掲載日 : 2009年10月19日
2006 MINI クーパー パークレーン
3つの「キャラクターズ」モデルの一つ
BMW MINIは、2007年に2代目となったが、初代のモデル末期となる2006年には通称“キャラクターズ”なる3つの特別仕様車が用意された。クラシックミニのオースチンセブンに引っかけてカジュアルに仕上げた「セブン(Seven)」、チェッカーフラッグをあしらったボーイズレーザー風の「チェックメイト(Checkmate)」、そして高級感や気品をイメージした今回の「パークレーン(Park Lane)」だ。
クーパーとクーパーSに設定
「パークレーン」という車名は、高級ホテルなどが立ち並ぶロンドンの一角が由来。ベース車には1.6リッター直4(116ps)の「クーパー」(5MTとCVT)、そして1.6リッター直4スーパーチャージャー(170ps)の「クーパー S」(6MTと6AT)が選ばれた。
販売期間はセブンやチェックメイト共々、2006年2月から2代目MINIが登場する2007年春までの約1年間。新車価格は260万円から300万円余とMINIとしては高価で、またすでに新型が登場する直前でもあったが、パークレーンは予想を上回る大ヒットとなり、初代BMW MINIの最後に華を添えた。

ロイヤルグレーが一番人気
パークレーンで何より印象的なのが、専用色の「ロイヤルグレー」だ。パークレーンには他にアストロ ブラック、ブリティッシュ レーシング グリーン(BRG)、ブラックアイ パープル、ピュア シルバーと計5つのボディカラーが用意されたが、実際にはこのロイヤルグレーに人気が集中。よくあるガンメタリックと異なり、その名の通り英国車らしい上品な色で、この色で初めてMINIに興味を持った人も多かったはず。またパークレーンでは屋根がシルバー、内装がグレーのレザーとなり、ロイヤルグレーとの相性が良かったことも確かだ。
外装にはさらにクロムラインエクステリア、クロムミラーキャップなどのメッキパーツも備わる。また足もとにはクーパー、クーパーSに関わらず、クーパーS相当の16インチアルミホイール&ランフラットタイヤも標準装備された。またオプションで、ちょっと変わったデザインのボンネット ストライプも用意された。
グレーの専用レザーシートを標準装備
チャコールグレーのレザーに、ライトグレーのパイピング(パイプ状にした革で縁取りする仕上げ)を施した専用シートを標準装備するパークレーン。ステアリングもグレーの2トーン革巻きとなる。さらにクローム仕上げのインテリアパーツが多数配されるなど、上質感が注意深く盛り込まれているのが特徴だ。
走行4万kmでも、印象は新車時と大差なし
試乗したのは2006年式で(パークレーンの大半がこの年式だ)、クーパーのCVT(無段変速機)。約3年落ちで、走行距離は3万8900kmと少し多めだが、内外装のコンディションは良く、丁寧に乗られていたことがうかがえる。販売価格は新車時の268万8000円に対して189万円だ。
初代MINIには数え切れないほど試乗してきたが、今回乗ったパークレーンの印象も、おおむね通常モデルのクーパー・CVT車と同じ。手短に言えば、過不足ないパワー、ダイレクトな感覚のCVT、シャープな身のこなしなど、まさにMINIが当時うたった「ゴーカートフィーリング」そのもので、CVTの場合は運転がイージーという意味でもゴーカート風だ。
ボディの剛性感をはじめ、ステアリングやブレーキなど操作系の手応えもガッシリしており、いかにもBMWの設計らしい信頼感がある。この点では、ほとんど新車時から変化していないのでは?と思えた。
