掲載日 : 2008年12月26日
2006 MINI クーパー チェックメイト
3つの個性を打ち出した「キャラクターズ」
2001年10月に国内デビュー、2007年2月にフルモデルチェンジを果たして2代目となったMINI。いまや日本でもすっかりおなじみの存在で、2007年度は全輸入車ブランドの中で5番手につける販売台数(約1万4000台)を記録したほどだ。
人気車種だけに限定車や特別仕様車も数多く用意されたが、中でも2006年2月にそろって発売された「セブン(Seven)」、「パークレーン(Park Lane)」、「チェックメイト(Checkmate)」の3モデルは、初代(R50型、クーパーSはR53型)ベースの特別仕様車で、最も個性的かつ話題となったシリーズ。2代目MINI(R56型)が登場するまでの約1年間、一種の期間限定という形で販売されたため、初代BMW MINI(3ドアクーペ系)の実質的な最終モデルともなった。一般的ではないが、この3モデルは通称「キャラクターズ」と呼ばれる。
上記3モデルは、以下のグレードで設定された。エンジンやシャシーについては、いずれもベースとなるワン(One)/クーパー(Cooper)/クーパーS(Cooper S)と共通だ。
■セブン : ワン/クーパー
■パークレーン : クーパー/クーパーS
■チェックメイト : クーパー/クーパーS
いずれも専用のボディカラーやデザインを持ち、「他とはちょっと違うMINIが欲しい!」という人にはうってつけの存在。今回のサンプルカーはその中の1台「クーパー チェックメイト」だが、以下ではこれら3モデルについて簡単に紹介しておく。
ライフスタイル志向の「セブン」
「セブン」は現行MINIの大祖先にあたる、通称「クラシック・ミニ」の最初期モデル「オースチン・セブン」を「現代風に解釈」したもの。比較的カジュアルなイメージでまとめられたモデルで、ボディ各所に大胆に描かれた「7」の文字が個性を主張する。また「SE7EN」と表記されることもある。15インチアルミホイールや専用デザインのシート、フロントフォグ、リアスポイラーを標準装備。グレードは「ワン」「クーパー」の2種類で、いずれも5MTとCVTを用意。当時の新車価格は212万1000円(ワン/MT)からだった。
エクスクルーシブな「パークレーン」
「パークレーン」は高級感、気品などをイメージコンセプトに掲げたモデル。モデル名はロンドンの高級地区の地名が由来。シックなデザインで統一され、一番の特徴となるロゴもあえて目立たない場所に配している。ボディカラーは5色から選べたが、実際にはテーマカラーだった「ロイヤルグレー」の人気が高く、販売車両の大半を占める。16インチアルミホイールやクロム仕上げのインテリア/エクステリア、レザーシートを標準装備。グレードは「クーパー」「クーパー S」の2種類で、「クーパー」には5MTとCVT、「クーパー S」には6MTと6ATが用意される。価格は258万3000円(クーパー/MT)から。
スポーティな「チェックメイト」
クーパー Sと同様の「スポーツサスペンション・プラス」を標準採用。さらに17インチの大径アルミホイールが足下を引き締める。ブルーとシルバーの色彩が目を引く専用クロスレザーシートや、ボディサイド左右に大胆に描かれたチェッカーフラッグデザインなど、オシャレながらもスポーティなイメージを全面に押し出した仕上がり。もちろんチェッカーフラッグは、車名の「チェックメイト」(チェスで「王手」の意)にも引っかけている。グレードは「クーパー」「クーパー S」の2種類で、「クーパー」には5MTとCVT(※今回の試乗車)、「クーパー S」には6MTと6ATを用意。価格は260万4000円(クーパー/MT)からだった。

個性的。でもやっぱりMINI
サンプルカーの塗色はチェックメイト専用かつテーマカラーだった「スペース・ブルー」。このカラーリングも目を引くが、ボディサイドの左右、ドアシルなど随所に描かれたチェッカーフラッグが、やはり目立つ。こうしたモータースポーツを連想させるグラフィックが似合うのはMINIならではだ。標準採用された17インチという大径ホイールも迫力を醸し出す。ボディと異なる色のルーフを持つのはスタンダードモデルのクーパー/クーパー Sも同様だが、ホワイトではなくシルバー塗装とすることで、特別感を打ち出している。
個性を主張しつつも、基本的には見慣れた感のあるいつものMINIルック。全長3650mm×全幅1690mm×全高1445mmのボディサイズ、2465mmのホイールベースなどの諸元もほぼ共通だ。
ツートーンカラーが注目度抜群
室内の配色は、チェックメイト標準装備のクロスレザーシートとスポーツレザーステアリングを中心に、イメージカラーの「スペース・ブルー」とシルバーのツートーンで構成される。この色使いはとにかくビビッドで、目立つことこの上なし。特徴的なセンターメーターやステアリング上部に配されたタコメーターなどのレイアウトはスタンダードモデルと共通。メーターの視認性はあまり高くなく、実用よりもデザイン優先でまとめられた感があるのも同様だ。
居住性はいつも通り
前席については問題ないものの、後席の居住性が高くない点はスタンダードモデル同様。スタイルと走行性能を重視した結果のレイアウトということで、所有するならある程度割り切りが必要だ。とはいえ、大人2人+子供2人といった使い方なら長距離の移動でも大して苦にならないだろう。
