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Uカー試乗記

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掲載日 : 2007年12月01日

2003 アウディ A3 1.8T

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アウディの上級ハッチバック

3ドアと5ドアがあるA3。プラットフォームをゴルフ4と共有する

1997年1月に日本で発売された初代アウディ「A3」は、4代目フォルクスワーゲンゴルフ(98年日本発売)とプラットフォームを共有する上級ハッチバック車。エンジンもゴルフとほぼ同じで、日本仕様には1.8リッター直列4気筒5バルブ・自然吸気の「1.8」、および同ターボの「1.8T」がある。アウディが得意とするフルタイム4WDの「1.8Tクワトロ」仕様(5MT)も一時期販売されたが、基本的にはFF(前輪駆動)が主力。ゴルフよりも1ランク高級で、スポーティなスタイルが魅力だ。

当初は3ドアのみで、99年秋に売れ筋の5ドアが登場。01年以後は5ドアのみとなった。01年から1.8Tのエンジンが180psにパワーアップすると同時に、ミッションが5AT化されている。

 

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さりげなく、イイモノ

全長4150×1735×1420mm、ホイールベース2515mm。同時期のゴルフ4より少し背は低いが、あとは同寸

サンプルカーは日本仕様に99年から加わった5ドア。結局、販売の主力はこの5ドアとなった。ボディサイズは3ドアでも5ドアでもまったく同じで、違うのはドアの枚数だけと言ってもいい(もちろん前ドアは少し小さくなる)。実用一点張りのゴルフとは差別化され、上屋をいかにもアウディらしく絞り込む。ピシッとしたボディパネルの継ぎ目や面の張り方なども、一般的には400万円オーバークラスの作りだ。それに対してクロームメッキの使い方は控えめ。「イイモノ感」がさりげなく伝わってくる。

 

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やり過ぎなほどの質感

インテリアの品質感も「いやもうこれやり過ぎじゃないの?」というくらい高い。そもそもこの頃のフォルクスワーゲン・アウディのクルマは、質感フェチとまで言われたくらい押し並べて品質感が高い。当時の日本車メーカーは「うちではとてもこんな高コストなことはできない」とサジを投げた(らしい)という代物。後に同グループが利益率の低さに悩んだという話も、今となっては何となく頷(うなず)ける。

ま、VWの株主ならともかく、Uカーを狙っている人にとっては、まったくもってありがたい話。高コスト体質で作られた過剰品質?のクルマも、Uカーとなれば自然と値段は落ちてくる。サンプルカーは4年落ち、走行1万6000kmで、165万9000円だが、「この値段でこれが買えていいのか」と正直思えてしまうお買い得感。コンディションにしても、おそらくセカンドカー用かクルマを日常的に必要としない都市生活者がたまーに使っていた、という感じで、ほとんど経年変化が感じられない。Uカーに出物はないというが、これはその「出物」にちょっと近いかも。

 
サンプルカーの内装はグレー系樹脂とウッドパネルとの組み合わせ。経年変化を感じさせる部分はほとんどない
全体にこじんまりしたシートだが、座り心地は良い
後席の広さはゴルフ4と同等か、少しタイト。弱点はドア開口部が狭くサイドシルが高いため、乗降時に足運びがしにくいこと
 
リアシートはダブルフォールディングで畳む。ヘッドレストを抜くのが固くて面倒なのは、この頃のVW・アウディ車に定番の欠点
ゴルフより若干狭いかもしれない荷室だが、カーペットを側面まで敷きつめた作りは極めて上等だ
リアゲート敷居が高く荷物の積み降ろしは特にしやすくないが、いざとなれば組立式家具の持ち帰りも可
 

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完成度の高い1.8ターボ

申し分ない動力性能とシャシー性能、品質感。A3は価格に比して、お得感のすこぶる高い1台

試乗したのは1.8リッター4気筒ターボの「1.8T」。01年頃を境に「1.8T」の最大出力は150psから180psへ引き上げられ、変速機は4ATから5ATに格上げされており、今回のサンプルカーはその改良後モデル。基本的には同時期のゴルフGTI/GTXも同じパワートレインだが、ゴルフの方は最後まで150psのままだった。

現行型(2代目)A3/(5代目)ゴルフ系が積む直噴ユニットは、環境系(燃費や排ガスなど)や安全系(電子デバイスとの協調など)、あるいはDSG(ツインクラッチ式の機械式AT)との組み合わせ等で大きく進化しているが、この1.8リッターターボも自然なパワー感やレスポンス、気持ちいい加速感などの点では、まだまだ負けていない。というか遜色ない。特に5ATとの組み合わせではシフトショックも小さく、ギアのつながりも良好だ。

