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Uカー試乗記

Uカー試乗記

掲載日 : 2008年12月11日

2007 メルセデス・ベンツ B170

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Aクラスベースの上級5人乗りコンパクトカー

今回のサンプルカーはベーシックグレードの「B170」。2007年式(1年落ち)、走行距離4200kmというグッドコンディションだ

メルセデス・ベンツのBクラスは、2代目Aクラスをベースとした5人乗りの上級コンパクトカー。クラス的には車名の通り、AクラスとCクラスの中間に位置するモデルだ。Aクラス同様、前輪駆動(FF)と「サンドイッチコンセプト」と呼ばれる分厚い二重フロアを備えるが、外観はBクラス独自のスタイリッシュなものとなっている。

 

「B170」「B200」「B200ターボ」の3グレードで展開

日本では2006年1月に、1.7リッター直4の「B170」(116ps、15.8kgm)、2リッター直4の「B200」(136ps、18.9kgm)、2リッター直4ターボの「B200ターボ」(193ps、28.6kgm)の3グレードで発売された。価格はAクラスよりおおむね50万円ほど高く、発売当初はそれぞれ299万2500円、346万5000円、393万7500円だった。変速機は全車CVT(無段変速機)で、右ハンドルとなる。

なお、2007年1月には特別仕様車としてスポーティな内外装、バイキセノンヘッドライト、HDDナビを標準装備した「B170 エディションワン」を限定発売。2008年1月には第二弾として専用インテリアやHDDナビを標準装備した「B170 スペシャルエディション」を同じく限定でリリースした。

デビュー3年目の2008年8月には、内外装や燃費性能の改良が行われたが、大幅な変更はなし。2008年12月現在も販売中となっている。(2008.12)

 

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コンパクト、独自、カッコいい

ベストアングルは真横、もしくはリアビューだろう。ウェッジシェイプと後ろ上がりのキャラクターラインがスポーティだ

一般的には「へえ、これもベンツなんだ」という第一印象から始まるのが、Bクラスだろう。いや実際、AクラスとこのBクラスはメルセデス・ベンツのラインナップにあって、極めて異端の存在である。このBクラスでイイのは率直に言って「カッコいいこと」。背は高くてもスポーティで、特に後ろから見たところがいい。Aクラスとはまったく別の、何か「新しいメルセデス」を感じさせるデザインは、同じメルセデスの上級クラスすら食ってしまいそうな独特の魅力がある。

ボディサイズは全長4270mm×全幅1780mm×全高1605mmで、長さと幅はVWゴルフあたりと大差ない。ただし背だけは高めで、ちょうどVWのゴルフプラス並みだ。

 
B170のヘッドライトはプロジェクター式ハロゲンが標準。オプション(B200ターボには標準)でキセノンもある
B170のタイヤサイズは205/55R16。オプションの「スポーツパッケージ」装着車だと17インチになる
Aクラスの縦型リアコンビライトに対して、メルセデス上級車を彷彿とさせる横長を採用。クロームメッキモールを配するなど質感も高い
 

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内装の質感は高い。着座姿勢や乗降性は独自

すっきりした高品質感のある内装。この新世代メルセデスに、コテコテの高級感は似合わない

インパネまわりは2代目Aクラス譲りだが、シンプルなデザインと仕上げ、カッチリとした質感は、新コンセプトのメルセデス・ベンツとして十分納得がいくレベル。「出し」に使うようで申し訳ないが、初代のAクラスとは別物と言える。

一方、初代Aクラスからの血筋を感じさせるのが、サンドイッチコンセプトによる分厚い二重フロア。ドアを開けると、ちょっとびっくりするくらい高い位置にフロアがあり、乗り込む際は足を高く持ち上げ、降りる時にはつま先を伸ばして・・・・・・という具合に、はっきり言って乗降性は良くない。さらにそのフロアの上に足を投げ出すようにして座る着座姿勢も独特だ。

 

