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掲載日 : 2009年10月06日

2003 フィアット プント 1.2 16V ELX スピードギヤ

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日本では2000年から2006年まで販売

初代と同じグリルレスながら、より精悍なデザインとなった2代目プント

フィアット・プントは、いわゆるBセグメントに属するイタリアン・コンパクトカー。初代(1993~1999年)と2代目(1999~2005年)の2世代で世界累計600万台以上を販売した大ベストセラー車だ。

今回とりあげる2代目は、2000年6月に日本で発売された。当初のラインナップは、1.2リッター(80ps、11.6kgm)・6速マニュアルモード付CVT(無段変速機)・5ドアの「ELX スピードギヤ」と1.8リッター(130ps、16.7kgm)・5MT・3ドアの「HGT アバルト」の2種類。価格はELXが157万円(消費税抜き)、アバルトが218万円(同)だった。

 
HGTアバルトとの2ショット。ボディカラー(前期型)は全13色で、サンプルカーは「カリプソ オレンジ」。「ブルームイエロー」はアバルト専用色

2001年11月には、中間グレードの「HLX スピードギヤ」を発売。パワートレインはELXと共通だが、ボディ同色の電動ドアミラー、アルミホイール、前席ウインドウエアバッグ、ベロア内装などを標準装備し、価格は173万円(同)とされた。

2003年11月にはマイナーチェンジを実施。フロントにダミーグリルを備えるなどフェイスリフトを行ったほか、ラインナップを「1.2 16V エモーション スピードギヤ」と「1.8 16V HGT」の2グレードとし、装備も充実。このまま後継車のグランデプントが登場する2006年まで販売された。(2009.09)

 

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イタリア人の普段着

ボディサイズ(5ドア)は全長3835mm x 全幅1660mm x 全高1480mm

いわゆるキープコンセプトで登場した2代目プントだが、外観は一新され、より精悍でシャープなデザインとなっている。いかにもイタリアンスモールらしい、オシャレで陽気、そしてちょっと生意気なルックスだ。同時に「ちょっとそこまで」という感じで足代わりに乗れそうな気安さは、イタリア人の普段着といったところ。コンパクトカーですら「アイロンかけてます」といった感じのドイツ車とは、まったく雰囲気が異なる。

 
縦長リアコンビランプは初代譲りだが、5ドアではクォーターウインドウが消滅し、Cピラーが太くなった
一見アルミホイールだが、「ELX」は鉄ホイール+樹脂キャップ
フォグランプとウインカーを内蔵した「ポリエプティカル(多数を集約した)ヘッドライト」
 

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オシャレな色づかい。クラス破りの広さ

収納スペースなどユーティリティは充実している。サンプルカーは6年落ちだが、目立ったキズや汚れはなかった

サンプルカーのシート生地はブルーだが、5ドアには他に赤系(ボルドー)もある。いずれもイタ車らしい明るい色づかいだ。シートに腰掛けて実感するのが、予想を上回る室内の広さで、特に後席はドイツ勢などのライバル車より広く、座り心地もいい。1995年に欧州カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した初代プントのパッケージングを2代目もしっかり受け継いでいることが分かる。

装備に関しては、サイドミラーの角度調整や後席サイドウインドウが今やクラシカルな「手動」である一方、エンジン停止後2分間はパワーウインドウが操作できる「パワーウインドウタイマー機能」やヘッドライトがしばらく点灯し続ける「フォロー・ミー・ホーム機能」といった、まるで高級車のような装備が備わる。イモビライザー(盗難防止装置)も標準装備だ。

 
メーターはイタ車で定番のVEGLIA(ヴェリア)製。平均燃費計などのトリップコンピューター機能も備える。夜間の透過照明はオレンジ
フィアット車でおなじみの「CITY」ボタン(写真左上)を押せば、電動パワステの操舵力がさらに軽くなる
「懐かしい」と思うか「面白い」と思うかは、世代によって分かれる手動調節式サイドミラー
 
ザックリした風合いのシート生地は、触感にこだわるイタ車らしい。前席には4エアバッグ(正面およびサイド)を標準装備
リアの手動ウインドウはこの頃の欧州製Bセグメントカーでは一般的
後席は同クラスのライバル車より広々しており、座り心地も良好。3人分の3点式シートベルトも完備する
 
給油口はラテン車に多い鍵式。指定燃料はプレミアム
後席背もたれは4:6分割。ヘッドレストを抜くのが少々面倒
通常時のトランク容量はクラス最大級の297リッター。写真はさらに後席を畳んだ状態
 

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BMW MINIに優るとも劣らず!?

