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掲載日 : 2009年05月01日

2003 アルファロメオ アルファ GTV 3.0 V6 24V

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アルファの最高級2+2クーペ

日本での販売期間は1996年からの約10年間。極めて斬新なデザインは、21世紀のデザイントレンドを先取りしたものとなった

1995年のジュネーブモーターショーで発表されたアルファロメオの最高級クーペが「GTV」だ。GTVとは「グラン・ツーリスモ・ベローチェ」=「速いグランドツーリングカー」のこと。3リッターV6をはじめとするアルファ生粋の高性能エンジンを搭載し、前輪を駆動する。オープンモデルとして「アルファスパイダー」が同時にデビューしているが、両車ともその斬新なスタイリングはアルファロメオとピニンファリーナ社との共作によるものだ。

1996年から約10年間販売

日本での発売は1996年1月から。初年度は2リッターV6・SOHCターボ(200ps、27.6kgm)・5MT・左ハンドル仕様が導入された。

翌1997年にはノンターボの3リッターV6・DOHCエンジン(220ps、27.5kgm)を搭載した「3.0 V6 24V」に移行。1998年には全車右ハンドル・6MTとなり、そのまま2003年までの約5年間、大きな変更なく販売された(エンジンスペックに若干の変更あり)。日本で最も多く販売されたのがこの仕様だ。

2003年7月には排気量3.2リッター(240ps、29.4kgm)の「3.2 V6 24V」に進化。同時にフェイスリフトも実施され、フロントの「盾」が上下に長いタイプになった。またハンドル位置は再び左に戻されている。

2004年7月には日本向けGTVでは初の2リッター直4・DOHC(150ps、18.4kgm)を積んだ「2.0 ツインスパーク」(5MT・左ハンドル)を追加。「3.2 V6 24V」とこの「2.0 ツインスパーク」が最終モデルとなり、2006年にブレラが登場するまで販売された。(2009.04)

 

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今見ても奇抜だが、むしろ今こそカッコいい

ボディサイズは全長4290mm×全幅1780mm×全高1315mm。ホイールベースは2540mm

GTVが発表された当時、世界中のクルマ好きはその奇抜なデザインに驚いたもの。日本でも当初はかなりの物議をかもしたほどで、「カッコいい」と本気で言える人は間違いなく少数派だったと思う。

しかし2009年現在、あらためてGTVを眺めてみると、遅ればせながらピニンファリーナらしい繊細でクラシカルな美しさが感じられて面白い。今の若い人なら、割と素直にカッコいいと思えるのではないだろうか。

 
ナイフで切り込んだような大胆なキャラクターラインが目を引く
ドアノブはなく、鍵穴の丸い部分を親指で押してドアを開ける。カッコ優先だが、慣れれば操作性は悪くない
今回のサンプルカーは2003年式。この年の後半にはマイナーチェンジが実施され、フロントの盾が大きくなっている
 
エンブレムはミラノ市の紋章(左の十字)とその領主だったヴィスコンティ家の家紋をアレンジしたものだ
キャラクターラインの延長線上に伸びるリアウィング。かなり大型だが、ボディとの一体感があるデザインだ
ピニンファリーナのバッジは同社のファクトリーでボディの生産が行われたことを示す

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いかにもアルファらしいスポーティで粋なインテリア

エンブレムがなくても一目でアルファと分かるインテリア。おおげさに言えばフェラーリにも通じる豪華さとスポーティな雰囲気がある

黒基調のダッシュボードにベージュのレザーシート、ひさしのついた大きな2眼メーター、センターコンソールの3連メーターといったあたりは、アルファロメオの伝統に則ったもの。手作りっぽい細部の仕上げにイタリア車らしい「粋」が感じられる。GTカーらしく、フロントシートはかなり広々していて快適だ。

右ハンドル・6MTが割と多い

助手席はスポーツカーとしてはかなり居心地がよく、大人の女性を誘うのにも耐える

なお、ちょっと旧いアルファと言えば「左ハンドル・マニュアル」という印象だが、実際GTVもマニュアル(5MTか6MT)のみで、左ハンドルも日本に入っている。しかしおそらく日本向けGTVの過半数は、サンプルカーのような右ハンドルのはずだ。なぜならGTVの販売が最も好調だったと思われる1998年終盤から2003年までの5年間は、この3リッターV6の右ハンドルしかなかったからだ。イタ車の右ハンドルといえばステアリングやペダル位置のオフセットが心配になるが、GTVにそういった弊害はほとんどなく、適切なドライビングポジションが取れる。

