HOME > Ucar Libray >2004 シトロエン C3 1.6 >

中古車を調べる

Uカー試乗記

UcarMuseumは輸入中古車のお役立ち資料館。中古車試乗インプレッションと販売済み中古車を検索できます。

掲載日 : 2008年09月20日

2004 シトロエン C3 1.6

h1.jpg

history_1-h.gif

名車2CVを思わせる個性派コンパクトカー

サンプルカーは前期型の「1.6」で、外装色はノアールオニキス

2002年4月に欧州で発売された「C3(シースリー)」は、後に登場する2ドアの「C2」(2003年9月)とVWゴルフクラスの「C4」(2004年11月)の中間に位置する、いわゆるBセグメントカー(Bカー)だ。名車2CV(1948~90年)を彷彿とさせるスタイリングの個性派4ドアハッチバック車である。

日本仕様の前期型は1.4が4AT、1.6が5速センソ

日本では2002年10月に導入開始。当初のラインナップは1.4リッター直4・SOHC(75ps)に「AL4」と呼ばれる4ATを組み合わせた「1.4」、および1.6リッター直4・DOHC(110ps)に、シトロエンが「センソドライブ」と呼ぶ5速セミATを組み合わせた「1.6」の2グレード。新車価格は当初、それぞれ182万円と199万8000円だった(消費税含まず)。5速MTの設定はなく、全車右ハンドルとなる。この後いくつか特別仕様車やパッケージオプション装着車が設定されるが、この前期型の場合は基本的にこの2モデルがベースだ。

後期型は逆に1.4が5速センソ、1.6が4ATに

2006年3月には後期型に進化。DOHC化された改良型1.4リッター直4(90ps)には従来の4ATに代えて5速センソドライブが、逆に1.6リッター直4(従来型を継承)には4ATが組み合わされた。内外装も若干デザイン変更を受けて、フロントグリルの変更、「ダブルシェブロン」マークの大型化、フロントナンバー取付位置のグリル下への移動、ホイールデザイン変更、質感向上などが図られた。

2008年4月にはプジョーとシトロエンのインポーターが統合。その際に日本導入モデルの見直しが行われ、C3はC2やC3プルリエルと共に日本での販売を終了した。

パッケージオプション、外装色、内装仕上げなど多種多様

サンプルカーはオプションの「コンフォートパッケージ」装着車。レザーシートのほか、リアにバックソナーを備える

メカニズム的な変遷は以上の通りだが、C3では各種オプションやボディカラー、特別仕様車まで、様々な仕様がある。

まずオプションについては、前期型の1.4に設定された「スタイルパッケージ」(アルミホイール、フロントフォグ、同色モール)と全車に設定された「コンフォートパッケージ」(レザーシート、クルーズコントロール付き革巻ステアリング、バックソナー)がある。2003年からはダブルサンルーフも用意された。

ボディカラーは前期型で12色、後期型で13色(受注色含む)、前期・後期で重複する色を除くと17色を用意。日本での販売台数を考えると、色数はかなり多いと言える。また内装は後期型から黒基調に統一され、大幅に質感が高まった。

さらに特別仕様車としては、前期型では例外的に黒基調の内装とされた2003年の「アニヴェルセル」(限定200台)、2DINタイプのインダッシュDVDナビを標準装備した2004年の「AVN」(限定100台)、ベージュ(サーブル ビブアック)もしくは薄いグリーン(ベール エテル)の外装色にレザーシートを合わせた2006年の「マチナルコレクション」(限定各20台)などがある。(2008.09)

 

graph.gif

outside.gif

2CVに敬意を表して

ボンネットとルーフの2つの丸い弧で構成されるサイドビュー。大径タイヤも2CVと同じ15インチだ(C3は185/60R15、2CVは125-15)

全長3850mm×全幅1670mmという外寸は、この頃のBセグメントカー(VWポロ、プジョー206など)とおおむね同等。例外は1540mmと高めの全高だが、ルーフやボンネットが円を描くシルエットや6ライト(片側3つ)のサイドウインドウが、往年の2CVを彷彿とさせる。さらに今どきのクルマでは珍しい「前のめり」の車体姿勢が、2CVらしさをいっそう強調・・・・・・と言ったらオーバーか。前傾姿勢はフランス製小型車の定番ではあった。とはいえ、プラットフォームや部品の共有化、生産性、衝突安全基準などなど、多くの制約の中でさりげなくカタチにされたデザイナーの遊び心と名車へのリスペクトが伝わってくる。

