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掲載日 : 2010年08月09日

2007 フォルクスワーゲン ゴルフ GTI

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2リッター直噴ターボや6速DSGを採用

初代ゴルフGTI(1976~83年)
(写真:フォルクスワーゲン・グループ・ジャパン)

「ゴルフ GTI」は、いわゆる“ホットハッチ”と呼ばれるジャンルの草分け的な存在。初代GTIが登場した1976年以降、歴代ゴルフには必ず「GTI」が用意されてきた。

今回試乗したのは、ゴルフ5(ファイブ)と呼ばれる5代目ゴルフのGTI。最高出力200ps、最大トルク28.6kgmを発揮する2リッター直噴ターボエンジンを搭載し、トランスミッションに6MTと6速DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)、VW言うところの「DSG」を用意した高性能モデルだ。発売時の広告コピーは、初代GTIのような少々やんちゃなモデルに回帰したというニュアンスで、「GTI is back.(GTIが帰ってきた)」だった。

販売は2005年から2009年までの約4年間

今回試乗したGTI。車体色は5代目GTIのテーマカラーでもあったトルネードレッド

日本では2005年6月に発売されたGTIだが、9月には発売時に予告されていた若干の仕様変更を実施。DSG仕様にパドルシフトとヒルホルダーを追加した他、全車に制動時の車両安定性を確保する「DSR(ドライバー・ステアリング・リコメンデーション)」とシャークフィンアンテナ(従来はナビ装着車のみ)を標準装備した。それ以降は、途中でリアのサイドウインドウがダークティンテッドガラスになった程度で、販売終了まで目立った仕様変更はない。2005年9月当時の新車価格は、6速MTが325万5000円、6速DSGが341万2500円だった。

 
2008年に発売された限定車「GTI Pirelli」
(写真:フォルクスワーゲン・グループ・ジャパン)

2008年10月には、特別仕様車「GTI Pirelli(ピレリ)」を限定1000台で発売。専用エアロパーツ、18インチアルミホイール+ピレリ P-Zeroタイヤ、専用シート等を備え、230psのエンジンと6速DSGを組み合わせたモデルで、ボディカラーにはブラックマジックパールエフェクトとサンフラワー(黄色)が用意された。

そして6代目ゴルフが発売された2009年春に販売を終了。同年9月には早々と新型GTIが登場している。

 

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どこから見ても「GTI」

ワンメイクレース用の「GTI カップカー」を除けば、日本仕様は全て5ドア。

25mmのローダウンによって、明らかに普通のゴルフとは異なる雰囲気のGTI。さらに初代および2代目GTI以来、久々に復活した赤いストライプ入りのフロントグリル、GTI専用のアルミホイール、赤いブレーキキャリパー、2本出しマフラーなどが「GTI」であることを主張する。

ボディサイズは全長4225mm×全幅1760mm×全高1495mm。225/45R17という大径タイヤを履きながらも、最小回転半径は普通のゴルフと同じ5.0メートルとするなど、実用性はまったく損なわれていない。

 
2本出しマフラーを備え、ワイドタイヤが左右に踏ん張った後ろ姿
標準タイヤは225/45R17。オプションで225/40R18+BBS製アルミホイールも選択できた
赤いストライプとハニカム(蜂の巣)メッシュのグリルがGTIの目印

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チェック柄シート地が復活。ファミリカーとしても死角なし

試乗車は標準仕様だが、オプションでレザー仕様やナビ装着車もある

パドルシフト付のD型ステアリングホイール、300km/hまで刻まれる専用メーター、そして初代GTI以来のチェック柄シートがクルマ好きの心をくすぐるインテリア。特にこのGTI専用のスポーツシートは、レカロ的なカチッとした座り心地が好みの人なら、間違いなく気に入るはずだ。

リアシートもGTI専用デザインだが、機能的にはおおむね普通のゴルフ5と同じ。広さは十分で、乗降性も良好。アームレストや収納式ドリンクホルダー、計8個のエアバッグを標準装備するなど、ファミリカーとしても死角はない。

 
DSG仕様には初期導入車を除いてパドルシフトが標準装備される
オルガン式アクセルペダルはタッチに剛性感がある他、ロングドライブでも疲れにくい
「このシートだけでも欲しい」。そう思うゴルフオーナーは多いはず。乗降性も悪くない
 
床下にはテンパースペアタイヤと車載工具を収納
5人乗車時の荷室容量は350リッター。さらに拡大する場合は背もたれを倒す
リアシートのデザインもGTI専用。後席乗員はサイド&カーテンエアバッグで守られる


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相変わらず完璧な走り

最高速(メーカー発表値)はDSGで233km/h、6MTで235km/h

試乗したのはDSG仕様で、初年度登録から約3年半、走行距離たった9500kmのワンオーナー車。新車価格は当時344万円だったはずだが、試乗車の販売価格は239万円だ。

この2リッター直噴ターボとDCTの組み合わせは、今やVW・アウディ車でおなじみのものだが、2005年に初めてこのGTIで体験した時のことは、今でもよく覚えている。ターボラグのない打てば響くエンジン、電光石火の変速を行うDCTなどなど、その走りには心の底から感心したものだ。GTIに限って言えば、まともに試乗するのはそれ以来(5年ぶり)だったが、今回もその印象に変わりはなかった。

