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Uカー試乗記

Uカー試乗記

掲載日 : 2011年01月11日

2009 プジョー クーペ 407

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プジョー伝統の中型高級クーペ

プジョー クーペ407
(写真:プジョー・ジャポン)

プジョーの「クーペ407」は、同社の407シリーズをベースにした高級2ドアクーペ。4ドアセダンを基に高級クーペとするのは同社の伝統でもあり、旧くは1960年代の404クーペ、1970年代の504クーペ、最近では406クーペがあった。ただしクーペ407は従来とは異なる新世代モデルということで、車名は「クーペ+数字」の順に変更。これまでは伊ピニンファリーナ社に委託されていたデザインとボディの生産も、クーペ407では基本的にプジョー社内で行われている。

日本では2006年に発売。次期型はクーペ508?

今回試乗したクーペ407。2009年式だが、外観はモデルライフを通じて変更なし

日本では407セダン/SW(エスダブリュー)の発売から一年後の2006年6月に受注を開始。グレードは基本的に3リッターV6+6ATの1種類で、HDDナビやレザー内装を標準装備。左・右のハンドル位置とボディカラーが6色(内装は4色)用意され、価格は549万円だった。

その後は装備の細かなアップグレードや価格改定(569万円に値上げ)が行われた程度で、2011年1月現在も販売中。ただし2010年10月のパリサロンでは、407シリーズの後継車となる508シリーズ(セダンとSW)がすでに発表されており、欧州では2011年春に発売予定となっている。

 

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アウターパネルは全てクーペ専用

この角度から見るとフェラーリのFRモデル「550」にちょっと似ている

407セダンの単純な2ドア版のようにも見えるクーペ407だが、実際のところアウターパネルは全て専用品。前後バンパーや灯火類も専用だ。またボディサイズもセダンより130mm長く、30mm幅広く、55mmも低い。実用性が大事なセダンと違い、クーペはカッコが命だから、サイズの枠にとらわれない伸び伸びとしたスタイリングとなっている。

「猫科の猛獣」をイメージしたフロントマスクは、デビュー当時アグレッシブに見えたものだが、今見るとむしろエレガントな印象。ちなみにフロントバンパー両脇にある猫の髭みたいな3本スリットもクーペのみの意匠だ。

 
後ろ姿はセダンに比べて“天地”が薄い。リアバンパーもセダンとはまったく異なる
ボディサイズは全長4815mm×全幅1870mm×全高1405mm。WBはセダン/SWと同じ2725mm
キセノン&AFS(車速と舵角に応じて左右に光軸を可変する)は標準装備

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豪華、快適、安全、フル4シーター

写真の内装色は「セルベール(Cerbere)」という名のワインレッド。レザー張りダッシュボードやパイオニア製20GB・HDDナビは全車標準

インパネは407セダン/SWと基本的に共通だが、ドライビングポジションは着座位置が20mmほど低いため、心持ちスポーティだ。また前席に限っては、クーペらしい広々とした空間となっている。高級感はセダン/SW系でも十分にあるが、スペシャリティカーであるクーペ407ではさらに豪華。特にシートは最高級のカーフレザーが贅沢に使われ、手縫い風のサドルステッチで仕上げられている。

少々面食らうのは、ドアがめっぽう重いこと。以前とりあげたルノー・アヴァンタイムのドアも相当なものだったが、こちらもそれに負けないくらい重い。助手席に女性を乗せる場合は、最後までエスコートすべし。

 
シフトゲートは使いやすいジグザグ式。スポーツ/スノーモードのボタンも押しやすい
前席はフルレザー・フル電動でサイドエアバッグを内蔵。「ユーロNCAP」は最高の5つ星
後席は快適で、作りも豪華。乗降時には前席が自動的に電動スライドしてくれる
 
トランクリッドの開閉はエンブレムの「0」を押して行う
トランク床下にはフルサイズのアルミホイールとスペアタイヤを搭載
荷室容量は400リッターで、後席を畳んでトランクスルーも可
 

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悠々たるハイスピードツアラー

高速域での高い安心感や快適性がクーペ407の持ち味。フロントウインドウとサイドウインドウには防音ラミネートガラスを使用する

試乗車は2009年12月登録で(つまり1年落ち)、走行距離はわずか4800kmという車両。AIS評価点もほぼ失点なしの6点で、新車保証はまだ2年も残っている。販売価格は新車時の569万円に対して339万円と、ちょっと申し訳ないような値段だ。