シャシー性能は今乗るとちょうどマイルド

シャシー性能も申し分なし。十分なボディ剛性感、重厚感、205/60R15のマイルドなタイヤに合わせたマイルドな足回りの設定など、全体にバランスがよく、正直言って同じ値段で買える国産新車あたりと比べても、お買い得感は十分。現行アウディの新車に乗ると、これより2段階くらいボディ剛性が高く、足回りも超シャキッとした感じになるが、逆に街乗りでは過剰感もある。一般的なユーザーによる一般的な使用パターンでは何の不満もないだろう。

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車名:Audi A3 1.8T(2003年モデル)
形式:GH-8LAUQ
寸法:全長4150mm×全幅1735mm×全高1420mm
ホイールベース:2515mm
車重:1330kg
駆動方式:前輪駆動(FF)
エンジン:1.8リッター直列4気筒DOHCターボ
最高出力:180ps(132kW) / 5500rpm
最大トルク:24.0kgm (235Nm)/ 1950-5000rpm


トランスミッション:5AT
使用燃料/容量:プレミアムガソリン/55L
10・15モード燃費:10.6km/L
タイヤ:205/60R15
最小回転半径:5.1m
発売時期:2002年8月
当時の新車価格:305万円(消費税含まず)

 

試乗車スペック

初年度登録:2003年
販売価格:165万9000円(消費税込み)
走行距離:1万6000km
ボディカラー:エボニーブラックパールエフェクト
備考:ワンオーナー
試乗日:2007年11月

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インテリアの使用痕跡に注意

ハードウエアの信頼性は言うまでもなく高い。内外装の状態を主にチェックしたい

ユーズドカーを見極めるには外装の状態、年式、走行距離がプロの間でも大きな目安だが、それ以外に素人でもチェックできるポイントがある。それはそのクルマの使われた「痕跡」だ。例えば5万や6万km程度で、この時代のVW・アウディ車のステアリングやシフトノブ(ウレタンにしても本革にしても)がツルツルになるようなことは、一般的な使用ではまずありえない。個人的な話で言えば、ワンオーナーで6万kmのVW車の場合、「ウレタンステアリングの右手で常時持つところのシボが少し消えてる・・・かも」といった程度。シートクッションのヘタリはまったくなく、シート地も運転席ヘッドレスト部分に少し擦れがある程度。業務用等でよほど無頓着に扱わない限り、そう簡単にヤレたりはしないものなのだ(例外はあるだろうが)。逆にヘタリが感じられるようなら、それなりの走行距離や使用頻度を経た可能性を頭にいれておきたい。過走行車を安く買うのもUカー選びの醍醐味?だが、イイものが欲しければこのあたりを妥協しないことだ。

 

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お勧めは01~03年の「1.8T」5AT仕様

「1.8T」なら高速道路でもパワー不足を感じることはまずないはず

一般的な話で言えば、お勧めは5ドア・5AT化された01年春から03年までの「1.8T」。今回のサンプルカーがまさにそれにあたる。年式的にも手頃、価格的にも手頃で、動力性能とシャシー性能も申し分なし。ゴルフの通常グレード(GLiなど)からの乗り換えとしても適当だ。「ターボはどうも・・・」と思う人がいるかもしれないが、NAモデル「1.8」と比べて10・15モード燃費(1.8T:10.6km/L、1.8:11.6km/L)でも、実燃費(街乗りはおそらく1.8Tで6km/L台から7km/L台、1.8で+1km/Lくらい)でも大差なく、動力性能や静粛性は逆に「1.8T」の方が断然優れている。変速機も「1.8」の4ATに対して、ターボの「1.8T」は後期型から5ATだ。このギア1枚の差は街乗りから高速まで、直接走りに影響する。最新のVW・アウディ車のような6ATは贅沢としても、やはり5速はあるといいだろう。

とはいえ、スタイルの好みや使い道によっては3ドアでもOKだし、自然吸気モデルを選んでもA3のプレミアム感はしっかり味わえる。自分がもし買う場合にもNAを選ぶ可能性は大いにある。いずれにしてもA3の場合、車両単価は輸入車としてはそう高くなく、相場もバラツキがない。予算の許す範囲でまずは高年式、そして低走行の美車を選べば、高い満足度が返ってくるはずだ。ぜひコンディションのいい1台と巡り合って、初代A3の実力を味わって欲しい。

 

文:Kei Niwa, DAYS


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