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Uカー試乗記

Uカー試乗記

掲載日 : 2010年11月10日

2004 フォルクスワーゲン ゴルフ GT レザーパッケージ

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「最も身近な輸入車」の5世代目

歴代ゴルフと今回の5代目
(写真:フォルクスワーゲン グループ ジャパン)

日本では「最も身近な輸入車」と言われて久しいVWゴルフ。その累計生産台数は5世代合わせて約2600万台以上(1974年~2009年)というから、世界的にも超が付くベストセラーカーだ。

今回とりあげる5代目、通称「ゴルフ5(V)」は、2003年に欧州でデビュー。その特徴はゴルフ伝統の高い基本性能のほか、クラスをリードする上質感や快適性などだが、特にメカニズムに関しては、「TSI」と称される過給器付の直噴エンジンや「DSG」ことDCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)を積極的に採用し、最終的には全ラインナップに行き渡らせた点が注目に値する。

日本では2004年に発売。当初は1.6/2リッターNA+6ATが主力

今回試乗した「GT レザーパッケージ」。5代目ゴルフの初期において上級グレードを担った

日本で発売された2004年6月当初は、1.6リッター・6ATの「E」、2リッター・6ATの「GLi」と「GT」、そのレザー内装仕様の「GT レザーパッケージ」というラインナップで、価格は240万4500円~328万6500円だった。なお、その3ヵ月後には早くもエンジンが燃費対策仕様に換装されている(10・15モード燃費以外の諸元はほぼ同じ)。

2005年3月には、GTIと共通の2リッター直噴ターボ(200ps、28.6kgm)と6速DCTを採用した「GTX」を追加。6月には専用の内外装を備えた「GTI」(6速DCTと6MT)が登場した。

2006年2月には、3.2リッターV6(250ps、32.6kgm)とフルタイム4WDシステム「4MOTION」を備えた高性能トップモデル「R32(アール・サーティトゥー)」が登場。6MT(左ハンドル)は3ドア、6速DCTは5ドアとされ、価格もゴルフでトップクラスの419万円(6MT)~439万円(6速DCT)とされた。なお、日本仕様のゴルフ5は、このR32の6MT車とGTIのカップカー以外、全て5ドアとなる。

「TSIエンジン」と「DCT」を下位グレードに拡大

スーパーチャージャー+ターボを搭載した「GT TSI」
(写真:フォルクスワーゲン グループ ジャパン)

2007年2月には、スーパーチャージャー(エンジンで直接タービンを回す機械式過給器)とターボチャージャー(排気圧による過給器)を備えた1.4リッター直噴エンジン(170ps、24.5kgm)と6速DCTを採用した「GT TSI」が登場。GTIに迫る高性能と優れた燃費(10・15モード燃費:14.0km/L)で大いに話題となった。当時の価格は305万円で、これが従来の「GT」等に代わる中核グレードとなる。

2008年1月には、その「GT TSI」と同じ排気量のまま、過給器をターボのみとした「TSI コンフォートライン」(140ps、22.4kgm)を追加。6月にはそのターボを低圧化しつつ、DCTを7速化した「TSI トレンドライン」(122ps、20.4kgm)も登場。10・15モード:15.4km/Lの低燃費と248万円という低価格で、こちらも大きな話題となった。

そして2009年4月には6代目ゴルフ(ゴルフ6、ゴルフVI)が登場。これをもって5代目ゴルフのハッチバックモデルは販売を終了している。

 

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今や一般的なボディサイズ。小回り性能もゴルフ2から不変

ボディサイズは全長4205mm×全幅1760mm×全高1465mm

2004年のデビュー当時、各方面から「大きくなった」と散々に言われたゴルフ5だが、今となってはトヨタ・プリウスと大差ない大きさで、もはや抵抗を覚える人は少ないだろう。もちろん、全長約4メートル、全幅約1.7メートルといった、ゴルフ3以前のサイズ感を求める声も当然あるが、それには今やポロが応えてくれる。また、そもそも運転した時に感じるボディの大きさは、このゴルフ5でも以前のゴルフと何ら変わらない。最小回転半径は5.0メートルだが、これは1980年代のゴルフ2以来、不変の数値だ。