というわけで、試乗した印象は4年前に乗った新車デモカーに限りなく近い(全然関係ないが、ボディカラーと内装色も一緒だった)。過剰とも思えるほど余裕のあるシャシー性能、それがもたらす安心感、安定感、快適性、乗り心地、静粛性などなど、最高級セダンのお株を奪ってしまう乗り味は、407シリーズ共通の特徴だ。念のため言うと、その印象は今の基準から言って少々頼りなさのある先代406シリーズとはまったく異なる。

 
基本設計は少々旧いが、アイシン製6ATを手に入れてドライバビリティは文句なしとなった3リッターV6

さらに細かいことを言えば、クーペ407の足まわりはセダンやSWと異なるワイドトレッドの専用設計で、ダンパーも電子制御式とワンランク上の仕様だが、大ざっぱに言ってしまえば運転感覚は407セダンやSWとよく似た感じだ(少なくとも3リッターV6同士では)。今回はオートプラネット名古屋の周辺を走っただけだが、本来なら高速道路を走ってこそ、その真価を発揮する。

またPSA(プジョー・シトロエングループ)でおなじみの3リッターV6とアイシンAW製6ATも、パワーよりスムーズさが持ち味。しゃかりきに飛ばすのではなく、高速道路を悠々とハイアベレージで流すのが得意であり、クーペ407の高級クーペというキャラクターを引き立ててくれる。

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年式・車名  2009 Peugeot Coupe 407
形式  ABA-D2CPV
寸法  全長4815mm×全幅1870mm×全高1405mm
ホイールベース  2725mm
車重    1660kg
駆動方式  前輪駆動(FF)
エンジン  2946cc V型6気筒DOHC・4バルブ
最高出力  210ps(155kW)/6000rpm
最大トルク  29.5kgm (290Nm)/3750rpm


トランスミッション  6速AT
使用燃料/容量  プレミアムガソリン / 65L
10・15モード燃費  -km/L
タイヤ      235/45R18
最小回転半径   6.1m
発売時期     2006年6月(クーペ 407)
当時の新車価格  569万円(消費税含む、2007年3月以降)


試乗車スペック

初年度登録   2009年12月
試乗日      2010年12月
販売価格    339万円(消費税込み)
走行距離    4800km
ボディカラー  アルミナムグレー
備考      新車保証残りあり
AIS評価点    6点

 


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バリッとした高年式車がおすすめ。内装は必ず実車でチェック

取材時、オートプラネット名古屋には407のセダン、SW、クーペと全ボディタイプが揃っていた

クーペ407は発売から現在までの5年間、目立った仕様変更はなく、パワートレインも3リッターV6のみ。選択肢としては、発売当時に6色あったボディカラーとそれに応じた内装カラー、そして右ハンドルか左ハンドルか、くらいだ。左ハンドルは途中から受注生産になったが、デビュー当時に試乗した車両は左ハンドルだったくらいで、初期導入車にはそれなりにあったと思われる。

なお運転感覚がイメージできない場合は、プジョー正規販売店で407シリーズのV6モデルを試乗してみるといいだろう。今ならまだ試乗車を置いているところがあるはずだ。

 

コンディションについては予算との相談になるが、新車で600万円弱もしたことを思えば、相場はかなりリーズナブル。すでに初期モデルなら200万円台前半という例もあるようだが、今回の車両のようにバリッとした高年式車が300万円前後であるなら、それに越したことはないと思う。また相場より極端に安い場合は、レザー内装のコンディションに注意したい。前オーナーの扱い方や保管方法で状態が左右されるほか、写真ではキズや汚れの程度が分かりにくいので、出来る限り実車をチェックすべきだ。

フランス製クーペはいつもロマンチック

紋切り型のエコカー減税や新車購入補助の対象か否かが、購入条件として重視されてきた昨今の新車市場で、クーペ407の国内販売はやや苦戦したというか、かつての406クーペ以上に趣味性の高いクルマとなった感は否めない。ただ、もともとこのクラスのプジョー歴代クーペはニッチ向けだったし、先代の406クーペにしろ、あるいはルノー・アルピーヌ V6ターボにしろ、昔からフランス製高級クーペというのは、会話や音楽を楽しみながら、長距離を快適に疾走するためのロマンチックな乗り物だった。幸か不幸か、クーペ407の相場はクルマ本来の魅力と実力からすれば不当なほど安い。フランス車好き、プジョー好きなら、このチャンスを活かさない手はないだろう。

 

Text:丹羽 圭(Kei Niwa), DAYS
Photo:DAYS

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