掲載日 : 2009年02月17日
2006 プジョー 307 フェリーヌ 2.0
後期型から主力ハッチバックは「フェリーヌ」と名乗る
プジョーの307(サンマルナナ)は、2001年に欧州でデビューした同社の主力コンパクトカー。ステーションワゴンの「307ブレーク」、3列シートとパノラミックガラスルーフを備えた「307SW」、4人乗りクーペ・カブリオレの「307CC」など、豊富なバリエーションを持つが、やはり中心となるのは何と言ってもヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した3ドア&5ドアのハッチバックだ。
日本では2001年10月に販売をスタート。4年後の2005年11月に大がかりなフェイスリフト(外観のデザイン変更)を実施し、新型207や407と共通するフロントマスクを得た。この後期型からハッチバックの主力グレードは、猫科の動物を意味する「フェリーヌ(Feline)」と呼ばれるようになった。
日本でも前期型は3ドアと5ドアが導入されたが、後期型は5ドアのみ。後期型のラインナップは、従来は「スタイル」と呼ばれた1.6リッター量販グレードの後継となる「フェリーヌ」(5MTと4AT)、そして2リッターの「フェリーヌ 2.0」 (4AT)、「フェリーヌ 2.0 S」(5MTと4AT)、そして同じ2リッターの自然吸気ながら177psを誇る「フェリーヌ スポーツ」(5MT)。さらにモデル末期の2007年7月に追加された最上級グレードのみ「グリフ」(4AT)と呼ばれる。
307シリーズはその後、新型308のデビューに伴い2008年に日本での販売を終了。後期型の販売期間は短く、約2年と少々だ。

新世代プジョー顔の後期型は、品質感も高い
プジョー言うところの「猫科の動物」が口を開いたような迫力あるフロントデザインを得た後期型。実車を見ると心なしか前期型より全体のたたずまいが美しく見える。これは塗装品質のほか、ボディパネルの平滑性やチリの合い方といったビルドクオリティが高まったからだろう。
ボディサイズは前期と後期、共に全長4210mm×全幅1760mm×全高1530mm。全長と全幅は5代目VWゴルフ(2003~2009年)と同等で、日本の道でも十分に扱いやすいサイズと言えるだろう。
内装も質感高し。クッションのタッチが仏車らしい
インテリアの造形は前期型とほぼ同じだが、質感は上がっている。1.6リッターの「フェリーヌ」やサンプルカーの「フェリーヌ 2.0」は全体に黒基調となり、カチッとした印象がさらに強調される。
なお、上級の「フェリーヌ 2.0S」はカーフ(子牛の皮革)を使用したコンビシート(黒)になる。また「フェリーヌ スポーツ」はやはり同じカーフを使用しながら、シートからダッシュパネルまでを覆ったフルレザー仕様「インテグラル・レザー」(ワインレッドもしくはブラウン色)となる。これは2クラスくらい上の高級車に匹敵する仕上げだ。
プジョーらしくステアリングにはテレスコ(前後)とチルト(上下)、シートにはリフターが備わり、小柄な女性でもベストポジションが取ることができる。また全車6エアバッグを標準装備するなど、万一の衝突安全装備も充実している。
ゴルフに遜色ないしっかり感。プジョー独特の穏やかさ
サンプルカーは新車登録から2年半が経つものの、走行距離はわずか8100kmの「フェリーヌ 2.0」。内外装から乗った感じまで、新車の雰囲気が残るコンディションだ。
エンジンはプジョー定番の2リッター直4(140ps、20.4kgm)。車重が1300kgと軽いせいか(ドイツ製のライバル車はこれより100kgくらい重い)、走りは期待以上に軽快だ。1.6リッターだと「やっぱりちょっと力がないな」、「加速してくれないな」と思う場面でも、この2リッターなら思い通りに加速してくれる。
変速機はフランス車でおなじみの「AL4」と呼ばれる4速ATだが、少なくとも今回の後期型2リッターの場合、変速プログラムの違和感はまったくなかった。総じて、ライバル車と言える5代目ゴルフの2リッター・6AT仕様と比べても、まったく遜色ないレベルと言える。
