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Uカー試乗記

Uカー試乗記

掲載日 : 2009年08月26日

2003 メルセデス・ベンツ E240

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通称W211。「Eクラス」としては3代目

今回のサンプルカーは2.6リッターV6のエントリーグレード「E240」

Eクラスはメルセデス・ベンツのミドルサイズモデル。上にSクラス、下にCクラスがあるが、手頃なボディサイズや実用性、そして高級車としての性能をバランスよく備えることから、広く支持されている高級「実用」セダンだ(ステーションワゴンもあるが、本稿では割愛する)。現在のようにEクラスと称し始めたのは、1984年に発売された「W124」のモデル末期から。1995年に丸目4灯ヘッドライトの2代目Eクラス「W210」となり、2002年に今回とり上げる3代目「W211」となった。

W211は先代の丸目4灯ヘッドライトを継承しつつ、スポーティで洗練されたデザインを採用。さらに新開発エンジンや7速ATの採用など、モデルライフ途中で積極的に改良が図られた点も特徴と言える。日本市場に最新のディーゼルエンジンを導入したことも話題となった。

 

販売は2002年から2009年までの7年間

W211の日本発売は2002年6月。当初は2.6リッターV6(177ps、24.5kgm)の「E240」(排気量と名称の違いに注意)、3.2リッターV6(224ps、32.1kgm)の「E320 アバンギャルド」、5リッターV8(306ps、46.9kgm)の「E500 アバンギャルド」の3グレードでスタート。当時の価格はそれぞれ605万円、710万円、870万円(消費税抜き)だった。なお「アバンギャルド」とは基本的に内外装がスポーティな仕様だ。

その年の12月には5.5リッターV8スーパーチャージャー(476ps、71.4kgm)の「E55 AMG」が追加され、さらに翌2003年11月にはフルタイム4WDの「E320 4マチック アバンギャルド」が加わり、計5グレードに。この時、E500の変速機は最新の7AT「7G トロニック」に換装された。

2005年2月にはE320に代わる形で、新開発の3.5リッターV6(272ps、35.7kgm)+7ATの「E350 アバンギャルド」をラインナップ。2005年8月には、エントリーグレードのE240に代わる形で3リッターV6(231ps、30.6kgm)+7ATの「E280」が加わった。

2009年に発売された4代目Eクラス(W212) (写真:メルセデス・ベンツ日本)

2006年8月にはマイナーチェンジを実施。内外装の小変更と共に、3リッターV6直噴ターボディーゼル(211ps、55.1kgm)+7ATの「E320 CDI アバンギャルド」を新設定。またE280の名称が排気量通り「E300」に変更されたほか、5.5リッターV8(387ps、54.0kgm)+7ATの「E550 アバンギャルドS」、6.2リッターV8(514ps、64.2kgm)+7ATの「E63 AMG」が新設定された。これ以降、4マチックを除く全車が7ATとなっている。

2007年8月には新たにエントリーグレードとして2.5リッターV6(204ps、25.0kgm)+7ATの「E250」を新設定。さらにモデルライフ終盤の2008年8月には、仕様・装備の充実が図られ、W211型セダンの最終完成型となった。

そしてデビューから7年経った2009年5月にフルモデルチェンジし、異形4灯ヘッドライトの4代目(W212)となっている。

 

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丸目4灯ヘッドライトとスポーティなスタイリングが目印

全長4820mm×全幅1820mm×全高1450mm。ホイールベースは2855mm

先代Eクラス(W210)に似た丸目4灯ヘッドライトを継承しつつ、一気にスポーティなスタイリングとなった3代目Eクラス。そのヘッドライトも同じ楕円ながら切れ長となり、レンズの質感も向上。威圧感を廃した、好感度の高いデザインとなっている。なおCd値(空気抵抗係数)は同年にデビューした2代目プリウスと並ぶ0.26で、もちろんクラストップだ。

ボディサイズは全長が約4.8メートル、全幅が1.8メートルとこのクラスでは平均的なところ。小回りがよく効くのはメルセデス・ベンツの伝統で、Eクラスの最小回転半径も5.3メートルとそのボディサイズの割に小さく収まっている。

 
先代から一転して、クーペのように軽快なデザインとなったW211。トランクリッドもアルミ製だ
E240の標準タイヤは225/55R16。E500になると17インチになり、オプションで18インチも選べた
バイキセノン+ヘッドライトウオッシャーはE320以上に標準だが、初期のE240ではオプションだった(サンプルカーは未装着)。ボンネット、フロントフェンダーはアルミ製
 

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デザイン、質感ともに良好のインテリア

Sクラス譲りのデザインとそれに迫る質感のインテリア

S字を描くウッドパネルを水平に通すデザインは当時のSクラス譲り。アバンギャルド仕様では黒のカエデ材(ブラックアイド メープル)になるが、今回のE240では一般的なウォールナットウッドとなる。

率直に言って、先代W210のインテリア質感は今ひとつだったが、このW211なら大丈夫。デビュー時から7年経った今見ても十分な高級感があり、デザインも洗練されている。唯一時代を感じさせるのは、全車標準装備のDVDナビくらいか(最終モデルはHDD化されている)。

何度も先代W210と比べて申し訳ないが、シートの座り心地もそれと比べてずいぶん良い。リアシートはヒップポイントが低く、見晴らしは今一つだが、このクラスのFRセダンとしては平均的なところだ。

 
アナログ時計を配したメルセデス定番の3連メーター。文字盤はE240は黒だが、アバンギャルドでは白となる
ドアに配した電動シート調整スイッチはベンツでおなじみのもの。ステアリングのチルト/テレスコ調整も電動だ
ウッドパネルはもちろん本木。収納ボックスにはバタフライ式リッドが付く
 
