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Uカー試乗記

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掲載日 : 2007年10月11日

2007 プジョー 1007 1.6

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とことん使い勝手重視のプジョー最小モデル

欧州と日本で大ヒットを飛ばした名車・プジョー206の人気がようやくひと段落した2000年ごろ、プジョーが密かに開発していたのが、この1007である。02年のパリショーでは“セサミ”という仮称で参考出品され、05年に欧州でデビューしている。プジョーのスモールモデルということで、106の後継車である“107”というネーミングになるのかと思いきや、4桁の“1007”となっているところがミソ。プジョーのスモール・コンパクトであることを明快に表しつつ、106の後継車とはまったくベクトルの異なるクルマ、という意図が込められている。プジョー初の「2トロニック」ミッションを搭載し、コンパクトでありつつも背が高く、ボディ両サイドに大きなスライドドアを備えた1007は、俊敏でスポーティなこれまでのプジョー車とはちょっと毛色の異なる、便利で小粋なシティ・コミューターだ。

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2005年に欧州デビューを果たした1007は、翌06年3月に日本国内で発売。ラインナップは搭載エンジン別に2種類。1.4リッターと1.6リッターがある。登場してまだ日が浅いこともあり、大幅なモデルチェンジは行われていない。07年6月には1.4リッターモデルのみ電装制御システムを「CAN」方式に変更している。これにより、車両の様々な情報をマルチファンクションディスプレイに統合的に表示することが可能となったほか、電装系の信頼性も高まっている。

 

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コンパクトカーのレベルを超えた高い質感

全長は3.7メートル強、全高1.6メートル強と、トール&コンパクトな外観が印象的な1007。車幅は1.7メートル以上あり、これはプジョー206よりも幅広だ。決してスポーティなパッケージングとは言えないクルマだが、それでもプジョーらしい精悍なフロントマスクはカッコイイ。ボディ同色ではない樹脂バンパーも、デザイン上のアクセントになっているあたり、デザインセンスは悪くない。ボディ後部に目をやると、リアのハッチゲートガラスがボディ両サイドに回り込んだように見える、手の込んだ作りになっている。プレミアム感の高いアルミホイールも装着され、全体的な質感は、同クラス国産車とは比較にならないほど高い。ちなみにボディカラーも非常に個性的で、取材車のサラマンカ・オレンジや黄緑色っぽい風合いのラセルタ・イエローは、中でも特に印象的だ。

 
プジョー車には珍しく、リアガーニッシュにPEUGEOTの文字があしらわれている
ボディ後部にまで及ぶ、長いスライドドアのゲート。ドア開口サイズは930ミリ
シンプルながら意匠性の高いリアコンビランプ。後続からの視認性は良好

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電動式の両側スライドドアがユニーク

インパネ回りはいたってシンプルだが、カメレオ・キットでスタイリッシュに変身する

電動スライド式の左右ドアは、リモコンキーで手元から開閉操作ができる。もちろんドアハンドルでも開閉操作可能で、使い勝手は良好。ドアが閉じる際はセーフティ機能が働くのも安心だ。ただし慣れてくると「もう少し速く動いてもいいのでは」と思わなくもない。

全開時で約1メートル弱という大きな開口部と腰高なシートのおかげで、ドライバー、パッセンジャーともに乗り降りは非常に楽ちんだ。シートのサイズやホールド感もまずまず。ドライバーの目線が高いため、周りの見晴らしも良好だ。また、1007の場合、12色用意された「カメレオ・キット」(オプション)を使って、計18ヵ所の内装パーツを工具なしで簡単に交換できる。たとえばエアコン吹き出し口を飾るベゼル(回せば外れる)、ダッシュボード上部(ベルクロ止め)、シート表皮の一部(ファスナー)、ドアパネル(これも簡単に外れる)の色を自由に選ぶことができ、より個性的なインテリアに仕上げることが可能だ。

 
フロントシートは腰高で、アイポイントが高く見晴らしがいい
後部座席は左右が独立しており、大人4人が快適に座れる設計になっている
後部座席を倒せばご覧のとおり。リア開口部がフラットでないのが残念
 

