掲載日 : 2011年02月01日
2009 メルセデス・ベンツ B170 リミテッドホワイト
Aクラスベースの上級5人乗りコンパクトカー
「Bクラス」は、2代目Aクラスをベースに、全長とホイールベースをストレッチした5人乗りの上級コンパクトカー。車名の通り、AクラスとCクラスの中間にあたるモデルだ。Aクラス同様、前輪駆動で「サンドイッチコンセプト」と呼ばれる分厚い二重フロアを備えるが、外観デザインはBクラス独自のスタイリッシュなものとなっている。
「B170」「B200」「B200ターボ」の3グレードで展開
日本では2006年1月に、1.7リッター直4の「B170」(116ps、15.8kgm)、2リッター直4の「B200」(136ps、 18.9kgm)、2リッター直4ターボの「B200ターボ」(193ps、28.6kgm)の3グレードで発売された。変速機は全車CVT(無段変速機)で、右ハンドルのみ。価格はAクラスより50万円ほど高く、それぞれ299万2500円、346万5000円、393万7500円だった。
2008年8月には、内外装をマイナーチェンジ。同時にマッピング等の変更によって10・15モード燃費がB170:12.8km/L→13.8km/L、B200:11.8km/L→12.6km/L、B200ターボ:11.2km/L→12.0km/Lへと向上している。
2009年8月には新グレードの「B180」(排気量はB170と同じ1698cc)が登場し、従来からある「B200」との2グレード体制となった。このまま2011年1月現在も販売中だ。
なお今回の試乗車は、2009年1月に200台限定で発売された「B170 リミテッドホワイト」。外装色を人気のカルサイトホワイトとし、専用エクステリアクロームトリムパッケージ、オリエントベージュの内装色、マートルウッドトリム、電動シートを標準装備した特別仕様車だ。

Aクラスのストレッチ版。デザインは独自
2代目Aクラスのホイールベースを210mm伸ばして、快適性や高級感を高めたのがBクラスだ。例のサンドイッチコンセプトによってフロアは分厚く、その分だけ背も高い。そして前面衝突時にはエンジンが床下に潜り込むことで、側面衝突時にはその強固な構造と高い着座位置によって、乗員の生存空間を確保する。小さくてもSクラス並みに安全というのが売りだ。
もう一つの売りは、独特の塊感とウェッジシェイプによるカッコ良さ。そこが少々奇抜なAクラスや保守的なCクラスにはない、Bクラス独自の魅力となっている。
限定車ならではの上質感
もともと内装の質感が高いBクラスだが、今回取材した「B170 ホワイトリミテッド」は標準モデルより明らかに上質感が高い。限定車ならではの内装色「オリエントベージュ」や木目が美しいマートルウッドを使ったパネルが効いている。特にベージュ内装は、汚れるのが気になって避けがちだが、真っ黒の内装が重苦しくてイヤな人にとっては魅力的だろう。
一方、サンドイッチコンセプトによってフロアは高く、乗り降りはまるでSUVのように「よっこらしょ」という感じだし、足を前に投げ出して座るドライビングポジションも独特だ。ただ、しばらく乗っていると慣れてしまい、ほとんど違和感はなくなる。
重厚なシャシーにあらためて感心
試乗したのは2009年モデルの限定車「B170 リミテッドホワイト」。約2年落ちで、走行距離は1万6000kmと少なく、販売価格は新車時の333万円に対して249万円だ。
Bクラスの試乗は2006年のデビュー時などに続いて3回目だが、B200やB200ターボは一度もなく、すべてB170。それだけB170が販売主力ということだろう。試乗車の印象は、コンディションが良かったせいもあって、以前乗ったB170とほぼ同じ。電動パワステは少し軽めだが、直進安定性や乗り心地は良好。ほとんど上下動なく、フラットかつスムーズに走る。またこの小ささで、SUVやミニバンのように周囲が見下ろせる視点も嬉しいところ。
そして何よりもAクラスやBクラスでしか味わえない二重フロアによる重厚感、安心感がいい。また静粛性もミディアムクラスセダン並みに高い。構造上、この感覚は何十万km走っても不変じゃないだろうか。
B170の場合、車重1380kgに対して、馬力は116psしかないので、ここぞという時のパワーは物足りないが、常識的なペースで走る分には全く不足はない。変速機はCVT、メルセデス言うところの「オートトロニック」だが、欧州製CVTらしくスリップ感は少なく、ベルトノイズも割と静かだ。
年式・車名 2009 Mercedes-Benz B170 Limited White
形式 CBA-245232
寸法 全長4275mm×全幅1780mm×全高1605mm
ホイールベース 2780mm
車重 1380kg
駆動方式 前輪駆動(FF)
エンジン 1698cc 直列4気筒SOHC・4バルブ
最高出力 116ps(85kW) /5500rpm
最大トルク 15.8kgm (155Nm)/ 3500-4000rpm
トランスミッション CVT(無段変速機)
使用燃料/容量 プレミアムガソリン / 54L
10・15モード燃費 13.8km/L
タイヤ 205/55R16
最小回転半径 5.6m
発売時期 2006年1月(B170)、2009年1月(B170 リミテッドホワイト)
当時の新車価格 333万円(B170 リミテッドホワイト)
試乗車スペック
初年度登録 2009年3月
試乗日 2011年1月
販売価格 249万円(消費税込み)
走行距離 1万6000km
ボディカラー カルサイトホワイト
備考 -
AIS評価点 -点
おすすめはB170の限定車
2006年から2011年現在まで、Bクラスで一番売れているのがB170だ。よりパワフルなB200やB200ターボがあまり売れなかったのは、新車価格がB170より50万~100万円ほど高かったほか、2034ccという中途半端な排気量のおかげで、税制等で2.5リッタークラスに分類されてしまうから。逆に言えばデメリットはそれだけで、もしB170と大差ない価格でB200やB200ターボが手に入るなら、あとは考え方次第だろう。
主流となるB170の中で、特におすすめしたいのはB170ベースの限定車。冒頭の表で挙げたように、これら限定車はB180ベースも合わせると全部で2000台を越えるから、Uカーでも見つけやすい。装備も充実しており、スポーツパッケージ、バイキセノン&アクティブヘッドライト(車速やステアリング舵角に応じてヘッドランプの光軸を左右に12度可変する)、HDDナビ、パークトロニックなどが揃う。さらに今回試乗した「リミテッドホワイト」のように、明らかに内外装がワンランク上となるものもある。ということで、「Bクラスを買うなら限定車」というのが一つのセオリーだ。
ゴルフやA3は無難だが、Bクラスは“オンリーワン”
実際には、VWゴルフやアウディA3あたりと悩む人もいるかもしれないが、Bクラスは内容的にそれらとはまったく異なるクルマだ。ゴルフやA3が無難だとすれば、Bクラスは“異端”であり、それゆえ他の何物にもない所有感と乗車感、そしてクラスを超えた安全性が手に入る。そしてもちろん、前後にスリーポインテッドスターが輝くメルセデス・ベンツでもある。上級コンパクトカーの中では、他と比べて選ぶタイプではなく、いわゆる“オンリーワン”の存在と言っていいだろう。
Text:丹羽 圭(Kei Niwa), DAYS
Photo:DAYS










