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掲載日 : 2010年08月30日

2009 プジョー 207 SW GTi

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207ベースの小型ステーションワゴン

今回とりあげるプジョー207 SW GTi
(写真:プジョー・シトロエン・ジャポン)

206 SWの後継車として登場した「207 SW」は、207シリーズから派生した小型ステーションワゴン。ボディ前半とパワートレインは207ハッチバックと共通だが、ボディ後半はSW専用となり、機能的な荷室スペースやガラスハッチ付リアゲートなどを備える。全車に標準装備されるパノラミックガラスルーフも大きな魅力の一つだ。

自然吸気エンジン(4AT)と直噴ターボ(5MT)でスタート

日本ではハッチバックより1年遅い2008年4月に発売。まず1.6リッター自然吸気エンジン(120ps、16.3kgm)+4ATの「207 SW」が発売され、6月に1.6リッター直噴ターボ(175ps、24.5kgm)+5MTの「207 SW GTi」(今回の試乗車)を追加。この2グレード体制で、その後2年近く販売された。いずれも右ハンドルのみで、当時の新車価格はそれぞれ269万円、335万円だった。

 
自然吸気エンジンの「207 SW」(上2枚)にはアルミ製ルーフレールが備わる
(写真:プジョー・シトロエン・ジャポン)

2010年1月には新設定の「207 SW プレミアム」(254万円)にラインナップを1本化。従来の標準グレードと同じ1.6リッター自然吸気エンジン+4AT仕様をベースに、16インチアルミホイールや2トーンのファブリック/レザーシートを標準装備したもので、同時に内外装デザインも若干変更された。このまま2010年8月現在も販売中だ。

 

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言わばワゴン的な要素を盛り込んだハッチバック

フロントウインドウから連続するパノラミックガラスルーフが印象的。アルミ製ルーフレールは「GTi」にはない

ボディサイズは全長4150mm×全幅1750mm。207ハッチバックに比べてリアオーバーハングは120mm長いが、サイズ的には最近のVWゴルフより短いくらいで、ステーションワゴンとしては最小レベル。どちらかといえばワゴン的な要素を盛り込んだハッチバックと言った方がいいかもしれない。そういったコンセプトの新しさを表現したものが、ステーションワゴンの頭文字をとって「SW (エスダブリュー)」と読ませる車名なのだろう。

なお「GTi」はプジョー車で最もスポーティなグレードに与えられる名称で、207 SW GTIにもその名にふさわしく、大型リアスポイラー、大径2本出しマフラーエンド、17インチアルミホイール+205/45R17タイヤが装備される。

 
「GTi」には大口径の2本出しマフラーやウイングタイプのリアスポイラーが装備される
「GTi」のタイヤは205/45R17で、試乗車は工場装着のBSポテンザRE050A(Made in France)を履く
207シリーズのコーナリングランプは、車速や舵角に連動するほか、停車時でもステアリングを切ると点灯する

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スポーティで上質感のある前席まわり

GTiは革巻ステアリングホイールやアルミペダルを装備。加飾パネルも色調を抑えたマットグレー色になる

先代206シリーズに比べて、圧倒的に広々としたインテリア。各部の質感も高く、装備的にも左右独立調整式のオートエアコン、オートライト、オートワイパー、そしてバックソナーまで備える充実ぶり。パノラミックガラスルーフのシェイドも電動となっている(207ハッチバックは手動)。しかも試乗したGTiは、レザーシートが標準になる。というわけで前席での印象は、実用重視のBセグメントカーというより、ちょっとしたスペシャリティモデルだ。

 
GTiはアルミ製プレートを備えたABCペダルを装備
5速MTのシフトノブはアルミ製。夏は熱く、冬だと冷たいのはご愛敬
GTi用のスポーツレザーシートにはアームレストも備わる

小さなボディに、広大な荷室スペース

後席にはカーテンシールドエアバッグ、3人分のフォースリミッター付き3点式シートベルトが備わる

快適至極な前席に対して、後席は意外にもクッションが平板で薄く、少々素っ気ない。着座姿勢もアップライトで、ダラッと座れず、どちらかというと荷物積載時のシートアレンジを重視した作りだ。このあたりは、逆に積載性よりも後席の居住性を重視している207や308のハッチバックと差別化する、という意図があるのかもしれない。

 
ステーションワゴンらしく、荷室フロアは敷居から後席背もたれまで、ほぼフラットになる

荷室容量は207ハッチバック(270リッター)より2割以上大きい337リッター。さらに後席の背もたれを倒せば座面も連動して沈み込み、ほぼフラットな床を持つ最大1258リッターのスペースが現れる。この時の荷室長は約160センチ、最大幅は104センチで、大人でも横になれないことはない。2名乗車+荷物満載がSWの得意なパターンだ。

