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Uカー試乗記

Uカー試乗記

掲載日 : 2011年03月22日

2007 フォルクスワーゲン ゴルフ サンクスエディション

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2007年新春の“初売り”限定車。ベースは1.6の「E」

2007年1月に発売されたゴルフの限定車「サンクスエディション」
(フォルクスワーゲン グループ ジャパン)

5代目ゴルフ(ゴルフV)は、欧州では2003年にデビュー。日本では2004年から2009年まで販売されたモデルだ。

今回とりあげる「サンクスエディション」は、2007年1月6日に限定1027台で発売された特別仕様車。ポロおよびゴルフプラスの「サンクスエディション」(それぞれ500台と250台)と共に、2007年新春の初売り用に登場した。

内容的には、自然吸気1.6リッター直4(116ps、15.8kgm)・6ATのエントリーグレード「ゴルフ E」をベースに、15インチアルミホイール、フォグランプ、レザーステアリング、シートヒーター、パークディスタンスコントロール等の上級装備を追加したもの。ボディカラーは3種類で、ブラックマジック パールエフェクトが411台、キャンディホワイトが308台、リフレックスシルバーメタリックが同じく308台。当時の新車価格は、ベース車(当時242万円)より7万円高いだけの249万円だった。

さらに「25M エディション」と「オクターヴ」が登場

2007年5月に発売された限定車「25M エディション」
(フォルクスワーゲン グループ ジャパン)

「E」ベースの特別仕様車はこの後も続き、2007年には結果として3モデルが登場した。「サンクスエディション」に続く第2弾は、5月に発売された「25M(ミリオン) エディション」(限定1000台)。これはゴルフシリーズの累計生産2500万台を記念して、標準より1インチ大径の16インチアルミホイール、ブルーステッチ入りレザーステアリング、専用ファブリックシート、クルーズコントロール、バックセンサー等を標準装備したもの。ボディカラーはブラックマジック パールエフェクト(400台)、リフレックスシルバーメタリック(350台)、ブルーグラファイト パールエフェクト(250台)の3色で、価格は250万円だった。

 
2007年11月に発売された限定車「オクターヴ」
(フォルクスワーゲン グループ ジャパン)

11月には第3弾の「オクターヴ」(限定1200台)が登場。HDDナビ、15インチアルミホイール、シートヒーター、バックセンサー等を装備したもので、ボディカラーはブラックマジック パールエフェクト、リフレックスシルバーメタリック、キャンディホワイト、トルネードレッド、ブルーグラファイトパールエフェクトの5色。価格は252万円だった。

実質的には、この「オクターヴ」がゴルフ Eの最終モデルとなり、2008年後半からは1.4リッター直噴ターボ+7速DCTの「TSI トレンドライン」が、エントリーグレードの役目を引き継いだ。

 

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「サンクス」の目印は、アルミとフォグ

今回試乗した「サンクス エディション」。ボディカラーは定番の「ブラックマジック パールエフェクト」

ゴルフといえば最もポピュラーな輸入車ゆえ、詳しい説明は不要だろう。外観で「サンクス エディション」の特徴となるのは、新デザインの6.5J×15のアルミホイールやフォグランプくらいだが、特にアルミホイールは「ゴルフ E」の鉄ホイール+樹脂キャップに比べて軽量かつ見栄えもいいのが嬉しいところ。

また、おおむね運転のしやすいゴルフだが、実のところ後方視界はあまり良くない。そこでサンクスエディションにはバックセンサーが標準装備されている。車庫入れなどが苦手な人には嬉しい装備だ。

 
ボディサイズは全長4205mm×全幅1760mm×全高1520mm
15インチ・10スポークタイプのアルミホイール+195/65R15タイヤ
「サンクス エディション」はフォグランプも装備。ヘッドライトはハロゲン

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レザーの触感、シートヒーターの温もり

革巻ステアリング/シフトノブ/ハンドブレーキグリップは標準装備。写真のDVDナビ・TVモニターは社外品

一見、簡素なインテリアだが、「サンクス エディション」は、レザーステアリング、レザーシフトノブ、レザーハンドブレーキグリップを標準装備する。ウレタンでも別に機能面での問題はないが、レザー特有の触感は、やはりクルマに乗った時の印象を大きく左右するもの。特にVWのレザーは木目が細かく、しっとりした手触りが味わえて、心が和む。

サンクス エディションでもう一つ嬉しいのは、シートヒーターの存在。レザーシートに付き物のシートヒーターだが、ファブリックシートとの組み合わせは珍しい。冷え性の人や腰痛持ちの人なら、まさに「サンクス!」と言いたい装備だろう。逆にちょっと残念なのは、上級グレードや後のTSI トレンドライン等に装備される平均/瞬間燃費計が備わらないことか。

 
キーは定番のバタフライ式。何の変哲もないデザインだが、使いやすい
ゴルフ5全般で採用されたブルーメーター。これは6速マニュアルモードに入れた状態
おなじみティプトロニック(マニュアルモード付6速AT)のシフトゲート
 