ESPやトラクションコントロールこそないが、4チャンネル式(4輪独立制御)ABSを標準装備。前後に制動力を最適に分配するEBD機能も付く

試乗した「ELX スピードギヤ」は、マイナーチェンジ前の最終モデルである2003年式(6年落ち)で、走行距離は5万1500km。内外装に目立ったキズやヤレはないが販売価格は39万円と、Uカー試乗記が始まって以来の最安値だ。

初代プントには最近乗る機会があったが、この2代目プントの5ドアに乗るのは今回が初めて。当日は初代BMW MINI クーパー(2006年式で、販売価格189万円)と一緒に試乗することになり、正直なところ乗る前は「ちょっと分が悪いな」と思っていた。

しかし結論から言おう。このプント、ぜんぜんMINIに負けていない。具体的にはまずエンジンがいい。新型フィアット500の1.2リッターSOHC・2バルブ(69ps)と異なり、こちらはDOHCの4バルブで80psを発揮する。これがなかなか元気一杯で、試乗中は1.4リッターかと思っていたほど。MINIの1.6リッターエンジンが妙に重々しく感じられてしまったくらいだ。これは一つに、プントのCVT(富士重工業製)がMINIのそれより高回転を積極的に使うせいもあると思う。

 
スバル製のCVT(無段変速機)は6速MTモード付だが、Dのままでも十分スポーティ

また、乗り心地も良く、室内も広々していて、運転していて気分がいい。これは決して個人的な感想ではなく、取材に同行していた20代スタッフ(非クルマ好き)ですらが、「MINIもイイけど、個人的にはプントもイイ」と漏らしたほど。ガッシリ感はあるが、やや落ち着きのないMINI(試乗車はランフラット仕様だった)に比べると、プントは路面の凹凸に関係なくヒタヒタと走ってくれる感じで、リラックスして走れる。静粛性もまずまずで、何だか拍子抜けするほど優等生だ。

気になった点を挙げれば、まずボディの剛性感が1990年代的で、それほど高くないこと。エンジンもアクセル全開!で走り続けると音を上げそうだから、ちょっと加減して走りたくなる。また自分が乗るなら各種消耗品は念のためリフレッシュしたいところ。この点は、そのままでもサーキットでグリグリ楽しめそうな3年落ちのBMW MINIと違うところだ。

 

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車名  Fiat Punto 1.2 16V ELX Speedgear (2003年式)
形式  GF-188A5
寸法  全長3835mm×全幅1660mm×全高1480mm
ホイールベース  2460mm
車重    1060kg
駆動方式  前輪駆動(FF)
エンジン  1.24リッター直列4気筒DOHC・4バルブ
最高出力  80ps(59kW) /5000rpm
最大トルク 11.6kgm (114Nm)/ 4000rpm

トランスミッション  CVT(無段変速機)
使用燃料/容量  プレミアムガソリン / 47L
10・15モード燃費  -km/L
タイヤ      165/70R14
最小回転半径   -m
発売時期     2000年6月
当時の新車価格  159万5000円(消費税含まず、2003年1月発売モデル)

試乗車スペック


初年度登録  2003年
販売価格   39万円(消費税込み)
走行距離   5万1500km
ボディカラー  カリプソオレンジ
備考     -
試乗日    2009年9月

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愛すべき掘り出し物

オートプラネット名古屋にて。左は後期型(2003~2006年)

本文で触れたとおり、今回のプントは39万円。乗る前はかなりヤレヤレな感じを想像していたのだが、実際に乗ってみるとその基本性能の高さにびっくりしてしまった、というのが正直なところ。世のプントオーナーの方、見くびっていて、すいません。

 
プントは日本車やドイツ車ばかりが「正解」じゃないという事実を教えてくれる

もちろん今回の車両でも、本文で触れたように、購入時や購入後にタイミングベルトの点検・交換(5万kmくらいが目安)や各種消耗品のリフレッシュなど、それなりに手はかけたいところ。電装系のマイナートラブルもないとは言い切れない。その点では今回のような保証付きの車両を買うのが安心だが、いずれにしても39万円。初めてのイタ車として、イタ車乗りのセカンドカーとして、あるいは気楽な足グルマとして、愛すべき掘り出し物となりえるクルマだろう。

 

Text:Kei Niwa, DAYS
photo:DAYS


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