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Uカー試乗記

Uカー試乗記

掲載日 : 2009年11月28日

2004 ジープ チェロキー エクストリーム スポーツ

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初代は1974年に登場。2代目(1984~2001年)が世界中で大ヒット

初代ジープ・ワゴニアと2ショット。初代チェロキー(1974~1983年)はこれの普及バージョンだった

初代チェロキー(1974~1984年)は、大型4WDワゴンのワゴニア(1962~1991年)の弟分として登場。3ドアもしくは5ドアのワゴンボディを持ち、レジャービークルやファミリーカーとして人気を得た。

1984年には、軽量コンパクトな2代目チェロキー(XJ型)に進化。スクエアでモダンなデザインが受けて、世界中で大ヒット。2001年までの17年間販売されるロングセラー車となった。今でもチェロキーと言えば、この2代目を思い浮かべる人が多いだろう。

3代目(KJ型)は米国でリバティを名乗る

試乗したのは2004年の限定車「エクストリームスポーツ」

そして2002年には今回の3代目チェロキー(KJ型)が登場する。XJ型のような四角いデザインから一変して、3代目はオリジナルジープ風の丸目ヘッドライトと丸みのあるスタイルを採用。車名も米国ではジープ・リバティ(Liberty)を名乗ったが、日本ではチェロキーの名が継承された。ちなみにチェロキー(Cherokee)とは、言うまでもなくネイティブ・アメリカンの一大部族の名称だ。

スタイリングは現代のSUV風となった3代目チェロキーだが、本格的な4WDシステムやオフロード性能は継承。「セレクトラック」と呼ばれる4WDシステムはレバー操作によって、2WD(FR)、フルタイム4WD、そして前後直結のパートタイム4WDが選べるもの。オフロード走行を想定した足まわり共々、高い悪路走破性を発揮する。

日本では2001年秋から2008年まで販売

オフロードイメージを強調した中間グレード「レネゲード」

日本では2001年10月に発売。エンジンは全車3.7リッターV6・SOHC・2バルブ(210ps、32.1kgm)で、変速機は4AT。グレードは「スポーツ」と上級の「リミテッド」の2種類でスタート。価格はそれぞれ324万5000円と368万5000円(いずれも消費税抜き)だった。

2003年1月には、専用バンパー、専用オーバーフェンダー、ルーフライトバーなどの装備によってオフロード色を強めた「レネゲード」を追加。その他、今回試乗した「エクストリームスポーツ」といった特別限定車がいくつか設定された。

そして2008年6月にフルモデルチェンジし、再び四角いデザインとなった4代目(KK型)にバトンタッチしている。

 

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デザイン(顔)は元祖ジープ風に

「エクストリームスポーツ」のボディカラーはブライトシルバー(写真)とフレームレッド(2004年)、そしてパトリオットブルー(2005年)の3色

アメ車のSUVというと、つい巨大なボディを想像してしまうが、チェロキー(全長4495mm×全幅1820mm×全高1820mm)は比較的コンパクトだ。先代のXJ型も20年前には大きく見えたものだが、実は今も昔も、背面スペアタイヤの部分や高さを除けば現在のVWゴルフあたりと変わらない。

ただし見た目の印象は大きくチェンジ。XJ型では四角いスタイルやヘッドライトが特徴だったが、このKJ型は全体に丸味を帯び、顔にはオリジナルジープ(1980年代までのCJシリーズなど)風の丸目ヘッドライトと縦7本スリットのグリルが配されている。

 
リアウインドウはガラスハッチ。スペアタイヤカバー(「スポーツ」ではオプション)が備わる
「エクストリームスポーツ」にはレネゲード用のアルミホイールが装備される
「エクストリームスポーツ」の前後バンパーはグラファイト塗装仕上げで、「リミテッド」譲りのフォグランプを装備する
 

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乗用車的に快適なインテリア

「エクスリームスポーツ」はホワイトメーターや革巻ステアリング、専用シートを装備

インパネはいかにもアメリカンSUVという感じだが、2001年当時は「乗用車みたい」と評されたはずだ。ダッシュボード周辺の造りや質感は高く、低めのドライビングポジションもかなり乗用車的だ。

