掲載日 : 2010年04月07日
2006 プジョー 407 スポーツ 2.2
セダン、ワゴン、クーペからなるFFアッパーミドルクラス
プジョー「407」シリーズは、ベストセラーとなった406(1995年)の後継車。同社言うところの「猫科」を思わせるダイナミックなスタイリング、優れた操縦安定性や快適性、上質なインテリア等が特徴のFFアッパーミドルクラスだ。ボディタイプは3種類で、4ドアセダン、ステーションワゴンの「SW(エスダブリュー)」、2ドアの「クーペ 407」からなる。
2005年に日本導入。2010年現在も販売中
日本では2005年6月に発売。セダンとSW、それぞれに2.2リッター直4エンジン(158ps、22.1kgm)+4ATと3リッターV6(210ps、29.5kgm)+6ATを搭載。さらに装備・仕様によって各種グレードを設定し、価格は360万円~450万円とされた。
2006年6月にはクーペ407を追加。こちらはV6のみが導入され、価格は当初549万円だった。
2007年5月には小改良を実施。2.2リッターの馬力が163psにアップされたほか、ラインナップや装備も見直された。
2009年2月には、セダンとSWに若干のフェイスリフトを実施。フロントグリル内の格子をメッキ調とし、リアコンビランプの意匠を小変更。またレザーシートやバックソナーを全車標準化した。ラインナップはセダンの2.2と3.0、SWの2.2と3.0、そしてクーペの5モデルに整理。このまま2010年4月現在も販売中だ。(2010.02)

全長は短いが、存在感あり
407セダンのボディサイズは、全長4685mm×全幅1840mm×全高1460mm。トヨタ・マークXより短いくらいだが、幅はクラウンより45mmもワイドで、実際その存在感はかなりのもの。ちなみにSWの方は、全長がさらに90mm伸びて4775mm、全高は50mm増して1510mmとなる。
デビュー当時は、大口を開けたラジエイターグリルがかなりアグレッシブに見えたものだが、5年経った今では割と自然に見える。一方、ありきたりなメッキグリルやメッキモールに頼らず、あくまで造形美で勝負するあたりがフランス車らしい。典型的なハイデッキスタイルは少々古典的だが、美しいデザインだ。
HDDナビは全車標準
シンプルなインテリアは、上質感があり、センスもいい。407シリーズはエントリーグレードの「ST 2.2」を除き、全てレザー内装が標準で、試乗した「スポーツ 2.2」の場合は、黒の電動レザーシートとメタリック調トリムの組み合わせとなる。なお、日本仕様は全車パイオニア製HDDナビを標準装備するため、センターコンソールも日本専用となる。
「2.2」でも不満なし
試乗車は2006年式(初年度登録から3年半)の「2.2 スポーツ」。走行距離は1万8500kmと少なく、内外装コンディションも良好。当時の新車価格は400万円ジャストだったが、当車両の販売価格は179万円。安い、と言っていいだろう。
実際、試乗してみた印象も179万円とは思えないもので、まさに新車同然。実は407には、5年前にSW 3.0を試乗したきりで、2.2に乗るのは初めて。なので試乗前は「ATも4速だし、3リッターに比べて非力なのは仕方ない」などと思っていたのだが、これが予想に反してよく走る。ATが4速であることも、ぜんぜん気にならない。
FF上級セダンのお手本みたい
もちろん、407最大の魅力はシャシーの良さ。デビュー当時もこの点は絶賛されたものだが、こうして先入観なしでUカーに乗ってみても、その大船に乗ったような安心感は相変わらず頼もしい。そもそも最高級大型セダンならいざ知らず、同クラスでこんな風に堂々と走るクルマはそうそうない。あえて言えば、同じグループ傘下のシトロエンC5くらいか。こう言うとシトロエンファンには怒られるかもしれないが、「ハイドロでなくても、こういう乗り味は出せるんだなあ」と思ってしまった。
ちなみにプジョーは、今でも頑なに自社製サスペンションダンパーにこだわるメーカー。その理由はどうあれ、少なくとも407では身内のライバルであるC5に何としても負けることがないよう、そうとう足まわりにコストを掛けたはずだ。さらに前ダブルウイッシュボーン、後マルチリンクの足回りも、鋳造や鍛造のアルミ合金製パーツを奢ったもので、FF上級セダンのお手本のような作りになっている。
車名 Peugeot 407 Sport 2.2 (2006年モデル)
形式 GH-D2
寸法 全長4685mm×全幅1840mm×全高1460mm
ホイールベース 2725mm
車重 1560kg
駆動方式 前輪駆動(FF)
エンジン 2230cc 直列4気筒DOHC・4バルブ
最高出力 158ps(116kW)/5650rpm
最大トルク 22.1kgm (217Nm)/3900rpm
トランスミッション 4速AT
使用燃料/容量 プレミアムガソリン / 65L
10・15モード燃費 9.0km/L
タイヤ 215/55R17
最小回転半径 5.8m
発売時期 2005年6月
当時の新車価格 400万円
試乗車スペック
初年度登録 2006年9月
試乗日 2010年3月
販売価格 179万円
走行距離 1万8500km
ボディカラー スティールグレー
備考 ワンオーナー、HDDナビ・TV、電動レザーシート、プジョー認定中古車保証付
AIS評価点 4.5
衝撃的なほど、お買い得。「3.0」もいいが、「2.2」もいい
この407、間違いなくおすすめだ。不当なほど安すぎる相場は、少々残念でもあるが、これだけのものが179万円で買えるという事実は、衝撃的ですらある。もし200万円という予算で、“ちょっといいセダン”が欲しいという人がいれば、個人的にはその人の家に行って、押し売りしたいほど。179万円の407は、それくらい衝撃的によかった。
パワートレインに関しては、確かに「3.0」のパワー、スムーズさ、快音、6ATは魅力だが、「2.2」でも動力性能は十分だし、4ATも406の頃と違って、(遅ればせながら)すっかり良くなっている。また10・15モード燃費は、3.0の8.0km/Lに対して、2.2は9.0~9.4km/Lと、1割か2割優秀だ。さらにフランス車の伝統でもある小さなエンジンと大きなボディとの組み合わせが「らしい」という点で、個人的には「2.2」を押したい。
ボディタイプに関しては、SWの方が多用途に使えそうだし、そのパノラミックルーフも魅力的だが、一方で剛性感や静粛性に関してはセダンの方が優れる。最終的にはスタイル共々好みの問題だが、個人的には今回試乗したセダンの印象に感心した。今ならプジョー正規販売店で最新の407が試乗できるはずなので、それをUカー選びの参考にするのがおすすめだ。
Text:丹羽 圭(Kei Niwa), DAYS
Photo:DAYS