 
2代目アウディTTなどと同じ2リッター直噴ターボは、最大出力200ps、最大トルク28.6kgmを発揮する

また試乗車自体の動的なコンディションも、記憶に残る当時の広報車とほとんど同じ。実はGTIに限らずこのエンジンのDCT仕様車は、発進時に不用意にアクセルを踏み込むと、ESPオンでもキューンと簡単にホイールスピンする傾向がある(FFの場合)。それゆえ今回の試乗車では工場出荷時のままと思われるタイヤのグリップが心配だったが、実際にはほとんど問題なし。ホイールリムにちょっとしたガリ傷があったのを除けば、デモカー同様のコンディションだった。

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車名  Volkswagen Golf(V) GTI (2007年式)
形式  ABA-1KAXX
寸法  全長4225mm×全幅1760mm×全高1495mm
ホイールベース  2575mm
車重    1460kg
駆動方式  前輪駆動(FF)
エンジン  1984cc 直列4気筒DOHC・4バルブ・直噴ターボ
最高出力  200ps(147kW)/5100-6000rpm
最大トルク  28.6kgm (280Nm)/1800-5000rpm


トランスミッション  6速DCT
使用燃料/容量  プレミアムガソリン / 55L
10・15モード燃費  12.6km/L
タイヤ      225/45R17
最小回転半径   5.0m
発売時期     2005年6月(GTI)
当時の新車価格  344万円(消費税込み、2007年1月発売モデル、DSG仕様)


試乗車スペック

初年度登録   2007年1月
試乗日     2010年7月
販売価格    239万円(消費税込み)
走行距離    9500km
ボディカラー  トルネードレッド
備考      ワンオーナー
AIS評価点    -

 


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旧型となった今も、魅力は変わらず

VW車を多数在庫するオートプラネット名古屋。手前にある「キャンディホワイト」のGTIも試乗車と同じ239万円

すでに旧型となってしまった5代目GTIだが、少なくともスペック的には6代目GTIに大きく見劣りする部分はない。新型の方は馬力が11ps増して211psとなったものの、エンジンは依然2リッター直噴ターボだし(実際には新設計だが)、DSGも6速のまま。そもそも本文でも触れた通り、この5代目でも速さはすでに十分過ぎるレベルだ。というわけで、ここでは「5代目GTIでも魅力は変わらず」としておきたい。なお、新型GTI(日本仕様)には現時点で6MTの設定がないので、MT派には5代目GTIが有力な選択肢となる。


 

6代目ゴルフ GTI
(写真:フォルクスワーゲン・グループ・ジャパン)

その5代目GTIは、パドルシフトのない初期導入車を除けば、2005年から2009年までの4年間、ほとんど仕様変更はない。またオプションに関しても、レザーシートは標準のチェック柄ファブリックシートと「座り比べ」をしてから好みの方を選べばいいし、1インチアップとなる18インチタイヤ仕様についても交換時の費用や縁石などにリムをヒットしやすいといったデメリットがあるので、あくまで好みの問題だ。ナビは当然、社外品の後付けで問題ない。

最大のライバルは、同じゴルフの「GT TSI」?

2007年2月に発売された「GT TSI」
(写真:フォルクスワーゲン・グループ・ジャパン)

一方で、直噴ターボエンジンやDCTに興味はあっても、「GTIほど速くなくてもいい」という人も少なくないはず。そんな場合に気になるのが、同じ5代目ゴルフで1.4リッターの過給器付エンジンとDCTを組み合わせた“下位モデル”の存在だ。具体的には「GT TSI」(170ps、24.5kgm)、「TSI コンフォートライン」(140ps、22.4kgm)、「TSI トレンドライン」(122ps、20.4kgm)の3つが浮上してくる。

このうち1.4ターボの「TSI コンフォートライン」(6速DCT)と「TSI トレンドライン」(7速DCT)は燃費性能を重視したモデルだ。ただし街乗りでは驚くほどトルクフルで、実用車としては誰もが「これで十分!」と思えるクルマになっている。

さらにターボとスーパーチャージャーという二つの過給器を備えた「GT TSI」(6速DCT)が相手となると、さすがのGTIもウカウカできない。しっかり序列を守ってGT TSIの馬力はGTIの30ps減、トルクは4.1kgm減に抑えられているが、この1.4リッター“ツインチャージャー”ユニットは「GTI、要らないかも」と思わせる独特の高性能感を発揮する。

 

それでいてGT TSIは、外観がほとんど普通のゴルフと同じで、その点でもGTIの派手な外観に抵抗がある人には、受けがいいようだ。言わば「羊の皮をかぶった狼」ならぬ「普通のゴルフの皮をかぶったGTIキラー」である。

というわけで、最後は何だか「GT TSI」の紹介みたいになってしまったが、もちろんGTIの速さは文句なしだし、完成度も高く、カリスマ性も十分。今やGTIはゴルフの1グレードというより、「GTI」という一つのモデル、一つのブランドでもあるからだ。特にこの5代目GTIは、ガソリンエンジンの究極とも思えるパワートレインを搭載した点で、歴史に残るGTIだと思う。

 

Text:丹羽 圭(Kei Niwa), DAYS
Photo:DAYS

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