掲載日 : 2008年10月20日
2001 アウディ A4 3.0 クワトロ
第6世代となるアウディの高級コンパクトセダン
2代目A4セダン(B6型)は2001年から2005年までの4年間にわたって生産・販売されたアウディのコンパクトセダンだ。初代「80」から数えて6世代目ゆえ、通称「B6」と呼ばれる。エンジン縦置・FFベースのフルタイム4WD「クワトロ」を用意するなど、アウディの技術的特徴や魅力を十全に備えた代表車種である。
なお2代目A4にはセダンのほかに、ステーションワゴンの「A4 アバント」(2002年~)、4シーターオープンの「A4 カブリオレ」(2002年~)、高性能バージョンとして「S4」(2003年~)がある。
エンジンは2.0/2.4の直4、1.8直4ターボ、3.0・V6など
2代目A4セダン(日本仕様)のグレードおよびエンジン/変速機は、基本的に以下の5種類(出力の順)である。
・「A4 2.0」 2.0L・直4・DOHC・5バルブ(130ps)/CVT
・「A4 2.4」 2.4L・V6・DOHC・5バルブ(170ps)/CVT
・「A4 1.8T クワトロ」 1.8L・直4ターボ・DOHC・5バルブ(170ps)/5AT
・「A4 3.0 クワトロ」 3.0L・V6・DOHC・5バルブ(220ps)/5AT ※今回のサンプルカー
・「S4」 4.2L・V8・DOHC・5バルブ(344ps)/6AT
なお、2005年2月に3代目A4(B7型)へモデルチェンジしたが、内容的にはビッグマイナーチェンジと言えるもの。「シングルフレームグリル」となった外観をはじめ、、パワートレインやサスペンションが一新されている。(2008.10)。

アウディらしい端正な高級感
全長4555mm x 全幅1765mm x 全高1430mmというボディサイズは、この後の3代目A4(2005年~)とほぼ同じだが、現行の4代目A4(2008年~)に比べれば一回りコンパクト。最小回転半径は5.2メートルで、ライバルの中型FRセダンと同じ感覚で運転できる。
全体に派手さを抑えたデザインは、アウディの美学を感じさせるもの。メッキモールが上下2段のフロントグリルとサイドウインドウの窓枠を縁取るが、それはあくまで隠し味。むしろボディそのものの精度や質感で高級化を出している。
「3.0 クワトロ」はウッドパネル仕様
2001年当時、新車で500万円余もした上級グレード「3.0クワトロ」の場合、インパネ、センターコンソール、ドアトリムは、ウォールナットウッドパネル仕上げ。ただしレザーシートはオプションだったので、シート地はファブリックだ。なお内装色はブラックのほか、ベージュ、グレー。化粧パネルは下位グレードが塗装、「3.0 クワトロ スポーツ」がアルミ製であった。
質感の高さで定評のあるアウディだが、2001年式のいわゆる「初期モノ」であるサンプルカーの場合は、すでに7年を経ていることもあり、運転席ドアインナーハンドルやシート座面の擦れなど、経年劣化がそれなりにあった。やはりアウディでも前オーナーの使用状況によって劣化は免れない、ということだろう。販売価格が132万円(整備渡しだが保証はなし)と底値であることを思えば、ここは考え方次第だ。
絶好調のエンジン、さすがのクワトロ
4代目A4(B8型)がデビューして半年経つ現時点(2008年10月)で、すでに先々代となる2代目A4(B6型)だが、その中でも今回のサンプルカーは初期輸入ロットと思われる2001年式の7年落ち(走行3万km)。当然ながら整備状況もこの車両固有のものだ。あえてそう断るのは、実際に乗ってみるとボディ、おそらくブッシュ系)のヤレ感が多少気になったから。今回のサンプルカーがパワフルで重量もあり、当初から乗り心地を重視した「3.0クワトロ」だったせいもあると思われる。
一方、1気筒あたり5バルブ(計30バルブ)の3リッターV6エンジン(220ps、30.6kgm)はまだまだ絶好調。高回転まで回した時の「クォーン!」というスポーティなサウンドは、最新の直噴ターボでは聞けないものだ。
