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Uカー試乗記

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4代目3シリーズの2ドアクーペバージョン

クーペの330Ciは、セダンの330iと同じく、「M3」を除けばE46型3シリーズのトップモデルといえる存在

今回の3シリーズクーペ(E46型)は、以前とり上げた320i Mスポーツ(セダン)318i ツーリング(ステーションワゴン) 同様、3代目3シリーズ「E46型」(1998-2005年)に属するモデル。BMWが昔から得意とするコンパクトなFRクーペで、モデル名には「Ci」の文字が付く。

日本では1999年に2.8リッター直6の「328Ci」(193ps、5AT)がまず導入されたが、2000年には3リッター直6の「330Ci」(231ps、5AT)と1.9リッター直4の「318Ci」(118ps、5MT/4AT)の2本立てとなった。翌01年2月には、両グレードに「Mスポーツ」(スポーティな足まわりや外装を付加したもの)を設定している。

03年からクーペとカブリオレ専用の顔に

こちらはフェイスリフト後の330Ci(2003~05年モデル)。主にライト類のデザインが前期(99~03年モデル)と異なる

01年10月には「318Ci」のパワートレインを2リッター直4「バルブトロニック」ユニット(143ps、5AT)に換装(このあたりは車名と排気量が一致せず、ややこしい)。03年4月にはセダン系と同じ涙目ヘッドライトを廃止し、クーペ&カブリオレ専用形状のヘッドライトとするなどのフェイスリフトが実施された。

そして翌05年に生産を終了。06年9月には4代目(E92型)3シリーズクーペが発売されている。(2008.01)

 

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今が旬の、端正なデザイン

ボディサイズは全長4490mm×全幅1755mm×全高1370mm。写真の「Mスポーツ」は専用エアロパーツやアルミホイールを装着

サンプルカーは2001年式で、フェイスリフト前。コンディションはたいへん良く、ブルーメタリックの塗装も7年落ちとは思えないほど鮮やかだ。ボディ形状は見てのとおりE46型3シリーズの2ドアだが、クルマにおける「端正」とは、まさにこういうものではないか、と思うくらいカッコいい。先代のE36型もその点では負けていないが、そろそろヴィンテージの域だし、後継のE90型は全幅が約1.8メートル前後とかなり大柄。時代的にこの両者の間にあるE46型は、伝統的な3シリーズのイメージと今風のクオリティ感をちょうどいい具合に兼ね備えている。

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歴代3シリーズに共通する機能的なインテリア

従来の3シリーズから正常進化したデザインのインパネ。サンプルカーはMスポーツの革巻きステアリングホイール、高音質で知られるハーマンカードン製スピーカーを装備

黒を基調としたシックなインテリアはやや飾りっ気ないとも言えるが、BMWでおなじみの操作系は分かりやすい。メルセデス・ベンツともアウディとも違う、あくまでドライバー重視のムードは、BMW独特のものだ(最新のモデルはちょっと違うようだが)。「Mスポーツ」のシートもまさにドライバーズカーにふさわしい作りで、これだけでもこのクルマを買う価値があるとすら思える。M3あたりと比べてもホールド性は遜色ない。

 
シートポジションは電動でセット可能。メモリー機能も備える
シフトレバーはレザー仕上げ。ステップトロニックで、マニュアル感覚の操縦感覚も楽しめる
一目でBMWと分かる、視認性の良い4眼メーター
 

多少狭いが、クーペとしては上等の後席

クーペモデルとはいえ、後部座席の居住性も確保

2ドアクーペで心配なのが後部座席の居住性だが、ベースが4ドアセダンなだけに全体の仕立てや足元の広さはセダンに近い。困るのは2ドアゆえの乗降性の悪さ、頭上空間の少なさ、ガラスが真上にかかることなど、クーペとしては一般的な事柄だ。いざという時に迎えるゲストからは「意外に快適」という感想がもらえるかもしれない。

 
後部座席は分割可倒式で、積載能力は見た目以上に高い
リアサイドウインドーは電動開閉式。前席からボタンひとつで操作可能だ
全面をカーペットで覆われたトランク。重量配分を考えてバッテリーは右の床下にある
 

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誰が乗っても「いいクルマ」

パワフルかつ操縦性がよいため、山岳路のドライブにはうってつけだ

今回試乗したのは3リッター直6の330Ci。新車当時は500万円オーバーと高嶺の花だったが、あらためて乗ってみると、「参りました」というくらいよく出来ている。これはもう誰が乗っても『いいクルマだ』と思うだろう。231psを発揮するストレートシックスは、BMWらしく高回転域まで滑らかに回り、まったくトルクの谷を感じさせない。M3のようにドラマチックな加速感こそないが、心地よさや乗りやすさ、パワーを日常的に体感できるエンジンだ。刺激以外の、すべてを備えていると言える。

