掲載日 : 2009年07月25日
2007 フォルクスワーゲン クロスポロ
4代目ポロがベースのSUV風クロスオーバー
フォルクスワーゲンのポロは、同社のゴルフより一回り小さなBセグメント(もしくはサブコンパクト)カー。日本での販売が本格的に始まったのは1996年の3代目(6N型)からだ。
今回の「クロスポロ」は4代目ポロ(9N型)の後期型がベースのクロスオーバーモデル。クロスオーバーとは、ジャンルが異なるものの融合を意味し、クロスポロの場合はさしずめコンパクトカーとSUVの融合といったところか。これに先立ち、2003年にも(丸目4灯の)前期型ポロをベースにしたクロスオーバーモデル「ポロ ファン」が欧州では販売されており(日本未導入)、クロスポロはその後継車となる。
クロスポロの特徴は専用の内外装パーツを装着し、車高を上げたSUV風のスタイル。一方、駆動方式はFFのままで、悪路走行に適さない17インチの偏平タイヤを履くなど、オフロード性能は追求されていない。そういったコンセプト自体は同時期に発売された「クロスゴルフ」(ベースはゴルフプラス)と同じだ。
日本では2006年9月に1.6リッター直4(105ps、15.1kgm)+6AT・右ハンドル車を発売。基本的に日本仕様はこの1種類のみで、2009年7月現在も販売中だ。
なお、すでに欧州では新型(6代目)ゴルフ似の5代目ポロが発売されている。(2009.07)

4代目後期型ポロに専用外装を追加、車高をアップ
ボディ自体は4代目ポロの後期型そのものだが、クロスポロにはプロテクター形状の専用バンパー、樹脂製ホイールアーチ、サイドスカート、ルーフレール、BBS製17インチホイールが装着され、さらに最低地上高を専用サスペンションで20mmアップ(135mm→155mm)。高い車高と17インチの超偏平タイヤという組み合わせが、いかにも異種の融合という感じで面白い。
ボディサイズは全長が4メートル未満、全幅は1.7メートル未満と、今どきの輸入車では貴重とさえ言えるほどコンパクトだ。ゴルフより一回りは小さく、ホンダ・フィットあたりと比べても大差ないサイズは、ポロの大きな魅力と言える。
基本的にはポロと同じだが、よりスポーティでカジュアル
インパネは基本的にノーマルのポロと同じ。ただしメタル調塗装を施したステアリングスポーク、メッキリング付のメーター、アルミ調プレート付ペダル等によって、スポーティかつカジュアルな雰囲気となっている。ドリンクホルダーはセンターコンソールからガチャッと飛び出すタイプだが、サンプルカーのものは押しても飛び出てこなかった。これは4代目ポロでは珍しくないトラブルのようだ。
シートはサイドサポートの張り出しが大きいクロスポロ専用品。生地も2トーンの専用配色となり、例えば外装色にマグマオレンジを選ぶと、背もたれと座面の中央部もオレンジとなる。
後席のシート生地もクロスポロ専用の2トーン。全体の空間はいかにもVWらしく真面目で合理的。前後スライドやリクライニングといった凝った仕掛けはないが、居住性は良好。視点がゴルフより拳一つ分ほど高いため、見晴らしもいい。その点ではゴルフよりクロスポロの方がファミリーカーには向いているかもしれない。
なお、エアバッグは前席用の4つ(前面×2、側面×2)と前・後席用のカーテンエアバッグ(×2)の計6つを標準装備。 3点式シートベルトも5人分を備える。
極めて運転しやすく、何の不満もなく走る
サンプルカーは2007年式で、初年度登録から約1年半、走行距離は約5600kmという車両。AISの評価点も一般的なUカーとしては最高に近い5点となっている(これ以上の「6点」や「S」は、限りなく新車に近いレベル)。
その1.6リッター直4の自然吸気エンジン(105ps、15.1kgm)と6速ATは、ポロの「1.6 スポーツライン」と同じで、これが実にソツなくスムーズに走る。必要十分とはまさにこのことで、重心の高さもまったく気にならず、乗り心地も問題なし。レスポンスがとびきりいいとか、パワフルだとか、ハンドリングがシャープだとか、そういった印象こそないが、女性を中心にそんな「刺激」をクルマに求めない人には、まったくもって理想的な一台だろう。
ちなみに日本を走る4代目・前期型ポロは全て1.4リッター+4ATだが、率直に言ってこれらは後期型から加わった1.6リッター+6AT車に比べてやや非力な印象。後期型は1.4リッターも2007年秋から6ATに換装されているが、いずれにしても200ccの差で走りの印象はずいぶん違うと思っていいだろう。
車名 Volkswagen CrossPolo (2007年モデル)
形式 ABA-9NBTS
寸法 全長3920mm×全幅1670mm×全高1535mm
ホイールベース 2470mm
車重 1180kg
駆動方式 前輪駆動(FF)
エンジン 1.6リッター直列4気筒DOHC
最高出力 105ps(77kW) /5600rpm
最大トルク 15.1kgm (148Nm)/ 4500rpm
トランスミッション 6速AT
使用燃料/容量 プレミアムガソリン / 45L
10・15モード燃費 14.4km/L
タイヤ 215/40R17
最小回転半径 4.9m
発売時期 2006年9月
当時の新車価格 239万円(消費税込み)
試乗車スペック
初年度登録 2007年
販売価格 184万円(消費税込み)
走行距離 5600km
ボディカラー リフレックスシルバーメタリック
備考 -
試乗日 2009年7月
基本的に仕様は1種類。ボディカラーは全9色
欧州ではすでに5代目ポロがデビューしている2009年現在、先代ベースのクロスポロの販売は間もなく終了すると思われる。とすれば日本での販売期間は2006年9月からの約3年間だ。その間、メカニズムや主要装備に大きな変更はなく、また初年度モデルでもまだ3年落ち程度なので、Uカーを選ぶ場合はシンプルに、価格、コンディション、ボディカラーといった要素で選べばいいだろう。ちなみに、ボディカラーは以下の述べ9色が導入されている。
■2006年9月モデル(全5色)
ブラックマジックパールエフェクト、フラッシュレッド、マグマオレンジ、ライム、ラヴェンナブルーメタリック(2007年初旬まで)
■2007年9月モデル(全6色)
ブラックマジックパールエフェクト、フラッシュレッド、マグマオレンジ、ライム
新色:オリンピアブルーパールエフェクト(2007年初旬以降)、リフレックスシルバーメタリック
■2009年1月モデル(全6色)
ブラックマジックパールエフェクト、フラッシュレッド、マグマオレンジ、リフレックスシルバーメタリック
新色:シャドーブルーメタリック、スレートグレーメタリック
4代目ポロを検討するなら、いっそクロスポロ
ポロGTIと共に、シリーズの中で最上級に位置するクロスポロは、装備もいいし完成度も高い。一方、同じ4代目ポロでもベーシックグレードの1.4リッター車は、上でも述べたように動力性能が弱めで、最高速は意外に伸びる反面、街中での中間加速は苦手な傾向がある。その点1.6リッターの「1.6 スポーツライン」やクロスポロなら不満はない。
またクロスポロなら、視点の高いドライビングポジションやSUV風のスポーティなスタイリングも楽しめる。見た目の存在感や品質感も、ある意味ゴルフのベーシックグレード以上と言っていいだろう。価格も同年式のポロと大差ないので、ポロの購入を考えている方には、クロスポロも一緒に検討することをおすすめしたい。
Text:Kei Niwa, DAYS
Photo:DAYS