ライバルとなるゴルフとの違いは、主に乗り心地やシートのクッション、振動の伝え方などだろう。プジョーはガッシリ感、カッチリ感、シャープさ、路面の凹凸などを乗員にあえて伝えず、滑らかさや穏やかさを重視している。これはどっちがイイとか悪いとかではなく、単純に好みの問題と考えていいだろう。
車名 Peugeot 307 Feline 2.0(2006年モデル)
形式 GH-T5RFJ
寸法 全長4210mm×全幅1760mm×全高1530mm
ホイールベース 2610mm
車重 1300kg
駆動方式 前輪駆動(FF)
エンジン 2.0リッター直列4気筒DOHC・4バルブ
最高出力 140ps(103kW) /6000rpm
最大トルク 20.4kgm (200Nm)/ 4000rpm
トランスミッション 4AT
使用燃料/容量 プレミアムガソリン / 60L
10・15モード燃費 10.2km/L
タイヤ 205/55R16
最小回転半径 5.4m
発売時期 2005年11月(307後期型 フェリーヌ)
当時の新車価格 266万円(消費税込み)
試乗車スペック
初年度登録 2006年
販売価格 145万円(消費税込み)
走行距離 8100km
ボディカラー ルナーミスト
備考 ワンオーナー、純正MDプレーヤー
試乗日 2009年2月
後期型なら信頼性はさらに高い
307 フェリーヌの販売期間は2005年末から2008年まで。2009年2月の現時点で言えば、つい最近のクルマだ。前期型ではいくつかあったトラブルも、後期型では対策済みとなっており、信頼性は総じて高いようだ。なおイグニッションコイルが原因でエンジンが突然不調になるケースがあるようだが(欧州車ではたまに、国産車でも稀にある)、これは対策品が出ている。いずれにしても高年式モデルを保証付きで買うのが安心だ。
新車登録から3年以内で、走行距離が少ない車両であれば、機関部分のコンディションはあまり気にしなくていいだろう。そこから適切にメンテナンスしてゆけば10年10万km以上、問題なく走る。その間に一度、タイミングベルトの交換は必要だが、それ以外は消耗品を定期的に、もしくは必要に応じて交換すればよい。あまり神経質にならず、ポイントを抑えて賢く乗れば、国産の中型高級車と維持費そのものは大差ない。
今購入するなら後期型がおすすめ
Uカーではフェイスリフト前の前期型がかなり安くなってきた307だが、購入後の維持費やメンテナンスにともなう手間を考えれば、やはり後期型がおすすめだ。先に触れた通り、ボディ内外装の品質感や信頼性は後期型の方が高く、なによりコンディションのいいUカーを見つけやすい。全体の相場も決して高くないので、仮に数十万円高くても後期型を選ぶメリットは大きい。
1.6リッターか2リッターかはVWゴルフの場合と同様、走りの余裕という点で2リッターが無難だが、小排気量車からの乗り換えなら1.6リッターでも不足は感じないだろう。特にマニュアル車(5MT)なら1.6リッターという選択も面白い。
ボディカラーや内装色で選ぶ
後期型の場合、ボディカラーは全部で10色ある。青系(2色)、赤系(3色)、オレンジ、白、黒、シルバー、そして今回試乗したルナーミストだ。ただし全グレードで選べたエーゲブルーを除くとグレードによって設定色は異なり、「色選び」=グレード決定となるケースも多い。例えば白(ビアンカホワイト)なら1.6リッターの「フェリーヌ」(内装は黒)だけとなる。またボディカラーやグレードによって内装の仕様も決まってくる。このあたりはプジョー車に詳しい販売スタッフに相談しながら、実車を見てみよう。内装に関しては服の試着と同様、実際に見たり触ったりすることが大切だ。
クルマ好きには「フェリーヌ スポーツ」(5MT)
プジョーが好きな方、そしてドライブが好きな方におすすめしたいのが、趣味性のすこぶる高い「フェリーヌ スポーツ」だ。その2リッターエンジンはVVT(可変バルブタイミングシステム)と可変吸気システムで最大出力177ps、最大トルク20.6kgmを発揮するプジョーきっての高性能ユニットで、しかも5MTのみ。さらに内装は豪華なインテグラル・レザー仕様で、ハンドメイドのような仕上げが楽しめる。かなりの希少車ではあるが、マニュアル車や硬めの乗り心地でもOKな方なら、チェックしておくといいだろう。
Text:Kei Niwa, DAYS
Photo:DAYS