ただしセンターコンソールにあるのは、紛れもなく駆動モードの切替レバー。「2WD」-「4WD」-「フルタイム4WD」-「N」(ニュートラル)-「4WD ローレンジ」を選択できるが、操作にはコツとちょっとした力が必要だ。ここ最近の新型車では、もはやパートタイム式4WD自体が珍しく、切替もスイッチ操作が多い。3代目チェロキーにはそうなる前の、ドライバーに判断力や腕力を要求した時代の余韻が残る。

 
駆動モード切替レバーの操作はちょっとしたコツと力が必要だ
「エクスリームスポーツ」専用のJEEPロゴ入りレザー/布シート
後席は広く、座り心地も良く、乗降性も良好。サイドウインドウは全開する
 
リアのドアハンドルを軽く引くとガラスハッチが跳ね上がり、最後まで引くとゲートが横に開く
左右ウインドウを含む計4エアバッグを標準装備。後席は背もたれを倒すだけで畳める
荷室容量は878リッター、拡大時は1954リッター。あちこちにフックがあって使いやすそう


 

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本格SUVらしからぬ、軽快な走り

V6エンジンはレギュラーガソリン仕様。10・15モード燃費は6.6km/Lだ

今回試乗したのはモデルライフ中盤にあたる2004年の限定車「エクストリームスポーツ」。エントリーグレードの「スポーツ」をベースにした限定車だが、メカニズムは全車共通だ。個体そのものは初年度登録から5年半、走行距離3万8000km。販売価格は新車時の321万3000円に対して119万円だが、コンディションは100万円そこそことは思えないほど良好だった。

エンジンは3.7リッターV6・SOHC(204ps、31.3kgm)で、低回転からV8・OHVのようなトルクがドドドドドと湧き出る。思えば、2代目XJ型の4リッター直6もアクセル一踏みでグワンとボディを揺する「味」のあるエンジンだったが、そのテイストをほどよく受け継いでいる。さすがに272psもあるML350ほどの俊敏さはないが、常用域での吹け上がりは軽快で、一般道で力不足を感じることはない。SUVらしくて、なかなかいいエンジンだ。

 

ボディは「ユニフレーム」と称するモノコックで、車重は1860kgと意外に軽い。おかげでハンドリングも軽快で、本格SUVにありがちなユサユサ感や「小山を動かしている」感じもない。ちなみにステアリングはこれがジープ初だったラック&ピニオン式だ。最小回転半径は5.5メートルで、実際小回りも良好だった。少々気になったのは2WDモードだとUターンの加速時にリアタイヤがホイールスピン気味になったこと。フルタイム4WDモードの方がスムーズに走れる。

悪路走破性の高さは言うまでもなく

インポーターが2005年に日本各地で主催したイベント「ジープ・エクスペリエンス」にて

3代目チェロキーの4WDシステムは「セレクトラック」と呼ばれる、メカ式のセンターデフを備えたもの。フルタイム4WDモードに加えて、悪路用の前後直結モードもあり、さらに1:2.717のローギアレンジも備えている。現在販売されているメジャーなSUVの中では、かなりオフロード指向の強い駆動システムだ。

またフロントのサスペンションは独立式のダブルウイッシュボーンだが、リアはリジッドで、サスペンションストロークも長い。取材担当者は2005年当時、メーカー主催のイベントでこのジープ・チェロキーを特設オフロードコースで走らせているが、よほど無茶な状況でもない限り、ラングラー(こちらは「コマンドトラック」と呼ばれる旧き良きパートタイム4WD)あたりとの性能差はなく、むしろチェロキーの方が快適に走り抜けることが出来る。

 

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車名  Jeep Cherokee Extreme Sport (2004年式)
形式  GH-KJ37
寸法  全長4495mm×全幅1820mm×全高1820mm
ホイールベース  2650mm
車重    1860kg
駆動方式  パートタイム4WD
エンジン  3.7リッターV型6気筒SOHC・2バルブ
最高出力  204ps(150kW)/5200rpm
最大トルク 31.3kgm (307Nm)/4000rpm