 
バックアップランプ点灯時。バンパー下にちらりと見えるマフラーは社外品
後ろ姿の変遷。5代目は全体に丸みや上質感を高めている (写真:フォルクスワーゲン グループ ジャパン)
「GT」の標準タイヤは「E」や「GLi」(195/65R15)より大径の205/55R16


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「レザーパッケージ」で高級感を大幅アップ

4代目以降のゴルフは質感の高さが自慢だが、レザーパッケージ車ではさらに高級感が高まる

今回試乗したのは、デビュー当初に上級グレードとして設定されていた「GT レザーパッケージ」。主力グレードの「GT」をベースに、タンカラーのレザー内装を奢ったものだ。試乗車は2004年式で、すでに新車時から6年も経過していたが、走行距離が2万kmと少ないせいか、さすがドイツ車と言うべきか、レザーのヤレはほとんど気にならないレベル。前のオーナーが気を使って乗っていたせいもあるだろうが、もともとレザーの耐久性も高いのだろう。

また運転席シートの電動調整機構やシートヒーターも、上級グレードならではの特典。特にゴルフの場合、通常は背もたれ調整がダイアル式となり、仮眠をとりたい時などに面倒なものだが、これなら簡単に背もたれが倒せる。

 
メーターはゴルフ4に引き続き、夜間に目盛りが青く光るタイプ
「ティプトロニック」と呼ばれるマニュアルモード付のシフトレバー
「GT レザーパッケージ」の前席はヒーター付で、運転席は電動
 
床下にはごく普通にテンパースペアタイヤと工具が収まる
トランク容量はクラス最大級の350リッター。拡大は背もたれをパタンと倒すだけ
後席は先代ゴルフ4より広く、後継のゴルフ6と大差ない。全車8エアバッグを標準装備
 

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TSI+DSGもいいけれど・・・・・・

ボディのねじり剛性は先代比80%アップ。ちなみにアクセルペダルはオルガン式だ

試乗した2004年式の「GT」は、自然吸気の2リッターDOHC直噴「FSI」エンジン+6AT仕様。新車時の価格はレザー内装の「GT レザーパッケージ」で328万6500円だったが、試乗車の販売価格は145万円だ。

「FSI」エンジンのゴルフに乗るのは久々だったが、これが実によく走る。TSIエンジンのように「過給器で増幅された力強いトルク感」みたいなものはないが、そもそもこの2リッターFSIでも最高出力は150psと一世代前のGTI並みにある。車重1380kgのボディには十分なパワーだ。

アイシンAW製6ATの変速もまったくもってスムーズ。DCTのように「切れ目のない」変速で圧倒されることはないが、変速レスポンスは十分に速いし、変速ショックもほとんどない。発進時のクリープも、それを電子制御クラッチで擬似的に生じさせるDCTより力強いから、一般的なAT車に慣れてしまった人には、こちらの方が運転しやすいだろう。

そのあたりの手堅いメカニズムも含めて、試乗車そのものの印象も上々。もちろん新車時のようなシャッキリ感は失われているが、飛ばした時の安心感、ボディのしっかり感、スムーズな乗り心地などは、ほとんどそのまま維持されている。なお、試乗車のマフラーは社外品だったが、音量は純正並みで、ノーマルを知らなければ気付かないレベルだった。

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車名  Volkswagen Golf GT Leather Package (2004年式)
形式  GH-1KAXW
寸法  全長4205mm×全幅1760mm×全高1465mm
ホイールベース  2575mm
車重    1380kg
駆動方式  前輪駆動(FF)
エンジン  1984cc 直列4気筒DOHC・4バルブ
最高出力  150ps(110kW)/6000rpm
最大トルク  20.4kgm (200Nm)/3500rpm


トランスミッション  6速AT
使用燃料/容量  プレミアムガソリン / 55L
10・15モード燃費  11.4km/L
タイヤ      205/55R16
最小回転半径   5.0m
発売時期     2004年6月
当時の新車価格  328万6500円(消費税含む)


