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Uカー試乗記

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所帯じみないフレンチ・ワゴン

VWゴルフやルノークリオ、アルファ147など、欧州におけるCセグメントモデルはたいへん人気で、各メーカーとも力を入れている分野だ。日本でも人気の高かったプジョー306の後継として、プラットフォームを新設計して2001年にデビューしたのが307。VWゴルフ4を仮想敵とし、徹底した改善を図ったモデルとして注目を浴びた。その307に追加されたワゴンボディには大きく2つのバリエーションがあった。ハッチバックと同じ5座シートを備えた“ブレーク”と、ルーフをガラスで覆い、3列7座シートを備えた“SW”である。

プジョーが「パノラミックルーフ」と呼ぶ307SWのグラストップは、ともすれば没個性に陥る可能性のあるCセグメント・ワゴンを、プレミアム感のあるアッパーミドルなクルマに仕立て上げるのに役立っている。

 

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307シリーズは2001年春、本国フランスでデビュー。同年9月に日本国内での販売が始まっている。翌02年10月に、日本にて“ブレーク”と“SW”がそれぞれデビューした。日本仕様に搭載されるエンジンはブレークが1.6リッターエンジンと2.0リッターエンジンの2種類だが、SWは2.0リッターエンジンと4ATのみの展開でスタートしている。05年には一時期、1.6リッターエンジンを載せたSWも登場したが(SWスタイル ブレークという奇妙な名前で、実質はマイナーチェンジ前の“スタイルブレーク”に 相当し、SWのネーミングは付くもののスチールルーフであった。これと入れ替わりに 2006年5月にはパノラミックルーフのSW 1.6がデビュー。しかし半年ほどで姿を消した)、基本的にはSWは2.0リッターモデルが主流だ。02年の登場以来、基本的な変更が行われることなく、いくつかの限定車を経て今に至っている。

307SWの主な限定車は以下の通り

  • 307SW AVNパッケージ(2003年)
  • 307SW ETCナビパッケージ(2003年)
  • 307SW グリフ(2004年、2005年)
  • 307SW ローランギャロス(2004年、2005年)

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上品さがにじみ出る美しいボディライン

307のハッチバックボディをベースに、リアボディを延長。さらにルーフをガラスで覆い、室内の開放感を演出しているのがSWの特徴だ。一目でプジョーと分かる特徴的なヘッドライトや、ワゴンながらも一体感を感じさせるフォルムなど、ボディデザインの美しさは秀逸。決して派手ではないが、10年乗っても飽きのこない、普遍的な魅力を備えているとも言える。ボディサイズは全長約4.4メートルと常識的な範囲に収まり、街中での取りまわしも良好。全高1.6メートル弱だから、たいていの立体駐車場に難なく停められるのもうれしいポイントだ。

 

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パノラミックルーフ万歳

ダッシュボード周辺はそっけないデザインだが、質感は高い

307シリーズに共通の、オーソドックスで手堅くまとめられたインテリアは、ややもすると華に欠けた印象を持つ方もいるかもしれない。実用的・機能的に作ったらこうなりました、という素っ気なさを感じる。この辺りはVWゴルフなども同様で、実用車としての在るべきデザイン、という風情。しかしSWがゴルフと違うのは、なんといっても「パノラミックルーフ」と呼ばれる大きなガラス屋根の存在である。フロントウィンドウのすぐ後ろから2列目シートの上までが全面ガラス張りになっていて、その開放感は格別だ。運転席、助手席はもちろん、後部座席に座った人も、この開放感を満喫することができ、晴れた日に家族でこのクルマに乗れば、幸福感は倍増するものと思われる。パノラミックルーフ自体の光の透過率も絶妙で、真夏の直射日光でない限り、眩しく感じられるケースは少なそうだ。もちろん日差しがまぶしいと感じたら、電動シェードで外光を完全に遮断してしまうことも可能だ。

 
2列目シートは簡易トレイが使える。これなら家族も納得だ
広大なパノラミックウィンドウ。電動サンシェードも便利だ
 

7人乗り3列シートはアレンジ多彩

2列目シートには3人、3列目シートは2人乗車が可能で、SWは7人が乗れる、ということになってはいるが、現実問題、3列目シートは大人が乗るには狭すぎる。3列目はあくまでもエマージェンシーと割り切ったほうがいいだろう。おそらく多くのSWオーナーと同様、普段は3列目シートを取り外しておいたほうが使い勝手はいいはずだ。国産ミニバンと違い、SWはシートごと簡単に取り外しができるのもポイントだ。

