掲載日 : 2009年05月11日
2005 ボルボ V50 2.4
ボルボの小型ステーションワゴン
ボルボのステーションワゴンは現在2つあり、一つは代表的なモデルであるV70、もう一つがコンパクトな「V50」だ。ボディサイズこそ小さいが、V70譲りの直列5気筒エンジンや最高級セダンであるS80並みの衝突安全性などが与えられている。
V50は4ドアセダン版のS40(こちらは2代目)と同時に2004年にデビューしており、また2007年には3ドアハッチバック版のC30が仲間入りしている。これらC30/S40/V50シリーズの生産はすべてベルギーのゲント(Ghent)工場で行われており、搭載エンジンやグレード体系もおおむね同じだ。
日本向けは当初すべて直5+5AT
2004年5月に日本で発売された時のラインナップは、自然吸気2.4リッター直5の「2.4」(140ps、22.4kgm)、その高出力版の「2.4i」(170ps、23.5kgm)、2.5リッター直5ターボの「T-5」(220ps、32.6kgm)の3グレード。変速機は全車5ATで、価格は372万7500円~467万2500円だった。さらに2004年10月には4WDの「T-5 AWD」(498万7500円)が追加され、計4グレードとなっている。
2007年9月には内外装デザインをマイナーチェンジ。グレード名も一部変更し、「2.4 Aktiv(アクティブ)」、「2.4i SE」、「T-5 AWD」の3グレード構成となった。
2009年に2リッター直4+6速DCT車を追加
2009年3月には、日本向けボルボでは久々となる2リッター直4(145ps、18.9kgm)とゲトラグ社と共同開発された6速DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)を搭載した「2.0e パワーシフト」(299万円)と「2.0e アクティブ」(339万円)を新設定。価格を200万円台からとしつつ燃費性能も向上させて、より裾野を拡げている。(2009.05)

「V70はちょっと大きい」という人にピッタリ
全長4515mm×全幅1770mm×全高1480mmというボディサイズは、ちょっと大きめのハッチバック並みで、ステーションワゴンとしてはかなりコンパクトだ。実は土台となるプラットフォームはマツダ・アクセラやフォード・フォーカスと共通で、2640mmのホイールベースもまったく同じとなっている。
ボディサイズが大きくなった現行V70に二の足を踏む人は少なくないと思うが、その点V50は大丈夫だ。国産車ではトヨタ・カルディナあたりと大きさは同じで、取り回し自体はVWゴルフあたりと大差ないレベルと考えていい。
おなじみの「フリーフローティング・センタースタック」
新世代ボルボの内装と言えば、もちろんこの「フリーフローティング・センタースタック」。センターコンソールが薄型パネル(厚さ25mm)になっていて、裏側が空洞というものだ。一般的なDIN規格のオーディオが装着できないという欠点はあるが、ボルボの純正オーディオはベースグレードのものでもかなりいい音なので、そう不満に思うことはないだろう。
サンプルカーのパネルはウォールナットウッド調だが、他に塗装(ボーキサイトグレー)、アルミニウム、半透明樹脂、オークウッドなどがある。後から交換することも可能だ。
ボルボらしく、まったりなごやか
試乗したのは2005年式のベーシックグレード「2.4」。エンジンはボルボ定番の直列5気筒で、変速機もやはり定番の5ATだ。
3年落ち、走行3万3000kmというコンディションゆえ、さすがに新車おろし立てのシャッキリ感は残っていないが、パッションレッドの外観同様、走りにUカーらしい疲れはほとんど感じられない。
この「2.4」は、上級の「2.4i」(170ps、23.5kgm)に比べて最大出力が140ps、最大トルクは22.4kgmに抑えられており(違いはおそらくECUのプログラムが主)、タイヤも標準の16インチ。そのせいかボルボ共通のまったりなごやかな運転感覚が前面に出ている。いちおうインプレッションを取るため試乗しているのだが、走り始めて数十秒でスピードを出す気はなくなり、まるで自分のクルマのようにリラックスしてしまう。「妙に居心地のいい友だちの家」という感じだ。