試乗車スペック

初年度登録   2004年8月
試乗日     2010年10月
販売価格    145万円(消費税込み)
走行距離    2万200km
ボディカラー  レーザーブルー
備考      レザーパッケージ仕様、社外HDDナビ・TV・CD、社外マフラー付
AIS評価点    4.5点

 


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パワートレインによって、乗り味はかなり違う

ゴルフ4時代の1.8リッター・DOHC・5バルブや2.0リッター・SOHCに代わって登場した2リッター直噴の「FSI」エンジン

冒頭でも触れたように、ゴルフ5の歴史とは、自然吸気の「FSI」エンジンと6ATで始まり、それが徐々に過給器付エンジン「TSI」と「DSG」に置き換わっていった歴史だ。そんなわけで、ゴルフ5をUカーで選ぶ時のポイントは、従来型FSI+6AT搭載車か、新世代TSI+DCT搭載車か、という二択に尽きる。

まず前者に相当するのが、1.6リッターFSI+6ATの「E」、そして今回試乗した2リッターFSI+6ATの「GLi」や「GT」だ。年式はいずれも2004年からあり、価格の手頃なものが比較的多く、またトルコンATゆえに、坂道発進でコツを要さない点では、初心者にもおすすめしやすい。総じて、速さやパワー感より、ゆったりした運転感覚を優先したい場合、そして日常的に走行距離が少ない(つまり燃費にシビアではない)場合におすすめだ。パワーバランスのいい「GT」や「GLI」もいいが、2007年に集中的に投入された「E」ベースの特別仕様車も狙い目だろう。

TSI+DCT車もいろいろ。最高速と燃費性能は反比例

オートプラネット名古屋に並ぶゴルフ5。手前が7速DCTを搭載する「TSI トレンドライン」、奧が「GTI」

一方、TSI+DCT車(以下、TSIモデル)は、発売が早い順に、

・200psの「GTX」(2005年~2007年)と「GTI」(2005年~2009年)
・170psの「GT TSI」(2007年~2009年)
・140psの「TSI コンフォートライン」(2008年~2009年)
・122psの「TSI トレンドライン」(2008年~2009年)

と多種多様。後から発売された方が燃費を重視、かつ低パワーであるのが面白い。

ついでに各モデルの最高速(発表値)と10・15モード燃費を挙げておくと、

・「GTI」(DSG):233km/12.6km/L
・「GT TSI」:218km/h/14.0km/L
・「TSIコンフォートライン」:203km/h/14.2km/L
・「TSI トレンドライン」:197km/h/15.4km/L

となる。つまり、最高速と10・15モード燃費は、見事に反比例する(メーカーがそうなるようにチューニングしているから当然だが)。ただし、当て馬のようで申し訳ないが、116psしかない「E」でも10・15モード燃費は12.8km/Lに過ぎないから、TSIモデルの燃費はいずれもかなりいい。

 

TSIモデルから、どのグレード(パワー)を選ぶかは、運転スタイルや好み次第だが、もっと言ってしまえば、わずか122psの「TSI トレンドライン」でも驚くほど速く、体感的には今回試乗した「GT」を上回る。GTと同じ20.4kgmの最大トルクをわずか1500回転で発揮するほか、7速DCTゆえに1速のギア比も低いからだ。ただしパワーのある方が装備もいいので(アルミホイールや本革ステアリングなど)、そのあたりで不満のないところとなると、中間グレードの「TSI コンフォートライン」か、ツインチャージャーの「GT TSI」あたりが無難と言える。

いずれにしても、今やロジカルなクルマ選びにおいて、プリウスに匹敵する輸入コンパクトカーがこれらゴルフのTSIモデルだ。特に「内燃機関」ならではのメカメカしたフィーリングに興味をそそられる方には、ぜひゴルフをお選びいただきたい。パワー、燃費、運転感覚、そのいずれにも深く満足できるはずだ。

 

Text:丹羽 圭(Kei Niwa), DAYS
Photo:DAYS

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