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Uカー試乗記

Uカー試乗記

掲載日 : 2009年09月08日

2006 フォルクスワーゲン パサート ヴァリアント V6 4モーション

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VWの上級ステーションワゴン。6代目はメカ的にゴルフに近い

サンプルカーは上級グレードの「V6 4モーション」

パサートは1973年に登場したフォルクスワーゲンの上級セダン/ステーションワゴン。ゴルフやジェッタなどの上級に位置し、SUVのトゥアレグやフェートン(日本では未発売)が登場する最近までは、VWブランドの最高級車であった。

今回とりあげるのは、欧州では2005年に発売された6代目パサートのステーションワゴンモデル。一時「パサート ワゴン」と呼ばれた時期もあったが、この6代目ではドイツ本国にならって「パサート ヴァリアント」に改称している。

先代パサートはアウディA4と共通のエンジン縦置・FFシャシーがベースだったが、この6代目はゴルフ系のエンジン横置・FFシャシーを採用。よってパワートレインも含めてメカ的にはゴルフと共通する部分が多い。

 

エンジンは2.0の直4、1.8/2.0の直4ターボ、3.2/3.6のV6

こちらは2008年に追加された高性能モデル「R36」 (写真:フォルクスワーゲン グループ ジャパン)

日本ではセダンと共に2006年4月に発売された。ラインナップは2.0リッター直4(150ps・20.4kgm)・6速ATの「2.0」、および2.0リッター直4ターボ(200ps・28.6kgm)・6速ATの「2.0T」でスタート。7月には3.2リッターV6(250ps・33.1kgm)・6速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)で電子制御4WDの「V6 4モーション」を追加し、3グレードとなった。当初の価格はそれぞれ335万円、381万円、455万円だ。

それから約2年後の2008年にはラインナップを一部変更。まずは2月にエントリーグレードの「2.0」を1.8リッター直4ターボ(160ps・25.5kgm)の「TSI コンフォートライン」に変更。5月には従来の「2.0T」に代えて、新設計の2.0リッター直4ターボ(200ps・28.6kgm)とした「2.0TSI スポーツライン」に差し替えた。

さらに9月にはヴァリアントのみに、3.6リッターV6(299ps・35.7kgm)・6速DCT・4WDの高性能モデル「R36」を追加。これは当初の価格が590万円もしたスペシャルパサートだ。

2009年9月現在、パサート ヴァリアントはこれら「TSI コンフォートライン」、「2.0TSI スポーツライン」、「V6 4モーション」、「R36」というラインナップで引き続き販売中となっている。(2009.08)


 

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ドイツ高級御三家に負けないサイズと上質感

ホイールベースはゴルフやジェッタより135mm長い2710mm

ボディサイズは全長4785mm×全幅1820mm×全高1530mmと堂々たるもの。価格的にはメルセデス・ベンツのCクラス ステーションワゴンやBMWの3シリーズ ツーリング、アウディA4アバントなどより手頃なパサートだが、サイズ的にはそれらより大きく、いわゆるミドルクラス級に近い。ワゴンとしてはかなり大きい方と言っていいだろう。

かつてのVW車なら「質実剛健」と評された無骨さは影をひそめ、デザインはとても洗練されている。メルセデス・ベンツなどのドイツ高級御三家のようにブランド力を前面に打ち出すものではないが、むしろそこに好感を持つ人は多いはずだ。

 
テールランプは電力消費が少なく、寿命も長いLED式を採用
サイドウインドウの縁や各モール類は、高級感のあるメッキ仕上げ。「V6 4モーション」や「2.0T」のルーフレールはクローム調となる
ロービームを最大15度で可変するバイキセノンヘッドライトと固定式コーナリングライトは「V6 4モーション」に標準装備
 

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ライバル車と互角の豪華さとライバル車以上の広さ

豪華なウォルナットウッドパネルが張られた「V6 4モーション」の内装

レザーシートとウッドパネルを標準装備する「V6 4モーション」の内装は、ちょっとやり過ぎなくらいに豪華。さらにこの6代目パサートは電動パーキングブレーキを早々と採用するなど、他メーカーの高級ミドルクラス車に負けない仕様となっている。ちなみに運転席ドアに「傘入れ」があるのも、パサートの隠れたセールスポイントだ。

また、FFシャシーがベースということで、FRが多いライバル車よりも室内や荷室が広い点もパサートの大きな長所。実用性が重要なステーションワゴンではライバル車に差を付ける部分だ。

 
キーを差し込んでそのまま押し込むとエンジンが掛かる「プレス&ドライブ」を採用。右端は電動パーキングブレーキのボタン
平均燃費表示などを備えたメーターまわりもウッドパネルが覆う
シフトレバー周辺はメッキ、ウッド、レザーに覆われ、一見アウディ風。6速DSGは「V6 4モーション」と「R36」のみ
 
「V6 4モーション」に標準装備(2.0Tにも装備可)の電動スポーツレザーシート。電動ランバーサポート&メモリー付
VWらしいアップライトな姿勢となる後席。エアバッグは計8個で、後席はサイド&カーテンエアバッグが守る
後席サイドウインドウには収納式のブラインドが備わる
 