静粛性は特に高くないが、アメリカ車を思わせるソフトなシートと相まって、乗り心地は2クラスほど上のような感覚。ボルボの中では走りに軽快感のあるV50だが、運転感覚はやはりV70によく似ている。その意味でもまさに「小さなV70」だ。
車名 Volvo V50 2.4 (2005年モデル)
形式 CBA-MB5244
寸法 全長4515mm×全幅1770mm×全高1480mm
ホイールベース 2640mm
車重 1470kg
駆動方式 前輪駆動(FF)
エンジン 2.4リッター直列5気筒DOHC・4バルブ
最高出力 140ps(103kW) /5000rpm
最大トルク 22.4kgm (220Nm)/ 4000rpm
トランスミッション 5AT
使用燃料/容量 プレミアムガソリン / 62L
10・15モード燃費 9.5km/L
タイヤ 205/55R16
最小回転半径 5.3m
発売時期 2004年5月
当時の新車価格 381万円(消費税込み、2005年モデル)
試乗車スペック
初年度登録 2005年
販売価格 198万円(消費税込み)
走行距離 3万3000km
ボディカラー パッションレッド
備考 ワンオーナー、電動レザーシート&シートヒーター、社外HDDナビ・TV・CD・MD・バックモニター
試乗日 2009年4月
グレードよりも装備に注目
直5エンジンや5ATといったパワートレインは、C30、S40(2代目)とまったく同じで、S60、V70あたりともほぼ共通のもの。近年のボルボでは最も一般的なパワートレインで、安心感は高い。なおこの直5はタイミングベルトを10万km毎に交換する必要があるが、その費用は工賃込みで7万円ほどだ。Uカーを選ぶ場合、高年式で走行距離が少ないのに越したことはないが、ボルボは昔からシャシーの経年変化が気になりにくいので、そうシビアに考える必要はないだろう。
購入時にチェックしたいのは、オプションだったり、上級グレード用だったりした装備の有無。例えばレザーシート、サンルーフ、キセノンヘッドライト、3歳以上の子供に使える「インテグレーテッド・チャイルド・クッション」などだ。ルーフレールやナビゲーションシステムといった類は、後付けが可能なのでそう気にしなくてもいいだろう。センタースタックのパネル素材も別のタイプに交換可能だ。
C30、S40、V50からお好みでどうぞ。2009年からの「2.0e」にも注目
上でも触れたように3ドアのC30、4ドアセダンのS40、5ドアワゴンのV50は、基本メカニズムが同じなので、どれを選ぶかは純粋にオーナーの好み次第。グレード体系もほとんど同じだ。
そのグレードだが、市場に多く流通するのはノンターボの「2.4」か「2.4i」で、大ざっぱに言えばこれはどちらでも良いと思う。逆にターボ4WDの「T-5 AWD」は少々マニアックな選択だ。レガシィの2.0GTみたいな高性能モデルからの乗り換えであれば、しっくり来るのかもしれない。
なお2009年3月からC30/S40/V50に追加された2リッター直4の「2.0e」シリーズは若干トルク感が薄めになるが、10・15モード燃費(V50の場合)の方は直5の9.5km/Lから11.6km/Lへと約2割もアップする。新車価格もV50で299万円からとかなりリーズナブルなので、予算に余裕があればUカーと比較検討してみるのもいいだろう。
またそのためにも、一度正規ディーラーで新車を試乗しておくのがおすすめだ。お店の人には率直に「どちらかと言うと中古車を考えています」くらいに言っておけばプレッシャーを受けないで済むし、「ボルボに決めています」という一点をはっきりさせれば、むしろUカーのことも親切に相談にのってくれるはず。もちろんUカー選びにおいて「新車の状態を知っておく」ことが有効なのは言うまでもない。
Text:Kei Niwa, DAYS
Photo:DAYS








