掲載日 : 2008年08月11日
2003 MB Cクラス ステーションワゴン
2代目Cクラス「W203」のステーションワゴン
「Cクラス」は、190シリーズ「W201」の後継となる最小セダン/ステーションワゴン。初代「W202」(1993~2000年)に続いて、2000年にデビューしたのが今回の2代目「W203」だ。当時すでにメルセデス最小としてAクラスはあったが、オーソドクスなFR車としてはこのCクラスが最小。特にステーションワゴンは休日にも似合うスタイル、実用的な積載スペース、400万円台からスタートする手ごろな価格などで人気が高い。ラインナップはセダンとほぼ共通で、2リッター直4から果ては5.5リッターV8モデルまでと多種多様を極める。
2001年にデビュー。車名と排気量が一致しないことに注意
2代目Cクラス ステーションワゴンは、セダン(2000年9月発売)に遅れること約10ヵ月後の2001年6月に日本国内で発売された。デビュー当時のラインナップは、2リッター直4の「C180 ステーションワゴン」(129ps、19.4kgm)、2リッター直4スーパーチャージャー(163ps、23.5kgm)の「C200コンプレッサー ステーションワゴン」、2.6リッターV6(170ps、24.5kgm)の「C240 ステーションワゴン」「C240スポーツライン」、3.2リッターV6(218ps、31.6kgm)の「C320」「C320スポーツライン」の6種類で、全車5ATだった。以後、車名と排気量が一致しないことに注意されたい。
2001年8月には、3.2リッターV6スーパーチャージャーの「C32 AMG」(353ps、45.9kgm)を発売。2002年8月にはフルタイム4WDの「C240 4マチック ステーションワゴン」が追加された。
2002年8月には従来の2リッター直4エンジンを廃止。代わって1.8リッター直4スーパーチャージャーの低出力版である「C180 コンプレッサー ステーションワゴン」(143ps、22.4kgm)と、高出力版である「C200 コンプレッサー ステーションワゴン」(163ps、24.5kgm)を設定した。
2004年にマイナーチェンジ、2005年に7ATを設定
2004年6月には内外装の変更やメカニズム面の改良を含むマイナーチェンジを実施。同時に、1.8リッター直4スーパーチャージャーを従来以上にチューンした「C230 コンプレッサーアバンギャルド」(191ps、26.5kgm)や、2代目Cクラスで最強となる5.4リッターV8の「C55 AMG ステーションワゴン」(367ps、52.0kgm)を追加した。
2005年8月には新開発2.5リッターV6搭載の「C230 ステーションワゴン アバンギャルド」(204ps、25.5kgm)、3リッターV6(231ps、30.6kgm)の「C280 ステーションワゴン アバンギャルド」を追加。両者には最新の7速AT「7G-Tronic」が採用された( 4マチックを除く)。
こうして2代目Cクラスワゴンは約7年間にわたってひんぱんにエンジンやラインナップの変更を行いながら、2008年4月に3代目Cクラス「W204」のワゴンにバトンタッチをしている。(2008.08)

スポーティなルックス、コンパクトなボディ
スタイリングで特徴的なのは涙目とも言われる、ひょうたん型のヘッドライトだろう。先代までの角目を捨てた顔つきは、今でこそ見慣れた感があるものの、デビュー当時はそれなりに物議を醸したものだった。ルーフと車体後半はワゴン専用設計で、ゆるやかにRを描いたDピラー、大きめのリアウインドウが特徴的だ。
ボディサイズは全長4550mm×全幅1730mm×全高1465mm、ホイールベース:2715mmとコンパクト。全長は同型セダンに対して+15mmとほぼ同じで、全幅もほとんど5ナンバーサイズ。最小回転半径はわずか5.0メートル!と、国産コンパクトカーもびっくりの小回り性能を誇る。
他のブランドでは得られない安心感
質感的にはやや物足りない点もあるが、手堅くまとめられたインテリアはやはりメルセデスらしいもの。電動シートの「椅子型」調整スイッチといった操作系もおなじみのもので、他のブランドでは得られない安心感がある。シートも昔の190や初代Cクラスほどカチッとした座り心地ではないが、同時代の他車に比べれば、やはり「メルセデスしてる」と感じられる。
後席の折り畳みは女性でも簡単
今回Cクラスワゴンをじっくり見て驚いたのが、荷室の使いやすさだ。折り畳み方法はダブルフォールディング(座面を跳ね上げてから背もたれを倒す)だが、その操作がたいへんやりやすい。座面を跳ね上げる時に指を引っ掛けるところがあったり、ヘッドレストが簡単に折り畳めたりと、女性でも簡単に操作できるようになっている。一昔前のドイツ車は機能優先で、操作性は二の次だった印象が強いが、Cクラスワゴンではまったくそんなことはない。
適度なパワー、自然な操縦性。質実を地で行く走り
