掲載日 : 2010年05月31日
2007 MINI クーパーS コンバーチブル サイドウォーク
第1世代コンバーチブルの特別仕様車&ファイナルモデル
2002年3月2日(ミニの日)に日本でデビューしたBMW MINI。そのオープン版が2004年8月に発売されたMINI コンバーチブルだ。「オールウェイズ・オープン」をテーマとする、電動ソフトトップを備えた4人乗り小型オープンカーである。
今回試乗したのは2007年5月に発売された特別仕様車「サイドウォーク」。専用デザインのアルミホイールやレザーシートのほか、フロントフェンダーやドアシルに「SIDEWALK」のプレートを与えたもので、ボディカラーにはMINIで定番のアストロブラック、ペッパーホワイト、ブリティッシュレーシンググリーンの他、特別色としてスパークリング・シルバー(今回の試乗車)やホワイト・シルバーの計5色が用意された。
仕様は通常のコンバーチブルと同様、1.6リッター自然吸気エンジン(116ps、15.2kgm)の「クーパー」(5MTとCVT)および1.6リッター・スーパーチャージャー(170ps、22.4kgm)の「クーパーS」(6MTと6AT)を設定。クーパーにはオプション装備を約62万円分、クーパーSには約44万円分を装備しつつ、価格は通常のコンバーチブルに比べてそれぞれ35万円高、23万円高に抑えた323万~369万円とされた。
当時すでにMINIは第1世代(クーパーはR50型、クーパーSはR53型)から第2世代(R56型)にモデルチェンジしているが、この初代コンバーチブル(R52型)は第1世代ベースのまま2008年まで生産。結果としてサイドウォークは、第1世代BMW MINIのファイナルモデルとなった。なお、第2世代のコンバーチブル(R57型)は2009年4月に発売されている。(2010.05)

他のMINIとは一線を画す雰囲気
サイドウォークならではの外観上の特徴は、前述の通り2トーンの専用17インチアルミホイールや「SIDEWALK」のプレートなど。試乗車のボディカラーは特別色の「スパークリング・シルバー」。スパークリングワインのような透明感のあるメタリック塗装となる。
特別仕様車というのは面白いもので、予備知識なしでもどことなく特別な雰囲気が感じられるもの。今回の試乗車はコンバーチブルというだけですでに個性的だが、それ以上に、普通のMINIとは一線を画す雰囲気が漂よう。
内装だけでも選ぶ価値はある
インパネの眺めはいつものMINIと同じだが、サイドウォークの内装は「イングリッシュ・モルト・ブラウン」のレザー仕様。特別仕様車らしく、3本スポークのスポーツステアリングやシフトノブも同じ色でコーディネイトされている。しかもよく見るとパイピング(縁取り)や縫い糸はシルバーという凝り方。この内装だけでもサイドウォークを選ぶ価値がある。
見た目はカワイイけれど、実は手強い
試乗車は約3年落ち、走行3万5000kmで、ボディにはもちろん、ホイールにも傷一つないグッドコンディション車。当時の新車価格は353万円で、試乗車の販売価格は希少車であることも反映して249万円と高めだ。
クーパーSの6MTと聞いて「お、手強いヤツだな」と思う人は、運転したことのある人だろう。なにしろ第1世代クーパーSの6MTは、ステアリングといい、クラッチといい、シフトレバーといい、その操作感の重さで有名なモデル。MINIの場合、特にコンバーチブルは見た目がカワイイので、「女子にもおすすめ」みたいに思われがちだが、実はけっこう硬派なモデルだ。
「それでもファイナルモデルなら、多少乗りやすくなってるかも」と思って、試乗してみたが、やっぱりそんなことはない。相変わらずパワステは20年前のVWゴルフ並みに重く(あくまで感覚)、クラッチはポルシェ911かGT-R並みに重く(あくまで感覚)、ゲトラク製ミッションのシフト、特にバック(左に寄せて奧へ押す)に入れる時の重さは、取材担当者の知る限り、量産市販車で随一。か弱い女性は両手でやって下さい。
とはいえ、久々に「キュイーーーン」というスーパーチャージャーのタービンノイズを聞きながら味わう加速感は豪快、痛快。アクセルを離した時の「ボボン!」というアフターファイアの音も、なかなか楽しいところ。もっとも、第2世代クーパーSの直噴ターボの方がずっとレスポンスが良く、吹け上がりも爽快で、操縦安定性も高いが、スーパーチャージャーの方も「これはこれでマニアックで面白いなあ」と思えた。こんなに手応えのあるMINIは、いろんな意味で、もう二度と出てこないだろう、と思う。
車名 MINI Cooper S Convertible Sidewalk(2007年式)
形式 GH-RH16
寸法 全長3655mm×全幅1690mm×全高1415mm
ホイールベース 2465mm
車重 1310kg
駆動方式 FF(前輪駆動)
エンジン 1598cc 直列4気筒SOHC・4バルブ・スーパーチャージャー
最高出力 170ps(125kW)/6000rpm
最大トルク 22.4kgm (220Nm)/4000rpm
トランスミッション 6MT
使用燃料/容量 プレミアムガソリン / 50L
10・15モード燃費 11.2km/L
タイヤ 205/45R17
最小回転半径 5.1m
発売時期 2007年5月
当時の新車価格 353万円(消費税込み)
試乗車スペック
初年度登録 2007年9月
試乗日 2010年5月
販売価格 249万円(消費税込み)
走行距離 3万4900km
ボディカラー スパークリングシルバー
備考 ワンオーナー、ETC、バックセンサー
AIS評価点 5点
クーパーS(6MT)は、見た目とのギャップが魅力
今回試乗したコンバーチブルはクーパーSだったが、総じてその乗り味は、R53型と言われるクーペの第1世代クーパーSと基本的に同じだ。すなわち、誰でもイージーかつパワフルに“走り回れる”のが6AT仕様、それとは打って変わってチューニングカーみたいに乗り手を選ぶのが6MT仕様だ。
つまりイージードライブ派なら迷うことなく6ATがいいし、もちろんクーパーのCVTでもまったく十分。またクーパーの5MTも気楽に乗れて、個人的には一押しだ。MINI コンバーチブルのスタイル、お気楽さ、爽快感を味わうのなら、これらで100%願いは叶う。
とはいえ、幌を開け放ったクーパーS コンバーチブル・6MTで走ると、「見た目はカワイイけど、実はスゴイんだぜ」みたいな、他に代え難いワクワク感に胸が躍る。隣にランエボが来たら、思わず勝負しちゃう、みたいな。
それにエンジンは超トルキーだから、操作系の重さにさえ慣れてしまえば、特に運転が難しいわけではない。またオープンカーの割にボディの剛性感は高く、走行中に安心感があるのも、さすがBMWと言える。
なお現時点では、第2世代のコンバーチブル新車も選択肢に入ってくる。エンジンが直噴ターボになり、燃費も良くなり、後方視界も良くなり、もちろん操作系も軽くなって乗りやすくなるなど、ハードウエア的には第2世代がおすすめだが、第1世代のコンバーチブルでも、好きな色、仕様、予算にあった価格であれば買いだろう。特に今回試乗したサイドウォークは、そうそう滅多に市場に出てこない仕様。新車と比べても魅力的だと直感すれば、即決していいモデルだ。
Text:丹羽 圭(Kei Niwa), DAYS
Photo:DAYS










