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Uカー試乗記

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GMの最新モデル

シボレーの象徴、金色のボウタイ・エンブレム

1999年に米国で発売された「トレイルブレイザー」は1969年に登場したGMシボレーのオフロード車「ブレイザー(Blazer)」の上級発展版。フルサイズの「タホ(Tahoe)」、「サバーバン(Suburban)」、「アバランチェ(Avalanche)」などより小さい中型上級SUVで、最大のライバルはフォード・エクスプローラーだ。

日本では2001年9月から主にヤナセ系で販売をスタート。03年2月からはスズキアリーナ店でも取り扱った。07年1月1日にシボレー車の輸入権がスズキからGMAP(ゼネラルモーターズ・アジア・パシフィック)ジャパンへ移管されたことを受けて、現在はヤナセおよびGM直系のシボレー店で販売されている。

エンジンは直6とV8、ボディは5人乗りと7人乗りロング

サイズの割に威圧感の少ないスポーティーなデザイン

01年導入当初は新開発の4.2リッター直列6気筒DOHCエンジンを搭載した標準ボディ(5人乗り)でスタート。その後、ホイールベースを410mm延長して7人乗りとした「EXT」(02年)や5.3リッターV8エンジン搭載車(03年)を追加。今回試乗したのは02年式の直6・標準ボディ・上級グレードとなる「LTZ」だ。(2007.11)

 

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5人乗り仕様ならエクスプローラーとほぼ同サイズ

5人乗りは全長4890mm×全幅1900mm×全高1850mm、ホイールベース2870mm

シボレーSUVに共通の顔ながら、スポーティな印象のトレイルブレイザー。サンプルカーは5人乗りの標準ボディ。同時に試乗したフォード・エクスプローラー(標準で7人乗り)より「少し小さいかな」と思ったが、後で調べたら全長で+65mm、全幅で+20mm、全高で+45mmと逆に少し大きかった。とは言えほとんど同寸ではある。ただしトレイルブレイザーの7人乗り仕様「EXT」はホイールベースが410mmもストレッチされた3280mmで、全長は5300mmにもなる。

 

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電動調節ペダルを装備(LTZ)

運転席はタイト&スポーティ。ウッドパネルは純正オプションで、写真のナビは社外品

最近は欧州車風や日本車風が多いアメ車のインテリアだが、トレイルブレイザーのそれは濃厚にアメリカンテイスト。GMには他に高級SUVがたくさんあるので、トレブレは割とカジュアルでスポーティな路線となっているようだ。

小柄な人にとってアメ車で心配なのがドライビングポジションだが、上級モデル「LTZ」は、アクセルとブレーキペダルを電動で前後調整できる「パワーアジャスタブルペダル」を標準装備。おかげで「つま先でアクセルを踏む」なんてことにはならない。またトレイルブレイザーは左ハンドルのみだが、そのおかげで右ハンドル車にありがちなドラポジの無理やり感はなく、足もともまずまず広い。天井に備わるのは、最長4分間の音声メモの録音・再生が可能な「ボイスレコーダー」。使いこなしてみたい。

 
5人乗車時の荷室。ホイールハウスの張り出しはなく、スクエアな形状
広くて座り心地のいい後席。アメ車で定番のヘッドフォン用ジャックも備わる
上級グレード「LTZ」は8ウェイ電動レザーシートが標準で、ペダルの位置も電動で調整できる
 
アメ車には珍しいダブルフォールディング式の後席。ヘッドレストは自動的に折り畳まれる
荷室床下には小物入れがあるが、容量は机の引き出し程度
気軽に開閉できるガラスハッチは便利。小柄な人でも使いやすい
 


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「ストレート6」ならではのスポーティさ

V8要らずの、スポーティな直6が魅力

トレイルブレイザーに試乗するのは、04年の新車試乗以来だが、その時の車両は5.3リッターV型8気筒OHV(289ps、 45.0kgm)を積んだ「EXT LTZ(V8)」で、当時ちょっと残念に思ったもの。サンプルカーは4.2リッター直6(274ps、38.1kgm)の「LTZ」。世界中の多くのメーカーが既存の直6を捨てる中、あえてGMが新開発に踏み切った「ストレート6」に触れるのは、遅ればせながら今回が初めてだ。

この直6、走り始めた直後からいきなりスポーティで、3年越しの期待にしっかり応えてくれた。吹け上がりはシュンシュンと素早く、加速は車重約2.1トンを忘れさせるほど俊敏。V8もかなりスポーティだったが、この直6はスポーティさでそれに遜色なし。今回はフォード・エクスプローラー(4.6リッターV8)やメルセデスのML320(3.2リッターV6)と同時に試乗したが、トレイルブレイザーが最もスポーティで、速いと感じた。変速機は4ATだが、ギア段数の少なさは特に気にならない。