このパワーでFFだったらトルクステアの嵐となるのは必至だが、そこはセンターデフ式のクワトロ。パワーをごく自然に4輪に分配し、いい塩梅(あんばい)で路面に伝えてくれる。大雨の高速道路といったシチュエーションでは、最新のFF車やFR車など問題としない直進安定感を発揮するはずだ。
車名 Audi A4 3.0 quattro(2001年モデル)
形式 GF-8EASNF
寸法 全長4555mm×全幅1765mm×全高1430mm
ホイールベース 2645mm
車重 1660kg
駆動方式 フルタイム4WD
エンジン 3.0リッターV型6気筒DOHC・5バルブ
最高出力 220ps(162kW) /6300rpm
最大トルク 30.6kgm (300Nm)/ 3200rpm
トランスミッション 5速AT
使用燃料/容量 プレミアムガソリン / 66L
10・15モード燃費 8.2km/L
タイヤ 215/55R16
最小回転半径 5.2m
発売時期 2001年5月
当時の新車価格 515万円(消費税含まず)
試乗車スペック
初年度登録 2001年
販売価格 132万円(消費税込み、保証なし・整備渡し)
走行距離 2万9900km
ボディカラー シルバーレイク メタリック
備考 社外DVDナビ、TV、ETC、ワンオーナー
試乗日 2008年10月
機械的な信頼性は高いが、セオリー通りコンディション重視で選びたい
2代目A4は一部で燃料ポンプがリコール対象となっているが、現在市場に流通するものの多くはすでに対策済みと思われる。一応確認はしておきたいところ。またCVT車(2リッターNAと2.4リッターNA)の場合は、ストールやギクシャク感などが気になるケースがあるようだ。エンジン本体や5ATの信頼性は高いので、正しく整備されていた車両ならまずは安心していいだろう。
とはいえ2代目A4はUカー市場でも人気があり、今後年数が経てば玉石混淆となるのは必至だ。特にダンパー、ブッシュ、ブレーキディスクといった消耗品の寿命は、年数や距離に比例して例外なく尽きてゆく。よって多少車両価格は高くても、内外装がきれいで、高年式、そして走行距離の少ない車両を選ぶのがセオリー通りお勧めだ。A4は人気車といっても妙なプレミアム価格はついていないから、金額に見合った対価が得られるはずだ。
近代のアウディも経年劣化は免れない
今から2年前の2006年に取材した当Uカー試乗記では、2代目A4について「ヤレの少なさは群を抜いている」、「ユーズドカー感が極めて薄い」、「(約3年落ちでも)感覚的には登録後、1年未満くらいに感じられた」と評しており、実際の印象もまさにその通りだった。試乗したのは、2003年式の「1.8T クワトロ」(走行距離1万2000km、販売価格273万円)だ。
さて今回、2001年式の「3.0 クワトロ」(走行距離2万9900km、販売価格132万円)に乗ってみた感想は、率直に言ってアウディでも相応にヤレは生じる、というもの。しかし外装コンディションの良さ、絶好調のエンジン、5速AT、クワトロシステム、そしてA4本来の魅力を考えると、7年落ちとはいえ新車価格のおよそ4分の1という値付けはやはり安い。このままオイル交換さえ定期的にしてやれば(もちろんスパークプラグやエアフィルター、冷却水なども)、10万kmでも20万kmでも平気で走りそうだ。
足まわりをリフレッシュして乗りたい
一方、ボディに関しては、おそらく7年間無交換だったダンパーやサスペンション・ブッシュはその間ずっと1660kgもの車重を支え続けたわけで、そろそろリフレッシュしたい時期にある。逆にそこに一手間かけさえすれば、シャキッとした走りが甦る可能性は大いにあるわけだ。
つまりベース車として考えると、俄然この132万円のA4クワトロは魅力的に思えてくる。もちろん、このままでまったく古びて見えない堂々たるアウディA4 3.0 クワトロであり、実用面で困る部分は何もないのだが、ここは一つ、ビルシュタイン製ダンパーや純正スポーツサス用のスプリングなんかを入れて(出来ればブッシュも換えて)、S4風にビシッとした足まわりにしてみるというのはどうだろう。レカロなどを入れて内装のイメージをガラッと変えてしまうのもいい。「素材」として考えるとかなり面白い物件である。
Text&Photo:DAYS


