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掲載日 : 2008年02月01日

2004 シトロエン C2 1.6 VTR

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デビュー当時はシトロエン最小。性格はかなりスポーティ

丸いクルマがもてはやされる昨今、C2はエッジを強調した弾丸のようなデザイン

2003年秋に欧州で発売されたC2は、ラインナップ的にはサクソ(Saxo)の後継であり、当時のシトロエンでは最も小さなモデルだった。2005年にもっと小さなC1(トヨタ・アイゴ、プジョー107との兄弟車)が登場したため最小ではなくなったが、C1が正規輸入されていない日本市場では依然、最小であり続けた。

メカニズム的にはC3と共通する部分が多いが、性格や運転感覚はまったく異なる。実用性を重視した4ドアハッチバックのC3に対して、C2はスポーティな2ドアハッチバックとなる。

1.6と1.4の「VTR」でスタート

日本では2004年4月1日に発売。当初のラインナップは「1.6 VTR」(110ps)と、夏からデリバリーされた「1.4 VTR」(75ps)の2車種。全車右ハンドル、5速セミAT(2ペダルMT)の「センソドライブ」仕様だった。1.6は16インチのアルミホイールと前後ディスクブレーキが標準で、1.4は15インチのスチール&キャップと後ドラムブレーキになるが、それを除けば外観はほとんど同じだ。

06年に小改良し、1.6・5MTの「VTS」を追加。

2006年3月には、C3と合わせてマイナーチェンジが行なわれ、主に内装デザインや操作系が改良された。また同時に可変バルブタイミング機構付の1.6リッターエンジンと5MTを搭載した1.6VTS」(125ps)が追加された。

なお、シトロエン車の場合、高性能な(とんがった)グレードが「VTS」、マイルドなグレードが「VTR」と呼ばれる。「C2 VTS」は導入時期が遅かったことや5MTということもあり、日本での販売台数はわずか(おそらく数十台規模)と思われる。

輸入コンパクトカーの中でも、ひときわ個性的なC2だったが、2007年モデルをもって日本への輸入は終了。08年2月現在、新車は在庫のみとなっている。

その他の少量限定車

C2には、これ以外にわずかな台数の限定車がある。2004年に世界限定2500台、日本にはたった12台のみ正規販売された「C2 GT」は、ジュニアWRC参戦用のホモロゲ-ションモデルとして発売されたもの。5MTの左ハンドルのみで、クーラーやオーディオは非装備。赤のボディカラーや白いホイール、専用グリル等が目印だ。

また、2005年10月に発売された「C2 ブルー・ド・クルス」は1.6 VTRベースの特別仕様車で、たったの限定5台。これはWRCラリー・ジャパン開催記念車で、ボディカラーはフランスのナショナルカラーである青(ブルーグランパヴォア)にホワイトストライプを入れたもの。「ブルー・ド・クルス」とは仏語でレーシングブルーのことだ。オマケとして、セバスチャン・ローブの直筆サイン入りTシャツが付いていた。なおこの年には、ダニエル・ソルドがスーパー1600仕様のC2でジュニアWRCドライバーズタイトルを獲得している。(2008.01)。

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砲弾スタイル。「男の子っぽさ」はクラス随一

トヨタの2代目ヴィッツRSとこっそり2ショット。こちらもタイヤは16インチ

外寸は全長3670mm×全幅1660mm×全高1460mmとトヨタ・ヴィッツに近いが、デザイン路線は全く異なる。丸いのはタイヤとフェンダーアーチ、フォグランプくらいで、残りは徹底的にパキパキとした線で構成される。タイヤは1.6VTRでは16インチ(195/45R16)という大径・偏平タイプ。フェミニンなデザインが多いこのクラスにあって、抜群にボーイッシュだ。ボディカラーにもビビッドな色が多く用意された。試乗車はブルーメタリック(ブルーグランパヴォア)。


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ビビッドな色遣い。パッケージングは2+2に近い

硬派な黒ベースのダッシュボードにカラーアクセントが映える

試乗車はマイナーチェンジ前(前期型)のモデル。室内のパーツは、デジタル速度計からダッシュボードまでC3からの流用が目立つが、印象はまったく異なる。ダッシュボードやシートは黒基調に変更。シートやドアパネルの一部にはカラーアクセント(オレンジ、ブルー、グリーンなど)が入り、かなりスポーティだ。サイドサポートの盛り上がったメッシュ素材のシートはそれなりに体をホールドするが、どちらかと言えば乗り心地を重視したもの。座面クッションはフランス車らしくソフトで、ストローク感がある。