最新SUVらしいそつのない走り。小回りも効く

シャシーはGMが得意とするハイドロフォーム鋼材を使ったフレーム式。サスペンションは前がダブルウイッシュボーン+コイル、後ろが5リンク式リジッド+コイルという、FRベースの最新SUVでは割と定番の形式。ショックアブソーバーは(なぜかここも妙に気合いの入った)ビルシュタイン製となる。フルタイム4WD「オートトラックシステム」は、スイッチ一つで「2HI」「オート4WD」「4HI」「4LO」の4種類のモード選択が可能なものだ。

乗り心地はアメリカンSUVらしい重厚かつソフトなもので、「オート4WD」で走れば直進安定性も十分。試乗車は5年落ち、走行3万1000kmだったが、新車に比べてそれほど遜色は感じなかった。乱暴なステアリング操作は受け付けないが、FRベースらしくコーナーでも素直に曲がってくれるし、小回りもよく効く。最小回転半径は5.5メートルと国産5ナンバーFFミニバン並みで、Uターン時でも特に困ることはなかった。

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車名:Chevrolet TrailBlazer LTZ(2002年モデル)
形式:GH-T360
寸法:全長4890mm×全幅1900mm×全高1850mm
ホイールベース:2870mm
車重:2120kg
駆動方式:パートタイム4WD
エンジン:4.2リッター直列6気筒DOHC
最高出力:274ps(202kW) / 6000rpm
最大トルク:38.1kgm (373Nm)/ 3600rpm


トランスミッション:4速AT
使用燃料/容量:レギュラーガソリン/71L
10・15モード燃費:6.5km/L
タイヤ:245/65R17
最小回転半径:5.5m
発売時期:2001年9月
当時の新車価格:389万円(消費税含まず、2001年9月モデル)

 

試乗車スペック

初年度登録:2002年
販売価格:284万円(消費税込み)
走行距離:3万1000km
ボディカラー:ホワイト
備考:レザーシート(標準装備)、ウッドパネル(純正オプション)、社外ナビ
試乗日:2007年10月

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最近のアメ車は壊れない

二昔前のアメ車とは違い、今のアメ車の信頼性は高い

意外にも故障の少なさで定評のあるトレブレ。日本車並みとは言わないが、毎回書くように最近の(特に設計の新しい)アメリカ車の信頼性はかなり高い。少なくとも高年式車なら特別な心配は不要のようだ。機関やボディの耐久性は高いし、整備性も優れている。日本でもそれほどマイナーな車種ではないので情報も多い。走行に直接関係のないマイナーなトラブルなどは大目にみたいところ。言うまでもなく信頼できるショップで買い、アフターサービスを受けるのが鉄則だ。

 


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異色のアメリカンSUV

オートプラネットに並ぶトレイルブレイザー。店内にはシボレー正規販売店「シボレー日進」が入っている

アメ車の大型SUVというと、中身はだいたい同じに思えるかもしれないが、トレイルブレイザーは、GMが驚くほどの気合いで開発した異色モデル。それは主力の4.2リッター直6エンジンを見れば明らかだ。一般的にこれだけ大排気量の直6を新規で作るのはかなりのコスト高だが、それを(おそらく)押し切ってまで直6独特のスムーズさ(低振動、低ノイズ)、重量バランスの良さ、幅方向のコンパクトさを取ったのがエラい。コルベットやキャデラックをはじめ、ゼネラルモーターズの上級車には、こんな風にきわめて理想主義的なエンジニアリングがしばしば出現する。

 

一般的には標準ボディ(つまり直6)がお勧め

そういうわけで通(つう)の間でも評価の高いトレブレ。購入時の選択肢としてはまず標準ボディか、3列シート・ロングボディの「EXT」かだが、日本で使うとなると全長5.3メートルは少々持て余すところで(取り回しは意外に楽だが、マンションの車庫とかに収まらないことがある)、一般的には標準ボディの「LT」か、レザーシートの「LTZ」だろう(自動的に直6モデルとなる)。

01年導入時から07年現在までモデルイヤーは長く、見た目もスペックも大差ない割に、価格の相場は幅広いが、当然ながらできる限り高年式の方がいい。いずれにしてもトレイルブレイザーはこのボディサイズと排気量にして左ハンドルのみ。そこを良しとする、生粋のアメ車ファンが選ぶモデルだ。

 

文:Kei Niwa, DAYS


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