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掲載日 : 2009年12月24日

2005 BMW X3 3.0i

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3シリーズベースのミドルクラスSUV

「SAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)」の第2弾として2004年に発売されたX3 (写真:BMWジャパン)

2004年にデビューしたBMWの「X3」(E83型)は、3シリーズ(E46型)をベースに開発されたミドルクラスSUV。1999年に発売された初代X5(E53型)に続くBMW製SUVの第2弾だ。

もっとも、X3とX5はSUVでありながらも、オンロード性能を追求したモデルであり、BMWは他社のSUVと区別して「SAV」(スポーツ・アクティビティ・ビークル)と呼んでいる。いずれも駆動方式はFRベースの電子制御式フルタイム4WD「xDrive(エックス・ドライブ)」で、日本仕様のエンジンはX3の場合、BMWの代名詞とも言える直列6気筒のみだ。

なおX5の生産は米国サウスカロライナ州のスパータンバーグ工場で行われているが、X3の生産は欧州オーストリアのマグナ・シュタイア社(旧シュタイアプフ社)に委託されている。4WD車や軍用車両の開発・生産を得意とする同社はメルセデス・ベンツ(ダイムラー社)との関係が深く、Gクラス(ゲレンデヴァーゲン)の生産でも有名だ。

2004年夏に日本発売。2006年にパワートレインを刷新

今回試乗したX3 3.0i(2005年式)。色は人気のアルピンホワイト

日本では2004年7月に発売。当初のラインナップは「2.5i」(192ps、25.0kgm)と「3.0i」(231ps、30.6kgm)で、いずれも5AT。価格はそれぞれ513万円と573万円で、オプションで「スポーツ・パッケージ」や「ナビゲーション・パッケージ」、途中から「M-Sportsパッケージ」等が設定された。

 
無塗装のバンパーはBMWが昔から好むものだが(リサイクル性も高い)、マイナーチェンジ以降はボディ同色部分が増えている

2006年10月にはマグネシウムとアルミニウムを併用した新世代の直列6気筒エンジンと6速ATを搭載。グレード名も「2.5si」(218ps、25.5kgm)と「3.0si」(272ps、32.1kgm)に変更された。この改良を境にして、初代X3を前期、後期と分けることができる。

2008年11月には再びグレード名を変更。4WDであることを強調した「xDrive 25i」、「xDrive 30i」となり、2009年12月現在も販売中だ。

 

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スポーティなスタイル、斬新な意匠

比較的ロングノーズで、引き締まったスタイリングが特徴のX3

ボディサイズは全長4565mm×全幅1855mm×全高1675mm、ホイールベース2795mm。初代X5より100mm短く、65mm低いが、全幅は15mm、ホイールベースは25mm小さいだけで、意外に差は小さい。ただし大型化した2代目X5(2007年~)との比較では、それぞれ-295mm、-80mm、-110mm、-140mmと、差が一気に広がっている。

デザインは独特だ。X3では3シリーズ譲りのロングノーズが活かされ、そこに「錨(いかり)」のような形のヘッドライトと、それと相似形のリアコンビランプを採用。さらにリアクォーターウインドウの後端をキックアップさせるといった小技で、斬新な意匠に挑戦している。

 
標準タイヤはオールシーズンタイプ(マッド&スノー)。サイズは「3.0i」が235/50R18、「2.5i」が235/55R17
ヘッドライトとシンメトリー形状のリアコンビランプ
当初バイキセノンは全車オプションだったが、2005年から3.0iに標準化された
 

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機能美で迫るインテリアデザイン

「3.0i」には左ハンドル仕様も用意されたが、それ以外の日本仕様は全車右ハンドル

黒基調のダッシュボードとアルミパネルのインパネは、少々素っ気ないが、男らしくて精悍とも言える。小手先の高級感を追わず、徹底した機能美で迫ってくるところがBMWらしい。メーター、操作系、オルガン式のアクセルペダル、カチッとした座り心地のシートなど、全てがBMW流であり、要するにBMWが好きな人にはサクッと馴染める空間だ。

 
かつての瞬間燃費計こそ消えたが、相変わらずシンプルで機能に徹したメーター
レバー先端の「BC」ボタンを押して、ボードコンピューターの表示を切替する
オプションのDVDナビ+電動格納式6.5インチモニター。iDriveはなくスイッチで操作
 
電動シートは当初オプションだったが、2005年から「3.0i」には標準装備
アクセルペダルは国産車にも最近採用例の多いオルガン式
MTモード付のシフトレバー。BMWは押してダウン、引いてアップ

3シリーズより広いキャビン、使いやすい荷室

後席は3シリーズより格段に広い。中央席を倒すとドリンクホルダー付アームレストになる

ベースとなったE46型3シリーズは後席足もとの狭さが欠点だったが、X3は室内高が高まったことで、空間は十分なものになっている。一つ気になったのは、着座位置が高いせいで、乗り降りがしにくいこと。特にサンプルカーでは、降りるときにオプションのサイドステップが少々じゃまに感じられた。

 
荷室にバッテリーを置くのは、前後重量配分にこだわるBMWではお約束。スペアタイヤは車体底に吊り下げる
背もたれを倒せば1560リッターに拡大。フラットにはならないが操作は簡単だ
スクエアな形状の荷室は容量480リッター。左側面にDVDナビ本体、右側面にDC12V電源と三角停止表示板を備える


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スポーツカー並みにパワフルな3.0i

「3.0i」のパワー感は、ライバル車の3.5~4リッタークラスに匹敵する

試乗したのは2005年式の「3.0i」。新車時の価格はオプション込みで600万円オーバーだったはずだが、新規登録から4年半、走行1万8900kmを経たサンプルカーの販売価格は298万円。ワンオーナーで、コンディションも申し分ない。