 
こちらは2CV。ルーフラインやサイドウインドウの形状がC3に受け継がれている
 

inside.gif

デジタル速度計は、いわば現代版ボビンメーター

前期型のインパネは基本的にはカジュアル路線だが、サンプルカーはシックなグレー基調のレザー仕様

1980年代に日本車で流行ったデジタル速度計は、30代以上の人には懐かしく、若い人には新鮮なアイテムだろう。昔のボビンメーター(数字を書いた糸巻き状の円柱が回転して速度を表示する)の現代版といったところだが、視認性は良好だ。その左側に水温計、上に回転計(針が横に動く)、右側に燃料計が備わる。回転計の視認性はお世辞にも良くないが、ものすごく困るわけではない。

 

インテリアの質感は、前期/後期、外装色、仕様等でかなり異なる

前期型の場合、通常だとインパネ質感は高くないが、今回の車両はオプションのレザーシート(シート形状も標準と異なる)装着車で、なかなか魅力的。その昔「小さな高級車」と言われたルノーのサンク・バカラ風で、シートの座り心地もフカフカだった。

ただし標準仕様の場合は、ボディカラー次第では内装色がブルーとなり、シートはざっくりとしたクロス生地(1.4)もしくはベロア生地(1.6)になるなど、一気にカジュアル度を増す。また後期型では一転して黒一色に統一され、パーツそのものも一新されたことにより、質感が一気に高くなった。

 
速度が一目で分かる液晶デジタルメーター。後期型では左右の水温・燃料計まで液晶化された
オプションの「コンフォートパッケージ」に含まれるレザーシート。ステアリングはチルトとテレスコ調整が可能
小物入れは豊富。エアバッグは前席フロント×2、前席サイド×2、そして前・後席をカバーするカーテン×2の6個を標準装備
 
やや狭い印象を受ける後席だが、シートの座り心地は良好(特にレザー仕様)。ヘッドレストと3点式シートベルトも3人分を完備。サイドウインドウは手回し(手動)となる
大型ダブルサンルーフはオプション。前側が電動、後側は固定。前後にシェイド(日よけ)が付く
サンルーフはアウタースライド式。天井のダイアル式スイッチで操作する
 
最大拡大時。後席はさらにタンブル(跳ね上げ収納)しそうだが、できない
モジュボードでフルフラットにし、荷室を上下2段に仕切った状態
荷室容量(5人乗車時)は305Lとまずまず。付属の「モジュボード」で、荷室の「変形」が可能だ
 


imp.gif

前期型1.6は5速セミATとの組み合わせ

110psを発揮する1.6リッターDOHCエンジン

今回のサンプルカーは前期型の「1.6」(5速センソドライブ)。いわゆるセミATなので、まずブレーキを踏んでギアをニュートラルにしてから、エンジンを掛ける。また、C3のセンソドライブにはクリープ(ブレーキを放すだけでゆっくり走り出すトルコンATの現象)が一切ないため、アクセルを踏み込んで初めて、クルマが自動的に半クラッチを行って発進する。坂道発進ではマニュアル車同様にハンドブレーキか、もしくは左足ブレーキが必要だ。

とはいえ、走り出してしまえば難しいことはない。パワーは110psと十分で、自動的に変速するオートモードでのんびり走るのも、パドルシフトで積極的にマニュアルシフトして走るのも楽しい。もちろんアルファロメオのセレスピードなどと同様、1速→2速シフトアップ時の息継ぎはあるが、これはちょっとしたコツで解消できるもの。このあたりの運転感覚は、新型フィアット500の5速セミAT(デュアロジック)とだいたい同じと考えていい。つまり完成度はかなり高い。

前期型1.4と後期型1.6ならトルコンの4速AT

一般的にはセミATもしくは2ペダルMTと呼ばれる「センソドライブ」。パドルシフトによる素早い変速も楽しめる

一方、前期型の1.4(4AT)の場合、発進感覚はぐっと普通になるが、ここぞという時のパワーはやや不足気味。また学習機能を売りとする「AL4」ならではの変速プログラム(やや回転を引っ張り気味にするなど)が、ドライバーにも多少の「学習」を求めてくる。

