HOME > Ucar Libray >2005 メルセデス・ベンツ ML350 >

Uカー試乗記

Uカー試乗記

掲載日 : 2009年11月17日

2005 メルセデス・ベンツ ML350

h1.jpg

history-h.gif

1997年にアメリカで誕生。2代目は2005年から

今回試乗したのは2005年式のML350

初代Mクラス(W163型)は1997年にデビュー。もとは軍用車上がりのGクラス(ゲレンデヴァーゲン)を除けば、これがメルセデス・ベンツ初のSUVであり、同時に初めてドイツ国外での生産車(北米アラバマ州のタスカルーサ工場)となった。累計販売台数は約65万台に上ったという。

今回の2代目(W164型)は2005年にデビュー。日本では同年10月に発売された。当初は3.5リッターV6・DOHC(272ps、35.7kgm)の「ML350」と5リッターV8・SOHC(306ps、46.9kgm)の「ML500」でスタート。変速機はいずれも7AT「7G-Tronic」。当初の価格はそれぞれ693万円と945万円だった。

 
モデルの総称名は「Mクラス」だが、個別のモデル名は「ML○○」となる

デビュー翌年の2006年10月には、6.2リッターV8・DOHC(510ps、64.2kgm)+7ATの「ML63 AMG」(1365万円)を追加。またこの時からサイドビューカメラが採用され、左フェンダー上の補助ミラーが廃止された。また通常モデルの名称末尾に4WDであることを意味する「4MATIC」が付くようになった(もちろん従来モデルも4WDだが)。

2007年12月にはML500に代えて、新設計の5.5リッターV8・DOHC(387ps、54.0kgm)を積んだ「ML550 4マチック」を新設定。2008年10月には、内外装の変更や装備向上などのマイナーチェンジを実施し、2009年11月現在も販売中だ。(2009.11)

 
 

graph.jpg

outside.gif

初代より少し大きく、質感は大幅に向上

試乗車のボディカラーは定番のオブシディアンブラック。傷が付きにくいナノ粒子クリアコートが施される

ボディサイズは全長4790mm×全幅1910mm×全高1815mmで、初代より全長は145mm、ホイールベースは95mm、全幅は75mm大きい。「巨大」という印象はそれほどないが、車重は2.1~2.2トンもあるヘビー級だ。

デザイン的には初代の雰囲気を受け継ぐ2代目だが、質感は大幅に高まり、高級感が漂う。初代Mクラスも途中でどんどん改良され、最終モデルでは見違えるようになったが、品質感という点で言えば2代目は別格。それが率直な印象だ。

 
最低地上高は210mm、渡河深度は500mm。ML500のオフロードパッケージ車はエアサスでさらに110mmアップ可
標準タイヤは235/65R17。ML500のオフロードパッケージ車は255/55R18、スポーツパッケージ車は255/50R19となる
バイキセノンヘッドライトとアクティブライト(舵角に応じて左右に最大12度可変)は全車標準。スポーツパッケージ車のグリルはシルバーになる
 

inside.gif

メルセデスらしく、かつアメリカンでもある

シフトレバーを廃してセンターコンソールはすっきり。DVDナビは全車標準。日本向け2代目Mクラスのハンドル位置はすべて右だ

メルセデス・ベンツのSUVとして、納得の質感を備えたインテリア。随所にオレンジ色の間接照明を配するなど、アメリカ向けらしいラクシャリー感もある。またSクラスと同時期に電子制御シフトレバー「ダイレクトセレクト」を採用した点などからも、2代目Mクラスに対する開発陣の意気込みが伝わってくる。

なお、試乗したML350のフルレザーシートやウォールナットウッドパネルは、オプションのラグジュアリーパッケージ(新車当時42万円)に含まれるものだ。これを装着すると内装はほぼML500並みとなる。また駐車支援システムの「パークトロニック」は基本的に全車オプションで、今回の車両には非装着だった。

 
メーター内にはアナログ時計やシフトポジション表示が備わる
現行Sクラス(2005年~)やEクラス(2009年~)にも採用された「ダイレクトセレクト」
ラグジュアリーパッケージ(当時42万円)のレザーシート。スポーツパッケージ(31万5000円)ではアルカンタラ/レザーのスポーツシートになる
 
パーキングブレーキは従来通り足踏み・手戻し式
後席の折り畳み方は2:1分割のダブルフォールディング。ヘッドレストは脱着不要
快適な後席。エアバッグは計8個で、後席にはサイド&ウインドウエアバッグが備わる


 