X3に試乗するのはデビュー当時の「2.5i」以来だが、今回驚いたのが「3.0i」のパワー。SUVだと思って舐めていると、面食らうほど速い。回すほど盛り上がるパワー感、緻密な回転感覚、エンジン音、スムーズさなど、ほとんどスポーツカー並みで、今回一緒に試乗した2007年式のメルセデス・ベンツC250(2.5リッターV6・7AT)よりも、だんぜん速い。

ただしばらく試乗していると、レスポンスがやや過剰と言うか、少々せわしない感じもないではない。スリップ感の強い5ATのせいもあって、アクセルを丁寧に踏んでもグワッとパワーが出てしまう。落ち着いて乗りたい向きには「2.5iもありだなあ」と思えた。

乗り心地は、心配無用

操縦性、快適性、共にセダン系にまったく遜色ない

重心や視点は高いが、運転感覚は3シリーズの標準的なモデルに近い。SUVとしてはクラスに関わらず、アウディQ5あたりと並んで最もスポーティな(セダン的な)クルマだと思う。

また最小回転半径は5.8メートルと特に小さくはないが、意外に小回りが効き、Uターンもほぼ思った通りに出来た。ただしパワーステアリングは今の基準からすると少し重め。これは2.5iでもそうで、新車時からのものだ。どうやらオプションでサーボトロニック(速度感応式パワステ)を装着した車両だと、軽いらしい。

乗り心地に関しては、以前乗った2.5iのスポーツサスペンション仕様はかなり硬めで、巷でもそう評されることが多かったが、今回試乗したX3は適度にアタリが付いていたせいか、一切そんな印象を受けなかった。少なくとも標準サスペンションの乗り心地はとても良い。

なお標準装着タイヤはBMW定番のランフラットではなく、通常タイプのオールシーズン(別名マッド&スノー)。オプションのスポーツサスペンション仕様だと、サマータイヤが標準になる。

メインフィールドは舗装路だが

あくまでオンロードを得意とするX3だが、ウエット路や圧雪路では強いはず (写真:BMWジャパン)

X3の「xDrive(エックス・ドライブ)」は、後輪駆動ベースの電子制御・多板クラッチ式フルタイム4WD。通常走行時の前後トルク配分はおよそ40:60だが、アンダーステアが強まると0:100までリア寄りにするという、いかにもBMWらしいものだ。

X3の場合は、サスペンションストロークや対地クリアランスが限られるため、得意とするフィールドは、路面状況の良くない高速道路、雪に覆われた舗装路、平坦な未舗装路などになる。スタッドレスさえ装着すれば、スキードライブに最適だろう。

逆に凹凸の激しい不整地での走破性は苦手と言えるが、かつて傘下にあったランドローバー譲り?のヒルディセントコントロール(下り坂で自動的に速度調整や姿勢制御を行う)を備えるなど、電子制御システム自体は十分に高度だ。ウンチクとしては、あのマグナ・シュタイア製であることも心強いところ。

 

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車名  BMW X3 3.0i (2005年式)
形式  GH-PA30
寸法  全長4565mm×全幅1855mm×全高1675mm
ホイールベース  2795mm
車重    1790kg
駆動方式  フルタイム4WD
エンジン  3.0リッター直列6気筒DOHC・4バルブ
最高出力  231ps(170kW)/5900rpm
最大トルク 30.6kgm (300Nm)/3500rpm


トランスミッション  5AT
使用燃料/容量  プレミアムガソリン / 67L
10・15モード燃費  7.6km/L
タイヤ      235/50R18
最小回転半径   5.8m
発売時期     2004年7月
当時の新車価格  573万円(消費税込み、オプション含まず)


試乗車スペック

初年度登録   2005年5月
販売価格    298万円(消費税込み)
走行距離    1万8900km
ボディカラー  アルピンホワイト
備考      ワンオーナー、純正DVDナビ・TV、サイドステップ、CDチェンジャー、ETC
試乗日    2009年12月


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草食系男子には2.5で十分?

オートプラネット名古屋に並ぶX3とポルシェ・カイエンターボ

初代X3に関しては今のところ、2004年夏~2006年秋までの前期型、そして2006年秋以降の後期型に大別できる。前期と後期は排気量こそほぼ同じだが、エンジンは別物。変速機も5ATから6ATにバージョンアップされている。要するにパワートレイン一式がE90型3シリーズ(2005年~)で採用された新世代ユニットに刷新されているわけだ。

残念ながら後期型には乗っていないが、E90型3シリーズの印象から想像すれば、その燃費性能や細かな変速制御が後期型のいい点だろう。また前期モデルの黒いバンパーが気になるという向きにも、無塗装部分が減った後期型は魅力的に思えるはずだ(ただし前期、後期共にボディ同色仕様もある)。細かいところでは、純正ナビも前期途中でDVDからHDD化されている。

 
(写真:BMWジャパン)

ただ、どれも決定的な違いではないから、実際には現車を見て、仕様やオプション装備、ボディカラー、コンディション、価格といったあたりで選んでしまっても構わないと思う。

もう一つ選択すべき点は、「2.5リッターか、3リッターか」だが、少なくとも前期型の「2.5i」と「3.0i」に乗った限り、草食系?の取材担当者個人は、BMWのストレートシックスが十分に味わえる2.5リッターで満足できると思った。このあたりは好みや用途次第だが、パワー指向が強くない人なら多分同じ意見になるだろう。

 

Text:Kei Niwa, DAYS
Photo:DAYS


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