シートはE240がファブリック、E320ではファブリック/レザーが標準。フルレザーは下位グレードではオプションだった
後席用に左右独立式の空調操作パネルが備わる
大人2人が十分にくつろげるリアシート。中央のアームレストは格納式ドリンクホルダーを内蔵
 
トランクスルーとした状態。背もたれを水平に倒すには座面を跳ね上げる必要があるが、ヘッドレストは自動で折り畳まれる
トランク床下には収納スペース、テンパースペアタイヤ、バッテリーが収まる
トランクは505リッターの大容量。後席の背もたれはレバーを引くだけのワンタッチで倒せる
 

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試乗したのは2.6リッターV6のE240

E240の2.6リッターV6・SOHCエンジン

今回のサンプルカーはエントリーグレードの「E240」。初期の2003年モデル(6年落ち)で、走行距離は3万8000km。価格は当時の新車価格である605万円(消費税抜き、オプション含まず)に対して239万円だ。

Eクラスと言えば、4代目のW212型が発売されたばかりだが、このW211についてはデビュー当初の2002年に乗ったE500 アバンギャルドが印象に残る。当時のSL500と同じ5リッターV8(306ps、46.9kgm)を搭載するグレードで、パワーはもちろん十二分、操縦安定性も静粛性も高く、性能的に文句なしのクルマだった。

路面の凹凸やうねりを伝えてこないフラットな走りがメルセデスらしい

一方で今回試乗したE240は排気量もパワーもおおよそその半分の2.6リッターV6(177ps、24.5kgm)に過ぎず、少々非力な印象は否めないところ。動力性能の点ではやはり上級グレードのE320以上かな、と思えた。また2005年以降のE350なら新世代のDOHCユニットとなり、変速機も7ATとなって文句なし。E240を選ぶ際はこのあたりを了解しておいた方がいいだろう。

シャシー自体はメルセデスらしく、ガシッとした土台と柔らかな足まわりでヒタヒタと走るタイプ。サンプルカーの場合、ボディの動きにもう少しシャッキリ感が欲しいとも思えたが、これはもともとE240というグレード本来に備わるものが大きいかも。基本的な印象はいつものメルセデス、いつものEクラスだ。

 

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車名  Mercedes-Benz E240 (2003年モデル)
形式  GH-211061
寸法  全長4820mm×全幅1820mm×全高1450mm
ホイールベース  2855mm
車重    1650kg
駆動方式  後輪駆動(FR)
エンジン  2.6リッターV型6気筒SOHC
最高出力  177ps(130kW) /5700rpm
最大トルク 24.5kgm (240Nm)/ 4500rpm

トランスミッション  5AT
使用燃料/容量  プレミアムガソリン / 80L
10・15モード燃費  8.7km/L
タイヤ      225/55R16
最小回転半径   5.3m
発売時期     2002年6月
当時の新車価格  605万円(消費税含まず)

試乗車スペック


初年度登録  2003年
販売価格   239万円(消費税込み)
走行距離   3万8000km
ボディカラー  オブシディアンブラック
備考     ワンオーナー、レザーシート&前席シートヒーター、ステアリングヒーター付
試乗日    2009年8月

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パワーソースの選択がポイント。完成度の高いモデル末期がおすすめ

輸入車セダンの代名詞とも言えるEクラス。オートプラネット名古屋でも多くの在庫を取りそろえる

ひと口にW211と言っても、パワートレインは多種多様だ。モデルライフ前半のエンジンは2.6リッターV6、3.2リッターV6、5リッターV8といったSOHC・3バルブ(吸気2バルブ、排気1バルブ)で、5ATと組み合わされる。そしてモデルライフ中盤以降は、DOHC・4バルブの3.5リッターV6、3リッターV6、5.5リッターV8、そして2.5リッターV6といった新世代ユニットが続々と登場。さらに「320CDI」こと3リッターV6直噴ディーゼルターボも加わっている。またミッションも4WDの4マチックを除いて、途中から全車7ATとなるなど、その改良ぶりはなかなかドラスティックだ。

 
エンジンはディーゼルターボも含めて計10種類に及ぶ。この中からどれを選ぶかがW211購入のポイントだ

この中で取材担当者が試乗したものは一部に過ぎないが、2005年から発売された3.5リッターV6の「E350 アバンギャルド」は動力性能と燃費性能をバランスよく備えており、文句なしと思えた1台。またその後に追加された3リッターV6の「E280」、そのマイナーチェンジ版である「E300」、そしてモデル末期の2007年に追加された「E250」なども、同様に完成度の高いモデルと思われる。なお2006年8月のマイナーチェンジでは電子制御ブレーキのSBC(センソトロニック ブレーキ コントロール)が廃止されており、さらに2008年にはナビが従来のDVD式からHDD式に変更されるなど、パワートレイン以外でも多くの改良が行われている。それらを含めて常識的ではあるが、やはり高年式モデルは手堅い選択と言えるだろう。

また2006年に出たディーゼルの「E320CDI」もおすすめの一台だ。高年式なので今のところ相場は高めだが、1600~2400rpmという低回転で55.1kgmの分厚いトルクを発揮する走りは、ガソリン車に慣れた身には非常に新鮮。もちろん燃費もいいし、軽油なので燃料代も安く、航続距離も高速なら楽に1000kmを越えると言われる。長距離走行が多い方には、ぜひご検討いただきたい。

 

Text:Kei Niwa, DAYS
Photo:DAYS


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