掲載日 : 2010年06月29日
2008 シトロエン C5 V6 エクスクルーシブ
初代C5のビッグマイチェン版
2000年に欧州でデビュー、2001年に日本で発売された「C5」は、シトロエン独自の油圧サスペンション「ハイドラクティブIII」を備えたアッパーミドルクラスモデル。後にC6がデビューするまで、シトロエンの旗艦だったクルマだ。
今回試乗したのは、2004年12月にビッグマイナーチェンジして登場した後期型。基本設計は前期型を踏襲しつつ、前後のデザインを一新。メカニズム面では2リッター直4エンジンに可変バルブタイミング機構を追加して最高出力を137psから143psに、最大トルクを19.8kgmから20.8kgmに向上。3リッターV6(210ps、30.0kgm)には従来の4ATに代えてアイシンAW製の6ATを採用したモデルだ。
ボディタイプは前期型と同様、「セダン」(実際には5ドア)と「ブレーク」(ステーションワゴン)の2種類、エンジンも前述の2リッター直4(4AT)と3リッターV6(6AT)の2種類で、計4モデルで構成された。2004年発売時の新車価格は、セダンの「2.0」が360万5000円、「V6 エクスクルーシブ」が458万6000円。ブレークはそれぞれ22万1000円高だった。
モデル末期の2007年10月には、従来「2.0」ではオプションだった電動レザーシート等を標準化して商品力を高めた「2.0 LE」と「ブレーク 2.0LE」を新設定。翌2008年に2代目C5が発売され、販売を終了した。
なお、日本国内における初代C5の販売台数は次の通り(プジョー・シトロエン・ジャポン調べ)。
- 2001年:データなし
- 2002年:554台
- 2003年:347台
- 2004年:326台
- 2005年:323台
- 2006年:209台
- 2007年:151台
- 2008年:96台
- 2009年:3台

後期型は前後のデザインが異なる
フロントのオーバーハングが長く、リアのオーバーハングが短いロケットのようなスタイルは、シトロエンの伝統と言えるもの。後期型ではボディの前後が新世代シトロエン風となり、印象がぐっとシャープになった。
試乗した「セダン」は一見4ドアセダンだが、実際にはテールゲートがリアウインドウごと開く5ドア(4ドアハッチバック)で、この点もやはりシトロエンの伝統だ。
質感の高まった後期型。広さや使い勝手は従来通り
パネル類の表面仕上げを変更し、メーターにメタル調の枠を追加して、前期型より質感を高めたインテリア。装備はもともと充実していて、雨滴感応式オートワイパー、オートヘッドライト、バックソナー等のほか、試乗した後期型のV6ではレザーシートを標準装備する。シートの座り心地はフランス車らしく上々で、特にリアシートは高級ソファのようにしっとりフンワリしている。
荷室も5ドアゆえ開口部が広く、場合によってはステーションワゴンより便利だ。またセルフレベリング機構によって、フル乗車&フル積載時でも車体姿勢は常に一定に保たれる。例えばトランクに重い荷物を積んで車高が下がっても、ほどなく油圧システムが動きだし、まるで生き物のようにリアサスを伸ばして水平に戻す。“ハイドロ”らしさが実感できる瞬間だ。
スポーティなV6。自然な運転感覚
試乗したのは2008年式の「V6 エクスクルーシブ」。登録からまだ2年で、走行距離も約9500kmと少ない。販売価格は新車当時の463万円に対して329万円だ。
さっそく走り出すと、おなじみプジョー・シトロエンの3リッターV6(210ps、30.0kgm)が、「フゥーーン」と澄んだサウンドを発して、爽やかに高回転まで回り切る。またそのスムーズさをアイシンAW製の6ATがうまい具合に引き出している。「シトロエン=癒し系」みたいな先入観で乗ると、意外にスポーティで俊敏なことに驚くはずだ。
「ハイドラクティブIII」による乗り味は路面を滑るがごとし。後席ではC6と違って路面の凹凸を感じやすいが、前席では完璧にフラットだ。初代C5に試乗するのは今回で4度目だったが、このあたりの印象は新車時と変わらない。
一方、20世紀のハイドロシトロエンと違って、運転感覚はかなり普通。また小回りも効くし、視界もいい。夜になるとこのV6モデルの場合は、光軸可変機構付のキセノンヘッドランプ(いわゆるAFS)が進行方向をうまい具合に照らしてくれる。
車名 Citroen C5 V6 Exclusive (2008年式)
形式 ABA-X3XFU
寸法 全長4740mm×全幅1780mm×全高1480mm
ホイールベース 2750mm
車重 1560kg
駆動方式 前輪駆動(FF)
エンジン 2946cc V型6気筒DOHC・4バルブ
最高出力 210ps(152kW)/6000rpm
最大トルク 30.0kgm (285Nm)/3750rpm
トランスミッション 6AT
使用燃料/容量 プレミアムガソリン / 65L
10・15モード燃費 -km/L
タイヤ 215/55R16
最小回転半径 -m
発売時期 2004年12月(後期型)
当時の新車価格 463万円(消費税込み、2007年10月発売モデル)
試乗車スペック
初年度登録 2008年9月
試乗日 2010年6月
販売価格 329万円(消費税込み)
走行距離 9500km
ボディカラー グリアルミニウム
備考 社外HDDナビ・TV、ETC、新車保証残り有
AIS評価点 5点
後期型が無難だが、前期型もアリ
初代C5をUカーで検討する場合、大きな選択肢は以下の3点だ。
- 前期型か、後期型か
- 「2.0」か、「V6 エクスクルーシブ」か
- セダンか、ブレークか
最初の「前期型か、後期型か」は、2010年現時点で前期型は6年落ち以上になり、普通に考えれば後期型の方が無難、となるが、仮にワンオーナー車でコンディションが良く、価格もリーズナブルであれば、前期型でもアリなんじゃないかな、と個人的には思う。前期型C5は今や価格も底値で、その点でも「一度はハイドロに乗っておこう」というシトロエン好きにとって“旬”だと思うからだ。もちろん、予算に余裕がある場合は後期型を選べば良い。
2リッターやブレークもおすすめ
「2リッターか、3リッターV6か」は、基本的には好みでいいだろう。C5ユーザーの間でもパワーは2リッターで十分という意見が多いようだし、燃費もV6よりおそらく2割程度(排気量による一般的な差)は優れると思われる。V6のパワーや快音は魅力的だが、C5を堪能するにあたって必須というわけではない。とはいえ、高速道路の追い越し車線でドイツ製高級セダンに道を譲りたくない方は、ぜひV6をどうぞ。
「セダンか、ブレークか」は、それこそ好み次第だろう。セダンに見えて実は5ドアというスタイルはシトロエンの伝統だが、それを言うなら主要モデルに必ずブレークを用意するのも伝統だ。特にブレークはスタイリング自体がけっこうユニークだし、ハイドロによるセルフレベリング機能もブレークの方が活躍しそう。BMWの5シリーズツーリングやメルセデスのEクラスワゴンを前にしても、言い訳が立つモデルと言えるだろう。
Text:丹羽 圭(Kei Niwa), DAYS
Photo:DAYS