 
センターの3連メーターは左から水温、時計、燃料計
赤いキーヘッドはこの頃のアルファ特有のもの。なんで止めてしまったのだろう?
右ハンドルだがペダル配置は自然で、ヒール&トゥも難なく行える
 
GTVには5MTもあるが、主力は6MT。後退はリングを引いて右手前だ
サンプルカーは走行約3万6000kmで、運転席のサイドサポートに少し擦れがあった。この程度は大目に見たい
シート背面にはエンブレムのエンボス加工が施されている
 
リアシートはポルシェ911より若干マシという程度で、あくまで手荷物スペース。イタリアンレザーを使い、丁寧に縫製されている
狭いトランクにテンパースペアタイヤを搭載。昨今なら間違いなくパンク修理キットのはずだ
バッテリーの位置はかなり分かりにくい。正解はトランクの右奧だ

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唄うように回り、パワフルに走る

試乗した2003年モデルは、218psと27.0kgmを発揮する3リッターV6を搭載

サンプルカーは2003年式の3リッターV6仕様で、6年落ち、走行3万6000kmという車両だ。アルファレッドのペイントに若干の日焼けはあるが、全体のコンディションは決して悪くない。

アルファ生粋のV6ユニットは、相変わらずパワフルで絶好調。まさにテノールと言うべきサウンドも素晴らしい。サンプルカーには社外品のマフラーが付いており排気音は大きめだったが、このエンジンはノーマルでも本当にいい音がする。もっと高回転型のエンジンはいくらでもあるが、こんな風に朗々と回るV6は量産車ではまず他にないはずだ。

最近の「お利口さん」なエンジンしか知らない人なら、そのパワー感やトルク感にも驚くだろう。車重が1420kgと軽いせいもあるが、スペック上の218psが体感上は250psくらいに感じられる。これの3.2リッター版は後に147や156のGTAシリーズにも積まれたが、その印象はこの3リッターでもだいたい同じだ。絶対的な性能や燃費性能はさておき、気持ちよさでは最高の量産V6ユニットだと思う。

操縦性はクラシカル。ぜひ丁寧な運転操作を

サンプルカーは社外マフラー付きだったが、GTVの3リッターはノーマルでも快音だ

一方、このパワーにしてFFということで、操縦性はクラシカルだ。タイヤの状態はしっかりしていたが、雑なアクセル操作やクラッチ操作では盛大にトルクステアが出るため、丁寧な運転操作が求められる。その意味では運転の上手下手がはっきり出るクルマだ。若葉マークの方には心して乗っていただきたい。

ただしリアサスペンションはGTV/スパイダー専用のマルチリンク式で、パワーさえ巧く手なずければ操縦安定性は高いし、乗り心地もいい。クラッチやエンジンマウントもしっかりしていて、駆動系のジャダー(振動)もなかった。電子制御や高剛性シャシーで守られた現代のクルマと違い、生のシャシー性能とドライバーの技量が表に出るクルマだ。

 

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車名  Alfa Romeo Alfa GTV 3.0 V6 24V(2003年モデル)
形式  GH-916C1B
寸法  全長4290mm×全幅1780mm×全高1315mm
ホイールベース  2540mm
車重    1420kg
駆動方式  前輪駆動(FF)
エンジン  3.0リッターV型6気筒DOHC・4バルブ
最高出力  218ps(160kW) /6300rpm
最大トルク 27.0kgm (265Nm)/ 5000rpm


トランスミッション  6MT
使用燃料/容量  プレミアムガソリン / 70L
10・15モード燃費  -km/L
タイヤ      205/50R16
最小回転半径   -m
発売時期     2001年9月(3.0 V6 24V改良型)
当時の新車価格  468万円(消費税含まず、2003年モデル)


試乗車スペック

初年度登録   2003年
販売価格   138万円(消費税込み)
走行距離   3万5800km
ボディカラー   アルファレッド
備考     3万1000km時にタイミングベルト交換済、社外オーディオ、社外スポーツマフラー
試乗日    2009年4月