さらに、2列目シートについても同様に取り外しが可能となっているのもミソ。フロアにはシート固定用のポジションホールがあり、幅広の2列目シート、幅の狭い2列目センターシート、2種類の幅の違うシートをいろんな場所に配置できるよう工夫されている。2列目をゆったり2座シートにしたり(マークXジオのようだ)、2列目、3列目の左側シートを取っ払ってスノーボードなどの長尺物を載せたりと、多彩なシートアレンジが可能となっている。ただし、取り外したシートを狭い自宅に保管するのは、それはそれで苦労するかもしれないが。

3列目シートが追加され、7人乗りになった307SW。ただし3列目に乗るのは少々狭い
2列目シートをすべて取り外した状態。
カーペットを取り外すと、シート固定用のポジションホールがすべて確認できる
 

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可もなく不可もない足回りとエンジン

2リッターDOHCエンジン搭載のSWは、決して俊敏とはいえないが、普段使いでなら「これで十分」と思わせるパワーを持っている。パノラミックルーフのせいで、同モデルのブレークよりも70~80kg重く、しかも重量物がルーフ部にあるため、運動性能は多少鈍重かと思われるが、まあ、あまり大した問題ではないだろう。2リッターエンジンに組み合わされるAL4も、こう言っては何だが代わり映えがしないATだ。日本の道路事情にシフトスケジュールが合っておらず、特に国産車からポンと乗り換えたような人は違和感を感じるだろう。まあ、これも慣れの問題なのかもしれない。ワインディングをキュンキュン走るような性格のクルマではないが、ダンパーとその周りのサスペンションジオメトリーはさすがによく出来ていて、乗り心地はたいへん良好だ。

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車名:Peugeot 307SW(2003年モデル)
型式:GH-3EHRFN
寸法:全長4420mm x 全幅1760mm x 全高1585mm
ホイールベース:2720mm
車重:1430kg
駆動方式 :FF
エンジン:2.0リッター直列4気筒DOHC
最高出力:137ps(100kW)6000rpm
最大トルク:19.4kg・m(190N・m)/4100rpm


トランスミッション:4AT
使用燃料/容量 :プレミアムガソリン/60L
10・15モード燃費:-
タイヤ:205/55R16
発売時期:2003年7月
当時の新車価格:281万円(消費税別)

 

試乗車スペック

初年度登録 :2003年
販売価格:172万円 (消費税込み) ※AP保証付(12ヶ月間、距離無制限)
走行距離 :3万1000km
ボディカラー:アルミナム・グレー
試乗日 :2007年11月

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品質は格段に高まったが、マイナートラブルはある

2.0リッターDOHCエンジンは137馬力を発揮。ノイズも振動も少なく扱いやすいエンジンだ

306から307へとモデルチェンジして、プジョーの品質は“VWゴルフ並み”にまで高められている。エンジン、ATなどの駆動系は頑丈。ただし、ユーズドで選ぶならオイル交換サイクルをきちんと守った車両が望ましいのは言うまでもない。主なマイナートラブルとして挙げられるのがパワーウィンドウ動作不良やバルブ切れなど。まれにECU不良などを起こす固体もあるようだが、基本的にはプジョー正規ディーラーで対応は可能。SWならではのチェックポイントとしては、電動サンシェードがスムーズに動くかどうかを確認しておきたい。固めのシートはほとんどヘタリなどの症状は見られないが、脱着可能な後部座席が全部で5つちゃんと揃っているか、などもいちおうチェックしておこう。


 

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2リッターモデルの限定車を狙え

もはやプジョーのアイディンティティとなったネコ目ヘッドライト

モデルチェンジサイクルが比較的長いプジョーの場合、日本向けモデルとして各種の限定車がたくさん出てくる傾向がある。登場から5年が経過した307SWも同様。HDDナビパッケージやETCパッケージ、グリフと呼ばれる内装が本革仕様になったモデルや、プジョーファンならお馴染み“ローランギャロス”という限定モデルも存在する。いずれも内装や装備が充実しており、お買い得感は高いはず。オーナーは基本的に、スポーティな走りを好む方は少なく、酷使した形跡のある車両は少ないと思われる。車両価格は100万円台後半から200万円前半がボリュームゾーン。307シリーズの場合、あまり年式にこだわらず、むしろ装備と走行距離で選んだほうがいいようだ。プジョー正規ディーラーなら純正パーツ等をすばやく手配できるので安心感も高いはずだ。

 
ワイパーが動く方向は左ハンドル用のまま。コスト削減のためとはいえ残念
2列目中央シート用のシートベルト。7座分すべて3点式シートベルトなのは立派
リアハッチウィンドウが単体で開かないのは残念なポイント
 

文・写真:DAYS・Yasuhara


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