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Uカー試乗記

Uカー試乗記

掲載日 : 2011年04月01日

2007 クライスラー クロスファイア クーペ

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SLKとは兄弟関係。生産はドイツ

試乗したクロスファイア クーペ

クライスラー「クロスファイア」は、2003年に発売された2人乗りの小型スポーツクーペ。かつてのダイムラー・クライスラー時代(1998~2007年)に企画・生産されたモデルであり、メルセデス・ベンツの初代SLK(1996~2004年)とは、プラットフォームやパワートレインを共有する間柄。生産自体もSLK同様、ドイツのカルマン社に委託されたため、その実体はドイツ製だ。

もともとはコンセプトカーとして2001年にデトロイトショーでデビュー。斬新なスタイリングはクライスラーによるオリジナルで、ボディタイプも電動メタルトップ式オープンのSLKとは異なり、クーペとされた。

クーペとロードスターの2本立て

こちらはクロスファイア ロードスター

日本での発売は2003年12月。エンジンはSLK 320と同じ3.2リッターV6・SOHC(最高出力218ps、最大トルク31.6kgm)で、日本仕様は5速ATの右ハンドルのみ。電動レザーシート、ESP、インフィニティ製オーディオ等は全車標準で、価格は490万円だった(消費税込みで514万5000円)。ボディカラーはシルバー、ホワイト、ブラックの3色。

2004年9月には、オープンモデルの「クロスファイア ロードスター」を追加。SLKと差別化すべく、ルーフはガラス製リアウインドウ付の電動ソフトトップ(幌)とされ、約22秒で開閉可能。ボディカラーはブラックとクラシックイエローの2色が用意された。



 

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コンパクトだが、迫力満点

全長4060mm×全幅1765mm×全高1305mm。ホイールベースはSLKと同じ2400mm

全長は4メートル少々と、初代SLKや初代アウディTT並みにコンパクト。ただしエクステリアデザインは迫力満点で、スーパースポーツのような得体の知れなさもある。

またクライスラーが得意としたレトロ&モダンなデザインテイスト、Cピラーからリアフェンダーにかけての「猫背」もユニークだ。さらにはボンネットからリアゲートにかけて走るセンタースパイン(背骨)と呼ばれるライン、そしてボディサイドのキャラクターラインが隠し味になっている。

 
タイヤサイズは前後で全く異なり、フロントは225/40ZR18、リアは255/35ZR19
電動リアスポイラーは約90km/hで立ち上がるほか、手動でも昇降可能
ダイムラー・クライスラー時代に採用された「ウイングバッジ」がグリル上部に備わる

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質感は?だが、カッコ良くて快適

シルバー塗装のパーツを多用したインテリア。試乗車にはステアリングにもシルバーの樹脂カバーが付いていた

デザイナーが描いたスケッチを、そのまま形にしたようなインテリアだが、シルバー塗装を施したパーツ類は全体にプラスチッキーで、その意味でもコンセプトカー風。

全体の空間構成や操作系は、なるほど確かにSLKと同じで、シートの座り心地もSLKに似ている。シート骨格もたぶん一緒だろう。

背もたれの後ろに手荷物を置くスペースが無いのもSLKと同じだが、クロスファイアの場合はキャビンとトランクがつながっているので、シートに座ったままトランクに荷物を放り込むことは出来る。このあたりはコルベットやフェアレディZ、Z3クーペなどと同じだが、荷室容量そのものはミニマムだ。

 
夜間はグリーンの透過照明でレタリングが浮かび上がる
シフトレバーは一見アルミ風だが、実際には樹脂製なので冷たくない
リアスポイラーの手動昇降スイッチ、牽引時のイモビカットスイッチはここ
 
電動レザーシートは座り心地、ホールド性、乗降性のバランスがいい
荷室はバルクヘッド、サスペンション、燃料タンク、マフラーに囲まれてこんな感じ
スペアタイアはなく、パンク修理キットを搭載
 

