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掲載日 : 2010年07月07日

2008 MINI クーパー クラブマン

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MINIをストレッチ。観音開きドアを右サイドとリアに採用

今回試乗したのは自然吸気エンジンの“クーパー” クラブマン(6AT)

「MINI クラブマン」は、MINIがベースの個性派スモールワゴン。ボディ前半やパワートレインは、2代目BMW MINIの3ドア(通称R56型)と共通だが、クラブマン(R55型と呼ばれる)はホイールベースがそれより80mm長く、後席もその分広い。加えてリアのオーバーハング部分(後輪から後ろ)も長く、荷室スペースもその分広くなっている。

またボディ右側にはリアドアが追加され、いわゆる観音開きドアとなっているほか、リアゲートも左右に開く観音開きドアに変更。単にMINIのワゴンと呼ぶには留まらないユニークなモデルとなっている。

「クーパー」「クーパーS」「JCW」の3グレードで展開

ボディ前半は3ドアと共通だが、後半はほとんどクラブマン専用に作り変えられている

発売当初は1.6リッターNAの「クーパー」(120ps、16.3kgm)と1.6リッター直噴ターボの「クーパーS」(175ps、 24.5kgm)でスタート。価格は3ドアモデルより23万円高く、クーパーが274万円(6MT)と287万円(6AT)、クーパーSが318万円(6MT)と331万円(6AT)だった。

2009年6月にはクーパーSをさらにチューンナップした「JCW(John Cooper Works)」(211ps、26.5kgm)を追加。こちらは6MTのみで当時413万円とされた。

2010年3月生産分以降では、エンジン等のマイナーアップデートを実施。全モデルに「ブレーキ・エネルギー回生システム」を、全MTモデルに「エンジン・スタートストップ機能」を採用して燃費を改善。またクーパーSの直噴ターボエンジンをバルブトロニック化し、馬力アップと燃費向上を図っている。(2010.07)

 

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長くなっても依然コンパクト。独特の胴長スタイル

後席ドアは右ハンドルでも左ハンドルでも右側のみ。つまりUK仕様や日本仕様では運転席側、左ハンドル車では助手席側になる

クーパーの場合、クラブマンのボディサイズは全長3935mm×全幅1685mm×全高1440mm。3ドアより235mm長く、その内訳はホイールベース分が80mm、リアのオーバーハング分が155mmだ。一方、全長や全幅はホンダ・フィットあたりと同等だから、依然ミニというか、コンパクトなサイズに収まっている。

一方、MINIの3ドアを前後に引き延ばしたようなスタイルは、ダックスフントみたいでかなり独特。さらにボディの右サイドとリアには、ダブルで観音開きドアが備わる。

 
サイドの観音開きドアは「クラブドア」、リアのそれは「スプリットドア」と呼ばれる
クーパーの標準タイヤは175/65R15と3ドアと同じ。ランフラットではなく一般的なタイプだ
ルーフやドアミラー等のアクセントカラーはシルバー、黒、ボディ同色の3通りある

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クラブドアで後席へのアクセス性をアップ

インパネは3ドアのMINIとほぼ同じ

広い後席と荷室が自慢のクラブマンだが、ドライバー自身が日常的に便利さを感じるのは、後席へのアクセス性が3ドアより断然いいことだろう。運転席側に設けられたリアドアによって、乗り降りだけでなく、手荷物をリアシートに放り込んだり、取り出したり、といったことが容易になっている。

リアドアのノブは室内側だけなので、外から開けるときでも裏側に手を回して開けなくてはいけないが、慣れてしまえば「隠しとびら」みたいで楽しくもある。ちなみにBMW MINIではどのモデルでも、ドアの開閉音が「カチャッ、ガチン」といった硬質なものに統一されている。往年のクラシックMINIの開閉音を現代的に再現したものだろう。

 
リアドアが追加されたことで、後席へのアクセス性は格段に向上
大人2人が無理なく座れる後席。乗車定員は4名
荷室容量は3ドアの1.6倍となる260リッター、後席を畳めば930リッター
 
リアのスプリットドアは右側から先に開ける。ドアが小さいので狭いところでも開けやすい
クーパーS等はランフラットタイヤだが、クーパーは基本的にスペアタイヤを搭載
床下には小物収納スペースにジャッキや工具が収まる

