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掲載日 : 2010年09月07日

2009 トライアンフ スピード トリプル

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最強の3気筒エンジンを積んだストリートファイター

2005年モデルから1050cc化されたスピードトリプル。写真は2005-2007年モデル
(写真:トライアンフ・ジャパン)

「スピードトリプル」は水冷3気筒エンジンを積んだ高性能ネイキッドモデル。いわゆる“ストリートファイター”と呼ばれるジャンルのモデルだ。

初代スピードトリプルは1994年にデビュー。当初は3気筒885ccエンジン(98ps)と丸目一灯ヘッドライトのオーソドクスなスタイルで登場。トライアンフ自身は現代版カフェレーサーと称していた。

1997年には車体を一新し、実質的に2代目となる「T509 スピードトリプル」にフルモデルチェンジ。これはスーパースポーツの「T595 デイトナ」と同時開発されたモデルで、2本のアルミ製楕円パイプからなるフレームや片持ちスイングアームを装備し、丸目2灯ヘッドライトの迫力あるスタイリングもこの時点で確立。エンジンは885ccのままだったが、最大出力108ps、最大トルク8.7kgmにパワーアップしていた。また、映画「ミッション:インポッシブル 2」(2000年)でトム・クルーズが劇中で乗り、新生トライアンフの存在を世界中に知らしめたのもこのモデルだ。

2002年にはエンジンを955cc(120ps、10.2kgm)に拡大。それと合わせて、キャスターやホイールベース等の車体ディメンションも変更している。

2005年に1050ccエンジンや倒立フロントサス等を採用

今回試乗したのは2008-2010年モデル。車体色は欧州などで人気のマットブラック(つや消し黒)

2005年にはシリーズ最強の1050ccエンジン(130ps、10.7kgm)を搭載。また45mm径の倒立フロントサスペンション、アップタイプの左右2本出しマフラー、切り詰められたテールデザイン等も採用され、性能、スタイル共に、さらに凄みが増した。

2008年モデルではニッシン製だったフロントブレーキキャリパーをブレンボ製に変更したほか、マグラ製テーパードアルミ製ハンドルバーを採用し、さらに倒立フォークのブラックアルマイト仕上げ、リアエンド部のデザイン変更、各部のリアファイン等を実施した。以後、2010年モデルまで変更は特になし。新車価格(標準仕様)は2010年現在、154万3500円だ。

なお、スピードトリプルの累計販売台数(世界市場)はデビューから25周年の2009年に3万5000台となっている。(2010.09)

 

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迫力満点、独自の凄み

ブラックアルマイト仕上げのフロントフォーク、そしてブレンボ製フロントブレーキキャリパーが2008-2010年モデルの特徴

オートバイに詳しくない人ですら、得体の知れない迫力を感じてしまう・・・・・・。スピードトリプルはそんなバイクだ。まずは好む好まざるに関わらず、丸目2灯のヘッドライトが印象的。今やこの顔が675ccのストリートトリプル共々、トライアンフ製ストリートファイターのアイデンティティだ。さらには陸上の短距離選手を思わせるようなマッチョなスタイル、そして黒とメッキのコントラストが独特の凄みを放っている。

 
こちらは675cc・3気筒の「ストリート」トリプル R。よく似ているが、微妙に「スピード」の方がマッチョ

横から見ると、特殊なアルミ楕円パイプを2本撚り合わせたフレームと片持ちスイングアームがパワフルな走りを想像させる。またこの2点が、シンプルなアルミフレームと両持ちスイングアームの弟分「ストリート」トリプル(675cc)との分かりやすい識別点だ。

 
メーターとライトは操安に影響の少ないフレームマウント式。フロントサスは45mm径の倒立式フルアジャスタブル
液晶デジタルに走行距離、平均速度、平均燃費、時計などを表示。燃料計はなく、残量が少なくなると警告灯がつく
2008年モデルからマグラ製アルミハンドルを装備。ポジションは見た目ほどきつくない
 
2008年以降のカタログモデルの場合、車体色はマットブラック、ジェットブラック、ブレイジングオレンジ、フュージョンホワイト。それ以前はルーレットグリーン(黄緑)やスコーチッドイエローなどもあった
フロントブレーキキャリパーは2008年からブレンボ製。ラジアルマウントタイプの4ピストン・4パッド式
焼け色の美しいステンレス製エクゾーストマニフォールド。排気経路は3-1-2
 