二重フロアはクラス破りの安全性のため

高いフロア、そのフロアに対して低いヒップポイントがA/Bクラスの最も特徴的な部分だ

しかしこれは同時にA/Bクラスのアイデンティティと言える部分でもある。エンジンはエンジンルームの底、ちょうど前席乗員の足もと奧にあり、前面衝突時にはエンジンがそこからボディ下部へ落ち込む設計だ。また頑丈なフロア構造と高い着座位置によって、側面衝突安全性にも優れている。そしてまた二重フロアの副産物として、静粛性が高いことも見逃せない。

 
レザーステアリングは弾力のある素材が芯に巻かれており、握り心地がとてもいい。なおBクラスは全車6エアバッグ標準だ
レバーを左右に振る「ティップシフト」で7速マニュアルモードに入る。「S」は回転高めのスポーツモード、「C」は回転低めのコンフォートモードで、燃費も若干よくなる
ハンズフリー機能も備わるが、使用するにはBluetooth機能付き携帯、もしくは対応する携帯と専用コネクターが必要
 
前席より一段高くて見晴らしが良く、座り心地もいい後席。ただし中央席はクッションが固く、実質2人掛けだ。カーテンシールドエアバッグとテンショナー付きシートベルトを備える
リアシートはヘッドレストを付けたまま、ダブルフォールディングですっきり畳める。力が要らないので女性でも簡単に操作できる
荷室は通常時で506リッター、写真の最大時で1607リッターと大容量。背の低いワゴンよりも実用的だ。床下にはテンパー式のスペアタイヤを収納する
 

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CVTなのにCVTっぽくない。B170だとパワーはそこそこ

独自のボディ構造「サンドイッチコンセプト」により腰高感はあるが、安定性や快適性は高い。もちろんESPは全車標準装備だ

サンプルカーは1.7リッターの「B170」で、約1年落ちで走行4200kmという「デモカーコンディション」の車両だ。基本的にエンジンとCVT(メルセデス言うところのオートトロニック)はAクラス(A170)と同じだが、2006年のデビュー時に試乗した時は、2代目Aクラス(初期デリバリー車)に比べてスムーズなCVTが印象的だった。その点は久々に乗った今回も同じで、とにかくこのCVT、予備知識なしで乗るとトルコンATだと思ってしまいそうなほどCVTっぽくない。つまりアクセルを踏み込んだ時のスリップ感やベルトノイズが無いのだ。ロックアップクラッチ付きのトルクコンバーターも内蔵し、クリープ(トルコンAT特有の、ブレーキを離すだけで動き出す現象)もあるので坂道発進でも心配は不要。車重が1380kgあるので、B170(116ps、15.8kgm)だと若干パワーは物足りないが、運転感覚はとても自然だ。

静粛性も乗り心地も高水準かつ独自のもの

二重フロアによる静粛性の高さも特筆できる部分。直接的なロードノイズがこれによってかなり遮断されるからだ。また、まるで分厚い鋼鉄の板の上に乗っているようなガッチリ感は、他の同クラスコンパクトカーでは得がたいもの。確かに独特のドライビングポジションや腰高感といった癖はあるが、こうした独自の魅力はBクラスならではと言える。

 

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車名  Mercedes-Benz B170(2007年モデル)
形式  CBA-245232
寸法  全長4270mm×全幅1780mm×全高1605mm
ホイールベース  2780mm
車重    1380kg
駆動方式  前輪駆動(FF)
エンジン  1.7リッター直列4気筒SOHC・4バルブ
最高出力  116ps(85kW) /5500rpm
最大トルク  15.8kgm (155Nm)/ 3500-4000rpm


トランスミッション CVT(無段変速機)
使用燃料/容量  プレミアムガソリン / 54L
10・15モード燃費  12.8km/L
タイヤ      205/55R16
最小回転半径   5.6m
発売時期     2006年1月
当時の新車価格  299万円(消費税込み、2007年モデル)


試乗車スペック

初年度登録   2007年
販売価格   244万円(消費税込み)
走行距離   4200km
ボディカラー カルサイトホワイト
備考     メーカー保証残有(2010年9月まで)、ワンオーナー
試乗日    2008年11月

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定評のある信頼性や完成度

2代目Aクラスと共通のエンジンとCVTはなかなかの完成度

2008年12月の現時点で、Bクラスはデビューしてからまだ3年も経っていない。つまり最初の車検も来ていない状況だ。というわけで、当然ながら多くの車両はまだまだ今回のサンプルカーようにコンディションのいい状態にある。