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バランスの良さでMINIファミリー随一

ホイールベースが伸びた分、3ドアより走りに落ち着きのあるクラブマン

今回試乗したのは初年度登録から約2年、走行距離たった7500kmの2008年式クーパー(6AT)。AISの評価点はUカーとしては満点と言える6点で、コンディションはすこぶる良好だ。で、肝心のお値段は、当時の新車価格である287万円に対して264万円とけっこう高め。ま、これも裏を返せば、MINIあるいはクラブマンの人気が高い、という証拠でもあるのだが。

そんな極上クラブマンの走りはどうだったかと言うと、当然ながら新車デモカー同然。ちょうど2年前、これと同仕様のクラブマンに試乗しているが、その時と印象はぜんぜん変わらない。そもそも経年変化が滅法少ないのは、BMW MINIに共通する特徴だ。

 
クーパーのエンジンはおなじみ1.6リッター直4の「バルブトロニック」

相変わらずクラブマンに乗って思うのは、ホイールベースが伸びたことによって、普通のMINIより操縦安定性が高く、乗り心地がいいということ。もちろん、チャキチャキした走りがトレードマークのMINIゆえ、それを理由にクラブマンを選ぶ、という人は少ないだろうが、3人以上でのロングドライブに適しているのは、室内の広さも含めてクラブマンだろう。VWで言えばポロあたりと比べたくなる。

おなじみ1.6リッター“バルブトロニック”ユニットとアイシンAW製6ATは、相変わらずキッチリ、シッカリ仕事をこなし、その気になればけっこう速い。車重1230kgに対してパワーは120psとそこそこだが、中速域でのトルクが分厚く、レスポンスも悪くない。常識的な走り方なら、誰もが「Sじゃなくて、クーパーで十分」と思うはずだ。

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車名  MINI Cooper Clubman (2008年式)
形式  ABA-ML16
寸法  全長3935mm×全幅1685mm×全高1440mm
ホイールベース  2545mm
車重    1230kg
駆動方式  前輪駆動(FF)
エンジン  1598cc 直列4気筒DOHC・4バルブ
最高出力  120ps(88kW)/6000rpm
最大トルク  16.3kgm (160Nm)/4250rpm


トランスミッション  6AT
使用燃料/容量  プレミアムガソリン / 40L
10・15モード燃費  14.2km/L
タイヤ      175/65R15
最小回転半径   5.5m
発売時期     2007年10月
当時の新車価格  287万円(消費税込み)


試乗車スペック

初年度登録   2008年4月
試乗日      2010年6月
販売価格    264万円(消費税込み)
走行距離    7500km
ボディカラー  アストロブラック
備考      -
AIS評価点    6点

 


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クーパーか、クーパーSかで迷ったら

オートプラネット名古屋に並ぶMINIの一群。第1世代から第2世代まで在庫は豊富

クラブマンのグレード構成は、エントリーグレードの「ワン(One)」がないことを除けば、第2世代MINIの3ドアとほとんど同じ。そこで迷うのが、「クーパーか、クーパーSか」だが、もちろん一般的な尺度で言えばクーパーで何の不満もない。一方、クーパーSは一気呵成に吹け上がるターボパワーや高性能モデルらしいルックスが魅力で、その分燃費はクーパーに若干劣ってしまうが、これ1台でスポーツカー的にも楽しめると思えば、むしろお買い得だと思う。

なお迷った場合、あるいはBMW MINIに乗ったことがない場合は、一度ディーラー等で新車デモカーのクーパーとクーパーS、両方に試乗してみるのがおすすめだ。2007年以降の第2世代MINIであれば、3ドアでも運転感覚に大差はないので、そのままクラブマン購入の参考にしてもらっていい。

変速機は日本国内の場合、主流は圧倒的に6ATだが、燃費は6MTの方がいいし、シフトフィールもカチッとしているので、マニュアル好きの方は変に妥協せず6MTを選んだ方がいいと思う。ただクーパーにしてもクーパーSにしても、クラブマンの6MTは希少車の部類なので、Uカーでは根気よく探す必要があるかもしれない。

カルトカーとして後生に残る

個性的なスタイリング、観音開きドアなどユニークな特徴を備えながら、室内空間、操縦安定性、乗り心地などをバランスよく高めているクラブマン。一方、リアドアが片側にしかない点など、実用性の点では疑問な部分もないではないが、そういったヘンなところとマジメなところが入り交じった、一筋縄ではいかないキャラクターが、このクルマの隠れた持ち味だと思う。これは個人的な予想だが、今後MINIファミリーが様々なバリエーション展開や進化を図ってゆく中で、将来的にこのクラブマンは、とびきり変わったMINI、カルトなMINIとして後生に残るのではないだろうか。

 

Text:丹羽 圭(Kei Niwa), DAYS
Photo:DAYS

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