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掲載日 : 2010年03月31日

2004 プジョー 206 ローラン・ギャロス

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全仏オープンをイメージした上級グレード

今回試乗したのは206の中でも特に人気のあった「ローラン・ギャロス」

1998年に欧州でデビュー、日本では1999年に発売され、3ドア、5ドア、ワゴンの「SW」、電動メタルトップオープンの「CC」など、様々なバリエーションで展開した206(ニーマルロク)シリーズ。今回とりあげるのは、2002年9月に限定車という形で登場し、後に標準ラインナップとなった5ドアハッチバックの上級グレード「ローラン・ギャロス」だ。

その名は1984年からプジョーが公式スポンサーとなっているテニスの世界四大トーナメントの一つ、全仏オープンの正式名(会場名)に因んだもの。テニス用語に引っかけた専用ボディカラー「タイブレーク・グリーン」に、テニスコートをイメージしたグリーンとタンの2トーンレザー内装、さらにパノラミックルーフ等を奢った豪華なモデルで、価格は消費税抜きで220万円。当初は400台限定の予定だった。

人気沸騰。カタログモデルへ昇格

206CC ローラン・ギャロス
(写真:プジョー・シトロエン・ジャポン)

翌2003年5月には、再び150台限定で発売。同時に206CCにも100台限定でローラン・ギャロス(消費税抜きで286万円)が設定された。

ところがこれがすぐに完売となってしまったため、わずか2ヵ月後の2003年7月には両ローラン・ギャロスをカタログモデルへ昇格。最終的には2005年まで販売された。2007年末まで約9年間にわたって販売された206シリーズだが、そのうちローラン・ギャロスの販売期間はおおよそ3年間となる。

 

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プジョー流の「小さな高級車」

専用色「タイブレークグリーン」が魅力のローラン・ギャロス

外観上の特徴は、何と言っても「タイブレークグリーン」と呼ばれる深いメタリックグリーンのボディカラー。これが206の可愛らしい雰囲気に、大人っぽさを加味して、ローラン・ギャロス独特のカワオトナっぽさ?を演出している。またチラリと見える2トーン内装の「アレザン」というタンカラーも外観上のアクセントだ。さらに左右ドアパネルの「Roland Garros」公式ロゴバッジが、テニスつながりのデザインテーマをアピールしている。

またルーフにはスモークガラスの「パノラミックルーフ」、足もとには14インチアルミホイールを標準装備。全体から漂う質感も上級クラス並みで、フランス車が得意とする、いわゆる「小さな高級車」になっている。

 
5ドアハッチのRGは185/65R14タイヤとアルミホイールを履く
ルーフのほぼ全面をガラスが覆うパノラミックルーフを標準装備
ドアパネルにはフレンチ・オープンの正式名称「Roland Garros」の公式ロゴバッジ

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テニスコートをイメージした2トーンのレザー内装

アレザン色のレザーが贅沢に使われるインテリア。限定車の時はホワイトメーターだったが、カタログモデルはブラックメーター

フルレザーのシートは、テニスコートをイメージしたというグリーンとアレザン(タン)の2トーンカラー。グリーンはもちろん芝、アレザンは全仏オープンならではのクレーコートだ。フランス製の有名ブランド皮革製品に通じる、レザーのナチュラルな風合いや色合いがいい。背もたれには「Roland Garros」の刺繍ロゴが入り、フロアマットもローラン・ギャロス専用となる。

久々に206にじっくり触れて感じたのは、室内がとてもタイトなこと。前席のドアアームレストなどは、まるで体に添うように内側に出っ張り、その上に腕が楽にのるほど。最初は少し狭く感じるが、しばらくすると実はこれくらいの方がクルマとの一体感が得られる、ということにも気づかされる。

 
 
シートは「Roland Garros」ロゴの刺繍入り。背もたれクッションが妙に出っ張っているが、しばらく座っていると馴染んでくる
レザーシートのサポートは高め。サイドエアバッグを内蔵する
後席は頭上こそタイトだが、足もとは広く、座り心地は良好。3座分の3点式シートベルトとヘッドレストを備える
 
スペアはフランス製小型車に多い吊り下げ式。荷物を積んだままタイヤ交換できる
後席はダブルフォールディングで収納。ヘッドレストを外した方がきれいに倒せる
後席からの開放感に貢献するパノラミックルーフ。電動シェードで100%遮光もできる

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諸性能は90年代的だが、パーソナル感が楽しい

街乗りもいいが、むしろある程度の高速巡航で真価を発揮する

試乗車は2004年式で、初年度登録から6年弱、走行距離は1万9900km。販売価格は当時の新車価格(233万1000円)に対して、およそ半額の119万円だ。年式の割に高めだが、それだけローラン・ギャロスには人気があり、当車両のコンディションもイイということだろう。