純正オーディオはCDプレーヤー&AM/FMラジオ。下にシートヒーターのスイッチが見える
相変わらずリクライナーはダイアル式だが、ドライビングポジションは完璧に決まる
大人2人が寛げる後席。ドリンクホルダーはセンターコンソールに内蔵
 
床下にはテンパースペアタイヤと工具
後席の折り畳みは背もたれを倒すだけ。ここはゴルフ5と現行の6でほぼ共通
荷室容量は350リッター。アームレスト部を貫通させてスノーボード等も積める
 

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実によく走る。「2リッターは要らないかも」

期待以上によく走る「E」ベースのサンクスエディション

「サンクス エディション」は2007年1月に発売されたモデルで、試乗車はその翌月に初度登録されたもの。取材時点で約4年落ち、走行は2万5900km。内外装に目立つキズは無かったが、内装の汚れは少々目立っていた。販売価格は新車時の249万円に対して139万円だ。

走りに関しては、基本的に「ゴルフ E」と同じ。エンジンは自然吸気の1.6リッター直4で、変速機はトルコンの6AT。2リッターや各種TSIエンジン(直噴ターボ)と比べると、自然吸気の1.6リッターでは非力かな、と思いきや、これが実によく走る。正直、「これなら2リッターは要らないかも」、「TSI+DCTもいいけど、これだって別にいいよね」と本気で思えた。

アイシンAW製の6ATはスリップ感が少なく、変速もサクサクとけっこう素速い。ギアリングは低く、割とクロスしているので、低速域から小気味よく加速してくれる。今はVWの現行モデルから無くなってしまったパワートレインだが、完成度は高かったんだなあ、と再評価したい気持ちになった。

シャシー関係もゴルフらしく優等生。際立って剛性感が高いとか、ハンドリングがシャープとか、ではないが、何もかもがちょっとずつ良く、そして失点がない。例えばブレーキなどもカチッと制動力が立ち上がる。試乗車の動的なコンディションも、新車同様は言い過ぎかもしれないが、ほとんどヤレを感じさせないものだった。久々に「ゴルフらしいゴルフに乗ったなあ」、というのが試乗後の実感だ。

 

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年式・車名  2007 Volkswagen Golf Thanks Edition
形式  GH-1KBLP
寸法  全長4205mm×全幅1760mm×全高1520mm
ホイールベース  2575mm
車重    1320kg
駆動方式  前輪駆動(FF)
エンジン  1597cc 直列4気筒DOHC・4バルブ
最高出力  116ps(85kW) /6000rpm
最大トルク  15.8kgm (155Nm)/ 4000rpm


トランスミッション  6速AT
使用燃料/容量  プレミアムガソリン / 55L
10・15モード燃費  12.8km/L
タイヤ      195/65R15
最小回転半径   5.0m
発売時期     2007年1月
当時の新車価格  249万円


試乗車スペック

初年度登録   2007年2月
試乗日      2011年3月
販売価格    139万円(消費税込み)
走行距離    2万5900km
ボディカラー  ブラックマジック パールエフェクト
備考      ワンオーナー、社外DVDナビ・TV、シートヒーター(限定車に標準装備)
AIS評価点    -点

 

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「E」の特別仕様車、後年の「TSI」モデルの二択

オートプラネット名古屋にずらりと並ぶゴルフ5の一群

5代目ゴルフには、ほぼ全仕様に試乗してきたが、今回あらためて1.6リッターの「E」に乗って、「やっぱりゴルフは偉大だなあ」と痛く感心した。この「E」こそ、5代目ゴルフ本来の姿かも、と思ったくらいだ。正直言って、同年式の多くのライバル車(全部でははないが特に日本車)に比べて、確実に一枚上手だと思う。

ただ普通の「E」だと、アルミホイールではなかったり、ステアリングがウレタンだったりと、装備面で少し淋しいのも確かで、その点ではやはり今回のような限定車がいい。限定車と言っても、2007年に続けて登場した「サンクス エディション」「25M エディション」「オクターヴ」といった特別仕様車は、合わせると計3227台もあり、いわゆるタマ数としては十分。年式的にも、値段の手頃さから言っても、しばらくはユーズドゴルフの一角を占めるだろう。

 

もちろんモデルライフ後半に出た一連の「TSIエンジン+DCT」モデルも実にいいクルマであり、もし自分が乗るなら、そのどれかを選ぶと思う。ただ、特別にクルマ好きとは言えない家族や友人にすすめるなら、「E」の特別仕様車だっていい。なぜなら、燃費も含めて、性能としてはこれで十分であり、つまりVWらしい質実剛健なクルマになっているからだ。極端に安い物には手を出さないよう注意は必要だが(安さには必ず理由がある)、じっくり、賢く、経済的に乗れる輸入コンパクトとして、これ以上に手堅い選択はないだろう。

 

Text:丹羽 圭(Kei Niwa), DAYS
Photo:DAYS

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