さらに後期型の1.4(90psにアップ)+5速センソや、同じく後期型の1.6+4ATも気になるところだが、こちらは試乗経験がないため、コメントはまたの機会としたい。

なお、C3の充実した安全装備の中には6エアバッグ等のほかに「オートハザードランプ」なるものがある。これは急ブレーキであると感知した場合、後方車両に注意を促すためハザードランプが点灯し始めるものだ。ワインディングで強めのブレーキングを行った際にも作動するのが難点だが、万一の際には心強い装備と言える。高速道路の渋滞時によく使われるハザードだが、そもそも自分でスイッチが押せるほど余裕がある時には、追突などされないものだ。

 

spec.gif


車名 : Citroen C3 1.6(2004年モデル)
形式 : GH-A8NFU
寸法 : 全長3850mm×全幅1670mm×全高1540mm
ホイールベース : 2460mm
車重 : 1090kg
駆動方式 : 前輪駆動(FF)
エンジン : 1.6リッター直列4気筒DOHC・4バルブ
最高出力 : 110ps(80kW) /5800rpm
最大トルク : 15.3kgm (147Nm)/ 4000rpm


トランスミッション : 5速セミAT
使用燃料/容量 : プレミアムガソリン / 47L
10・15モード燃費 : -km/L
タイヤ : 185/60R15
最小回転半径 : - m
発売時期 : 2002年10月
当時の新車価格 : 209万7900円(2004年4月モデル、消費税含む)


試乗車スペック

初年度登録 : 2004年
販売価格 : 116万円(消費税込み)
走行距離 : 1万6400km
ボディカラー : ノアールオニキス
備考 : レザーシート&シートヒーター、サンルーフ(いずれも純正オプション)
試乗日 : 2008年9月

check.gif

メカニカル部分は特になし。キズ・汚れ等を中心にチェック

C3のノアールオニキスは人気の希少色。後期型では最上級グレードの「1.6 エクスクルーシブ」でしか選べなくなった

販売期間は2002年秋から2008年春までと長いので、車両の状態には当然バラつきがあるが、パワー控えめ、シャシーも穏やかというクルマなので、剛性感や乗り心地などの経年変化は体感しにくいタイプと言っていいだろう。女性オーナーが多いという点でも、おとなしく乗られた車両が多いと思われる。

センソドライブに関しても変速時のショックやクラッチのヤレが出ている車両は、現時点でほとんどないようだ。基本的には内外装のコンディションや、次の「購入アドバイス」で触れるように、仕様を判断基準にして選ぶことになるだろう。

 

advice.gif

ボディカラーや仕様で印象が大きく異なる

写真は前期型C3のイメージカラーだった「ブルールシア」

以前、取材で2日間ほど乗ったC3は、ボディカラーがブルー(ブルールシア)、内装もブルーというC3では定番のポップな仕様だったが、今回のサンプルカーは「ヴェルニ塗装」といわれる艶のある漆黒のボディに、上質なレザーシートを備えた豪華版。これはもう、まさにフランス車が得意とする「小さな高級車」であり、C3に対する認識をすっかり改めることになった。C3も仕様次第でここまで大人っぽくなる、ということだ。

もう一つ魅力的に思えたのが、サンプルカーに装備されていたオプションの大型サンルーフ。前半分が電動で開き、手動のサンシェイドが前後それぞれに備わるなど、固定式のガラスルーフにはない使い方が出来る。天気のいい日にちょっと屋根を開けられるのは、やはり気持ちがいいものだ。

まずは現車を見るべし

2008年春で日本での販売を終了してしまったC3は、モダンスモールシトロエンの世界をあじわえる一台だ

こうした感覚的な要素は、色合いや質感も含めて、カタログを眺めているだけでは意外に分からないもの。そういう意味で、やはり何よりもまずは現車を見ること、触れたり座ったりして感じてみることが大切だなあ、と今回は特に思った次第だ。極端なことを言えば、1.4か1.6か、4ATかセンソドライブか、などといったメカニカルな部分より、「これだ」と思えるボディカラーに出会うことの方が大切だ。C3のボディカラーはどれも素敵なものばかりだが、その中からぜひ「自分の色」を見つけて選んで欲しい。


 

Text&Photo:DAYS


ucaravenue-b.gif

 

ページの先頭へ戻る