また初期品質の高さや信頼性、クルマとしての完成度でも定評があり、メルセデス・ベンツの従来モデルよりマイナートラブルは少ないかも、という声さえある。デビュー当時、正規ディーラー販売店のスタッフやメカニックが「これなら売れる(安心してお勧めできる)」と言っていたが、それも納得できるところだ。少なくとも今の時点ではメカニカルな部分に関してこれといった部分はないと言っていいだろう

キセノン&AFSなどの装備に注目

サンプルカーはハロゲンだが、キセノン+AFS+コーナリングランプの設定もある

チェックポイントを挙げるとすれば内外装コンディションは当然として、装備にも注目したい。例えばキセノンヘッドランプとAFS(車速やステアリング舵角に応じてヘッドランプの光軸を左右に12度可変するシステム)、そしてコーナリングランプ(同じくステアリング舵角などに応じて40km/h以下で点灯)は、B200ターボには標準で、B170やB200はオプションだ。暗い夜道では、「付いてて良かった」と思える装備だろう。

またDVDナビはB200ターボ(マイナーチェンジ前)に標準装備、その他グレードはオプションもしくは年式によっては標準となる。またHDDナビは特別限定車(エディションワンとスペシャルエディション)に標準装備され、2008年のマイナーチェンジ以降で全車にオプション設定されている。

ただしハロゲンは補修やバルブのアップグレードが簡単に低コストでできるし、ナビは今なら手軽にPND(フラッシュメモリーを使った簡易ナビ)で済ませることも出来るので、必須と言い切れるものではない。

 

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完成度が高いし燃費もいい

Bクラスだってメルセデス。そして今の時代にあったメルセデスでもある

1998年にデビューした初代Aクラスがチャレンジングな習作だったとすれば、その8年後に登場したBクラスはその完成型と言えるだろう。上でも触れたフロアの高さや独特のドライビングポジションなど、世間の枠から外れた部分はあるが、それこそがこのクルマの革新性を象徴する部分でもある。また、コンパクトカーでありながら、凡庸でも安っぽくもない。メルセデス・ベンツでありながら、普段のクルマとして気軽に乗れる。そういった二律背反する要素を兼ね備えたところもBクラスの面白さだ。

またBクラスはこのクラスの中でも、意外に燃費がいい。10・15モード燃費はB170で12.8km/L、2008年以降の改良型では13.8km/Lとなり、「平成22年度燃費基準+5%達成車」の認定もとっている。これは輸入車では珍しいことで、国産車でも達成しているクルマは一部だ。実燃費との差も少ない傾向にあり、少なくともB170なら10km/Lは走るだろう(もちろん指定燃料はハイオクだが)。「ベンツにして意外にエコ」なところも実際のユーザーに評価されている点だ。

 

パワー重視なら上級グレードを

オートプラネット名古屋で、2代目Aクラスとの2ショット。リアデザインがまったく異なる

最後にお勧めグレードだが、パワーの点でB170は必要十分だが、やや物足りないという声があるのも事実。例えば今回の取材でも、排気量が2リッターのシトロエンC4やBMWの118i (車名は118iでも2リッターである)と同時に試乗したたため、力感の薄さが目立つ格好となった。その点で言えば、もう一回りパワーのあるB200か、と思うのだが、実はこのB200、排気量が2034ccと2リッター越えになり、毎年の自動車税などの点で若干もったいない気がしてしまう。そこでいっそB200ターボという選択が浮上してくる。なにしろ馬力でもトルクでも、B170やB200の1.5倍近く強力になるのだ。このあたりは考え方次第だから、柔軟に対応したい。

今のところBクラス自体の流通台数は少なめだが、販売台数はメルセデス・ベンツの中でも少なくない方なので(実は隠れたヒット車なのだ)、最初の車検がやってくる2009年以降が、おそらくUカーとしては旬となるだろう。いわゆるVWゴルフなどに比べれば個性の強いクルマだが、それを高いフロアと共にヒョイと乗り越えられる方には、自信を持ってお勧めしたいクルマだ。

 

Text&Photo:DAYS


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