掲載日 : 2009年01月28日
2004 ルノー メガーヌ 2.0 Premium
斬新なルックスが魅力。欧州カー・オブ・ザ・イヤーを受賞
フランス本国では2002年にデビュー、日本では2004年1月に発売されたルノー・メガーヌは、通称「メガーヌII」と呼ばれる2代目。独特のデザインは、初代トゥインゴやアヴァンタイムを手がけたパトリック・ルケマン率いるルノーデザインによるもの。土台となる「Cプラットフォーム」はこの2代目メガーヌで新採用され、以後ルノー・日産グループの中型FF車で幅広く展開されているものだ。欧州の自動車衝突安全テスト「ユーロNCAP」で最高評価の5つ星を獲得したほか、走行性能、快適性、デザインなどが評価され、2003年の欧州カー・オブ・ザ・イヤーを受賞している。
なお、メガーヌには今回試乗したハッチバックのほか、「ツーリングワゴン」、2ドア・4人乗りで電動ガラスルーフを備えた「グラスルーフカブリオレ」、そして7人乗りミニバン「グランセニック」などがある。
主力モデルは5ドアのみだが、「ルノースポール」には3ドアと5ドアがある
ハッチバックには本来3ドアと5ドアがあるが、日本向けの主力モデルは基本的に5ドア(右ハンドル)のみ。ルノーのモータースポーツ部門がチューンしたホットモデル「ルノースポール(RS)」のみ、3ドア(左ハンドル)と5ドア(右ハンドル、2005年5月から)の両方が導入された。
エンジンは、1.6リッター、2.0リッター、2リッターターボの3種類。いずれも可変バルブタイミング機構VVTを備えた直4エンジンで、「1.6」で113ps、「2.0」で133ps、「RS」用は2.0のエンジンにツインスクロール式ターボを組み合わせて224psを誇る。
トランスミッションは4速ATがメインで、さらに途中から「1.6」には5速MT、「2.0」には6速MTが用意されている。「RS」は6速MTのみだ。(2009.1)。

シャープなエッジ、唯一無二のリアデザイン
フランス車の特徴として、柔らかな乗り心地のほか、独特のデザインセンスを挙げる人は多いが、それにしてもメガーヌは独創的。ルノーの屋台骨を支えるモデルにこのようなスタイリングを与えたのは、同社にとってさぞかし大冒険だったことだろう。ボディを構成するシャープなエッジは、下半身のボリュームを強調。「やかん」みたいというか「アヒル」みたいというか、ぐっとくびれたテール回りも同様で、ユーモラスながらカッコいいし、何より個性的だ。
全長4215mm×全幅1775mm×全高1460mmのボディサイズは、当時のVWゴルフIVやプジョー307といった競合車とほぼ同じ。最小回転半径も5.2mと標準的で、日本で乗っても大きさを感じないサイズだ。
才色兼備な内装
乗り込む前にドアノブに手をかけると、カードキーの採用にともない、キーホールがどこにも見あたらないことに驚く(緊急用のキーホールはノブ下に隠されているが)。インテリアは、触れるだけで適切な操作ができることを信条とする「タッチ・デザイン」がコンセプト。そのためか操作系は至極カンタンにまとめられている。デザインと機能性を両立させた才色兼備なインテリアは、フランス車好きでなくとも惹かれるものがあるだろう。
高い居住性と安全性。積載性はやや犠牲に
座面こそ短めだが、シートの座り心地はルノーらしい素晴らしいもの。柔らかながらしっかりとコシを残した、絶妙な仕上がりとなっている。
後席に関しては足下の狭さがやや気になるが、シートの座り心地がよいため、こちらも居住性は上々だ。また安全装備についてもぬかりはなく、3点式シートベルトに加え、両側2席には万一の際、より適切に乗員を拘束するベルトフォースリミッターとプリテンショナー機能を装備。ヘッドレストだって3つだし、カーテンエアバッグ、サイドエアバッグと計4つのエアバッグを備えている(前席用を含めれば計8エアバッグ)。
トランク容量は330リットルと十分だが、独特の形状から、大きめの荷物の積載はやや苦手なところ。このあたりは割り切りが必要だ。
適度にコシのある乗り心地。操縦性は安定志向
サンプルカーは133psを発揮する2リッター直4エンジンを搭載する「2.0 プレミアム」。5年落ち、走行距離3万km強の車両で、2004年当時の新車に比べてしなやかなフランス流になった印象。操縦性はたいへん穏やかで、安定志向。路面の細かい凹凸に関係なく、ヒタヒタユルユルと快適に走る。また重量バランスの変化に応じて電子制御で適切な制動力を前後タイヤに配分する「EBD」、緊急時のABS作動を補助する「EBA」に加えて、アンダーステア(ステアリングを切っても曲がらない状態)やオーバーステア(曲がりすぎやスピンしそうになる状態)を防ぐESPを備えるなど、走りに関する安全装備も充実している。不測の事態に陥ったとしても心強い。