 
デジタルメーターは基本的にC3と同じ。回転計はアナログで、液晶デジタルには速度と使用ギアが表示される(写真はニュートラル状態)

4人乗りと割り切ったおかげで、横方向にはけっこう広いリアシート。左右別々に10センチ前後スライド出来るし、リクライニングも可能だが、ヘッドルームはギリギリで、身長170cmくらいだと頭がルーフに当たってしまう。サスペンションが固く、クッションも薄いので、乗り心地は決して良くない。BMW MINIと似たようなレベルだ。


 

コラム固定式パドルシフトの操作性は上々。ただしパドル操作で自動的にマニュアルモードに移行するのはマイナーチェンジ後から
純正のHDDナビ付は珍しい装備。基本はパイオニア(カロッツェリア)の汎用品だが、立ち上げ画面に「CITROEN C2」と出る
サイドサポートはワイヤーで補強されてしっかりしているが、クッション自体はフランス車らしく柔らか仕上げ

リアゲートはレンジローバー風

2人掛けと割り切ったリアシートは半独立式。横方向のゆとりはあるが、長距離ドライブには若干不向き

リアゲートはSUVに多い上下二分割の凝ったもの。レンジローバー、最近ではディスカバリー3、ボルボXC90、それにスマートもそうだが、このクラスでは珍しい方式。小物の出し入れに便利で(開ける時にゲートが手前に張り出さず、操作力も小さくて済む)、デザインも楽しい。耐荷重は100kgまでで、ベンチにもなる。

荷室容量(4名乗車時)は166リッターで、MINIやヴィッツとほぼ同等だが、リアシートの背もたれを倒し、さらにレバー操作でタンブル収納(座面ごと転がすように前に跳ね上げる)が出来る。しかしそうするにはフロントシートを一番前に寄せる必要があり、人が座れない。実際にはドライバーだけ乗車して助手席側だけタンブルさせるのが現実的だ。


 

これは後席の背もたれを片方だけ倒した状態。スペアタイヤは床下吊り下げ式
タンブルさせれば容量は879リッターだが、この状態だと運転は無理
テールゲートは上下2分割。使い勝手うんぬんに加えて、一種の遊び心だろう

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やんちゃな辛口シトロエン

MINIの影響が感じられるゴーカート風の運転感覚は、C2の方が刺激的か

サンプルカーは1.6のVTRで、2004年導入時の初期に登録されたモデル。登録月が正式発売の前月なので、最初は販売店のデモカーだったのかもしれない。約4年間で走行距離は5万6000kmだから、その後はクルマ好きオーナーの元で長距離通勤の供だったか、といろいろ想像が膨らむ。内外装のコンディションはなかなか良い。

04年導入時や05年以来、久々に乗ったC2は、ウワッと思うほどパワフル。車重1080kgに対して110psとパワーウエイトレシオ(約10kg/ps)は平凡だが、前輪の磨耗が進んでいたため、アクセルを無造作に踏むとフロントが盛大にアスファルトを掻く。加速自体は初代NEW MINIのクーパー(116ps、1160kg)と似たような感じだ。足回りがハードなのは新車時もそうで、このあたりもMINIとよく似ている。

AT免許でも乗れる

セミAT「センソドライブ」はスポーティな走りはもちろん、低燃費走行も得意

セミATの「センソドライブ」はC3用をリファインしたもの。擬似クリープがないので、感覚的な慣れや坂道発進でのブレーキ操作は必要だが、いざという時に家族が「自分でも運転できそう」と思える部分はメリットとして大きい。もちろんATモードがあり、AT限定免許で運転できる。2速シフトアップ時に、セミATで定番の失速感がわずかにあり、短時間の試乗だと違和感が残るだろうが、しばらく走れば必ずコツがつかめる。コラム固定式のパドルシフトも操作しやすい。

 