1050cc・3気筒DOHCエンジンは従来の955ccをロングストローク化したもの。ボア×ストローク:79.0 x 71.4mm
後輪は一般的な180/55ZR17で、試乗車はメッツラーのスポーテックM3を装着。もちろんリアサスもフルアジャスタブル
アップタイプの両サイド・2本出しマフラーは2005年モデル以降の特徴

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第一印象は、意外にも「乗りやすい」

ハンドルバーが幅広いため、肘を左右に突き出すような形になるが、乗車姿勢は国産ネイキッドに近いとも言える

試乗したのはトライアンフ名古屋イーストが試乗車として使っていた2009年モデル。ただしスピードトリプルは2008年から2010年モデルまで特に変更がないので、実質的には現行モデルだ。走行距離はまだ600kmで、販売価格は新車時の154万3500円に対して124万9500円。キズ一つない状態は、まさに新車同様という感じ。

シート高は815mm(ストリートトリプルより10mmだけ高い)で、身長166センチの取材担当者の場合、片足のつま先が何とか付く程度だったが、身長170センチ台ならまったく問題ないはず。感覚的にも数値的にも、足つき性はシート高が810mmのドゥカティ・モンスター1100 と大差ない感じだ。

スターターボタンを押すと、「クゥクゥクゥ」と重そうにクランキングした後、「ズドン! ブロロロロ」とエンジンに火が入る。弾けるようなサウンドの675cc「ストリート」 トリプルに対して、1050cc「スピード」の排気音はドスが効いた重低音だ。

 
低回転域のマイルドな走りと高回転域の過激さ、この二面性が「スピード」の魅力

試乗する直前、トライアンフ名古屋イーストの土田店長に「ものすごく乗りやすいよ!」と言われた時には、正直言って半信半疑だったが、いったん走り出せば 「なるほど、確かに乗りやすい!」と納得。ギアが何速でもギクシャクすることはなく、扱いやすさはマルチ(4気筒)並み。それでいてトルクフルなところは今のボンネビルみたいでもあり、街中でもストレスなく乗れてしまう。さらにビッグバイクらしい重量感もあり、何だかとても頼もしい。

高回転で怒濤の加速、低回転ならツーリングもOK

ここまでだと、過激さを期待していた人は拍子抜けするかもしれないが、もちろん最高出力132ps/9250rpm、トルクはほぼ全回転域で10kgm前後を絞り出す1050cc・3気筒は、そんな期待にも背かない。巡航中の「ルルルルル」というトリプル独特の音は、6000回転あたりからジェット機みたいなサウンドに変化し、怒濤の勢いで加速。高速道路でも思わず途中でシフトアップしてしまう。

前後フルアジャスタブルのサスペンションはしなやかに動き、乗り心地も良好。ブレンボ製ブレーキの効きも文句なし

ただしギアリングは1速からすでに高めで、街中やワインディングでは、トルクにモノを言わせて走る方が自然だ。ここに来て初めて「スピード」と「ストリート」の両トリプルが、ぜんぜん性格の違う兄弟だ、ということが分かってくる。戦闘機に例えるなら「スピード」はP51マスタング、675cc「ストリート」は運動性重視の零戦という感じか。

高速道路での100km/h巡航は、6速トップで3700回転くらいと低い。ノンカウルゆえ、それ以上の速度域だと風圧が気になるが、安定感のある車体とトルクフルなエンジンのおかげで、高速巡航は楽にこなせる。ストリートファイターというイメージとは裏腹に、意外やツーリングもオッケー!という感じだ。

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車名  Triumph Speed Triple (2009年モデル)
形式  -
寸法  全長2115mm×全幅(ハンドルバー)780mm×全高1250mm
ホイールベース  1429mm
シート高  815mm
車重(乾燥重量)    189kg
駆動方式  チェーン駆動
エンジン  1050cc 水冷・直列3気筒DOHC・横置
燃料供給装置  電子制御燃料噴射
始動方式    セルフスターター
最高出力  132ps(97kW) /9250rpm
最大トルク  10.7kgm (105Nm)/ 7550rpm