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高年式かつ内外装・機関のコンディションを重視

アルファV6の素晴らしい眺め。エグゾーストパイプはメッキで輝き、梨地仕上げのアルミ製ヘッドカバーには深紅で「Alfa Romeo」と入る

日本に導入されたGTVのエンジンは、大きく分けて4種類だ。
・初期の2リッターV6ターボ(わずか)
・3リッターV6
・3.2リッターV6
・最終の2リッター直4(ツインスパーク)

すべて基本的な設計年次は新しくなく、タイミングベルトの点検(年に1回)や早めの交換(3~4年毎か5万km毎くらいが目安)、クラッチまわりの点検・整備など定期的なメンテナンスが必要なエンジンと言える。

逆に言えばメンテナンスの手法はほぼ確立されており、ポイントさえ抑えれば3リッターと3.2リッターのV6や最終のツインスパークは、丈夫なエンジンとも言われている。そこで購入時に留意したいのは、そういった手間暇を惜しまずしっかりメンテナンスされてきた車両を選ぶことだ。

外装に関しては塗装、特にアルファレッド(ロッソアルファ)と言われる赤の褪色は、仕方ないところ。むしろ全体に褪色していれば、板金修理がなかった証拠という風にプラス要素として考えたい。

今回のサンプルカーの場合は?

エンブレムの褪色も大目にみたいものの一つ。気になれば交換すればいい

参考までに、サンプルカーで気になった部分を挙げておきたい。外装ではフロントバンパーやドアミラーなど樹脂部分の褪色、フロントエンブレムの褪色やクリア部分の割れ、ブレーキキャリパーの赤い塗装の一部劣化があった。リアのエンブレムはウィングが直射日光や雨を防いだからだろう、まったく褪色がなかった。

内装ではフロントシートサイドサポートの擦れ(補修可能なレベル)、純正フロアマット(要交換)といった程度。あとボンネットオープナーを引くとダッシュの樹脂製アンダーカバーに引っかかって戻らなくなり、結果としてボンネットがロックしない、という状態になっていた。これはオープナーを引くときに気を付けるか、ワイヤーを調整すれば直るはずだ。

 

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「GTVが欲しい」というアルファ乗りは多い

オートプラネット名古屋は、アルファロメオやフィアット車の認定中古車を数多く取り扱う

過去10年のアルファロメオのヒット車と言えば156シリーズや147シリーズだが、実は「人気」だけで言うと、GTVは近年のアルファの中でトップクラスだ。販売台数が少なかったのは、アルファでは最も高価な類の400万円台という価格、実質2シーターという実用性の低さ、3~3.2リッターという大排気量、そしてマニュアルのみだったことが理由だろう。それらの条件さえクリアできれば、「GTVが欲しかった」あるいは「今でも欲しい」というアルファ乗りは多い。

実際、その斬新なスタイリングといい、傑作V6エンジンといい、GTVは最近のアルファロメオで最もアルファ濃度が高いモデルの一つだ。取材担当者の主観を交えて言えば、イキなカッコ良さではポルシェに負けず、エンジンを回す面白さではBMWに負けない。そもそもイタ車が好きな人はドイツ車などと比べることはないと思うが。

 

GTVを買うなら、間違いなく今がチャンス

GTVの一番の魅力はスタイリングだが、もう一つがアルファ生粋のV6エンジンだ

現時点のおすすめグレードとしては、最終モデルの「3.2 V6 24V」(2003年~)、「2.0 ツインスパーク」(2004年~)が順当なところ。両方とも左ハンドルだが、アルファのGTVを選ぶ人なら、むしろ望むところだろう。また1998年から2003年まで販売された3リッターV6モデルの右ハンドル仕様もおすすめ。やはり街乗りでは右ハンドル仕様がなにかと便利だからだ。今回のサンプルカーもその中の一台だ。

いずれにしてもGTVは、兄弟車のスパイダーと並んで実用性と趣味性をほどよく兼ね備えた生粋のアルファロメオであり、アルファ道楽を楽しむには格好の一台。それでもって今や値段はかなり安い。今回のサンプルカーなどは6年落ち、走行3万6000km、1年保証付きという悪くない条件にも関わらず、底値と思える138万円だ。コンディションのいいクルマを手に入れるなら、間違いなくここ数年がチャンスだろう。

 

Text:Kei Niwa, DAYS
Photo:DAYS


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