床下には巨大な応急用スペアタイヤが収まる
拡大時は最大1830リッター。奥行きは1905mm(ヘッドレスト位置で1703mm)
5名乗車時の容量は551リッター。奥行きはカタログ値で1063mm(ヘッドレスト位置では813mm)、幅は1027mm
 

imp.gif

「ダイレクトセレクト」が便利

ボディのモノコック化によって「今どきのSUV」らしいスムーズな走りを見せる2代目Mクラス

サンプルカーは2005年式のML350で、2代目の初期モデル。試乗時点で約4年落ち、走行距離は3万7500kmで、フロントタイヤがかなり減っていたが、内外装のコンディションは良好(AISの評価点は4.5)。販売価格は当時の新車価格である735万円(ラグジュアリーパッケージ込み)に対して418万円だ。

2代目Mクラスに乗るのは今回が初めてだったが、電子式シフトレバーの「ダイレクトセレクト」に関しては、現行SクラスやEクラスと同じなので、割とすんなり馴染める。レバーを軽く下に押せば「D」、上に上げれば「R」、頭をプッシュすれば「P」に入る単純明快な操作方法で、慣れるととても便利。相変わらずパーキングブレーキが足踏みなのは残念だが、これは新型Eクラスでも同じだ。

3.5リッターV6+7ATのパワートレイン、モノコックシャシー

ML350は定評のある3.5リッターV6・DOHC+7ATを搭載

エンジンは形式名「272」の3.5リッターV6・DOHCで、変速機は「7Gトロニック」こと7速AT。車重はこのML350で2120kgもあるが、EクラスやCLSクラス、Sクラス等でおなじみのこのパワートレインは必要十分な動力性能を発揮する。また、外からは見えないが、新旧で根本的に異なるのが、先代のラダーフレーム式に代えてフルモノコック化されたシャシーだ。これによりSUV特有のユサユサした動きはなくなり、操縦性は素直に、乗り心地はスムーズになっている。

試乗中に少々気になったのは、停止する際などに燃料がタンク内で揺れる音がすること。普通は中に仕切りがあって、音がしないようになっているのだが。ちなみに燃料タンク容量は95リッターで、試乗車には半分ほどガソリンが入っていた。

悪路対策もばっちり

サスペンションは前がダブルウイッシュボーン、リアが4リンク。フルタイム4WDで走りも安定している

なお、Mクラスではオフロード走行にも備えて「オフロードABS」(多少のブレーキロックを許す)や降坂用の速度制御システムなど、様々な制御プログラムを備えている。またML500にはオプションで、車高調整機能付のエアサスや電子制御デフロック(前後と後輪左右を最大100%ロック)、ローレンジモードなどを備えた「オフロードパッケージ」も用意されていた。

 

spec.gif


車名  Mercedes-Benz ML350 Luxury Package (2005年式)
形式  DBA-164186
寸法  全長4790mm×全幅1910mm×全高1815mm
ホイールベース  2915mm
車重    2120kg
駆動方式  フルタイム4WD
エンジン  3.5リッターV型6気筒DOHC・4バルブ
最高出力  272ps(200kW)/6000rpm
最大トルク 35.7kgm (350Nm)/2400-5000rpm

トランスミッション  7AT
使用燃料/容量  プレミアムガソリン / 95L
10・15モード燃費  7.9km/L
タイヤ      235/65R17
最小回転半径   5.5m
発売時期     2005年10月
当時の新車価格  735万円(消費税込み、ラグジュアリーパッケージ含む)

試乗車スペック


初年度登録  2005年11月
販売価格   418万円(消費税込み)
走行距離   3万7500km
ボディカラー オブシディアンブラック
備考     ラグジュアリーパッケージ装着車、ワンオーナー、ETC
試乗日    2009年10月

advice.gif

2代目で完成したMクラス。おすすめはML350

オートプラネット名古屋に並ぶML350。右が今回試乗した05年モデル、左は07年モデルのスポーツパッケージ車

品質面では評価の芳しくなかった初代Mクラスだが、この2代目はスタイリング、内装、装備、信頼性などの点で、メルセデス・ベンツの名誉を挽回するモデルと言ってもいいだろう。メルセデス・ベンツらしさはこのあたりから戻ってきたのだな、とあらためて思えた。

その2代目Mクラスの中でも特におすすめは今回試乗したML350だ。完成度の高いパワートレインと適度な性能がその理由で、7.9km/Lという10・15モード燃費もML500(6.2km/L)やML550(6.3km/L)に対して3割近く優れている。航続距離で言えば100kmから150kmは違ってくるはずだ。

 
電動リアゲートもオプションで用意されている(試乗車は未装着)

V8モデルなら2008年モデルからの「ML550」がいい。ML500のSOHC・3バルブから新設計のDOHC・4バルブになるなど、エンジンの進歩幅が比較的大きいからだ。

2006年秋以降(2007年モデル)だと、サイドビューカメラの採用によって日本特有の補助ミラーが省かれるので、スタイリングを気にする向きはこれ以降がいいだろう。また2009年モデルからは「コマンドシステム」が採用され、ナビ等の操作性も向上している。

 

Text:Kei Niwa, DAYS
photo:DAYS


ucaravenue-b.gif

 

ページの先頭へ戻る