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2トロニックを使いこなせ

シフトノブを前後に動かしてシフトチェンジ。「AUTO」ボタンでATモードになる

1007の大きな特徴のひとつが、2トロニックと呼ばれるセミオートマシステムだ。これは、マニュアルミッションをベースに、クラッチとギアチェンジを自動化したものだ。トルコン式ATやCVTに比べてトルクの伝達がダイレクトなため、クルマの走り出しが力強く感じられ、しかも燃費もいい。オートモードにしておけば、シフト操作も不要だが、クリープ現象は発生しない。上り坂でそのままブレーキを離すとクルマは後退してしまうので注意が必要だ。マニュアルモードで走りたい場合は、お約束のステアリングコラム左右から生えたパドルシフトか、もしくはセンターコンソールのシフトノブを前後に操作するだけ。オートモードでパドルシフトを操作すると、その瞬間からマニュアルモードに切り替わる。またパドルシフトを操作せずにしばらく走ると、またオートモードに戻る仕組みになっている。マニュアルミッション車が主流の欧州における2トロニックは先進的かつ合理的なシステムだが、最初のうちは多少の慣れが必要となるのも事実だ。

腰高なのに、安定感ある走り

適度に硬いシートのホールド感は良好。2トロニック独特の加速感(すなわちマニュアルミッション車の加速感)はとても楽しい。ストップ&ゴーの多い市街地を走る際、発進加速が楽しいかどうかという問題は、実はけっこう重要なポイントになってくる。絶対スピードは決して速くはないが、高速巡航は思いのほか快適。サスペンションもしっかり動いていて、路面への追従性もコンパクトカーにしてはなかなかのレベル。取材車両は1.6リッターモデルだが、スピードを語るクルマではないので、シティユースがメインなら1.4リッターモデルでも十分かと思われる。

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車名:Peugeot 1007 1.6(2007年モデル)
型式:GH-A8NFU
寸法 :全長3730mm x 全幅1710mm x 全高1630mm
ホイールベース:2315mm
車重:1270kg
駆動方式:FF
エンジン:1.6リッター直列4気筒DOHC
最高出力:108ps(80kW)/5800rpm
最大トルク:15.0kg・m(147N・m)/4000rpm


トランスミッション:5速セミAT
使用燃料/容量 :プレミアムガソリン/41L
10・15モード燃費:-km/L
タイヤ:195/50R16
発売時期:2006年10月
当時の新車価格:231万円(消費税込み)

 

試乗車スペック

初年度登録:2007年
販売価格:218万円 (消費税込み)
走行距離:5,000km
ボディカラー:サマランカオレンジ
試乗日:2007年9月

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強いて挙げる弱点はバッテリーか?

1.6リッターエンジンのフィーリングはいたって普通。本国ではディーゼル仕様もあり

2006年にデビューした最新モデルということで、クルマ全体の品質はたいへん高く、信頼性の点でも国際競争力のある優秀なコンパクトカーだ。2トロニックはマニュアルミッションがベースなので、基本的な信頼性は高いはず。エンジンの信頼性も高く、深刻なトラブルは皆無といっていい。ちょっと気になるのは、電動スライドドア回り。スライドドアの開閉機構自体は入念な耐久テストをクリアしているはずだが、ドアを稼動させるモーターに電力を供給しなければならないため、他のクルマよりもバッテリーの負担は(若干だが)大きいと思われる。1年落ちなどのユーズドモデルを購入する際は、念のためバッテリーを新品に交換することをお薦めしたい。

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定期的なメンテナンスの有無を確認

ヘッドライトはプジョーらしい、吊りあがった独特の形状。シンプル&スタイリッシュ

最小回転半径は5.4メートルで全長も短いから、狭い道や縦列駐車も躊躇せずにすむ。リモコンで開く電動スライドドアは、ショッピングの際などは重宝するはず。シティライフをより楽しく彩るための要素をふんだんに盛り込んだ1007だけに、女性に人気が高いのも納得だ。これはどのクルマにも言えることだが、ユーズドで購入する際は、オイル交換をはじめとする定期的なメンテナンスを欠かさなかった車両(点検整備記録を遡って確認できる車両)を選びたい。プジョー正規ディーラーで購入・メンテナンスをすることを前提とすれば、大抵のトラブルは未然に防げるはずだ。

 
スライドドアのレール部分は頑強な作りで、耐久性は高い
フューエルリッドは手で開く。タンクキャップはキーを差し込んで開閉
リアスポイラーも何気にスタイリッシュ。フロントグリルと同様、ハニカム形状
 

文・写真:DAYS・Yasuhara


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