掲載日 : 2010年04月20日
2005 プジョー 307 XSi
プジョーの上級コンパクト
プジョー307は、いわゆるCセグメントクラスのコンパクトカー。同期のライバルは4代目VWゴルフ、シトロエンC4、2代目ルノー・メガーヌなどなど。フランスではポピュラーなモデルで、欧州カー・オブ・ザ・イヤーも受賞している。
このクラスの例にもれず、ボディバリエーションは豊富で、3ドアと5ドアのハッチバックのほか、ステーションワゴンの「307ブレーク」「307 SW」、2ドア電動メタルトップオープンの「307 CC」などがある。
日本では2001年10月に発売され、徐々にバリエーションを拡大。2005年11月にシリーズ全体でマイナーチェンジを実施し、2008年に販売を終了した。よって販売期間は約7年間に及ぶ。
前期型ハッチバックは計4グレード
今回試乗したのは前期型の5ドアハッチバック。当時のグレード体系は、1.6リッターの「スタイル」、2.0リッターの「XT」「XS」「XSi」の4種類。なおマイナーチェンジ後は、「フェリーヌ(1.6)」、「フェリーヌ 2.0」、「フェリーヌ 2.0S」、最上級の「グリフ」、そして177psの「フェリーヌ スポーツ」(5MTのみ)といった並びになる。
なお、一部グレードには3ドア(2003年途中まで)や5MTも用意されたが、言うまでもなく日本での販売主力は5ドアと4ATの組み合わせだ。

10年経っても古くない
前期も後期も関係なくボディサイズは全車同じで、全長4210mm×全幅1760mm×全高1530mm。デビュー当時は、コンパクトカーの割に大きく見えたこのサイズも、今やこのクラスのスタンダードだ。その点で307シリーズのスタイルやパッケージングは、間違いなく時代を先取りしていた、と言える。
最新モデルに遜色ない広々感
普段ミニバンに乗っている人でも、狭いとは一切思わないだろう。それくらい307のインテリアは広々している。それが前述したカー・オブ・ザ・イヤー受賞の大きな理由の一つだ。その広々感は、まだまだ最新モデルに負けていない。
インテリアのデザインはプジョーらしくシンプルかつ上品なもの。ドイツ車ほど野暮ったくなく、イタリア車ほど気取っていない、と言うとオーバーだが、肩の凝らないオシャレさは、昔からフランス車の得意とするところだ。
6エアバッグやアクティブヘッドレストを標準装備
デビューは2001年だが、安全装備の充実ぶりは2010年基準でもまったく問題ない。エアバッグはフロント、サイド(前席)、カーテンエアバッグの計6個を標準装備し、前席には追突時にむち打ちを防ぐアクティブシートバック&ヘッドレストも備える。今現在、国産新車を200万円出して買っても、これらが標準装備かどうかは、かなり怪しいところだ。
まさに7番台の走り
試乗車は2005年式の「XSi」で、初年度登録から4年半、走行距離は2万7200kmだ。新車当時の価格は291万9000円だったが、当車両の販売価格は119万円となっている。
いわゆる307前期型の最終モデルではあるが、307の場合は、前期と後期で中身はさほど変わらず、大ざっぱに言えば、印象にも大差はなし。要するに何の不足もない。むしろ試乗車の場合は、高年式でコンディションが良かったせいか、3年落ちくらいの後期型のような気さえした。設計年次が10年前のクルマとは思えない。
乗り心地も上々で、205/50ZR17なんていう大径タイヤの存在を感じさせないもの。4ATも日本車と大差なくスムーズに変速し(もちろんフランス流に減速時にシフトダウンは行うが)、アクセルを踏み込めば速やかにキックダウンし、スムーズに加速してくれる。
総じて、その乗り味は最近試乗した407(2006年式の2.2)にかなり近い感じ。206や406といった6番台シリーズとは一線を画し、明らかに207や407、そして308といった現行シリーズに近い、というのが率直な感想だ。
車名 Peugeot 307 XSi (2005年式)
形式 GH-T5RFN
寸法 全長4210mm×全幅1760mm×全高1530mm
ホイールベース 2610mm
車重 1300kg
駆動方式 前輪駆動(FF)
エンジン 1997cc 直列4気筒DOHC・4バルブ
最高出力 137ps(100kW)/6000rpm
最大トルク 19.4kgm (190Nm)/4100rpm
トランスミッション 4速AT
使用燃料/容量 プレミアムガソリン / 60L
10・15モード燃費 10.4km/L
タイヤ 205/50ZR17
最小回転半径 5.4m
発売時期 2001年10月
当時の新車価格 291万9000円(2004年4月発売モデル)
試乗車スペック
初年度登録 2005年9月
試乗日 2010年4月
販売価格 119万円
走行距離 2万7200km
ボディカラー オブシディアン・ブラック
備考 ワンオーナー
AIS評価点 -
「7」の数字はダテじゃない
前々回では206、前回は407、そして今回は307と、同世代のプジョー3兄弟に続けて乗ってみたUカー試乗記。これらを販売時期の順に並べてみると、206(1999年~2007年)、307(2001年~2008年)、407(2005年~ ※いずれも発売年は日本市場)となり、307はけっこう設計年次の古いモデルだ。
しかし発売から10年経った今、307を他のプジョー車と一緒に振り返ってみると、そのコンセプト自体は、明らかに新世代となる7番台プジョーのもの。つまり206、306、406までが“20世紀のクルマ”なら、307、407、207(2007年~)、そして308(2008年~)からが“21世紀のクルマ”だ(どっちがイイという話でもないが)。10年前に307に乗った時にはピンと来なかったことだが、遅ればせながら「7番台の車名を真っ先に与えたのは、こういうことだったのね」と納得した次第。
さて、今回試乗した307は、最上級グレードとはいえ、5ドアのごくごくスタンダードなモデル。実際にこのクラスのプジョー車を買うとなると、遊び心でパノラミックサンルーフ付の「SW」、後席の広さが不要なら207、予算に余裕があれば308、などと気が多くなりそうだが、5ドアハッチの307は、プジョーにとっては主力中の主力であり、下手な小細工一切なしの、直球ど真ん中の勝負玉。サイズや価格も手頃だし、7番台プジョーをトッピングなしでリーズナブルに味わうには、絶好のモデルだ。特に、無難な選択というだけでVWゴルフあたりと迷っている方には、ぜひ307の方をおすすめしたい。
Text:丹羽 圭(Kei Niwa), DAYS
Photo:DAYS