トランスミッション  6速リターン式
使用燃料/容量  プレミアムガソリン / 18L
タイヤ      前 120/70ZR17、後 180/55ZR17
最小回転半径   -m
発売時期     2009年1月
当時の新車価格  154万3500円(消費税込み、2009年モデル)


試乗車スペック

初年度登録   2010年5月
試乗日      2010年9月
販売価格    124万9500円(消費税込み)
走行距離    603km
ボディカラー  マットブラック
備考      トライアンフ名古屋イースト試乗車

 


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2005年以降の1050ccモデルがおすすめ

2008年4月にオートプラネット内にオープンした「トライアンフ名古屋イースト」(TEL 0561-67-1222)。MVアグスタ、ドゥカティ、インディアン等の正規販売店も併設する 

2010年現在、ユーズドで購入する場合は、1050ccエンジンを搭載し、いろいろな意味で完成度の増した2005年以降のモデルがおすすめだ。そのうち2005~2007年モデルは、フロントブレーキキャリパーがニッシン製、倒立フォークがゴールド仕上げで、2008年モデル以降はそれぞれブレンボ製、ブラックアルマイト仕上げになる。

また2008年モデル以降は、いわゆるドンツキ感 (スロットル操作に対してレスポンスが過敏な感覚)が改善されたと言われているが、巷で言われているほど劇的な差はないようだ。少なくとも今回試乗した2009年モデルは、まったくもって乗りやすい。専門誌では豪快さや過激さを強調するものが多いが、街乗りではそれとは別に、穏やかさが印象に残る。

「スピード」か「ストリート」かは、好み次第

気になるのは、675ccとは思えないパワーと軽快な操縦性で人気の675cc「ストリート」トリプルの存在だろう。今回、話を聞いたトライアンフ名古屋イーストの中村さんによると、新車の場合は「スピード」も「ストリート」も指名買いが多く、迷う人はほとんどいないという。ただし新車価格(2010年)は、「スピード」が154万3500円、「ストリート」が99万7500円(上級のRで114万4500円)とかなり開きがあり、今や新車販売では「ストリート」が圧倒的に多いという。

ただしユーズドとなると、「スピード」の方が発売時期が早いせいもあり、価格差は無いも同然。その上で、「スピード」には大排気量ならではの魅力があり、どちらを選ぶかは、純粋に好みの問題だと言える。

【ユーザーリポート】 オートプラネット名古屋スタッフのOさんに聞く

GIVIのトップケースを装着したOさんのスピードトリプル。トライアンフ名古屋イースト主催のツーリングにて

最後はおまけとして、プライベートでスピードトリプルの2008年モデルに乗る、オートプラネット名古屋スタッフのOさんに話を聞いてみた。

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「2008年の5月に新車で購入してから、約2年4ヵ月で1万4000km走りました。2008年モデルなので、現行車と同じですね。

実はこのスピードトリプル、人生で初めて買ったオートバイです。購入前は過激で乗りにくいバイクを想像していたのですが、実際には『意外にあっさり乗れちゃったな』という感じでした。トルクがあって発進しやすいし、街中でも乗りやすく、3000回転も回っていればパワーも十分。高速道路でも6速トップのまま、スロットルをガバッと開けるだけで思った通りに加速してくれるので、とても楽です。

主な用途はツーリングで、休みの日には300kmから400kmくらい、信州や岐阜、三河などに出かけます。トルクがあるので、山道でも走りやすいです。それからよく驚かれるのが燃費の良さで、ツーリングなら25km/Lくらい走りますし、どんな走り方でも20km/Lを割ることはありません。タンク容量は18リッターと十分なので、ツーリング中に頻繁に給油しなくて助かってます。

トラブルに関しては購入当初、カプラーの単純な接触不良で、イグニッションを入れても電源が入らないことがありましたが、それ以外はトラブルフリーです。メンテナンスはオイルなどの消耗品を換える程度で、特別なことはしていません。信頼性は高いと思います。

高速をよく使うので、ETCは必須ですね。荷物は普段、シートバックに入れていますが、泊まりのツーリングやお土産を買う時には、GIVIのトップケースを装着して出かけます。唯一の不満点は、長時間乗り続けているとお尻が痛くなることでしたが、純正アクセサリーのゲルシートを装着したら劇的に改善されました。これはおすすめです (談)」

 

Text:丹羽 圭(Kei Niwa), DAYS
Photo:DAYS

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