この2リッターモデルでも最高速度は欧州仕様で194km/hを公称するから、日本の道路における動力性能に不満はない。二重構造のフロアによりロードノイズは低く、路面からの突き上げもマイルド。普段使いはもちろん、ロングツーリングも全く苦にせずこなせそうだ。4速ATはフランス車でおなじみの「AL4」と同型式。エンジンブレーキを多用するなど変速マナーには独特のクセがあるため、少々慣れが必要だ。マニュアルモードを活用するか、いっそマニュアル車を選ぶというのもアリだろう。
車名:Renault Megane 2.0 Premium(2004年モデル)
形式:GH-MF4
寸法:全長4215mm×全幅1775mm×全高1460mm
ホイールベース:2625mm
車重:1330kg
駆動方式:FF
エンジン:2.0リッター直列4気筒DOHC・4バルブ
最高出力:133ps(98kW)/5500rpm
最大トルク:19.5kgm(191Nm)/3750rpm
トランスミッション:4速AT
使用燃料/容量:プレミアムガソリン/60L
10・15モード燃費:10.8km/L
タイヤ:205/50R17
最小回転半径:5.2m
発売時期: 2004年1月
当時の新車価格: 291万9000円 (消費税含む、 2004年4月モデル)
試乗車スペック
初年度登録:2004年
販売価格:120万円(消費税込み)
走行距離:3万2100km
ボディカラー:オットマンブルー
備考:社外DVDナビ、ETC
基本は年式重視で。でも予算に応じて柔軟に選びたい
近年、飛躍的に信頼性を高めたルノー車。メガーヌに関しても、より気軽に付き合えるフランス車となっている。2004年1月から日本で発売されているが、2009年1月時点でも現行モデルであり、狙うならやはり高年式・低走行車がおすすめだ。購入後3年未満のクルマなら、3年間・6万km保証の「ルノー・ワランティ」や、3年間の点検・整備をセットにした有償メンテナンスパック「ルノー・ケア」の対象にもなってくる。なお、有償サービスとなるルノー・ケアにはスタンダードとプレミアムの2種類が用意されている。いずれも12ヶ月点検とエンジンオイルなどの消耗品交換費用が含まれているが、プレミアムでは加えてドライブベルトやブレーキパッド/ローターも交換対象部品となっているため、よりおトク感がある。購入の際にはそれらが付いているかどうか確認しておこう。
とはいえ低年式であれば、値段的にはお買い得感がでてくる。現行車とほとんど変わらない個性的なルックスを持ち、信頼性だってそこそこ高い。気に入った色や仕様、装備内容のクルマがあれば、多少年式が古くとも値段で決めてしまうというのもアリだろう。
フランス車のある生活を始めるにはもってこいの1台
本国ではデビュー以来7年目に突入。次期メガーヌの登場もちらほら噂されているが、少なくとも日本国内にあってはまだまだ目新しさすら漂う存在だ。デビュー当時、多くの評論家のセンセイ方に好印象で迎えられ、実際欧州では好調なセールスを記録したものの、哀しいかな、日本ではまだまだフランス車はマイナーな存在。特にルノーはなかなか陽の目を見ることがなく、メガーヌもその例にもれることはなかった。
しかし「このクルマ、おしゃれ!」と思わせる雰囲気づくりに長けたフランス車の中でも、ひときわ個性を主張するデザインこそメガーヌの持ち味。ルックスだけでなくクオリティも相当に高く、一度乗ってしまえばフランス車好きでなくても「いいクルマだな」と思えるクルマになっている。欧州Cセグメントのヒットカーということで、VWゴルフあたりと比較されることが多いが、所有することで得られる歓びについては、やはりメガーヌに軍配を上げたくなる。
上述の通り、モデルバリエーションが豊富なのも魅力だ。なにせハッチバックだけでも「1.6」、「2.0」およびその装備充実版の「2.0 プレミアム」があり、4ATのほか、5MTや6MTも選べる。さらに過激に走りたい向きには、「RS」まで用意されているのだから。特にMT車が選べるのはラテン車らしいところで、オシャレなクルマをシフトチェンジを駆使してキビキビ走らせるのは、どこか「粋」ですらある。特に1.6を選ぶ場合、車格に対してやや非力さを感じるケースもあるため、家族4人で乗る機会が多い人にはぜひMTをオススメしたいところ。
ファミリーカーとして使えるばかりか、とにかくオシャレで個性的。信頼性も昔とは比べものにならないほど向上しているから、故障のリスクも少ない。単純にデザインに惹かれて買ったとしても後悔することはないだろう。クルマが単なる移動手段でなく、日々の暮らしを演出する小道具に早変わり。一度所有すれば、フラ車の虜になっちゃうかも?
Text&Photo:G.N, DAYS