今回のサンプルカーは2003年式の「C200 コンプレッサー ステーションワゴン」。それ以前(2001年~2002年途中)の同名グレードが2リッターのスーパーチャージャー(163ps、23.5kgm)だったのに対し、2002年8月以降のモデルから1.8リッターのスーパーチャージャー(163ps、24.5kgm)となっているのが、特徴といえば特徴だ。排気量が200cc減ったにも関わらず、最高出力はそのままに、最大トルクは1kgmアップとなっている。現行の3代目Cクラス(2007年~)にも改良版が採用されているくらいで、基本設計は比較的新しいエンジンだ。
動力性能は必要十分といえるもので、感覚的には現行のC200コンプレッサー(さらに高い過給圧で184ps、25.5kgmを発揮する)と同等か、むしろ力強く感じるほど(絶対的なパワーではなく、シャシー性能とのバランスや電子制御スロットルの設定などが要因か)。スーパーチャージャーゆえ、爽快な加速感とか吹け上がりとかはないが、全回転域で扱いやすく、静粛性も十分だ。
操縦性はFRらしく素直で、かつメルセデスらしいずっしりとした安定志向。パワーステアリングが重めなのは、新車時からの傾向だろう。この運転感覚を10年、15年とキープしてしまうところがメルセデス・ベンツの真骨頂といったところだ。
車名:Mercedes-Benz C200 Kompressor Stationwagon
型式:GH-203242
寸法:全長4550mm x 全幅1730mm x 全高1465mm
ホイールベース:2715mm
車重:1530kg
駆動方式:FR(後輪駆動)
エンジン:1.8リッター 直列4気筒 DOHC スーパーチャージャー
最高出力:163ps(120kW)/5500rpm
最大トルク:24.5kgm(240Nm)/3500rpm
トランスミッション:5AT
使用燃料/容量:プレミアムガソリン/62L
10・15モード燃費:10.6km/L
タイヤ:195/65R15
最小回転半径:5.0m
発売時期:2002年8月
当時の新車価格:475万円(消費税抜き)
試乗車スペック
初年度登録:2003年10月
販売価格:218万円(消費税込み)
走行距離:20800km
ボディカラー:ブリリアントシルバー
備考:ワンオーナー、社外DVDナビTV、純正CDチェンジャー
試乗日:2008年7月
メンテナンスすれば何十万kmでも乗れる。エアコンは異音をチェック
セダンと合わせれば2000年から2008年という長きにわたって販売された2代目Cクラス。ゆえに年式や程度に幅はあるが、基本的にはメルセデスらしくヘタリ感やヤレ感が出にくいクルマだ。エンジンは当然として、ATの耐久性も巷で思われている以上に高いようだ。なにしろ欧州ではEクラスはもちろん、Cクラスのタクシーでさえ数十万kmオーバーホールなしで使われるという。
ただし走行距離が10万kmを超えるような車両は、乗り方や個体にもよるが、遅かれ早かれ足回り(定番のタイロッドエンドやブッシュ、ダンパーなどなど)に手を入れたくなり、それらをリフレッシュするとなると費用や手間がかかる。よって当然ながら、高年式・低走行のクルマが無難なのは言うまでもない。
マイナートラブルに関しては、エアコンの作動をチェックしたい。マイナーチェンジ前のモデルは吹き出し口切り替えモーターの不良でダッシュボード付近から異音が出ることがあるようだ。ちなみに修理にはダッシュボードの脱着が必要なため費用もそれなりに掛かるから、保証終了後は無視するのも一つの手だろう。
出来ればマイナーチェンジ後がお勧め。搭載エンジンを吟味すべし
予算に余裕があるなら、お勧めは2004年のマイナーチェンジ後のモデル。内外装はもちろん、走りの質感や信頼性も大きく向上したと言われている。また「コンプレッサー」(スーパーチャージャー)を選ぶ場合は、省燃費化が図られた2002年以降の新型1.8リッターベースがいいだろう。ただし上級セダンにふさわしいパワー感や緻密な回転フィーリングを求めるなら、やはりV6モデルがいい。特にモデル末期の7ATモデルは同じCクラスでも、Dクラスぐらい?(CとEの中間という意味で)かもしれない。「クルマ好き」「ドライブ好き」の方は、自分の好みをよく見極めてグレード(搭載エンジン)を選ぶことをお勧めする。
ネームバリュー以上に高い商品価値
単なるブランドだとか、いやさすがドイツ車、高級車だと、いまだに何だかんだ言われるメルセデス・ベンツだが、その設計思想は自分で日常的に乗ってみて初めて理解できる類のもの。たまに仕事で初代Cクラス(C240)のステーションワゴンに乗るが、設計年次に対する総合性能の高さ、経年劣化の少なさ、旧さを感じさせないデザインには、ネームバリュー以上の価値を感じる。そしてそれがかなり割安に手に入るという点で、Cクラスはパーソナルユースとして日本で使う限り、メルセデスの本命と言えるだろう。
今回のサンプルカーは6年落ちとはいえ、昨年までの現行モデル。メルセデスにとって6年程度の経年はメカ的にさしたる問題ではない上、ワゴンならスタイリングも旧さを感じさせない。これから10年、15年と長い期間を共に過ごす相手として、大いに活躍してくれるはずだ。
Text&Photo:DAYS


