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Uカー試乗記

Uカー試乗記

掲載日 : 2010年09月16日

2008 アウディ A4 1.8 TFSI

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通称「B8型」。前軸を前に出してプロポーションを一新

初めて「クワトロ」が採用された2代目アウディ80(B2型、1978~86年)と4代目A4
(photo:アウディ ジャパン)

初代アウディA4は1994年にデビューしているが、今回試乗したのは2008年に登場した4代目。その前身となるアウディ80から数えれば8代目に当たり、通称「B8型」と呼ばれる。

その技術的特徴は、エンジン縦置の前輪駆動をベースとしつつ、「クワトロ」と呼ばれるフルタイム4WDモデルを用意すること。またこのB8型では、前輪位置を154mm前進させて重量配分を改善したほか、フロントオーバーハングの短いスポーティなプロポーションを実現している。

当初は1.8ターボ(CVT)と3.2・V6(6AT)。翌年に2.0ターボ(7速DCT)を追加

今回試乗した2008年モデルの「1.8 TFSI」。1.8リッター直噴ターボ+CVTの低燃費モデル

2008年3月に日本で発売された当初は、1.8リッター直4・直噴ターボ(160ps、25.5kgm)+CVT(無段変速機)の「1.8 TFSI」と3.2リッターV6・直噴(265ps、33.7kgm)+6ATの「3.2 FSI クワトロ」の2モデル。前者はFF、後者はフルタイム4WDで、価格はそれぞれ419万円と645万円だった。

その5ヶ月後には、ステーションワゴン版の「アバント」を追加。エンジン種類はセダンと同じで、価格はセダンの18万円高とされた。

2009年3月には2リッター直4・直噴ターボ(211ps、35.7kgm)と7速DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)を搭載した「2.0 TFSI クワトロ」を追加。価格はセダンが495万円、アバントは513万円だった。

5月にはシリーズ最強モデルとして、3リッターV6直噴スーパーチャージャー(333ps、44.9kg)と7速DCTを備えた「S4」および「S4アバント」を発売。こちらは785万円/803万円とされた。

そして2010年春には「3.2 FSI クワトロ」がラインナップからドロップ。2010年9月現在のラインナップは、セダン、アバント共に、「1.8 TFSI」、「2.0 TFSI クワトロ」、「S4」の3モデルとなっている。

 

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ライバル車より少し大きいが、シンプルなデザインが好印象

前輪の位置が154mm前進して、FRのようなスタイルになった4代目A4。

スリークで伸びやかなスタイリングが印象的な4代目A4。派手さはないが、それゆえに高い品質感が伝わってくる。全体がシンプルなため、LEDライトを内蔵したヘッドライトやスポイラー状に下部が出っ張ったフロントバンパーが印象的だ。

ボディサイズは全長4705mm×全幅1825mm×全高1440mmと、ライバル車(Cクラスや3シリーズ)より少し大柄だが、見ても乗っても、特に大きいという印象はない。ホイールベースは2810mmもあるが、最小回転半径は5.5メートルとまずまず小さく、感覚的にはもっと小回りが効くように感じられる。

 
ボディサイズはクラウンあたりと同程度。Cd値(空気抵抗係数)は0.27と優秀
「1.8 TFSI」の標準は16インチだったが、試乗車はオプションの17インチ(後に標準装備化)
発売当初「1.8 TFSI」は、LEDポジションランプとバイキセノンが10万円のオプションだったが、後に標準装備化された


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品質感、操作性、装備など文句なし

オプションのレザー仕様ではブラック以外に、ベージュやブラウンも選べた

アウディらしいデザインテイストに意外性はないが、高級感は文句なし。試乗車がレザーシートやウッドパネル(それに17インチタイヤ&アルミホイール)をセットにした「SEパッケージ」(40万円)付だったせいもあるが、感覚的にはA6あたりに限りなく近い。

またナビゲーションシステム(DVDタイプだがスペックは最新)、地デジ対応チューナー、操作性に優れたMMI(マルチ・メディア・インターフェイス)、電子制御パーキングブレーキなどを当時から標準装備していた点も、ライバル車をリードしていた部分だ。試乗車の場合は、さらに「APS」と呼ばれるリアビューカメラ付バックセンサーも装備していた。

 
平均燃費計はVWアウディで定番のタイプで、とても使いやすい
アウディ上級車でおなじみのMMI。ナビやオーディオなど、慣れればブラインド操作も可能
「SEパッケージ」のレザーシート。シートヒーターやランバーサポートも装備
 
床下にはテンパースペアタイヤを搭載。奧にはバッテリーが収まる
荷室容量はライバル車(多くがFR)を上回る480リッター。6:4分割でトランクスルーも可
後席の座り心地は固めで、なぜかドリンクホルダーもなし。エアバッグは8個
 

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1.8ターボでも十分パワフル。違和感のないCVT

燃費運転も得意だが、アクセルを踏み込めば意外な速さも見せる1.8 TFSI

試乗したのは2008年式で、初年度登録から2年4ヵ月、走行距離1万9300kmのワンオーナー車。順当に距離は伸びているが、「ファントム ブラック」と呼ばれる塗装を含めて、内外装コンディションは非常に良く、このままデモカーとしても使えそう。販売価格は、新車時の419万円(オプション込みで500万弱)に対して、315万円だ。