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車名:Citroen C2 1.6 VTR(2004年モデル)
形式:GH-A6NFU
寸法:全長3670mm×全幅1660mm×全高1460mm
ホイールベース:2315mm
車重:1080kg
駆動方式:FF(前輪駆動)
エンジン:1.6リッター直列4気筒DOHC
最高出力:110ps(80kW) / 5800rpm
最大トルク:15.3kgm (147Nm)/ 4000rpm


トランスミッション:5速セミAT
使用燃料/容量:プレミアムガソリン/41L
10・15モード燃費:- km/L
タイヤ:195/45R16
最小回転半径:- m
発売時期:2004年4月
当時の新車価格:203万7000円(消費税込み、04年4月モデル)

 

試乗車スペック

初年度登録:2004年
販売価格:89万0010円(消費税込み)
走行距離:5万6000km
ボディカラー:ブルーグランパヴォア メタリック
備考:純正HDDナビ・TV・MD/CD、ETC
試乗日:2008年1月

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まだまだコンディションのいい個体が多い

走行距離によっては、購入時にタイミングベルトを交換しておくのがお勧め

2008年現在、最大でも4年落ちのC2ゆえ、まだまだコンディションのいいモデルが多い。今回試乗したC2も、内外装の状態からボディ剛性まで、ことさら気になる部分はなかった。例外は8分山まで磨耗していた前輪で、これを新品に換えればグリップはもちろん、操縦性や乗り心地もかなりのレベルまで復帰すると思われる。センソドライブに関しても、今回の試乗で変速/クラッチ制御系のヤレはまったく感じられなかった。

 

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ボディカラーにこだわるのも面白い

オートプラネットに計4色そろったC2。左奥はC3

フランス車には、いわゆる「いい色」が多い。日本向けのC2にも、絶対的な台数が少ない割に、導入時には特注色も含めて計8色もボディカラーが用意された。 黒(ノアールオニキス)、 青(ブルーグランパヴォア)、赤(ルージュルシフェール)、シルバー(グリアルミニウム)あたりが定番だが、抹茶系パール(ベールアプサント)、イエロー(ジョーヌラ)といった個性的な色も人気がある。そういうわけで、好みの色を見つけたら見逃すな、というのが販売スタッフからのアドバイスだ。

1.4(75ps)と1.6(110ps)の選択は、街乗りに関しては体感的な差がほとんど無いようだ(筆者は1.4には未試乗)。1.4は低めの最終減速比でカバーしている面もあるから、高速道路ではそれなりに差が出ると思われる。また1.4は15インチタイヤ&スチールホイールで、リアブレーキはドラム。高性能感なら1.6だが、タイヤ交換代や自動車税(年間5000円ほど安い)のことを考えれば1.4の方がお財布に優しそうだ。

 
センソドライブは04~05年までの前期型と06年以降の後期型で方式が異なる

06年からのマイナーチェンジモデルでは、センソドライブの操作方法が改良されている。パドルを引けば即マニュアルモード、放っておくとATモードに復帰という一般的な方式となり、こちらの方が慣れを要しない。

1.6のVTS(125ps、5MT)かVTR(110ps、センソドライブ)かを迷う人は、基本的にはMT車好きだろう。無難なのは5MTのVTSだが、センソドライブにはイージードライブに加えて、独特のメカニカルな面白さがある。「パドルシフトが面白そうだし、セミATにも一回乗ってみようか」と思っている人にはお勧めしたい。

今や貴重な「小さくても高性能」

コンパクトカーの中で一番小さいAセグメントとかスーパーミニとか言われるジャンルは、欧州車が昔から大得意とするジャンル。プジョー205、アウトビアンキA112アバルト、ローバーミニなどがクルマ好きの間で人気があったのは、何も輸入車好きとかデザインがいいとかいう理由からだけではなく、「乗って面白い高性能スモールがほかになかったから」だったと思う。

そんなところに、NEW MINIはうまくはまっている感じがするのだが、それ以外の選択肢として面白いのが今回のC2だ。デザインは見ての通りで、これはもう好きか嫌いか。MINIなら家族も友人も文句は言うまい。でもシトロエンというクルマも、このC2も、他人の意見など気にせず、自分の感覚を信じて買うクルマだ。そんな買い物をした時の喜びは、分かる人には分かるはずだ。

文:Kei Niwa, DAYS


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