少し気になったのは、初代MINI本来のものではあるが、その「ゴーカートフィーリング」の度がやや過ぎるように思えるところ。これはMINIの「面白さ」でもあるのだが、特にパークレーンでは通常のクーパー標準車が履く15インチタイヤに代えて、16インチのランフラットタイヤを履くこともあり、道路の轍(わだち)などにも敏感に反応してしまう。もう少し穏やかな走りの方がパークレーンには似合うのでは? と思えた。なお同じホイールのまま通常タイヤへの履き替えも可能だが(もちろんメーカーは推奨していない)、その際には何らかのパンク修理対策が必要だ。
ただし乗り心地は、クーパーSや17インチタイヤ+スポーツサスペンションを標準で履く「チェックメイト」よりも明らかに穏やか。総じてデザインに惚れてしまえば、不満なく乗れるレベルだ。
車名 MINI Cooper Park Lane (2006年式)
形式 GH-RA16
寸法 全長3650mm×全幅1690mm×全高1445mm
ホイールベース 2465mm
車重 1140kg
駆動方式 前輪駆動(FF)
エンジン 1.6リッター直列4気筒SOHC・4バルブ
最高出力 116ps(85kW) /6000rpm
最大トルク 15.2kgm (149Nm)/ 4500rpm
トランスミッション CVT(無段変速機)
使用燃料/容量 プレミアムガソリン / 50L
10・15モード燃費 11.6km/L
タイヤ 195/55R16
最小回転半径 5.1m
発売時期 2006年2月
当時の新車価格 268万8000円(消費税込み。2006年2月発売モデル)
試乗車スペック
初年度登録 2006年3月
販売価格 189万円(消費税込み)
走行距離 3万8900km
ボディカラー ロイヤルグレー
備考 ワンオーナー
試乗日 2009年9月
Uカーでもぜんぜん大丈夫
“キャラクターズ”が発売された当時、自分自身も「買うならパークレーンがいいかなぁ」などと考えたもの。そんなパークレーンも新車時は優に総額300万円を越えていたわけで、購入を諦めた人は多かったはずだ。
それが今回試乗したUカーでは189万円と、パークレーンもかなり手が届きやすくなってきた。巷の相場もクーパーSを含めてだいたい200万円前後の様子。「でも中古車だからなあ・・・・・・」と不安に思う人は多いだろうが、今回試乗して思ったのは、少なくともパークレーンのような最終モデルで走行4万km程度なら、内外装も走らせた感じも「ぜんぜん中古車っぽくない」ということ。この手のコンパクトなFF車でこれは実に大したことだが、例えばリアサスペンションの構造は2~2.5リッタークラスのようなマルチリンク式であるなど、BMW MINIの設計は過剰なほど凝っている。ナリは小さいが、根本部分の作りはかなり上のクラスなのだ。
というわけで、完成度に関しては文句なしのMINIだが、パークレーンの場合、店頭に置いておけば必ず売れる人気車なので、バーゲン価格はありえない。ただし今回の車両のように、走行距離が少し多めで割安なものは一つの狙い目だ。10万kmはもちろん、多少手を入れれば20万kmでも問題なく走るクルマだと思うので、4~5万kmは序の口では? と個人的には思う。もちろん内外装のコンディションには妥協しないこと。例えば今回試乗したパークレーンの運転席シートの写真をよく見て欲しい。4万km乗っても、ほとんど汚れやへたリのないことが分かるはずだ。
またMINIで検討課題となるのが、クーパーかクーパーSか、マニュアル車かAT(CVT)か、ということだろう。これはもちろん好みだが、仮にペーパードライバーでもMT車が運転できるなら、クーパーの5MTをおすすめしたい。最もMINIらしい走りが楽しめるし、燃費も良く、運転もしやすいからだ。特に女性には、お稽古ごとの一つと思ってトライしてみて欲しい。逆にイージードライブを優先するならクーパーSの6AT、あるいはクーパーのCVTとなる。クーパーSの6MTはパークレーンらしからぬ少々手強いモデルで、か弱い女性には正直どうかと思うが、そんなミスマッチ感が面白いと思える方にはおすすめしたい。
Text:Kei Niwa, DAYS
photo:DAYS