トランスミッション  4AT
使用燃料/容量  レギュラーガソリン / 73L
10・15モード燃費  6.6km/L
タイヤ      235/70R16
最小回転半径   5.5m
発売時期     2001年10月 (特別限定車エクストリームスポーツは2004年3月)
当時の新車価格  321万3000円(消費税込み、2004年4月 特別限定車エクストリームスポーツ)

試乗車スペック


初年度登録  2004年4月
販売価格   119万円(消費税込み)
走行距離   3万8000km
ボディカラー ブライトシルバーメタリック
備考     特別限定車(ハーフレザーシート、アルミホイール、レザーステアリング、スペアタイヤカバー、クルーズコントロール等を装備)、ワンオーナー、ETC、CDチェンジャー
試乗日    2009年11月

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2003年以降がおすすめ。「レネゲード」に注目

オートプラネット名古屋にて。奧は今回のチェロキー(119万円)、手前はシボレー・トレイルブレイザー(139万円)

3代目チェロキーの販売期間は2001年から2008年までの約7年間。グレードは「スポーツ」「レネゲード」「リミテッド」の3種類だが、パワートレインは共通なので、購入の決め手は外観、装備、価格、そして現車を見た時の印象でいいだろう。ただ2003年モデルからはリアブレーキが全車ドラムからディスクになっており、やはり耐フェード性や制動力の安定性などの点から、4輪ディスク化された2003年以降のモデルがベターだ。

また、ベースグレードの「スポーツ」だと装備や外観がやや淋しいので、その点では今回試乗した限定車「エクストリームスポーツ」(計200台が日本で売られた)やワイルドな外観の「レネゲード」、そして最上級の「リミテッド」などがいいだろう。たぶん、Uカー相場も「スポーツ」とそう変わらないはず。個人的にはグレード名も含めて「レネゲード」(背教者とか裏切り者とかいった意味)がおすすめ。

万が一の走破性で選べば、答えは自ずと決まる

ML350の時も書いたように、このクラスの輸入SUVはかなりの激戦区。その中から悪路走破性の高さで選べば、東の横綱がランドローバー、西の横綱がジープといったところか。もちろんトヨタ・ランドクルーザーやドイツのVWトゥアレグなどもあるが、「SUV専門ブランド」の看板で勝負しているのは、ランドローバーとこのジープだけなのだ。

そのジープの中でも、チェロキーは日常的な使い勝手を重視したモデルで、おそらく巷の認識以上に街乗りもしやすく、機能的でもある。それでいてFF(フロントエンジン・フロントドライブ)をベースにしたSUVとは根本的に出自が異なり、悪路走破性に関しても妥協がない。少なくともこのチェロキーが開発された当時、ジープ車は市販前に必ずカリフォルニアにあるクロカンコース「ルビコントレイル」を走破できなければならなかったはず。凝った4WDシステムや一見コンサバティブなサスペンションも、全てはそこを走破するために必要だったということだ。

何事もなく走り切るか、スタックして地獄を見るか。それがジープと他のライトクロカンとの違いだ

もちろんトヨタ・RAV4や日産エクストレイル、あるいはホンダ・CR-Vといった、旧い言葉で言えば「ライトクロカン」系とチェロキーをついつい比べてしまうのは仕方ない。しかし目指しているものが根本的に異なるという点は了解しておきたい。それが「見た目だけでは分からない」という点に、ジープ側の悩みもあるわけだが。

悪路走破性を図る場合、どこからが本格で、どこからが非本格かを線引きするのは難しい。しかしリアルワールドで重要なのは、結局のところスタック(悪路で動けなくなってしまうこと)せずに、無事帰って来れるかどうか、の1点に尽きる。その点では「道なき道」に挑みでもしない限り、チェロキーで期待を裏切られることはないだろう。

 

Text:Kei Niwa, DAYS
photo:DAYS


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