必要十分なパワーを使い切る面白み
搭載するエンジンは初代BMW MINIではおなじみの1.6リッター直4・SOHCユニット。クーパーでは116psと15.2kgmを発揮し、サンプルカーはこれにCVTが組み合わされている。1140kgの車重に対しパワーは十分で、高速走行も難なくこなすレベル。CVTもトルコンATに遜色ない自然な感覚で好印象。アクセルワークでグイグイ曲げていくという、MINIらしいハンドリングも楽しめる。よりスポーツライクな走りがしたい人は、シフトレバーを右に倒した「スポーツ・モード」や、そこから前後にマニュアルシフトする「ステップ・トロニック・モード」を試してみるといい。
17インチホイールにランフラットタイヤ、さらに本来はクーパー S専用オプションとなるスポーツサスペンションを組み合わせたチェックメイトの足まわりは、新車時はそれなりに硬い乗り心地だったはずだが、1万9000km近くを走ったサンプルカーではかなりカドがとれた印象。多少の突き上げ感はあるが、気になるというほどのものではない。もちろん乗り心地を重視するなら、明らかにその点では優れるパークレーンやセブンがおすすめとも言える。
車名:MINI Cooper Checkmate(2006年モデル)
形式:GH-RA16
寸法:全長3650mm×全幅1690mm×全高1445mm
ホイールベース:2465mm
車重:1140kg
駆動方式:FF(前輪駆動)
エンジン:1.6リッター直列4気筒SOHC・4バルブ
最高出力:116ps(85kW)/6000rpm
最大トルク:15.2kgm (149Nm)/4500rpm
トランスミッション:CVT
使用燃料/容量:プレミアムガソリン/50L
10・15モード燃費:11.6km/L
タイヤ:205/45R17
最小回転半径:5.1m
発売時期:2006年10月
当時の新車価格:270万9000円(消費税込み、2006年10月モデル)
試乗車スペック
初年度登録:2007年
販売価格:218万円(消費税込み)
走行距離:1万9400km
ボディカラー:スペースブルー
備考:MINI サービスフリーウェイ付き(2009年8月まで有効)
試乗日:2008年12月
仕様やカラーリング、オプション内容で選ぶのがいい
元々トラブルが少ない初代MINIであるが、マイナーチェンジのほか、細かい改良を受けつつ6年近く生産されたため、モデル末期、特にキャラクターズ各モデルの信頼性は高く、大きなトラブルに見舞われる可能性はほとんどない。また、仮にあってもトラブルシュートは容易であり、対策部品の供給も早い。見た目やオプション内容など、単純に気に入ったクルマを選べばいいだろう。
もし試乗が可能であれば、マニュアルトランスミッション、特にクーパーSの6MTの操作性をチェック。非常に手応えがあるシフトで、若干の慣れを要するが、それで正常だ。CVTの場合は、電子制御クラッチによるクリープや運転感覚(自分との相性も含めて)をチェック。6ATに関してはアイシンAW製の一般的なトルコンATであるため特に気をつける点はない。なお、初代BMW MINIに初めて乗ると、電動油圧式パワーステアリング(電動パワステでも油圧パワステでもなく、モーターで油圧を起こすタイプ)の「ウィーン」というポンプ作動音の大きさにびっくりしてしまうが、これは新車時からあるものなので気にしないように。
またサンプルカーは、エンジンオイルやブレーキフルード交換、さらにブレーキパッドやブレーキディスク、バッテリーといった消耗部品を定期的に無料交換できるメンテナンスサービス「サービスフリーウェイ(SFW)」付きだった。SFWの有無および保証期間の残りもチェックしておきたい。
「ちょっと違う」MINIを求める人にピッタリ
2001年にデビューしたBMW MINIもいまや2代目。最初期モデルの登場からすでに7年が経過したことになる。キープ・コンセプトでデザインの基本を崩すことなく、長きにわたり独特の魅力を放ち続けているのは、かつてのクラシック・ミニに通じるものがある。今後もモデルチェンジの度に、中身は大幅に変えつつも、「誰が見てもMINI」というルックスを保ち続けるだろう。
そんなMINIの中にあって、チェックメイトをはじめとした3種類のキャラクターズモデルは、ひときわ個性を放つ存在だ。メカニズムの信頼性も高く、今ならコンディションも良好。さらに発売以来3年が経過する2009年以降には、Uカー市場にも数多く流通してくる。いまや相当な台数が国内を走っているMINI。せっかく買うなら、「ちょっぴり違う」MINIを選んでみるのもいいだろう。
購入にあたっては、ワンかクーパーかクーパーSか、マニュアルかCVTか6ATかで、性格がかなり変わってくるので、自分の乗り方や好みに合わせて選びたい。一般的には、街乗り主体でイージードライブを楽しむならワンかクーパーのCVTを。パワーも欲しいがイージードライブで、ということならクーパーSの6AT。マニュアル派にはワンかクーパーの5MT。もっと刺激的で手強い操縦性を楽しみたいクルマ好きにはクーパーSの6MTがおすすめだ。
Text&Photo:DAYS