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メルセデス風であり、アメリカンでもある

欧州仕様の最高速は250km/h(リミッター作動)。Cd値(空気抵抗係数)は0.37

試乗したクロスファイアは、取材時点で約4年落ち、走行距離は1万8800km。ホイールのリムに若干のガリ傷はあったが、それを除けば内外装コンディションは良好で、販売価格は新車時の514万5000円に対して199万円。当方、クロスファイアを運転するのは今回が初だった。

キーを回すと「ズオン!」と火が入る3.2リッターV6エンジンは、正真正銘メルセデス・ベンツ製で、Cクラス、Eクラス、SLK等に搭載されたもの。ただしクロスファイアでは、心なしか排気音が図太く感じられる。

 
メルセデス・ベンツで定番だった3.2リッターV6・3バルブ(吸気2・排気1)ユニット

5ATも当時のメルセデス御用達のもので、今の基準で言うとスリップ感は多めだが、おかげでトルク感はたっぷり。アクセル全開ではズォォーンと豪快に加速し、ESPをカットすれば後輪を軽々と滑らせる。こんなところは「アメ車だなあ」と思う(ドイツ製だけど)。

ステアリング機構は一般的なラック&ピニオンではなく、メルセデスが最近までこだわって採用していたリサーキュレーティングボール式(=ボールナット式=ボール循環式)。クイックではないが、操舵感はとても滑らか。サスペンションもフロントがダブルウィッシュボーン、リアが5リンク=マルチリンクと、要するにSLK譲りだが、そのスポーツカールックとは違って、路面への当たりは柔らかい。

 
撮影はリアスポイラーをスイッチで上げた状態にして行った

ボディや足まわりにヤレ感はまったくなかったが、試乗車が履くミシュランパイロットスポーツは、おそらく工場装着時のもので、年数的には完全に賞味期限切れ。それでも、さすがにフロント18インチ、リア19インチだけあって、グリップ力はまだ生きていたし、乗り心地も意外に悪くなかった。タイヤを新調すればさらに良くなりそう。

 

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年式・車名  2007 Chrysler Crossfire Coupe
形式  GH-ZH32
寸法  全長4060mm×全幅1765mm×全高1305mm
ホイールベース  2400mm
車重    1400kg
駆動方式  後輪駆動(FR)
エンジン  3199cc V型6気筒SOHC・3バルブ
最高出力  218ps(160kW) /5700rpm
最大トルク  31.6kgm (310Nm)/ 3000-4600rpm


トランスミッション  5速AT
使用燃料/容量  プレミアムガソリン / 60L
10・15モード燃費  8.5km/L
タイヤ      前:225/40ZR18、後:255/35ZR19
最小回転半径   -m
発売時期     2003年12月
当時の新車価格  514万5000円(2004年~2007年)


試乗車スペック

初年度登録   2007年4月
試乗日      2011年3月
販売価格    199万円(消費税込み)
走行距離    1万8800km
ボディカラー  シルバー
備考      ETC付
AIS評価点    -点

 

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メカ的には限りなくメルセデス・ベンツ

オートプラネット名古屋に並ぶクロスファイア。後方のホワイトは走行4万2800kmで、価格は169万円

日本では2004年からデリバリーが始まり、2007年頃まで販売されたクロスファイアだが、実質的には大半が2004年モデルのようだ。仕様もほとんど変更されていないので、Uカーを探す場合は年式(初年度登録年)は気にせず、主に内外装コンディション、ボディカラー、走行距離の3つを見れば良いと思う。

またクロスファイアは基本設計や生産拠点などの点で、ほとんど限りなくメルセデス・ベンツだ。だとすれば、旧いCクラス等の例から言っても、メンテナンスに多少の手間とコストを惜しまなければ、10万kmを越えても乗り味は大して変化しないはず。実際、不具合も少ないようだ。乗ってもメルセデス風のマイルドな走りが好みという方なら、すんなり馴染めると思う。

 

それにしても、このクルマを見て「クロスファイアだ!」と一発で当てられる人は、滅多にいないだろうし、普通の人からすれば値段もさっぱり見当が付かないはず。ましてや相場が200万円未満とは、決して誰も思うまい。クロスファイアの魅力を一つだけ挙げるなら、それは「正体不明のカッコ良さ」。それに尽きる。

 

Text:丹羽 圭(Kei Niwa), DAYS
Photo:DAYS

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