ボディのしっかり感は現行E90シリーズほど巌(いわお)のようではないが、むしろ乗り心地はよい(仕様にもよると思うが)。サンプルカーの走行距離は3万km程度だったが、せいぜい一般道を走る程度では、ほとんど新車時と遜色はないと思われた。

ぜひBMWでFRの良さを

期待通り、ワインディングではFRらしい素直な挙動と自然なステアリングフィールが満喫できる。FF車しか経験のない人には、ぜひBWMでFRならではのハンドリングの良さを味わっていただきたい。パワーがあるため、意図的に後輪を流すことも可能だが、通常はASC+T(トラクションコントロールの高度なもの)等の電子制御デバイスが働くので、冷や汗をかくことはまずない。もちろん、このクルマがもっとも映えるのは、高速道路などをジェントルに飛ばす時だろう。

 

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車名:BMW 330Ci M-Sport(2001年モデル)
形式:GH-AV30
寸法:全長4490mm×全幅1755mm×全高1370mm
ホイールベース:2725mm
車重:1520kg
駆動方式:FR(後輪駆動)
エンジン:3リッター直列6気筒DOHC
最高出力:231ps(170kW) /5900 rpm
最大トルク:30.6kgm (300Nm)/ 3500rpm


トランスミッション:5速AT
使用燃料/容量:プレミアムガソリン/63L
10・15モード燃費:9.2 km/L ※330Ci 標準仕様
タイヤ:前225/45R17、後245/40R17 ※M-Sport
最小回転半径:4.9m
発売時期:2000年8月(330Ci)、01年2月(M-Sport)
当時の新車価格:555万円(330Ci、消費税含まず)、575万円(M-Sport、同)

 

試乗車スペック

初年度登録:2001年
販売価格:246万円(消費税込み)
走行距離:3万1000km
ボディカラー:トパーズブルーメタリック
備考:電動サンルーフ、ETC
試乗日:2008年2月

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機関はヘタリ知らず。装備の差に注意

信頼性は抜群のBMW製ストレートシックス。走行距離が多い場合は足まわりのリフレッシュを念頭においたほうが良いかも

定評のあるBMWのエンジン、特に直列6気筒系は、とにかく振動が少なく、かなり旧世代のものでもヘタリ知らず、という印象がある。15年、15万kmともなると、補器類はそれなりに寿命を迎えるはずだが、それを直してでも乗り続ける価値のある機関部だ(そういう物持ちのいい人は、少数派かもしれないが)。BMWの場合は基本的にカムチェーンが主流なので、ベルト切れ等の心配は無い。

99~02年あたりまでの低年式車に関しては、エンジンやAT関係など、できれば事前に確認しておきたいところ。いずれにしても出来る限り高年式の低走行車を選んだ方が、購入後の費用や手間は掛からないだろう。特に330Ciで極端に安いものは要注意だ。

 
サンプルカーの330Ci Mスポーツはオプションの電動サンルーフ付きだった

また年式、仕様(「Mスポーツ」等)、オプションの有無などで、装備にかなり差があるので、購入時はチェックしておくのがいい。キセノンヘッドライト(330Ciに標準)、レザーシートやシートヒーター(オプション)、サンルーフ(オプション)、電子制御デバイスで通常のASC+Tよりも高度なDSC(オプション、後期型は全車標準)などなどだ。DSCは必須とは言わないが、いざという時にスピン等を防ぐ「命綱」となることがあるので、付いているのに越したことはない。

 

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318Ciなら01年以降の2リッターがお勧め

さっそく具体的な話をすると、初期の「328Ci」(99年)はエンジンの回り方が大人しく、今となっては積極的にお勧めしない。また「318Ci」では、00~01年の1.9リッターSOHC(118ps)もパワーや4速ATという点で物足りなさがある。もちろん、それを分かった上で選ぶというのはありだ。

積極的にお勧めしたいのは「318Ci」のAT車なら、01年秋以降の2リッターDOHCバルブトロニック(143ps)+5ATモデル。そしてクルマ好きならご存知の通り、同じく「318Ci」の5MT車(左ハンドルのみ)だ。BMW本来の魅力が味わえるマニュアル車だが、日本での設定は限られており、流通量も少ない。左ハンドル・MT車の習得にはこれがうってつけだ。

330Ciならコンディションの良いものを

330Ciの場合は00~05年まで、フェイスリフト以外はそう大きな変化もなく、仕様やコンディション、価格で決めてしまっていいだろう。今回のような01年式で内外装のコンディションもよく、距離は少なく、色ヨシ、装備ヨシ、という個体は、掘り出し物と言っていい。車両価格の246万円はまったくもってリーズナブルと思う。

唯一の問題は、E46クーペが似合うような年頃の男性だと、いまどき2ドアクーペで家族や周囲の同意が得られるかどうか、という点だろう。しかしタウンユースから、家族旅行、さらにワインディングまで、シチュエーションを選ばない懐の深さはさすが、といえるもの。短い人生、これくらいの贅沢は許されて良いと思う。

 

Text&Photo:DAYS


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