2年前の発売当時にも、これと同じ「1.8 TFSI」に試乗したが、久々に乗った印象は当時とほとんど同じ。試乗車にはどこにもヤレ感がなく、むしろ当たりが付いた分、全体にスムーズかも、と思えたぐらいだ。

この1.8 TFSIを運転して、誰もが最初に驚くというか、むしろ「気付かない」のは、変速機がCVT(無段変速機)であることだろう。国産車では今や当たり前のCVTだが、「マルチトロニック」と呼ばれるアウディのCVTは、クルマに詳しい人でもトルコンATだと間違えそうなくらい、滑り感やノイズがまったくない。

 
「1.8 TFSI」の直噴ターボは、初代TTや先代A4の1.8ターボ(5バルブ)とは別格のパワー感を発揮する

これには低回転からトルクフルなエンジンも貢献している。「2.0 TFSI」の影に隠れて目立たない「1.8 TFSI」の1.8リッター直噴ターボだが、さすがにターボだけあってパワーは十分。その気になれば、かなり速い。

また、60km/h以下のタウンスピードではわずか1200回転、100km/h巡航でも1800回転といった低回転で走ってしまうのは、変速比の広いCVTならでは。当然ながら燃費もいいし、静粛性も高い。また乗り心地にもドイツ車にありがちな硬さはまったくなし。総じて日常的な領域では、まったくケチの付けようがないクルマだ。

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車名  Audi A4 1.8 TFSI (2008年式)
形式  ABA-8KCAB
寸法  全長4705mm×全幅1825mm×全高1440mm
ホイールベース  2810mm
車重    1510kg
駆動方式  前輪駆動(FF)
エンジン  1798cc 直列4気筒DOHC・4バルブ・直噴ターボ
最高出力  160ps(118kW)/4500-6200rpm
最大トルク  25.5kgm (250Nm)/1500-4500rpm


トランスミッション  CVT
使用燃料/容量  プレミアムガソリン / 65L
10・15モード燃費  12.2km/L
タイヤ      225/50R17
最小回転半径   5.5m
発売時期     2008年3月
当時の新車価格  419万円(消費税込み、オプションなし)


試乗車スペック

初年度登録   2008年5月
試乗日      2010年9月
販売価格    315万円(消費税込み)
走行距離    1万9300km
ボディカラー  ファントムブラック パールエフェクト
備考      ワンオーナー、純正オプション:LEDポジションランプ&バイキセノンヘッドライト、APS(リアビューカメラ付バックセンサー)、SEパッケージ(本革シート、17インチホイール)
AIS評価点    -点

 


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「3種の神器」を手に入れるなら、「2.0 TFSI クワトロ」

オートプラネット名古屋に並ぶ2台の現行A4セダン。両方とも「1.8 TFSI」で、奧が試乗した08年モデル(315万円)、手前が09年モデル(369万円)

Cクラス、3シリーズ、そしてA4といった「ドイツ御三家」の中でも、このB8型A4の人気は上々で、完成度も高く、先進性も抜群という具合に、目下躍進中のアウディを象徴するモデルになっている。8世代ある歴代A4の中でも、最大のヒット作になるかも、と思うほど、その出来映えには隙がない。

さて、発売から2年半ほど経った2010年9月現在、Uカーでの選択肢は「1.8 TFSI」、「3.2 FSI クワトロ」、そして2009年からの「2.0 TFSI クワトロ」と「S4」の4つだ。最後の「S4」は別格として、ここでは担当者が試乗したことのある他の3モデルについて、順に紹介してみたい。

この中で、何と言っても注目は、「2.0 TFSI クワトロ」。211psの直噴ターボ、話題の7速DCT、そしてクワトロといったアウディ版「3種の神器」を全て手に入れるなら、選択肢はこれしかない。飛び抜けた速さ、盤石のシャシー性能、そして先進的なメカニズムがしっかり味わえる、惚れ惚れするモデルになっている。

「1.8 TFSI」は日本に一番合ったモデル

一方、「3.2 FSI クワトロ」は直噴の自然吸気V6エンジンとトルコン6ATを搭載したモデルで、その運転感覚はスムーズかつまったりと高級。「2.0 TFSI クワトロ」や「1.8 TFSI」とは印象がかなり異なるが、オーソドクスな高級車像を受け継いでいるのは、こちらの方だ。その意味では、最も手堅いモデルとも言える。現在はラインナップからドロップしているので、購入するとなればUカーのみとなる。

そして今回試乗した「1.8 TFSI」は、新車がよく売れたこともあり、Uカーでもやはり主力となる。こちらは試乗インプレッションでも触れた通り、運転しやすく、パワーも十分で、燃費も良い、というバランス感覚に長けたモデルだ。ラインナップ上は、単なる「エントリーグレード」のように見えてしまうが、むしろ日本の交通事情や日本人の好みに最も合っているのが、この「1.8 TFSI」だと言える。

 

Text:丹羽 圭(Kei Niwa), DAYS
Photo:DAYS

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