 
リアゲートのドアハンドルは2つあり(写真の黒い部分)、右側を操作するとガラスハッチが跳ね上がる
3つ折りタイプのトノボードによって、ガラスハッチおよび後席の両方から荷室にアクセスできる
床下には発泡スチロール製の小物&工具収納スペースがあり、その下にテンパースペアタイヤを搭載する


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「GTi」を名乗るだけのことはある

走行距離はわずか600km。車両コンディションは新車同様だ

試乗車は2009年式で、登録から10ヵ月、走行距離600kmという、まさにデモカー状態の一台。当然ながら内外装コンディションは非常に良く、AISの評価も6点と最高レベルだ。販売価格は新車時の335万円に対して228万円となっている。

取材担当者が207SWに乗るのは2年ぶりだが、当時乗ったのは120psの自然吸気エンジン仕様で、「GTi」は今回が初。ただ、最高出力175ps、最大トルク24.5kgmを発揮するエンジン自体は、207ハッチバックのGTiや308 GTiなどと共通で、207GT(最大出力150ps)あたりともエンジン本体はほぼ共通だ。

 
「GTi」のエンジンは第2世代のMINI クーパーS(R56)と基本設計が同じ1.6直噴ターボ。ただしチューニングは異なり、変速機も5MTとなる(MINIは6MTもしくは6AT)

207にしても308にしても、昨今のプジョーは快適でマイルドな性格のモデルが主流となっているが、今回の試乗車はさすが「GTi」だけあって、排気音はちょっぴり勇まく、5MTのシフトストロークもほどよく詰められている。シャシーもしっかりしていて、以前2度ほど試乗した207GTよりも全体にスポーティだ。

プジョー・シトロエンとBMWが共同開発し、207 GTi用にチューンされた1.6リッター直噴ターボは、MINIのクーパーSと同じ175psを発揮するわけだが、パワー感は排気量2.4リッターくらいの自然吸気エンジンに近い。速さを誇示するような過激さは一切なく、その点ではクーパーSとまったくの別物だ。

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車名  Peugeot 207 SW GTi (2009年式)
形式  ABA-A7W5FY
寸法  全長4150mm×全幅1750mm×全高1510mm
ホイールベース  2540mm
車重    1330kg
駆動方式  前輪駆動(FF)
エンジン  1598cc 直列4気筒DOHC・4バルブ・直噴ターボ
最高出力  175ps(128kW)/6000rpm
最大トルク  24.5kgm (240Nm)/1600-4500rpm


トランスミッション  5MT
使用燃料/容量  プレミアムガソリン / 50L
10・15モード燃費  -km/L
タイヤ      205/45R17
最小回転半径   5.3m
発売時期     2008年6月
当時の新車価格  335万円(消費税込み)


試乗車スペック

初年度登録   2009年10月
試乗日      2010年7月
販売価格    228万円(消費税込み)
走行距離    600km
ボディカラー  アルミナムグレー
備考      -
AIS評価点    6点

 


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【自然吸気エンジン+4AT】今後増えてくるUカー。もちろん新車もアリ

オートプラネット名古屋にはプジョー認定中古車センター「アプルーブドサイト東郷」もあり、在庫は常に豊富

車両キャラクターやクラス的には、207ハッチバックと308に挟まれる207 SWは、言わばニッチ中のニッチモデル。販売主力の4AT車でもそれは変わらないが、逆に言えばマイナーであるところが長所でもある。自分と同じクルマに路上で出会うことは、まず無いと言っていいだろう。

装備的にもパノラミックガラスルーフといった遊び心のあるものから、6エアバッグやESPといった安全装備まで充実しており、バリューフォーマネーは文句なしに高い。購入を検討する場合は、今後流通台数が増えてくるUカーはもちろん、新車の「207 SW プレミアム」(254万円)も含めて、予算等が折り合うところで選ぶと良いだろう。

【ターボ+5MT】すでに販売終了。クルマ好きの本命

一方、今回試乗した「GTi」はすでに販売が終了しており、現時点ではUカーでしか手に入らない。5MTということで導入台数も少ないモデルだが、クルマ好きにとっての本命は多分こちらだろう。

おそらく今どき好んでMTを選ぶような人は、多少なりともスポーティでカチッとした操作性や乗り味を望むと思うのだが、ならば207シリーズで考える場合、「GTi」(ハッチバックのGTiを含む)は最も期待に応えてくれるモデルだと思う。MTを憎からず思っている取材担当者としては、今まで乗った207シリーズの中で(数えてみたら6車種ほどあった)一番しっくり来たのが今回の「GTi」だった。とはいえチョイ乗り程度で乗り手を「面白い」と感激させるタイプではない。おそらくは中央自動車道のようにアップダウンが激しく、高速コーナーが続くところを、一日で500km、600kmと走る時に本領を発揮するクルマだろう。

 

Text:丹羽 圭(Kei Niwa), DAYS
Photo:DAYS

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