床下にはフルサイズのアルミホイールとスペアタイヤを収納。左壁にはバッテリーが収まる
後席の折り畳みはダブルフォールディング式。ヘッドレストの抜き取りは固くて面倒だ。アームレスト部分でトランクスルーも出来る
トランクは通常時で603リッター、最大で1731リッターの大容量。最大長は1960mmもある


 

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ジェントルかつ快適な走り

ゴルフやジェッタと異なるマイルドでジェントルな走り

試乗したのは2006年式の「V6 4モーション」。2年後に追加されたスペシャルモデルの「R36」を除けば、この6代目パサートのトップグレードに相当する。メカニズム的にも凝っていて、エンジンはバンク角が旧3.2リッターの15度から10.6度とさらに狭くなった新世代の3.2リッター狭角V6・DOHC直噴ユニット。変速機は6速DSG、そして電子制御式4WDという仕様になる。

最大出力250ps、最大トルク33.1kgmというスペック自体は、5代目ゴルフの「R32」やアウディTTの3.2あたりに近いものだが(エンジンは別物)、パサートはそれをスポーツ性能ではなく、ロングツアラー性能に使っている。印象としてはまさに「3リッタークラスのV6エンジンを積んだ高級ワゴン」(そのまんま)という感じ。このエンジンが本来持つはずのクォーーンという快音も、ほとんど意識されないくらいに抑え込まれている。

なお、サンプルカーのコンディションは3年落ち、走行3万2300kmというものだが、外観も走りもヤレはほとんどなく、デモカーとしても使えそうなレベル。新車時にあったはずのガチッとした硬質感が多少薄まったかな?という程度だった。

(当然ながら)先代パサートより確実にいい

「V6 4モーション」の3.2リッターV6。ゴルフと同じ横置だが、同世代のゴルフR32等が積むV6とは異なる新世代ユニット

6速DSGは相変わらず電光石火のシフトを行うが、意識しなければ普通のトルコン6AT並みにスムーズで、他のDSGに時々感じられるギクシャク感は一切なかった。これはおそらくトルキーなV6エンジンとの相性によるものかと思う。また4WDのおかげか、ゴルフGTIやジェッタ2.0TといったVWの2リッター直噴ターボ系にありがちな、発進時のホイールスピン(慌ててアクセルを踏んだり、ステアリングを切ったままだと出やすい)がないのもいい。

なお、先代パサートはアウディと同じエンジン縦置シャシーで、その「4モーション」もアウディの「クワトロ」と同じトルセンデフ式だったが、実際には(当然ながら)新型の方がすべての点で確実に進化している、というのが率直な印象だ。


 

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車名  Volkswagen Passat Variant V6 4MOTION (2006年モデル)
形式  GH-3CAXZF
寸法  全長4785mm×全幅1820mm×全高1530mm
ホイールベース  2710mm
車重    1740kg
駆動方式  前輪駆動(FF)
エンジン  3.2リッターV型6気筒DOHC
最高出力  250ps(184kW) /6250rpm
最大トルク 33.1kgm (325Nm)/ 2750rpm

トランスミッション  6AT
使用燃料/容量  プレミアムガソリン / 68L
10・15モード燃費  8.9km/L
タイヤ      235/45R17
最小回転半径   5.3m
発売時期     2006年7月
当時の新車価格  455万円(消費税込み)

試乗車スペック


初年度登録  2006年
販売価格   309万円(消費税込み)
走行距離   3万2300km
ボディカラー  キャンディホワイト
備考     ワンオーナー、ETC
試乗日    2009年8月

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「V6 4モーション」もいいけど、直4ターボもいい

オートプラネット名古屋に並ぶ「キャンディホワイト」のパサート。右は5代目ゴルフのセダン版であるジェッタ

6代目パサート ヴァリアントは現在も販売中だが、Uカーとして選ぶとなるとキャラクター的には大きく分けて、価格の手ごろな「2.0」か、直4ターボの「2.0T」「TSI コンフォートライン」「2.0TSI スポーツライン」、あるいはちょっと豪華に「V6 4モーション」、そしてマニアックな「R36」の4通りに分けられる。

まず「2.0」に関しては、あくまでベーシックモデルなので、動力性能や装備などは「必要十分」なレベルに留まる。とはいえ、こういった「素」のグレードこそVWらしいとも言えるので、ここは好みや考え方次第だ。

一方、直4ターボ車は動力性能から装備まで申し分なし。変速機はトルコン6ATだが、操作感はDSGに遜色ないし、10・15モード燃費も10.4~10.8km/Lと良好だ。Uカーとして旬なのは2006~2007年の「2.0T」だが、予算があれば2007年以降の「TSI コンフォートライン」か「2.0TSI スポーツライン」もいい。

 
輸入ワゴンの中では随一の優等生と言えるパサート ヴァリアント

今回試乗した「V6 4モーション」はV6エンジンと6速DSGによるパワフルな走り、そして4WDの走破性を備えた万能モデル。例えばレガシィのターボ車あたりから乗り換えるなら、これがおすすめだ。さらに高性能でマニアックな「R36」は、クルマ趣味と実用を兼ねるにはいい選択だ。

いずれにしてもパサート ヴァリアントは、動力性能、快適性、積載性、高級感、そしてコストパフォーマンスなど、いずれの項目でも高得点の1台。輸入ステーションワゴン切っての正統派と言っていいだろう。

 

Text:Kei Niwa, DAYS
Photo:DAYS


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