85kW) / 6000rpm
最大トルク:15.2 kg-m (149Nm)/ 4500rpm
トランスミッション:CVT(無段変速)
使用燃料/容量:プレミアムガソリン/50L
10・15モード燃費:-km/リットル
タイヤ:175/65R15
発売時期:2004年9月
当時の新車価格:292万9500円(消費税含む、CVT仕様)
試乗車スペック
初年度登録:2005年
販売価格:270万9000円(消費税込み) ※新車保証継続
走行距離:12,000km
ボディカラー:クールブルー
備考:MINIサービスフリーウェイ付(残18ヶ月)、ワンオーナー
試乗日:2007年4月
幌の動作は念のためチェック
BMWとなった今でも英国製のMINI。昔からの英国車好きは信頼性に不安を抱くかもしれないが、実際にはまったくもってドイツ車並みと考えていい。旧ローバー販売店がそのまま新型MINIの正規販売店になったケースが多いが、そのスタッフが「(旧ミニと違って)一度納車したら、定期点検や車検までお客さんに会うことがないので淋しい」とこぼすほど、トラブル発生率は少ない。各種警告灯の誤作動や照明のバルブ切れなどはあり得るが、このあたりは鷹揚(おうよう)に対処したい。
電動幌の信頼性も高く、耐久性も車両本体と同等と考えていい。購入時はいちおうスムーズに動作するかどうか、ウインドウとのフィッティングはどうかをチェック。まあ、本当にチェックが必要なのは、長年雨ざらしで露天駐車した車両が出てくるもっと先の話。屋内保管なら10年経ってもほとんど痛まないはず。「幌は消耗品」と言うのは、20年以上前のクルマの話だ。
クーパーかSか、オートマかMTか
お勧めはドライバーの好みと経験で変わってくる。オートマ派のドライバーにはクーパーのCVTをお勧めしたい。もちろん、よりパワフルなSの6ATもいい。また非オートマ派にはクーパーの5MTを。そしてとにかく刺激が欲しい、意外性が欲しい、オープンで激走したいという方にはSの6MTがいい。なお、MINIの修理整備には特殊なものがあるので、正規販売店のアフターが受けられるお店での購入がマストだ。
作りのよさに感心。安心してお勧めできる
「オープンカー大好き」であっても、2人乗りスポーツタイプや高級車然としたクルマに興味が湧かないことは多いものだ。その点、MINIコンバーチブルならさりげなく乗れるし、普通のコンパクトカーとしての実用性も高い。新車当時、通常のMINIとコンバーチブルの価格差は単純計算で44万円ほどだったが、実際にはそれ以上の付加価値があると言っていいだろう。
今回MINIコンバーチブルに試乗して、あらためてその作りの良さ、完成度の高さに驚いた。特にCVTモデルのバランスの良さにはつくづく感心。その魅力ははるかに高価な最新オープンカーと比べても引けをとらない。いたずらに豪華さを追わず、爽快なオープンドライブを狙って直球を投げ込んだところが勝因と思われる。普通のMINIに比べてちょっとだけ敷居は高いが、思い切って購入すればまったくレベルの違うワクワク感が得られるはずだ。(2007.06)
文・写真:DAYS・Niwa