206に乗るのは久しぶりだったが、身も蓋もない言い方をすれば、その印象はおおむねこの時代とこのクラスのフランス車に共通するもの。基本設計は1990年代後半なので、やはり運転感覚も1990年代的だ。

例えばその1.6リッター直4エンジン(108ps、15.0kgm)は、可変バルブや電子制御スロットルが当たり前の2010年基準で言うと、やや低回転域のトルク感が薄め。ただ、車重は1110kgとやはり1990年代的に軽いので、少々うるさいのを無視して上まで回せば、それなりにパワフルで速い。ボディがコンパクトなせいか、運転感覚は何となく往年のFFクーペ的だ。

 
1.4リッター等もある206だが、ローラン・ギャロスは1.6リッター・4AT仕様のみ

旧世代の4ATには多少のシフトショックこそあるものの、よく俎上に挙げられるシフトプログラムの方は、ほとんど気にならなかった。減速時に相変わらず律儀にシフトダウンしてくれるのも、個人的には好ましく思える。

シャシー関係は、ものすごく乗り心地がいいとか、ドイツ車(VWポロとか)みたいに剛性感があるとか、ではないが、フレンチコンパクトらしくボディが小さい割にフラットな姿勢を保ち、路面からのショックを遮断するのが得意なタイプ。一昔前の国産FFコンパクトカーのような薄っぺらさや軽々しさはなく、その気になれば追越車線をそこそこのペースで、ヒタヒタと走ってくれる。むしろ60km/h以下のタウンスピードではなく、ちょっとハイペースの方が素性の良さを実感しやすい。

 

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車名  Peugeot 206 Roland Garros (2004年モデル)
形式  GH-T16RG
寸法  全長3835mm×全幅1675mm×全高1450mm
ホイールベース  2440mm
車重    1110kg
駆動方式  前輪駆動(FF)
エンジン  1587cc 直列4気筒DOHC・4バルブ
最高出力  108ps(80kW)/5800rpm
最大トルク  15.0kgm (147Nm)/4000rpm


トランスミッション  4速AT
使用燃料/容量  プレミアムガソリン / 50L
10・15モード燃費  11.8km/L
タイヤ      185/65R14
最小回転半径   4.9m
発売時期     1999年5月(206)、2002年9月(ローラン・ギャロス)
当時の新車価格  233万1000円(2004年モデル)


試乗車スペック

初年度登録   2004年8月
試乗日     2010年3月
販売価格    119万円
走行距離    1万9900km
ボディカラー  タイブレークグリーン
備考      CDチェンジャー、ETC
AIS評価点    4.5

 


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中途半端なものは作れなかった

オートプラネット名古屋内には、プジョーの認定中古車を扱う「アプルーブドサイト東郷」(0561-37-5333)もある

1999年の発売以来、一世を風靡した(というと大げさだが)206。このキュートなデザインが好きで買った人、欲しかったけど買えなかった人、今でも欲しいと思っている女性は多いと思う。「“クルマ”は好きじゃないけど、206は好き」という具合に、幅広い層から支持されたヒット車だ。

中でも今回のローラン・ギャロスは特に魅力のある仕様。単にアース系というだけでなく、テニスコートをモチーフにしたカラーコーディネイト、質感豊かなレザー内装、パノラミックルーフをセットにした作りは、かなりのこだわりを感じさせる部分。おそらく由緒ある「ローラン・ギャロス」の名を使う以上、中途半端なものは作れなかったのでは、と推測する。特別仕様車にもいろいろあるが、まれに見る傑作だと思う。

購入する場合は、当然ながら年式はより新しく、走行距離はより少ないものを選びたい。中でもレザーシート、特に運転席の状態は、実車を見て確認を。サイドサポートが高めなので、どうしても乗降時に擦れやすいし、色がタンカラーのため前オーナーが黒っぽいジーンズなどを履いていたりすると色が移っていることがあるからだ。

フランス流「小さな高級車」のおすすめ

「タイブレークグリーン」が目印のローラン・ギャロス。ブローニュの森(写真は東郷の森?)にもよく映える

なおローラン・ギャロス以外のグレードを選ぶ場合でも、「シエロ」などのパノラミックルーフ付はおすすめ。ガラスルーフは夏暑そう、と敬遠する人がいるが、206のパノラミックルーフは完全に光を遮る電動シェイド付なので大丈夫。仮に閉めっぱなしでも、スタイリングは断然ガラスルーフ付の方がよく見える。

いずれにしても、こういった小粋で高級感のあるコンパクトカーは日本車が不得意とするジャンル。今回の車両は119万円だが、街にあふれる国産コンパクトカーの新車価格もだいたい同じくらいだ。ならば一度、こうしたフランス流「小さな高級車」の世界を味わってみる方が、だんぜん楽しいと思う。フランスに2、3週間旅行にでも行くような感覚で、ワクワクしながら気に入った一台を選んで欲しい。

 


Text:丹羽 圭(Kei Niwa), DAYS
Photo:DAYS

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